トランプ大統領発言が日本株に与えるリスクとリスクヘッジにおすすめの銘柄5選 

  • 2018年6月29日
  • 2021年10月15日

世界に影響力を持つアメリカ大統領トランプ氏の発言は、世界経済、株式市場に大きな影響を与える脅威となっています。

トランプ氏の過激な発言は、日本株にとっても常に大きなリスクです。

トランプ氏とはどのような人物なのか?

その発言が、日本株に与える影響はどのようなことが考えられるか?

そしてリスクヘッジになりうる内需5銘柄をご紹介します。

トランプ銘柄として、参考にしていただけましたら幸いです。

1、トランプ大統領はどんな人?

不動産王から、世界のトップとも言えるアメリカ大統領にまで上り詰めた第45代大統領ドナルド・J・トランプ氏。

成功者として、さぞかし順風満帆な人生を送ってきたと思っている方も多いのではないでしょうか。

しかしこれまでに、3度の離婚、4度の破産など、まさに波乱万丈といえる人生を(現在進行形で)送っています。

そんなトランプ氏は1946年6月14日、ドイツ系の父とスコットランド系の母の次男としてニューヨークで生まれました。

ペンシルベニア大学ウォートンスクールを卒業後、1971年には父が経営する不動産会社の経営を引き継ぎます。

その後ホテル事業、カジノ事業、オフィスビル事業などで成功を収め、1980年代には不動産王と呼ばれるまでに上り詰めます。

現在もトランプ氏の不動産王としての象徴的存在となっているトランプ・タワーは、1983年トランプ氏38歳の時に建設されたものです。

順調に見えた不動産事業でしたが、他業種展開の失敗、不動産バブルの崩壊などにより巨額に負債を抱え、1991年自身初となる破産に至ることとなります。

その後も1992年、2004年、2009年と計4度の破産を申請しており、最後の破産申請から8年で大統領に就任しているというのも驚きです。

このように何度の破産申請を行なっているトランプ氏ではありますが、破産によって負債をチャラにしてきたわけではありません。

資産の売却や事業の見直し、銀行・投資家などからのサポートを受け、会社を存続させながら再生させてきたのです。

そして現在でも大統領でありながら、不動産王としての地位を失ってはいません

そして当初は泡沫候補ともいわれ、大手メディアからも総スカンともいえる状況の中で行われた大統領選での劇的な勝利は、世界に衝撃を与えました。

その過激な発言はパフォーマンス的な要素も多分に含まれますが、TPP脱退、メキシコ国境の壁の建設、中東からの入国禁止令、エルサレムへの大使館移転、法人税減税、鉄鋼関税など、周囲の反発をよそに有言実行で数々の施策を確実に進めているのも確かです。

このように単なるパフォーマンスのようにみえるものでも、それを実行に移してしまうというところにトランプ氏のすごさがあります。

たとえ非現実的とも思える発言であっても、トランプ氏ならやりかねないということから、株式市場への影響もより大きなものとなっているのでしょう。

2、世界の株価を揺るがす最近の発言

世界を動かすだけの影響力を持つアメリカ大統領の発言は、株価にも大きな影響を与えます。

特に反発を恐れないトランプ氏の過激な発言やパフォーマンスは、株式市場にショックを与えることも少なくありません。

ここ数ヶ月のトランプ氏の発言によっても、株価は大きく影響を受けています。

「今こそエルサレムをイスラエルの首都として正式に認めるべきだと決断した」

2017年12月6日にトランプ大統領がイスラエルの首都としてエルサレムを認定する」との報道が伝わると、日経平均株価は一時500円以上の下落となり、終値で前日比445円34銭安となりました。

「ある国(米国のこと)が、取引のある事実上、あらゆる国との貿易で巨額のドルを失っている際には、貿易戦争は良いことであり、しかも楽勝だ」

2018年3月1日、鉄鋼製品に25%、アルミニウム製品に10%の関税を課すことを発表し、多数の批判が寄せられる中で、自身のツイッターでこのように応じています。

「残念なことに、首脳会談を中止せざるをえなかった」

「12日の開催もあり得る」

この関税をめぐる報道やトランプ氏の発言を受け、2日の日経平均株価は542円83銭安となりました。

2018年5月24日、北朝鮮が会談のキャンセルをちらつかせる態度に対し、トランプ氏は米朝首脳会談を中止することを明らかにしました。

この発表の前から中止の可能性が報じられると、朝鮮半島情勢の地政学リスクを嫌い、日経平均株価は続落しました。

しかし25日には予定通りの開催も示唆する発言をし、北朝鮮だけでなく株式相場も揺さぶる展開となっています。

3、鉄鋼関税のリスクと日本の株価への影響は?

最近のトランプ氏の言動の中でも特に株価への影響が心配されるのが、貿易戦争に発展し、世界経済や企業業績に打撃となりかねない鉄鋼関税に関するものです。

トランプ氏は貿易戦争も辞さないとの構えを示しており、中国やEUなどは報復関税を行うなど緊張が高まっています。

通常貿易相手国の一方的な措置に不満があればWTO(世界貿易機関)に提訴し、その主張が認められた場合にのみ報復が許されるというのが、貿易における国際的なルールとなっています。

しかし今回中国はWTOを通さないまま報復を行い、WTO協定違反に該当する可能性があります。

また米国もWTOを軽視しており、これがきっかけとなり世界貿易全体の秩序が崩壊にもつながりかねません。

世界貿易への不透明感が広がれば、日本株においても輸出関連株などを中心に株価下落リスクに警戒が必要だと言えます。

4、トランプ大統領通商政策で円高に!内需株でリスクヘッジおすすめ銘柄5選

トランプ氏が推進する自国産業を重視した保護主義的な通商政策は、ドルの下落、そして円高を招く可能性を秘めています。

これは輸出関連株にとって大きなリスクとなります。

その場合には業績の堅調な内需株が再評価されやすく、リスクヘッジとしても有効となります。

(1)ピーエス三菱(1871)


三菱マテリアル系の土木・建築会社。プレストレスト・コンクリート(PC)に強みを持つ。

(2)中部飼料(2053)


飼料大手。最高益更新中、円高も輸入原料に追い風。

(3)ヤマトHD(9064)


国内シェア約47%の宅配最大手。単価改善が進み増益基調。

(4)共立メンテナンス(9616)


独立系寮運営会社。ホテル事業では、ビジネスホテル「ドーミーイン」を全国に展開。

(5)ニトリHD(9843)


家具・インテリア製造・小売で国内トップ。自社開発輸入製品が全体の8割を占め、円高は原価に追い風。最高益を更新中。

5、もっとトランプ大統領を知りたい方におすすめの本と公式ツイッター

最後に、トランプ大統領についてより詳しく知りたいという方におすすめの本をご紹介します。

(1)金のつくり方は億万長者に聞け

不動産王としてトランプ氏が成功するビジネス・金儲けのコツを説いた自著です。

URL:金のつくり方は億万長者に聞け

(2)トランプ最強の人生戦略

 

仕事観や家族、人間関係、独自の成功哲学などについて記した自著です。

トランプ氏の人となりを知り、今後のアメリカ、そして世界の動向を予想するにも役立つ一冊です。

URL:トランプ最強の人生戦略

(3)トランプ氏公式ツイッター

トランプ氏公式ツイッター https://twitter.com/realdonaldtrump

まとめ

いかがでしたでしょうか。

波乱万丈の人生を乗り越えながらアメリカ大統領にまで上り詰めた、トランプ氏。一見破天荒とも思えるパフォーマンスや言動も、彼が培ってきた交渉術のひとつであり、表面的な意味だけでなくその真意を考えることが、彼の発言に翻弄されないためには大切だと言えるでしょう。