投資家のみなさん、ヘッジファンドを知っていますか?
恐らく商品を買うなど、直接関わったことはなくとも、言葉だけは聞いたことがある方が多いと思います。
ヘッジファンドが相場に与える影響は大きく、しばしばニュースにも取り上げられるほどです。
最近では、個人投資家でも、ヘッジファンドを利用した投資で利益をあげやすくなってきています。
特に海外では、ヘッジファンドに投資することは一般的で、実は投資の選択肢として広く普及しているのです。
本記事では、ヘッジファンドの魅力から購入方法までを網羅的に解説します。
ヘッジファンドに興味のある方はぜひチェックしてみてください。
1、ヘッジファンド投資は魅力的
ヘッジファンド投資では、プロの投資家が一般投資家から資金を集めます。
集めた資金を元に複数の銘柄に投資を行い、運用益をリターンとして一般投資家に返します。
実質的に一般投資家はプロの投資家に資金を運用してもらうこととなり、自身で銘柄について深く調査せずとも安定した利益を狙うことができます。
上述の特徴を見ると、「投資信託」と何ら変わらないようにも見えるでしょう。
しかし、投資信託とヘッジファンドには大きな違いがあります。
それは徹底的な利益追求の考え方です。
ヘッジファンドは何よりも大きなリターンを狙うのです。
ヘッジファンドを「絶対利益型」と呼ぶならば投資信託は「相対利益型」と呼ぶことができます。
日経平均株価やダウ工業平均株価などの経済指標をベンチマークとして設定し、そのベンチマークを上回る成果を出すことを目標としています。
投資信託とヘッジファンドの違いがよく分かる出来事として、リーマンショック時の戦術があります。
リーマンショック時には世界中の株価が軒並み暴落し、多くの経済指標が下落しました。
結果、経済指標にある程度連動する仕組みである投資信託も資産価値を大きく下げてしまいました。
一方で、ヘッジファンドの中にはリーマンショックを予期し、空売りで莫大な利益を生み出したものもありました。
ちなみにこの出来事は「マネー・ショート」として映画化されています。
映画化されるほど鮮やかな戦略だったということです。
2、ヘッジファンドの募集方法は?
ヘッジファンドの募集方法は特徴的です。
一般的な投資信託は誰でも買付ができる「公募形式」をとっていますが、ヘッジファンドは「私募形式」です。
投資信託とは異なり、公に募集をかけずヘッジファンドが直接投資家に営業をすることが多いです。
なお、ヘッジファンドを買付けする場合最低投資額に注意が必要です。
最近の投資信託は非常に小さい投資金額(数千円〜)から始めることができますが、ヘッジファンドだと比較的大きな投資金額が必要となってきます。(数百万〜)
3、ヘッジファンドの購入方法
具体的に、ヘッジファンドの購入方法を解説していきます。
(1)証券会社
金融証券を購入する場合、真っ先に思い浮かぶのが証券会社です。
注意しなければいけないのは日本国内ではヘッジファンドが金融庁の登録要件から外れていることです。
すなわち、国内の証券会社で取り扱っているファンド系の金融商品は純粋なヘッジファンドではないということです。
あくまでも、ヘッジファンドに連動して利益を生み出す仕組みの金融商品(類似商品)となります。
もちろん、類似商品でもヘッジファンドの恩恵を受けることはできますが、純粋なヘッジファンドに投資したい場合は海外の証券会社の利用も視野に入れましょう。
(2)プライベートバンク
プライベートバンクではヘッジファンドを購入することができます。
プライベートバンクとはもともとスイスで発祥し、資産額が一定以上の富裕層の顧客を対象に資産管理や資産運用のサービスを提供する金融機関です。
日本では、クレディ・スイス銀行、三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券などが有名です。
プライベートバンクを利用すれば証券会社とは異なりヘッジファンドに直接投資が可能となります。
私募形式であるヘッジファンドは情報が公には出ず、プライベートバンクのようなクローズドな場所にしか出ないためです。
(3)投資助言会社を利用する
投資助言会社を利用し、ヘッジファンドの購入に繋げる方法もあります。
投資助言会社とは金融商品取引業者の1つで、投資家からお金をもらい投資家の立場からアドバイスをする業態です。
証券会社等の販売会社が、ファンドや発行体のために働き手数料を得る業態であるのに対し、投資助言会社はコンサル的な役割を果たします。
注意しなければいけないのは、あくまでもヘッジファンドの購入手続きをするのは自分と言うことです。
得た情報から実際にヘッジファンドとコンタクトをとり、購入の手続きを進める必要があります。
とは言え、購入の方法も投資助言会社の方がフォローしてくれるのでそこまで心配はいらないでしょう。
4、ヘッジファンドの実績
ヘッジファンドは「利益追求」の考えのもと運用されています。
結果として、年10%以上の利回りを10年以上継続している金融商品はヘッジファンドのみというデータがあります。
というのも、ヘッジファンドの投資戦略に空売りが存在するためです。
空売りとは、ある企業の株価の下落を予期した場合に、「貸株」と呼ばれる株式を他の金融機関(生命保険会社等)から借りて売却します。
予想通り株価が下落した後に株式を買い戻し貸株を借りた金融機関に返します。
空売り戦略により、相場全体が下落局面となってもヘッジファンドだけは利益を上げ続けることが可能となるのです。
他の金融商品と比較してもヘッジファンドの優位性は際立ちます。
例えば、資産運用の王様とも呼ばれる不動産投資では「表面利回り10%」でも「実質手取り3%」というのが現状です。
理由としては、日本の人口の減少による空き屋率の上昇やローンの返済などが挙げられ、利回り減少のリスクや負債の側面があります。
あらゆる局面で継続的に利益を出すことができるヘッジファンドこそが資産運用に向いていると言えます。
5、今注目の国内投資会社とファンドの紹介
今注目されている国内の投資会社とファンドを紹介します。
(1)投資会社JapanAct
Japan Actは、2018年に設立されたばかりですが、すでに投資先の株式を『1.1パーセント』保有し、投資先への株主提案を行うなど積極的に活動しています。
Japan Actの特徴は、短期的な利益を追及せず、中長期的な投資スタンスで経営陣との対話を通じた関係構築を図り、企業価値・株主価値向上を目指すアクティビスト投資です。
(2)アズカルアセットマネジメント
2005年に設立された実力派のヘッジファンドです。
特筆すべきは相場下落時の徹底した利益追求で、リーマンショック時にはなんと22%の利回りを実現しています。
そのように安定した利益を出すための武器が理論価格の追求です。
企業のデータを用いて算出した株の本質的な価格を現実の株価と照らし合わせることでバリュー投資を確実にしているのです。
(3)ヘッジファンド証券
2011年に設立された証券会社です。
純粋なヘッジファンドとは異なり、「ファンドオブファンズ」と呼ばれる戦略をとっています。
ファンドオブファンズとはいわゆるファンドの投資信託で、間接的にヘッジファンドを購入することができます。
最大のメリットは最低投資金額で、100万円以上から投資を始めることができます。
ヘッジファンドを始めたいけど開始資金が多くない方におすすめのヘッジファンドです。
まとめ
ヘッジファンドの特徴や購入方法を解説しました。
近年はオルタナティブ投資を始める個人投資家が増え、ヘッジファンドも今後さらに注目されることでしょう。
特に海外の資産家達にとってヘッジファンド投資は一般的です。
日本国内の投資家も積極的にヘッジファンド投資を取り入れ、さらなる利益をあげていくべきでしょう。