世の中にはさまざまな投資法がありますが、どんな投資法であっても利益(儲け)が出れば税金がかかります。
「せっかく投資で利益が出たのに、税金を差し引いたら意外と儲けの部分が少なかった」
なんてことがないよう、投資を始める前に必ず税金の仕組みを理解しておくことが大切です。
そこで今回は、投資の利益にかかる税金の基礎知識と、税金を抑える方法について詳しく解説していきます。
すでに投資をしている人も、これから投資を始める人もぜひ、この機会に投資にかかる税金について考えてみてくださいね。
投資で得た利益には税金がかかる
投資で得た利益には、「所得税」と「住民税」の税金がかかります。税金のかかり方は、利益の種類によって異なります。
つまり、投資の税金を知るためにはまず利益の種類を知っておかなくてはならないのです。投資で得られる利益には、次の2種類があります。
- キャピタルゲイン
- インカムゲイン
同じ株式投資でも、キャピタルゲインを狙うのかインカムゲインを狙うのかで投資手法は異なります。投資手法が違えば得られる利益も、課税方法も変わってくるため、自分がどちらの利益を求めるのか明確にしておきましょう。
重要なポイントなので、それぞれの利益について詳しく解説していきますね。
キャピタルゲイン | 株式、債券、不動産、投資信託、金などの資産価値が上昇したとき、資産を売却することで得られる売買差益 |
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インカムゲイン | 株式の配当金や投資信託の分配金、不動産の賃貸収入など、資産を保有することで安定的に得られる利益 |
1.キャピタルゲイン
キャピタルゲインとは、株式や債券、不動産などの資産価値が上昇したときに生じる値上がり益のことです。つまり、ある資産を安く購入し、資産価値が上がった時点で高く売ったときの売買差益が、キャピタルゲインです。
キャピタルゲインは、うまくいけば大きなリターンを得られることが特徴ですが、購入した資産の価値が下落した場合には、逆にキャピタルロスという売買損失を被ることになります。
2.インカムゲイン
対してインカムゲインとは、株式や債券、不動産などを保有している間に生じる配当や利息などの利益です。インカムゲインは資産の保有によって生じる安定的な収益なので、損益が出るという概念はありません。
キャピタルゲインに比べるとリターンは小さいものの、確実に安定した収益を上げたい投資家には、インカムゲインが好まれます。
投資にかかる税金の種類
投資にかかる税金は、発生する利益や投資の種類によって異なります。投資の種類別に、発生する利益の種類や課税方法、税率を次の表にまとめました。
投資の種類 | 利益の種類 | 所得区分 | 課税方法 | 税率 | |
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株式 | 国内株式 | 売買益 | 譲渡所得 | 申告分離課税 | 20.315%※1 ※総合課税の場合は15%~55%の累進課税 |
配当金 | 配当所得 | 以下3つから選択可能 ・申告分離課税 ・源泉徴収 ・総合課税 | |||
海外株式 | 売買益 | 譲渡所得 | 申告分離課税 | 20.315%※1 ※総合課税の場合は15%~55%の累進課税 | |
配当金 | 配当所得 | 以下から選択可能 ・申告分離課税 ・源泉徴収 ・総合課税 | |||
債券 | 国内債券 (利付債) | 売買益 償還差益 | 譲渡所得 | 申告分離課税 | 20.315%※1 |
利子 | 利子所得 | 以下から選択可能 ・申告分離課税 ・源泉徴収 | |||
海外債券 (利付債) | 売買益 償還差益 | 譲渡所得 | 申告分離課税 | 20.315%※1 | |
利子 | 利子所得 | 以下から選択可能 ・申告分離課税 ・源泉徴収 | |||
投資信託 | 国内・海外株式投資信託 | 売買益 償還差益 | 譲渡所得 | 申告分離課税 | 20.315%※1 ※総合課税の場合は15%~55%の累進課税 |
分配金 | 配当所得 | 以下から選択可能 ・申告分離課税 ・源泉徴収 ・総合課税 | |||
国内・海外公社債投資信託 | 売買益 償還差益 | 譲渡所得 | 申告分離課税 | 20.315%※1 | |
分配金 | 利子所得 | 以下から選択可能 ・申告分離課税 ・源泉徴収 | |||
FX | 国内FX | 為替差益 金利差益 | 雑所得 | 申告分離課税 | 20.315%※1 |
海外FX | 為替差益 金利差益 | 雑所得 | 総合課税 | 15%~55%の累進課税 | |
仮想通貨 | 売買益 | 雑所得 | 総合課税 | 15%~55%の累進課税 |
※1:投資の利益にかかる税金は、本来20%(所得税15%、住民税5%)ですが、所得税は2037年12月31日まで復興特別所得税が課されます。そのため、2019年現在の税率は20.315%(所得税15.315%、住民税5%)です。
同じ株式投資でも、売買益(キャピタルゲイン)と配当金(インカムゲイン)という2つの利益があり、それぞれ所得区分や課税方式が異なることがわかります。各投資法の課税体系について、より詳しく見ていきましょう。
株式
株式には、国内株式と海外株式の銘柄がありますが、基本的な課税体系は国内も海外も同じです。ただし、海外株式は売買益や配当金を外貨から円に換算する必要があり、外国証券独自の注意点もあるので注意しましょう。
国内株式&海外株式 | |
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株式の値上がりによって生じる売買益 (キャピタルゲイン)【譲渡所得】 | 原則申告分離課税で、投資で得た利益に20.315%の税金が課される。本来は確定申告必要だが、源泉徴収ありの特定口座を利用すれば、確定申告不要になる。 |
株式を保有することで受け取れる配当金 (インカムゲイン)【配当所得】 | 課税方法は以下3つから選択でき、選択肢によって確定申告の有無や税率が変わる。 ・申告分離課税(税率20.315%/確定申告必要) ・源泉徴収(税率20.315%/確定申告不要) ・総合課税(累進課税/確定申告必要) |
キャピタルゲインにしてもインカムゲインにしても、一番簡単な方法は源泉徴収ありの特定口座を利用して、確定申告を不要にする方法です。この方法であれば、利益が出てもその都度税金が差し引かれるため、税金の申告に手間がかかることはないでしょう。
ただし、インカムゲインを受け取るとき、源泉徴収ありの確定申告不要制度を利用する場合は注意が必要です。インカムゲインの課税方法は選択式で、源泉徴収を選ぶと税率は20.315%、総合課税を選ぶと税率は15%から55%と異なります。
所得額によっては総合課税の方がお得になることもあるので、自身の所得額や損益の状況に応じて適した課税方法を選択しましょう。
債券
債券は国内外でさまざまな種類がありますが、ここでは一般的に広く流通している国内外の利付債(満期まで定期的に利息が支払われる債券)の税金を記載しています。
国内債券と海外債券は、基本の課税体系は同じです。ただ、海外債券は国内債券と少し異なり、外国課税の調整などがあるので気をつけましょう。
国内債券(利付債)&海外債券(利付債) | |
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債券の満期償還や売却によって生じる売却益・償還差益 (キャピタルゲイン)【譲渡所得】 | 申告分離課税で、投資で得た利益に20.315%の税金が課される。本来は確定申告必要だが、源泉徴収ありの特定口座を利用すれば、確定申告不要になる。 |
債券の保有により定期的に受け取れる利息(インカムゲイン)【利子所得】 | 課税方法が以下2つから選択でき、選択肢によって確定申告の有無や税率が変わる。 ・申告分離課税(税率20.315%/確定申告必要) ・源泉徴収(税率20.315%/確定申告不要) |
国内外の債券についても、キャピタルゲイン・インカムゲイン同様に、源泉徴収ありの特定口座内で取引が可能です。源泉徴収ありにすれば確定申告不要になるため、税金の申告を簡単にすませたい人におすすめです。
投資信託
投資信託には、投資対象に株式も含めることができる「株式投資信託」と、公社債のみを投資対象とする「公社債投資信託」の2種類あり、それぞれ国内と海外籍(※)のものがあります。
株式投資信託も公社債投資信託も、国内外を問わず基本の課税体系は同じです。しかし、株式と公社債投信ではインカムゲインの所得分類が違う点、海外籍の場合は国による為替レートの違いがあるので注意しましょう。
※1:日本の投資信託市場で販売されている投資信託はほとんどが日本で設定されている日本国籍のものです。諸外国へ投信する投資信託でも、日本で設定されているものはすべて日本国籍になります。
国内・海外株式投資信託 | |
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投資信託の値上がりによって生じる売買益・償還差益※1 (キャピタルゲイン)【譲渡所得】 | 申告分離課税で、投資で得た利益に20.315%の税金が課される。本来は確定申告必要だが、源泉徴収ありの特定口座を利用すれば、確定申告不要になる |
投資信託の保有により受け取れる分配金 (インカムゲイン)【配当所得】 | 課税方法が以下3つから選択でき、選択肢によって確定申告の有無や税率が変わる ・申告分離課税(税率20.315%/確定申告必要) ・源泉徴収(税率20.315%/確定申告不要) ・総合課税(累進課税/確定申告必要) |
国内・海外公社債投資信託 | |
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投資信託の値上がりによって生じる売買益・償還差益※1 (キャピタルゲイン)【譲渡所得】 | 申告分離課税で、投資で得た利益に20.315%の税金が課される。本来は確定申告必要だが、源泉徴収ありの特定口座を利用すれば、確定申告不要になる |
投資信託の保有により受け取れる分配金 (インカムゲイン)【利子所得】 | 原則は源泉分離課税になるため確定申告不要だが、申告分離課税を選択することもできるため、選択肢は以下2つとなる。総合課税は選択できない ・申告分離課税(税率20.315%/確定申告必要) ・源泉徴収(税率20.315%/確定申告不要) |
※1:償還差益とは:運用期間があらかじめ設定されている投資信託の場合、償還日が来ると自動的に投資信託が解約されるため、償還日時点で資産価値が値上がりしていれば生じる利益のこと。
なお、株式投資信託で得られるインカムゲイン(分配金)には「特別分配金(元本払戻金)」と「普通分配金」がありますが、課税対象になるのは普通分配金です。特別分配金は投資元本の払い戻しであるため、非課税になっています。
FX
FX(外国為替証拠金取引)は店頭デリバティブ取引と市場デリバティブ取引がありますが、いずれも課税体系は同じです。ただ、国内の取引所で行う国内FXと海外の取引所で行う海外FXとでは、課税体系が大きく異なるので気をつけましょう。
国内FX | |
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海外の通貨を売買した際に生じる為替の違いにより得られる為替差益 (キャピタルゲイン)【雑所得※1】 | 原則申告分離課税で、投資で得た利益は※1「先物取引に係る雑所得等」として20.315%の税金が課される。同じ雑所得でも海外FXとは異なり、国内FXの税率は分離課税により20.315%で固定されている。 株式や投資信託で用意されている特定口座という仕組みがないため、源泉徴収はできず、確定申告が必要。 |
低金利通貨を売って高金利通貨を買ったときに生じる金利差により得られる金利差益(スワップポイントと言う) (インカムゲイン)【雑所得※1】 |
海外の通貨を売買した際に生じる為替の違いにより得られる為替差益 (キャピタルゲイン)【雑所得】 | 原則総合課税で、投資で得た利益は雑所得として他の所得(給与所得など)と合算されて税率が決まる。 所得額により税率は15%~55%と幅がある。源泉徴収はできず、確定申告が必要。 |
低金利通貨を売って高金利通貨を買ったときに生じる金利差により得られる金利差益(スワップポイントと言う) (インカムゲイン)【雑所得】 |
国内のFXは、いくら稼いでも税率は一律で20.315%と決まっています。対して、海外FXは総合課税のため、利益だけ分離して課税するという仕組みがありません。
海外FXの場合は、投資による利益に給与所得などを含めた個人の所得総額により、税率が決まります。つまり、海外FXでは儲けや所得が多くなればなるほど税率も高くなるので注意が必要です。
仮想通貨
仮想通貨の基本的な課税体系は、海外FXと同様に原則として総合課税です。
仮想通貨 | |
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仮想通貨の値上がりによって生じる売買差益(キャピタルゲイン)【雑所得】 | 個人が所有する仮想通貨で生じた利益は原則総合課税。投資で得た利益は雑所得となり、他の所得(給与所得など)と合算されて税率が決まる。 所得額により税率は15%~55%までと幅がある。源泉徴収はできず、確定申告が必要。 |
仮想通貨の保有に応じて生じる利益 (インカムゲイン)【雑所得】 ※一部の仮想通貨でのみ発生 |
仮想通貨は利益の種類に関わらず、投資で得た利益は雑所得として総合課税で計算されます。つまり、儲けや所得が多いほど税率も高くなるのが特徴なのです。
分離課税の税率と比べると、税率が高いと感じる人もいるでしょう。ただ、総合課税と分離課税はそもそも税金の発生の仕方が違うので、比較する際は以下を理解しておくことが大切です。
総合課税と分離課税の違い
仮想通貨や海外FXでは、投資にかかる税金だけ切り分けて計算することがないので、税額を考えるときは個人の所得額全体で考えなければならないのです。
- 株、投資信託、債券、FX(総合課税を選択しない場合):分離課
投資で得た利益にかかる税金と、個人の給与や事業所得にかかる税金は別物。
- 海外FX、仮想通貨:総合課税
投資で得た利益にかかる税金と、個人の給与や事業所得にかかる税金は合算される。
確定申告が必要な場合
投資における利益によって税金が発生すれば、税金を納めるため、確定申告が必要になります。
確定申告が必要になる主なケースを表にまとめました。
確定申告が必要となるケース
給与所得のある会社員以外 (自営業者や不動産オーナーなど) | 投資で得た利益額にかかわらず、一定の課税所得(事業所得など)が発生する場合 |
給与所得のある会社員 | 給与所得と退職所得を除く所得(投資で得た利益を含む)の合計額が20万円以上の場合 |
源泉徴収対象となる給与を2か所以上から受けていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円以上 | |
給与の収入金額が2000万円以上 |
※上記以外の確定申告が必要な場合の条件は、下記を参考にしてください。
- 「確定申告が必要な方」(国税庁)
自営業者や不動産の賃貸収入で暮らす人の場合、少しでも課税所得があれば投資の利益がいくらあっても確定申告が必要です。給与所得がある人の場合は、年間20万円以上の利益(所得)があれば確定申告が必要ですが、20万円以下の場合確定申告は不要です。
確定申告不要でも住民税の申告は必要
確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になるケースがあります。確定申告が不要になるケースと、住民税の申告が必要になるケースを表にまとめました。
①源泉徴収ありの特定口座を利用している |
②投資で得た利益が非課税になる、NISA(少額投資非課税制度)口座内で取引している |
③給与所得者で、投資で得た利益(給与所得と退職所得を除く所得)が年間20万円以下 →住民税の申告が別途必要 |
①の場合、特定口座を用意している証券会社や銀行が所得税・住民税を源泉徴収して納税を完了させているため、個人で別途確定申告する必要はありません。
②の場合は、そもそも投資で得た利益が非課税になっているため、確定申告は不要です。
上記の中で注意すべきケースは③です。③の場合、確定申告は不要ですが、「年間20万円以下」は所得税の納税における特例なので、住民税は関係ありません。
通常、確定申告をしている人は確定申告データが自動的に自治体に送られるため、住民税の申告は必要ありません。しかし、確定申告をしていない場合は、住民税だけの申告が別途必要なのです。
住民税の申告は各自治体で行いますので、最寄りの自治体窓口で申告方法について確認しておきましょう。
投資にかかる税金を抑える方法
せっかく投資をするのであれば、投資の利益にかかる税金はできるだけ抑えたいですよね。
投資にかかる税金を抑える方法を、投資手法別にご紹介します。
株式・ETFをするなら!一般NISA
株式やETF(上場投資信託)投資をする場合、一般NISAを活用するのがおすすめです。
一般NISA(少額投資非課税制度)とは、NISA口座内での投資にかかる利益が非課税になる制度の一種です。
【一般NISAの特徴】
- 投資で得た利益が非課税になる
- 国内外の株式やETFに投資できる
- 非課税期間は最長10年
- 年間120万円まで非課税で投資できる
- 非課税期間中の売買は自由
一般NISAのメリットは、株やETFの取扱が多く年間120万円までと比較的多額の投資が非課税になる点です。株式の場合は最低取得単価が大きな銘柄もあるので、投資額が大きくなりがちな銘柄でも気兼ねなく投資できるのはうれしいポイントです。
投資信託をするなら!つみたてNISAかiDeCo
投資信託へ投資する場合、おすすめの節税方法はつみたてNISAかiDeCoです。
【つみたてNISAの特徴】
- 投資で得た利益が非課税になる
- 国内の投資信託、ETF(数は少ない)に投資できる
- 非課税期間は最長20年
- 年間40万円まで非課税で投資できる
- 非課税期間中の売買は自由
つみたてNISAとは、NISA口座内での投資にかかる利益が非課税になる少額投資非課税制度の一種で、先ほど紹介した一般NISAをより長期投資向けにした制度です。つみたてNISAは金融庁が長期投資に適していると認めた投資信託(おもにインデックス型投資信託)が厳選されていることが大きな魅力です。
コツコツと長期で資産形成したい人や、金融庁お墨付きの投資信託に投資したい人におすすめです。
【iDeCoの特徴】
- iDeCo内で商品に拠けた金額が全額所得控除の対象になり、利益も非課税になる
- 国内の投資信託、元本確保型商品(保険や定期預金)に投資できる
- 60歳まで資金の引き出しができない
- 年額14.4万円~81.6万円まで非課税で投資できる
- 口座の維持管理手数料として、最低月額167円かかる
iDeCoとは、確定拠出年金法に基づく私的年金の一種です。投資の利益にかかる税金だけでなく、個人の所得税・住民税全体の節税効果も期待できることが魅力です。毎月口座管理手数料がかかる点がネックですが、長期的に投資信託に投資していくのなら、手数料以上の利益と節税効果が期待できます。
所得が低い場合総合課税方式の投資がお得
給与所得や投資で得た利益を含め、全体の所得額が低い場合は総合課税方式の投資がお得になることが多いです。総合課税方式でできる投資法としては、先ほど紹介した「海外FX」や「仮想通貨」の他に、クラウドファンディングの一種である「ソーシャルレンディング」(インターネットで間接的な融資を行うことにより、貸付金に付く利息を利益として得られる新しい投資法)があります。
これらの投資法は、すべて投資にかかる利益が総合課税になるため、年間の雑所得額が20万円以下であれば確定申告は不要です。投資はしたいけど、利益より安定を追求したい人、税金は極力抑えたい人、課税所得はできるだけ増やしたくない人の場合、総合課税方式の投資を考えるのも良いでしょう。
まとめ
投資にかかる税金の基礎知識などを解説してきました。重要なポイントをまとめると、次の3点があります。
- 投資の利益にはインカムゲインとキャピタルゲインがあり、それぞれ課税方式が異なる
- 投資種類によって課税体系は異なるが、基本の課税方式は分離課税か総合課税
- 株式・債券・投資信託・国内FX→分離課税で税率20.315%
- 海外FX・仮想通貨→総合課税で税率15%~55%
- 投資にかかる税金を抑えたいなら、一般NISA、つみたてNISA、iDeCoの活用がおすすめ
投資を始めるときはつい「いくら儲けられるか」ばかり考えてしまいがちです。しかし、投資で得た利益には必ず税金がかかります。
「儲けが出たらどれくらい税金がかかるのか」という点もあわせて、自分に適した投資法を選んでください。