積立投資のおすすめ商品5選!初心者が抱く5つの投資信託の疑問も解決

老後の年金が足りず、2,000万円を自力で用意しなければならないというニュースが広がり、投資に関心を持つ人が増えています。

投資の中でも始めやすいのが「積立投資」です。いきなり大きなお金を投資するのではなく、毎月、数千円から数万円を無理のない範囲で積立していくことがおすすめです。

この記事では、積立投資に興味を持っているあなたのために、積立投資の初心者が抱く疑問への答えや、おすすめの銘柄について解説していきます。積立投資について理解を深め、お金を増やしていきましょう。

積立投資を始める際によくある疑問

まずは、積立投資を始める前に抱く疑問について解説していきます。積立の最少額はいくらなのか、どんな商品があるのかなど、基本的なことはこの項目を読めば丸わかりです。

疑問1:月々いくらから始められる?

まず、積立できる商品で代表的なものは「投資信託」です。

口座を作る証券会社の決まりにもよりますが、一般的には1,000円から、一部のインターネット証券会社では100円からスタートできます。100円から始められるなら、缶コーヒー1杯を我慢して投資に回せば良いのですから、お金に余裕がなくても頑張れるのではないでしょうか。

投資信託を積み立てる場合、毎月一定額を積み立てていく人が多いです。例えば、毎月1,000円積み立てるなら、1年間で1万2,000円になります。投資で利益が得られれば、1年間頑張って積み立てた1万2,000円は、もっと増えているかもしれません。

なお、例として毎月積み立てるケースを説明しましたが、必ず「毎月」でなくても大丈夫です。毎日、毎週少しずつ積み立てていく方法もありますし、ボーナス(賞与)が出たときに普段より多く積み立てることもできます。

普段は毎月1,000円だけど、ボーナスが出る月は3,000円、といったように積立額を設定することができるのです。

疑問2:どんな商品がある?

投資商品には、投資信託や株式、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)などさまざまな商品があります。この中で定期的に決まった金額の積立ができるものは、基本的に投資信託と株式です。

つまり、積立投資がしたいなら、投資信託か株式に投資しましょうと言い換えられます。

 

投資信託と株式を比べると、投資信託の方が初心者にとって始めやすいです。株式は「株式累積投資」という仕組みを利用することで株価に関わらず積立投資することができますが、銘柄選びが難しいです。

なぜ株式は銘柄選びが難しいかと言うと、「これから上がる株式」を見つけることがとても難しいからです。投資に慣れていて自力で財務諸表などを読んで分析し、掘り出し物の銘柄を見つけたいという人には株式をおすすめできますが、万人向けではないことも確かです。

 

これから積立投資を始める人は、投資信託からスタートしてみてはいかがでしょうか?投資信託なら銘柄選びなどを経験豊富な運用会社に任せることができるので、投資に慣れていない人も手を出しやすいですよ。

疑問3:投資信託は何種類買える?

積立投資をする場合、投資信託は何種類でも同時並行で積み立てることができます。購入制限などはないため、気になった銘柄を少しずつ積み立てていくことが良いでしょう。

また、「AとBの投資信託はどちらも良さそうなので、片方に絞れない」といった場合には、少額ずつAとBを積み立てていくことも可能です。

 

実は、リスク分散の観点で考えると、投資信託は1本に絞るのではなく、いくつか同時並行で積み立てていくのがおすすめです。

例えば、日本の株式に投資する投資信託と、米国の株式に投資する投資信託があったと仮定しましょう。片方に全ての資金を投資するのではなく、半分ずつ振り分けることが一般的です。

 

将来の株価は誰にも分からないので、日本株の方が儲かるのか、米国株の方が儲かるのか、投資する段階ではわからないもの。また、どの株が大暴落するのかも予想できません。

そのため、幅広い投資先にお金を振り分けておいた方が、ある株の成長を取りこぼしにくく、ある株の暴落の影響を受けにくくなります。

疑問4:貯金と積立投資の違いは?

積立投資の前に、しっかり貯金はしていますか?貯金では利息がほとんどつかないため、投資に興味を持っている人が多いと思いますが、資産形成には貯金も重要です。

貯金も積立投資も、毎月決まった金額をつぎ込むためよく似ています。ですが、最も大きな違いは、貯金は元本保証、積立投資は元本保証がないことです。

 

貯金の場合、利息は0.001%ほどと少ないですが、元本割れはしません。「銀行にお金を預けていたらいつのまにかお金が減っていた」ということは起こりません。

一方、積立投資は元本保証型の商品ではありません。リスクを取って株式などを買うことが投資なので、買ったときよりも株価が下がれば元本割れとなってしまいます。

 

投資信託の利回りは1%から3%ほどで、貯金よりも圧倒的に高利回りです。しかし、貯金は元本が保証されているのに対し、投資は元本が保証されていません。

利回りが高いからといって貯金より投資の方が必ず優れているわけではないことを頭に入れておきましょう。

疑問5:月々の積立のタイミングはいつが良い?

毎月一定額の積立投資をする場合、証券会社によってはお金を拠出する日を選べることがあります。「何日にしたら良いの?」と考え始めると、なかなか結論が出ずに困ってしまう方もいるでしょう。

投資信託は、毎月何日は安く買えるといった類のものではないため、基本的に何日に設定しても構いません。毎月1日に積立をする人と、15日の人とで大きくパフォーマンスが変わるということはないでしょう。

 

もしどうしても迷うようなら、給料日の翌日や翌々日に設定しておくことが良いでしょう。お給料が振り込まれた直後に積立をすることで、天引きのようなイメージで積立投資をすることができます。

特に、「投資を長く続けられるかわからない」といったように自信のない人は、給料日の直後に積立する設定にしてみてはいかがでしょうか?

疑問6:自由にやめられる?

積立投資を始めても、事情が変わって積立をやめなければならなくなったり、お金が必要になって積み立てたお金を取り崩したくなったりすることはあるでしょう。このようなとき、投資信託は自由に解約できるので安心してください。

また、掛け金の変更も簡単です。「今までは1,000円だったけど、2,000円に増額したいな」という場合や、「やっぱり500円に減額したい」といった場合も簡単に変更できます。

インターネット証券会社で積立をしているのであれば、24時間いつでも手続きできます(変更が反映されるタイミングは各証券会社の決まりによります)。

 

ただし、個人型確定拠出年金(iDeCo)の場合は、原則として60歳まで引き出すことができません。これは老後の年金を積み立てるための仕組みなので、iDeCoを始める人は、自由なタイミングで引き出せないことを理解した上で始めましょう。

疑問7:倒産したらどうなる?

投資を始めるときに最も心配なのは、「証券会社が倒産したら自分のお金もなくなってしまうかも」ということではないでしょうか?投資信託の場合、顧客の資産を管理するのは証券会社ではないので、証券会社が倒産しても基本的には顧客の財産に影響はありません。

 

投資信託で顧客の財産を管理するのは信託銀行です。「では、信託銀行が倒産したら顧客のお金はどうなるのか?」と気になるところですが、基本的には問題ありません。

信託銀行には自社のお金と顧客のお金を分けて管理する「分別管理」が義務付けられています。そのため、信託銀行が倒産しても顧客の資産が失われることはありません。

 

信託銀行が倒産した場合、そのときの基準価額で投資信託が解約されて投資家にお金が戻ってくるか、別の信託銀行に資産が移管されて投資信託が続けられるかのどちらかです。

証券会社も信託銀行も倒産しないに越したことはありませんが、仮に倒産した場合でもあなたのお金は無事なので安心してください。

積立投資は簡単だけど成功しやすい理由

ここまで、積立投資を始める前によくある疑問点について解説してきました。少額から始められ、また好きなときに解約したり掛け金を変えたりできるので、初心者でも気軽に始められることをご理解いただけたでしょう。

積立投資の魅力の一つは手軽さです。「簡単なら収益性が低いのでは?」と感じられてしまうかもしれませんが、きっちり利益を出せるというメリットもあります。

続いて、簡単だけど成功しやすい積立投資の特徴について紹介していきましょう。

理由1:安いときにたくさん買える

積立投資は、一定の間隔(毎月など)で自動的に買い付けしていく投資法で、「ドルコスト平均法」と呼ばれるものです。売買のタイミングを投資家が見定めるのではありませんが、実はドルコスト平均法は儲けを出しやすい投資法なのです。

一般的に、株式などの投資商品は「安いときに買って高いときに売る」ことで利益を出すイメージがあるでしょう。確かに、安く買って高く売れれば大きな利益を手にすることができますが、実際に上手いタイミングで売買するのは至難の業です。

安くなったと思って買ったら、もっと価格が下がって損をしてしまうこともあるのです。したがって、タイミングを図った売買は必ずしも上手くいくものではありません。

 

それに対し「ドルコスト平均法」はタイミングを決めず、一定の期間を置いて淡々と一定額を買い付けしていく方法です。毎月積み立てる金額が決まっているため、投資信託の基準価額が低いときは口数を多く、基準価額が高いときは口数を少なくして積み立てることができるのです。

実は、ドルコスト平均法で積み立てる方法は、安いときにたくさん買うことができ利益を出しやすい仕組みなのです。

理由2:長期積立で時間を味方にできる

投資は、1日という短期で利益を出すデイトレードから、数年か数十年といった長いスパンで利益を出す長期投資まで、さまざまな時間別に分類することができます。短期ほど難易度が高いのですが、長期になるほど難易度が下がるため、積立投資は初心者でも利益を出しやすい投資法です。

なぜ長期的な積立投資が有利かというと、時間を味方にすることができるからです。

仮に、リーマンショックのような市場の大暴落に巻き込まれたとしても、長期で保有し続け、さらに資金を投入していくことで将来的に大きな資産を形成できる確率が高まります。

 

実際、バブル崩壊直前に投資を始めて直後の大暴落に巻き込まれた場合でも、愚直に投資し続けていた人の資産は20年から30年ほど経てば、元手を上回る金額に膨れ上がっています。市場が大暴落すると回復するのにも長い時間がかかってしまうので、短期のトレードでは巻き返しにくいのですが、長期投資なら自然と資産が回復する可能性が高まります。

理由3:放っておいても基本的に問題ない

積立投資をしたいのは、何に使うお金を作るためでしょうか?多くの人は「老後の生活資金にしたいから」と答えることでしょう。現役世代であれば、今から退職まで何年あるのか計算してみてください。

退職まで10年、20年、あるいは30年といった長い時間があるのではないでしょうか?その間、積立投資なら基本的には放っておいて問題ありません。短期で売買するデイトレードと異なり、常に投資信託の基準価額を気にする必要はないでしょう。

 

1年に1回ほどは、投資信託の純資産額や基準価額の推移を確認しておいた方が良いかもしれませんが、毎日のようにデータをチェックする必要はありません。先ほど解説したように、長期投資は時間を味方につけて利益を出す投資なので、投資する銘柄を決めたら淡々と積立をしていくだけで大丈夫です。

最初に知っておくべき投資信託の基礎知識

投資信託の積立について、興味が湧いてきたのではないでしょうか。この項目では、投資信託を購入するにあたって知っておきたいことをまとめました。ぜひ、一読してから投資信託を始めましょう。

購入できる場所

投資信託を購入できる場所は、大きく分けて2つあります。1つ目は証券会社、2つ目は銀行です。銀行の窓口は身近なので、利用している人も多くいます。

 

最もおすすめなのは、証券会社で買うことです。

最近ではインターネット証券会社が投資信託に力を入れており、最低投資額がどんどん引き下がってきています。最近では100円以上、100円単位で積立の設定をできるインターネット証券会社が増えてきました。

毎月1万円以上を積立投資したい方は、どのような会社でも良いですが、1,000円あるいは100円という少額から始められるインターネット証券会社を利用してみましょう。

 

また、証券会社や銀行によって扱っている商品が異なります。もし特定の投資信託への投資を決めているなら、その投資信託をインターネットで調べて取り扱い会社を調べてみてください。

そこに載っている証券会社や銀行で積立を申し込みましょう。

つみたてNISAを利用すれば非課税になる

投資信託を積み立てるなら、まず「つみたてNISA」を使うことがおすすめです。つみたてNISAとは、投資で得られた利益が非課税になる制度です。

そもそも、投資で利益を上げると税金がかかります。1,000円で買った投資信託が2,000円で売れたとしても、1,000円の利益がすべて手元に入ってくるわけではありません。約2割が税金として差し引かれるので、約800円の利益になると考えてください。

 

しかし、つみたてNISAを利用すれば、利益が非課税になります。1,000円の利益が出れば、1,000円そのまま手元に入ってきます。

投資額が年間40万円までで、最大20年間使えるという上限はあるものの、積立投資を始める人にはぜひ利用してほしい制度です。

約2割の税金がある場合とない場合とでは、投資の成果が大違いですよ。

 

投資信託は手数料がかかる

良いことだらけに感じる投資信託ですが、もちろんデメリットもあります。投資信託で資産運用するときの最も大きなデメリットは、手数料がかかることです。投資信託は運用会社に運用を任せる商品です。

そのため、購入時や売却時の手数料のみならず、保有している間もコストを負担し続けます。これを「信託報酬」と呼びます。言い換えれば、信託報酬を支払うことによって投資信託という形で運用会社に資産運用を任せることができるのです。

信託報酬は投資家が負担するコストですが、投資信託を保有している間あなたの口座から信託報酬が徴収されるわけではありません。投資信託の利益の一部を運用会社が信託報酬として収入にするので、投資家が意識しにくいコストとなっています。

積立する投資信託の選び方

投資信託について学んだところで、次はどのようなポイントを押さえて投資信託を選んだら良いのか解説していきましょう。投資信託の数は約6,000本と大量にあるので、この中から自分に合ったものを選ぶコツを押さえてくださいね。

運用する商品

6,000本ほどもある投資信託ですが、運用する商品で分ければいくつかのパターンに分類できます。

投資信託によって投資先はさまざまで、日本株式、日本債券、外国株式、外国債券、不動産、金などがあります。これらの中から1種類にのみ投資する投資信託もあれば、国内外問わず株式や債券、不動産など多様な資産に投資する「バランス型」の投資信託もあります。

運用する商品によってリスクの大きさが異なるので、投資信託を選ぶ際に最も重要なポイントとも言えます。例えば、株式はハイリスク・ハイリターンなのに対し、債券はローリスク・ローリターンです。債券に比べると株式は値動きが大きいので、大きな利益を得られる可能性がある一方、大きく損する可能性もあるのです。

 

基本的に投資信託は分散投資の商品なので、「株式の値動きが大きい」といっても個別の株式よりは低リスクです。1つの株式しか買っていないと、その株式を発行する企業が不祥事を起こした際に株価が大暴落してしまいますが、たくさんの株式を少しずつ買って分散投資をしていれば、1つの企業で不祥事があっても全体としては軽いダメージで済みます。

ここで言う「ハイリスク・ハイリターン」とは債券に比べた場合のことを意味します。

投資先

「投資先」とは、主に「どのような国・市場に投資をするのか」と読み替えていただいて問題ありません。

例えば、株式に投資をする投資信託でも、日本株式か外国株式かでは性質が大きく異なります。外国株式も一括りにすることはできず、米国株式、先進国株式、新興国株式などに分けることができます。

日本や先進国に投資する場合、経済成長の段階が落ち着いてきている国なので、安定した運用ができるのが魅力です。株価が急激にアップダウンするのを嫌う人におすすめの投資先です。

 

一方、新興国市場は経済成長が著しいので投資すれば大きなリターンを見込むことができます。その代わり、政治や経済の情勢が不安定で、必ずしも順調に発展していくとは言い切れません。

新興国に投資する投資信託の場合、著しい値上がりを期待することはできますが、急激な値下がりも覚悟しておく必要があるでしょう。

 

また、米国だけに投資する投資信託もあります。米国は先進国に入りそうですが、投資信託が別に存在しているのです。確かに米国は先進国ですが、人口は今後も増加し続けることが予想されており、またGAFAのように短期間で大きく成長して世界経済をリードする企業が多いです。

米国は先進国の特徴も新興国の特徴も併せ持っていると言えますし、魅力的な米国市場だけに投資したいニーズがあるのです。

運用方針

投資信託の運用方針は「パッシブ」と「アクティブ」の2種類に分けることができます。

パッシブ運用の投資信託は「インデックス・ファンド」と呼ばれているので、「インデックス」の方がわかりやすい人も多いかもしれません。パッシブ運用とは、ある株価指数に連動するように資産運用する方法で、基本的に運用会社が銘柄を積極的に選別することはありません。

例えば、日経平均株価に連動するインデックス・ファンドの場合、日経平均株価を構成する225銘柄を保有するという運用方法です。株価指数を構成する銘柄を網羅しておくことで、指数と同じような運用成果を狙うことができるのです。株価指数のパフォーマンスを市場平均と捉えるなら、パッシブ運用が目指すのは市場平均に対して大きく勝てないかもしれないけど、大きく負けもしないことです。

 

一方、アクティブ運用の投資信託では運用会社のファンドマネージャーが積極的に銘柄を選別して運用します。これから株価が上がりそうな銘柄などを分析して探し出し、安いうちに買っておくのがアクティブ運用です。市場平均やパッシブ運用を上回る成果を出すため、銘柄を選別するのです。

 

では、アクティブ運用の方がパッシブ運用よりも利益を出せているかと言うと、必ずしもそうとは言い切れません。アクティブ運用でパッシブ運用よりも利益を出せている投資信託は一握りです。経験を積んだファンドマネージャーがいてもパッシブ運用に勝てないことは多いため、投資で大きな利益を狙うことの難しさをうかがい知ることができるでしょう。

コスト

投資信託を選ぶときに見逃せないのがコストです。先ほどお伝えしたように、投資信託は保有しているだけで「信託報酬」が差し引かれるので、購入前にコストの大小を確認しておきましょう。

投資信託にかかるコストは3つあります。

  1. 購入時に支払う「購入時手数料」
  2. 運用している間は毎日発生する「信託報酬」
  3. 解約するときに支払う「信託財産留保額」

購入時手数料や信託財産留保額は無料の投資信託もあります。

これらのコストが高すぎないか確認してから購入していただきたいですが、明確に「〇%以上だと高い」といった基準がないのが実情です。

そこで、投資したい投資信託を1つに絞る前に、商品を横並びにして比較してみるのがおすすめです。コストも比較して、信託報酬が高すぎる場合は理由を探しましょう。

なお、インデックス・ファンドよりアクティブ・ファンドの方が信託報酬が高い傾向があります。アクティブ・ファンドは運用会社で投資先の銘柄を選別するので、その分コストが高くなるのです。

リスク

投資信託には「リスクメジャー」という評価項目があり、値動きの大きさを1から5までの数字で評価したものです。リスクメジャーが1だと値動きが小さく価格変動リスクが小さいことを示し、リスクメジャーが5だとその反対を意味します。

一般的には、値動きが小さい投資信託の方が投資家のストレスが少ないので好まれます。良さそうだと思った投資信託のリスクメジャーを調べ、そのカテゴリの平均リスクメジャーと比べてみましょう。

平均よりもリスクメジャーが高い場合、その投資信託は必要以上にリスクを取りすぎている可能性があります。

人気ランキング

最後に、各証券会社が集計している投資信託の人気ランキングを参考にすることもできます。直近の利回りが高い投資信託や、分配金が多い投資信託などを簡単に見つけられるので、人気ランキングも参考にしてみると良いでしょう。

ただし、ランキングで上位の投資信託が必ずしも優れていると言えるわけではありません。かなり大きなリスクを取っている投資信託でも、直近の利回りが良いだけでランキング上位に入っていることがあります。万人におすすめできる商品でなくても上位に入ってしまうことがあるのです。

 

人気ランキングを見ると、意外な発見があっておもしろいこともまた事実。ですが、あまりランキングに振り回されないようにしましょう。

基本的には、先ほどお伝えしたポイントを押さえて頂ければ大丈夫です。慣れてきたら、人気ランキングを参考にしながら、今まで気に留めなかった投資信託を調べてみることをおすすめします。

初心者におすすめの投資信託

前の項目では投資信託を買うにあたって押さえるべきポイントを紹介してきました。続いては、ポイントに照らし初心者におすすめの投資信託を5つ紹介していきましょう。

1.ニッセイ日経225インデックスファンド

ニッセイアセットマネジメントの「インデックスファンド」という名前がついたシリーズは、低コストで有名投資信託です。「ニッセイ日経225インデックスファンド」が投資するのは日本の株式の中でも日経平均株価を構成する銘柄で、ユニクロのファーストリテイリングやソフトバンクグループなど、日本を代表する企業の株式が含まれます。

日経平均株価を構成するのは日本を代表する大企業なので、安定した資産運用が見込めます。200以上の銘柄に分散投資できるので、リスク分散の観点でも申し分ないでしょう

信託報酬は0.27%と低水準で、長く保有するのにおすすめの投資信託です。人気ランキング上位の常連でもあり、多くの投資家に信頼されています。

2.ニッセイTOPIXインデックスファンド

上述の「ニッセイ日経225インデックスファンド」より広く分散が効いた商品としては「ニッセイTOPIXインデックスファンド」がおすすめです。TOPIXという株価指数に連動するインデックス・ファンドです。

TOPIXは東証一部に上場している国内株式すべてを対象に時価総額で加重平均を取った株価指数です。少し難しい用語が出てきましたが、日経平均株価が225銘柄を含んでいるのに対し、TOPIXはより多くの東証一部の株式を含んだ指数だと覚えておきましょう。

 

そのため、日本株に投資したいけど「ニッセイ日経225インデックスファンド」だけに資産を集中させるのは怖いと感じる方に「ニッセイTOPIXインデックスファンド」をおすすめします

両方とも日本の株式によるパッシブ運用のため値動きの傾向は似ていますが、「ニッセイTOPIXインデックスファンド」の方が信託報酬が安く、0.1512%であるといった違いはあります。両方保有しておくのも一案です。

3.eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)

これまでは日本株に投資する投資信託を2種類紹介しましたが、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は全世界の株式に投資をするファンドです。先進国や新興国の株式にも投資でき全世界にリスク分散できるため、規模が大きい投資信託ならではの運用と言えるでしょう。

「全世界」という単語が名前につけられた投資信託は大きく分けて2種類あり、投資先に日本を除くものと含むものがあります。当ファンドは日本株を含めて「全世界」と名づけられているので、あえて当ファンドに投資すれば日本株にも投資したことになります。

特に日本株への比重を高くしたいといった希望がなければ、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」のような投資信託を積み立てるだけで良いと考えることもできます。

「eMAXIS Slim」シリーズも低コストで有名な投資信託で、当ファンドの信託報酬は0.1296%です。信託報酬が低く長期保有に向いているファンドです。

4.楽天・全米株式インデックスファンド

「楽天・全米株式インデックスファンド」は米国株式だけに投資をする投資信託です。米国は経済成長が安定した先進国の中でも経済成長が著しく、世界経済を牽引する存在であるため、米国株式だけに限定した投資信託があるのです。

日本は平成初期にバブルが崩壊してから今までの約30年間をほとんど不況の状態で過ごしてきましたが、米国は違います。リーマンショックなどの大暴落もありましたが、復活してダウ平均株価が最高値を更新するなど、勢いが続いています。

人口の増加も見込まれているので、今後も経済成長しそうな国だと位置づけられています。

先進国の中では成長著しい米国ですが、新興国とはまた違った性質を見せます。中国やブラジルのような新興国は著しい経済成長が予想されている一方、政情不安もあって市場が暴落するリスクも高いです。米国がノーリスクというわけではありませんが、新興国に比べると情勢が安定しているので、投資先として魅力があるのです。

米国に投資する投資信託は数多くありますが、中でも「楽天・全米株式インデックスファンド」は信託報酬が0.1596%と低くておすすめです。長期保有に向いた投資信託です。

5.eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)

さまざまな銘柄を紹介してきましたが、どれに投資したら良いか決められない人は「バランス型」の投資信託を積み立ててみてはいかがでしょうか?1つの投資信託で日本株、外国株、日本債券、外国債券など多様な資産に投資できるのが「バランス型」のメリットです。

「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は信託報酬が安く、0.1512%です。投資先は国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内REIT、先進国REITの8種類で、これらに均等に投資してくれます。

積立投資を始めた後に感じる不安

投資信託についての基礎知識が身についたら、おすすめした商品を買って積立投資を始めてみてください。ですが、「投資を始めれば何もかも安心!」とはいきません。投資を始めた後は、始める前とは違う悩みが出てくるものです。

今でこそ、筆者も600万円以上を運用する投資歴3年以上の経験者となりましたが、始めたばかりの頃は不安でいっぱいでした。

そこで、初心者が投資を始めてから抱く不安について解説していきましょう。

不安1:基準価額が下がっている

投資を始めると損得が気になってしまい、毎日のように投資信託の基準価額をチェックしてしまう方も多いのではないでしょうか?特に、買ったときよりも基準価額が下がって評価額がマイナスになると、気が気ではなくなってしまうこともあります。

まず、積立投資は数年から数十年という長い時間をかけて利益を出すものです。損益を毎日チェックすることには、ほとんど意味がありません。少しの値上がり・値下がりで一喜一憂するのでは、精神を消耗してしまいます。

 

確かに、誰でも投資を始めたばかりの頃は損失に対して神経質になってしまう傾向があります。ですが、基準価額が下がれば次の積立のときに安く買えるメリットもあります。

一時的な損失に対してあまり悲観的になる必要はないので、積立投資の場合は長い目で見ておきましょう。

不安2:分配金が減らされてしまった

投資信託には分配金ありの商品と、なしの商品の2種類があります。定期的に分配金を投資家に還元する投資信託は、不労所得やお小遣いのようなイメージで収入を得られることもあり、投資家にも人気があります。

注意したいのは、分配金の金額は永遠に一定額と決まっているわけではないことです。運用が上手くいって分配金が増えたらラッキーですが、反対に分配金を減らされてしまうことや、分配金の還元がなくなることもあります。

分配金が減ったりなくなったりする場合は、投資信託の運用が上手くいっていない可能性があります。投資信託は定期的に運用レポートを出しているので、なぜ分配金が減ったのかについて調べ、納得できなければ売却などの判断も必要になります。

不安3:儲かったので売りたい

投資を始めると損失が気になるのと同様に、少し儲けが出たら売却して利益を確定させたくなるでしょう。ですが、コツコツと積み立てて資産を育てるのが積立投資です。

状況によっては売却しても良いのですが、少しだけプラスになったところで売却してしまっては、その後の運用機会が失われるのでもったいないです。

このようなことを避けるためにも、投資を始めるときに目標の金額を決めておくと良いでしょう。例えば、「100万円になったら売却する」といったように、積立投資で作りたい資産額を決めておくのです。

100万円を貯金で貯める場合は、毎月1万円の積立を8年4ヶ月続ける必要があります。もし利回り3%で運用できれば、7年5ヶ月で100万円に到達します。目標額を決めておけば、貯金よりも早く目標達成できる喜びも得られます。

 

少し儲かった状態で売却したくなってしまう人は、目標の資産額を決めておきましょう。目標に到達するまで売らないと決めておけば、積立を継続することができますよ。

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まとめ

積立投資を始める前に知っておきたい基礎知識や、投資を始めた後の不安へのアドバイスなどを紹介しました。

積立は数年から数十年の長いスパンで行う投資なので、短期的な損益に一喜一憂せず、淡々と積み立てていくことが重要ですよ。