資産運用を検討する上でファンドの活用は欠かせません。
専業トレーダーならまだしも、サラリーマンだと市場にはりついて売買に参加することができないためです。
ファンドならばプロの投資家に自分の資金を託すことで、効率の良い資産運用をすることができます。
一方で、危ないファンドと信頼できるファンドを見分ける必要があるのもまた事実です。
本記事では信頼できるファンドの探し方について解説します。
大切な資産を守るためにファンドの選び方を勉強していきましょう。
1、良いファンドのチェックポイント5つ
まずは良いファンドのチェックポイントを5つ挙げていきます。
(1)適正な管理がされているか?チェック
ファンドが資金を「どこで」保有管理しているかチェックしましょう。
ファンドではなく、第三者が資金を管理している状態が望ましいです。
一般的な投資信託ではこの第三者が信託銀行になります。
ファンド自身が資金を管理していると、万が一破綻した場合運用していた資産が無価値となっているリスクがあります。
「危ないと思ったら解約すればよい」とも思いますが、悪質なファンドだと資金状況を隠蔽している可能性すらあります。
リスクを下げるならば資金を第三者にて管理しているファンドが望ましいです。
(2)ファンドマネージャーをチェック
ファンドマネージャーもファンドを選ぶ上で大切なファクターです。
どの銘柄をいつ、どれくらいの株数で売買および保有するかを判断し、運用パフォーマンスの責任を持ちます。
ファンドマネージャーはまさに「ファンドの顔」といったところで、ファンドマネージャーの良し悪しでファンドの運用成績が決まります。
良いファンドマネージャーと判断するには以下の要素をチェックしましょう。
①これまでのキャリア
ファンドマネージャーの実力および特徴はキャリアに表れます。
出身大学・専攻から職歴・役職は公表されている場合が多いので確認しましょう。中でも職歴は現在の仕事にも繋がるので要チェックです。
例えば、ファンドの方針として現在海外企業の投資を積極的に行うのであれば、ファンドマネージャーに海外投資の職歴があるかが重要になります。
②過去の運用実績
上記で説明したキャリアの成果は、過去の運用実績に数字として反映されます。
特にチェックすべきはリーマンショックのような市場全体が荒れた時期の成績です。
恐慌時でも変わらずに利益を上げ続けるのが、実力あるファンドマネージャーだからです。
また、直近の運用実績も重要です。相場の世界はトレンドの移り変わりが激しく、過去の戦略が今は通用しないようなことはよくあるためです。
(3)トラックレコードのチェック
トラックレコードとはファンドの過去の運用実績のことです。
こちらも上記で説明した通り、リーマンショック前後と直近の運用実績を見ると良いでしょう。
株価というのは無数の要素(景気、世界情勢、業績、投資家たちの思惑など)が密接に絡まり合って決定されるものです。
一般投資家にそれを読み切るのは不可能に近く、優良ファンドをもってしても難しいです。
唯一、一般投資家が優良ファンドを定量的に見極める方法がこのトラックレコードなのです。
複数のファンドのトラックレコードを比較するだけでも、良いファンドを選ぶに十分な判断材料と言えるでしょう。
(4)ファンドの大きさをチェック
ファンドの大きさにも注目しましょう。
大きさとは、ファンドの純資産総額のことです。純資産総額の大きいファンドには以下のメリットがあります。
①十分な分散投資が行える
投資の基本は分散投資です。分散投資を行うことでリスクを抑えることができるため、大きな損失を免れることができるためです。
分散投資のためには複数の銘柄に投資できるだけの資金力が必要となるので、ファンドが大きいとそれだけ上手な分散投資ができるのです。
②規模のメリットによる経費率低下
規模が大きいとスケールメリットがはたらき、経費などの中間費用を抑えることができます。
ファンド間で比べた際、投資による利益と比べると決して大きな差でありませんが、効率の良い運用に繋がるのでメリットとなります。
(5)指標はどうかチェック
ファンドにはインデックス指標と呼ばれる成績表のようなものが存在します。リサーチ会社がファンドごとにインデックス指標を決定し、公表します。
最も有名なリサーチ会社にHFRグループが運営するHFRXがあります。
特徴としては以下です。
- 各ファンドの月次リターンが公表されている
- 登録ファンドが7,000社を超えている
- 優良ファンドの資産額の加重平均指数がわかる
透明性の高さと登録ファンドの多さから、HFRXは実質的な業界水準の指標となります。
HFRXが公表するインデックス指標には「HFRI Monthly Performance Index」というのが存在し、2,000社ものファンドの月ごとの平均リターンを公開しています。
このインデックス指標に目を通せば、登録している会社の月ごとのリターン額が一目で分かります。
こういった指標に注目することも、信頼できるファンドを判断するために有効です。
2、詐欺ファンドを見極めるポイント
世の中にはファンドが溢れており、その中には詐欺とも呼べるようなファンドも存在します。
以下の点に当てはまった場合、詐欺ファンドの可能性があるので入念にチェックしましょう。
(1)高利回りを売りにしている
根拠のない高利回りを謳っているファンドには注意が必要です。
利回りが20%と発表していたとしても、今後の利回りがその通りになるかは分からないためです。
仮に過去の実績が高利回りだったとしても、算出方法がブラックボックス化されているような会社は信用することは難しいのです。
あくまでも利回りは結果としてついてくるものですので、高利回りのみを売りにするようなファンドには注意が必要です。
(2)特有のビジネスを投資先にしている
基本的にファンドは金融商品(株や債権、不動産)に対して投資をするものですが、しばしば「電力」「農業」など特有のビジネスに投資をするファンドも存在します。
金融商品と比較して、これらビジネスの収益性を評価することは難しいため有識者でない限りは避けたほうが無難です。
まとめ
信頼できるファンドの探し方について解説しました。
大切な資産を運用してもらうわけですから、しっかりと調査した上で自分に合ったファンドを採用できると良いでしょう。