株式のチャートを読む人

株は難しい!?初心者でも失敗しないためのポイントを6つ解説

  • 2021年12月10日
株式のチャートを読む人

株に興味があっても、「株で儲けるなんて難しいから、やめておけ」と家族や友人にはねつけられ、やる気を失いかけている人も多いでしょう。確かに、株で一攫千金を得るのは難しいですが、コツコツ利益を出すなら初心者にもできます。

この記事では、株で儲けるのは難しいのか、なぜ難しいのかを解説し、初心者が株で失敗しないためのポイントについてお伝えしていきます。

株で儲けるのは難しいのか?

タブレットで株価のチャートを確認する

平均的な目標を目指すのであれば、初心者でも株で利益を得ることは可能です。ただし、高すぎる目標を立ててしまうと、失敗するリスクが高まってしまいます。

この章では、初心者が目指すべき目標はどれくらいなのか、なぜ大きく儲けるのが難しいのかについて解説していきます。

初心者の目標は利回り3%~5%

株初心者でも達成できる目標利回りは、3%から5%程度が目安となります。高配当株なら配当利回り3%から5%程度の銘柄は珍しくなく、初心者でも探して投資できるからです。

配当とは、株式を保有している人(株主)に対し、企業が利益を分配することです。配当金は株式を保有しているだけでもらえます。トレードと異なり、難しい取引は行わないので、配当狙いの投資は初心者でも失敗しにくいです。

 

高配当株の例として、

  • ソフトバンク(9434):5.64%
  • 日本郵政(6178):5.48%
  • みずほフィナンシャルグループ(8411):4.76%

 

などが挙げられます。

配当利回り3%から5%程度なら、業績の浮き沈みが小さく、株価の変動も中小に比べて大きくない大手企業の株式でも、充分に狙うことができます。株価の変動が大きくリスクの高い銘柄を、わざわざ狙いに行く必要はありません。

初心者が株を始めるなら、利回り3%から5%程度を目標にすると良いでしょう。この程度の目標であれば、初心者にとって高すぎることはなく、利益を出すのは難しくありません。

大きく儲けるのは難しい

ただし、大きく儲けて一攫千金を達成するのは、非常に難しいです。たとえば、1年で元手を2倍にしたい(利回り100%)といった目標は、初心者のみならず上級者にも難易度が高すぎます。

大きな利益を狙う場合、基本的には「株を安く買って高く売る」という手法を取ります。配当金だと、せいぜい利回り5%から6%程度でしか増やせないからです。

 

しかし、株を安く買って高く売るのは、言うほど簡単ではありません。相場が予想どおりに動くとは限らないからです。予想が外れ、購入した株が暴落し、大きな損失が生じることもあります。

大きな利益を狙うなら、値動きが大きな銘柄を売買することになります。予想どおりに値動きすれば大きな利益が出ますが、失敗すれば大きな損失になってしまいます。

 

そのため、有望な銘柄を選ぶ知識や、市場でタイミング良く取引できるスキルなど、ある程度の経験を積んだ人でなければ、失敗をせずに取引するのは難しいでしょう。

1年で2倍などの大きな目標を達成するのは、株初心者には難しいです。上述のとおり、利回り3%から5%程度なら初心者でも達成しやすいので、このくらいの目標を持って株を始めましょう。

株が難しいと言われる理由

スマホで株式投資

そもそも、どうして株は難しいと言われるのでしょうか?

難しいと言われる理由は、株で失敗しがちな原因でもあるので、理解しておけば失敗を避けることにもつながります。

この章では、株が難しいと言われる理由について解説していきます。なぜ株が難しいのかを理解し、株で失敗しないための知識にしましょう。

将来の相場は誰にも予見できない

株が難しいと言われる最大の理由は、将来の相場を予見することは誰にもできず、100%確実に儲かる方法がないからです。

株価が順調に上がっている銘柄でも、いつ下落に転じるかはわかりません。企業の不祥事が発覚したり、決算の内容が悪かったりすれば、それまでの好調が嘘のように転落する場合があるのです。

 

また、コロナショックやリーマンショックのように、企業の業績とは関係のない危機により、株価が暴落することもあります。いつ何が起こるかわからないので、どんな銘柄を保有しても、確実に儲かる保証はありません。絶対に安全な銘柄はないのです。

どんな銘柄を保有しても損失が生じるリスクはあるので、株を保有するときは、損失を最少にする対策を講じておくことが重要です。「もし価格が下がって損失が出たらどうするか」「損失額がどれくらいになったら、諦めて損切りするか」などを考えておく必要があります。

株価が大きく上昇する銘柄を見つけるのが難しい

大きな利益を狙うなら、株価が大きく上昇する銘柄を、株価が上がる前に購入しておきたいところです。しかし、まだ誰にも見つかっていない有望な銘柄を、いち早く発掘することは、非常に難しいです。銘柄分析の知識と経験が少ない初心者には、ほとんど不可能と言えるでしょう。

株価が上がる材料としては、

  • 決算発表の内容が良いこと
  • 期待できる新商品の発表があること
  • 海外進出など期待が持てる新規事業が発表されること

などが挙げられます。いずれも、発表されると同時に買い注文が殺到して株価が上昇しきってしまいます。大きな利益を狙いたいなら、好材料が発表する前に投資をしなければなりません。

 

しかし、初心者が財務諸表やIR情報、業界誌を読んで、こうした当たりの銘柄を発掘するのは、非常に難しいです。株価が上がる銘柄を見つけること自体が難しいので「株は難しい」と言われるのです。

ちなみに、上場会社の関係者等が社外に発表されていない情報をもとに株の取引を行うと、インサイダー取引に該当する場合があり、処罰される可能性もあります。株で利益を得たいからといって、自社の社外秘の情報をもとに取引するといった行為はやめてください。

安く買って高く売るのが難しい

株価の変動を利用し、株を安く買って高く売ることができれば、利益を得られます。しかし、そもそも安く買って高く売ること自体が難しいのです。

相場の未来は誰にも読めないので、底値になったと思って株を買ったのに、もっと低い価格まで下がってしまったというケースはよくあります。これから株価が上がるか下がるか正確に把握することはできないので、「安く買って高く売る」というのは非常に難しいことなのです。

 

株価は○○円~○○円のように範囲が決まっているものではありません。そのため、最も良い買い時・売り時を見定めるのは非常に難しいです。「安く買って高く売れば良い」という投資家もいて、株未経験の初心者は簡単そうに感じてしまうかもしれませんが、実は難しいことだと理解してください。

失敗して損をする場合がある

ここまでで解説してきたように、株には難しいポイントがいくつもあり、必ず成功するとは限りません。失敗して、損失を被る場合があるのです。

株は預金と異なり、元本保証ではありません。たとえば、100万円を投資して、運用がうまくいけば、110万円、120万円と増えていくでしょう。しかし、運用に失敗して、90万円、80万円、とお金が減ってしまうこともあるのです。

 

株には失敗するリスクがあるので、貯金全額を投じたり、生活費まで株につぎ込んだりはしないようにしましょう。損をしないようにコツを押さえて運用していくことはもちろんですが、万が一にも失敗したときのことを考え、株に使う資金を工面します。

最悪、なくなっても生活が破綻しない程度の余剰資金を使い、株の運用をしていきましょう。

初心者でも株で利益を出すためのポイント

複数のモニターで株価をチェックする男性

これまで解説してきたように、株は必ず成功できると保証されているものではないため、失敗して損失が生じるリスクがあります。知識と経験が少ない株の初心者だと、失敗するリスクはなおさら高いでしょう。

初心者が失敗を避け、株で利益を出すためには、押さえておくべきポイントがいくつかあります。この章では、重要なポイントを6つ解説するので、株で利益を出したい方はしっかりと理解していきましょう。

妥当な目標を設定する

冒頭でも解説したように、無理な目標を立ててはなりません。妥当な目標を設定することが、株で利益を出すための最も基本的なポイントです。

初心者が目安にしたい利回りは、高くても年率3%から5%程度です。100万円を運用するなら、1年目の利益は3万円から5万円程度です。この程度の利回りなら、高配当株を中心に購入することで達成できます。株の初心者にとっても、難しいことは少ないでしょう。

 

1年でお金を2倍や3倍に増やしたいというのは目標が高すぎます。リスクと利回りは基本的に比例するので、高い利回りを追求するなら、大きなリスクを取らなければなりません。2倍や3倍に増やすのは、初心者にとってリスクが大きすぎます。

株は倍々でお金を増やせる金融商品ではありません。このことを理解し、高くても年率3%から5%程度を目安に、目標を設定しましょう。

投資の方針を定める

投資を始めるなら、実際に株を買ってみる前に、自分に合った投資の方針を決めておきましょう。なぜその銘柄に投資をするのかをはっきりさせておくのです。投資する理由を明確にしておけば、売却する際の判断に役立ちます。

たとえば、株を保有しているある企業の業績が悪化したとします。この場合、そのまま保有し続けるのか手放すのか、多くの投資家が迷うことになるでしょう。

 

もし、株を買った理由が「業績が好調だから」であれば、売却を検討したほうが良いかもしれません。購入した理由が崩れてしまっているからです。

しかし、「株主優待がお得だから」「応援したい企業だから」といった理由で株を買っていた場合、業績不振だからといって必ずしも手放す必要はないかもしれません。購入した理由がそのときも崩れていなければ、売却せず保有しておくという判断もあり得ます。

 

自分がある銘柄を買うべきか、売るべきかを判断できるのは、自分しかいません。投資の方針を決めておき、方針に合致したら買う、外れたら売るといったように決めておくと、難しい局面でも機械的にトレードできます。

損失が出た場合のことを考えておく

株を購入する前から、損失が出たときのことを考えイメージしておきましょう。株はいつ、いくらの損失が出るかわからないものです。いくらの損失が出たら損切りをするのか、実際に損失が生じる前に考えておくべきです。

株の初心者だと、「利益が出たら何を買おうかな……」といった夢見がちなイメージはあるものの、失敗したときにどうするかを考えている人は多くありません。失敗したときのことを考えていないので、いざ損失が出たときに冷静に行動できず、さらに損失を大きくしてしまうといった失敗につながるのです。

 

このような失敗を防ぐためにも、購入前から損失が出たときのことをイメージしておく必要があります。いくらの損失までは許容できるのか、いくら損失が出たら売却して損切りするのか考えておきましょう。実際に損失が出たら、躊躇するのではなく、迅速に損切りを行います。

投資先を分散させる

長期で株を保有する場合、投資先は複数に分けたほうが、大きな損失を被るリスクが小さくなります。大金を1つの銘柄に投資するのではなく、複数の銘柄に少額ずつ投資をするのです。投資先の数が多いほど分散効果は高まりますが、銘柄の数が多すぎると管理が大変なので、5から10銘柄程度がおすすめです。

1つの銘柄に集中投資をすると、失敗するリスクが高くなります。投資した銘柄が暴落したら、大きな損失を被るからです。

 

複数の銘柄に少額ずつ分散投資をしていれば、ある銘柄が暴落して損失が出ても、他の銘柄の利益で埋め合わせができる可能性があります。失敗するリスクを小さくするためにも、特に初心者の方は分散投資を意識しましょう。

ドルコスト平均法で積立投資をする

株で失敗する原因の一つとして、株価が高いときに購入してしまい、その後、株価が下がって損失が生じることが挙げられます。このような失敗を防ぐには、ドルコスト平均法で買い付けを行います。

ドルコスト平均法とは、一定の間隔ごとに、一定の金額で投資商品を買い付けることです。たとえば、「毎月1日に3万円分、この商品を買う」といった方法です。

 

定額で買い付けを行うと、価格変動する商品が安いときに多く、高いときに少なく買い付けることができます。高いときに大量に買い付けてしまうリスクを減らせて、投資で失敗しにくくなるメリットがあります。

株式の場合、一般的には100株ずつまとめて売買するため、決まった一定額ピッタリの商品を毎月買い付けるのは難しいです。それでも、まとまった資金があるとき、一度に大金を投じるのではなく、一定の間隔を置いて少しずつ買い付けをするなど、ドルコスト平均法を応用して購入し、高値掴みするリスクを減らしましょう。

NISAを活用する

投資で得られた利益には、約20%の税金がかかるので、利益を最大化したいなら「節税」を考える必要があります。投資額の少ない株初心者におすすめしたいのが、「NISA(ニーサ)」です。

NISAとは、一定の枠内において、投資による利益が非課税になる制度です。一定の枠とは、年間120万円であり、最長5年間使うことができます。つまり、1年で新たに投資した金額が120万円以下であれば、得られた利益は最長5年間にわたり、非課税となります。

 

通常は税金として納めなければならない利益の20%が、納める必要なく自分の利益になるので、手っ取り早く利益を増やすことができます。投資で利益を20%増やすより、NISAを使って節税したほうが簡単です。

株初心者の方は、NISAを使って自分の利益を守りましょう。

株以外のおすすめ投資商品

右肩上がりのトレンド

株が難しいと言われるのは、自力で銘柄を選んだり、タイミング良く売買したりすることが初心者には難しいからです。「株は自分には難しいかも」と感じている方もいるでしょう。

そこで、難しいことはプロに任せられる商品を検討してみてはいかがでしょうか?この章では、銘柄選びや運用をプロに任せられる3つの商品を紹介します。株が難しいと感じる方は、代わりに以下の3つの商品から選んでも良いでしょう。

投資信託

投資信託は、投資家が投資会社にお金を預け、投資会社がそのお金を運用する商品です。投資会社に手数料を支払いますが、運用で得られた利益は、投資家に還元されます。

投資信託には「インデックス型」と「アクティブ型」がありますが、初心者におすすめなのは「インデックス型」です。

 

インデックス型の投資信託は、市場平均と同程度のパフォーマンスを目指します。つまり、市場平均に比べて大きな損失を被るリスクが小さいメリットがあります。

デメリットとしては、市場平均に比べて利益も大きくなりにくいので、利回りはあまり高くないことが挙げられます。目安の利回りは、1%から3%程度です。

ETF(上場投資信託)

ETFは、証券取引所に上場している投資信託です。商品の仕組みは、上述した投資信託と同じで、投資会社に銘柄選びと運用を任せられます。

ETFのメリットは、投資信託よりも手数料が低く設定されている傾向にあることです。銀行や証券会社の窓口で販売される投資信託より、ETFは売買のコストが小さいためです。

 

デメリットとしては、最低投資額が投資信託よりも高いことが挙げられます。投資信託は100円以上100円単位で購入できますが、ETFは1口あたりの金額が銘柄によって異なり、1,000円から数万円の銘柄が多いです。

ヘッジファンド

ヘッジファンドも、投資会社のプロに銘柄選びと運用を任せられる商品です。投資信託やETFと異なり自由度の高い運用ができるため、年利10%から20%など高い利回りが期待できます。

ヘッジファンドは独自の理論に基づいて銘柄を選び、ときには専門的な商品を組み合わせて運用します。一般の個人投資家が株で運用するよりも、高い利回りが狙えるメリットがあるのです。

 

ヘッジファンドのデメリットとしては、最低投資額が高いことが挙げられます。一般的には、最低投資額は1,000万円に設定されていることが多いです。少人数の投資家から投資の申し込みを受け付けるため、一人あたりの投資額は大きくなります。

まとめ

株が難しいと言われるのは、将来の相場を事前に知ることは誰にもできず、100パーセント成功する方法が存在しないからです。

しかし、失敗しやすいポイントを押さえて対策すれば、成功に近づくことができます。分散投資などのコツを押さえて、株への投資を始めてはいかがでしょうか?