投資の情報収集をしていると「ファンド」という用語をよく見かけます。何となくわかったつもりで放置している人も多いのではないでしょうか?
実は、投資には「ファンド」と「ファンドでないもの」があります。ファンドへの投資は資産運用のプロに運用を任せられるメリットがあるので、ぜひ学んでもらいたい投資法です。初心者でも効率良くお金を増やすなら、圧倒的に投資ファンドがおすすめです。
この記事では、「投資ファンド」とはどのようなものなのか、またさまざまな投資ファンドの中からどれを選べば良いのかについて解説していきます。ファンドについて理解を深め、高い利回りの投資をしていきましょう。
投資ファンドとは?
「投資ファンド」とは、投資ファンドを運営する会社が複数の投資家からお金を集めて投資し、利益を投資家たちに還元する仕組みのことです。
投資のため、利益や元本が保証されているわけではありませんが、預金よりも高い利回りを狙えるという特徴があります。「投資家から集めたお金をどのように運用するか」という運用方針によって、狙える利回りが決まってきます。
なお、運用方針はファンドによって異なります。投資ファンドには無数の種類があるため、投資家は納得できる運用方針のファンドに投資しましょう。
投資ファンドの種類
まずは、「投資ファンド」の中でも代表的なものを紹介していきましょう。ほとんどのファンドは次の7種類に分類できるので、これらを押さえておけば投資先選びが楽になりますよ。
- 投資信託
- 不動産投資信託(REIT)
- ヘッジファンド
- 企業再生ファンド
- ベンチャーキャピタルファンド
- アクティビストファンド
- ファンド・オブ・ファンズ
「投資信託」といった身近なものから、「アクティビストファンド」や「ファンド・オブ・ファンズ」といったあまり聞き慣れないものまであるでしょう。次の項目で、これら7つのファンドについて、利益の上げ方を含めて具体的に解説していきます。
種類1:投資信託
投資信託とは、株式、債券、コモディティなどに投資を行うファンドです。株式などに投資し、得られた配当金や分配金、売却益といった利益の一部を投資家に還元します。
投資信託は、個人投資家が手を出しやすいファンドとしておすすめされることが多いです。次の3つの理由から、「初心者向けの投資」と言われています。
- 少額(100円など)から始められる
- 6,000本以上もの種類から選ぶことができる
- 証券会社に口座を開設すれば簡単に申し込める
少ない金額で多様な商品から自分に合ったものを選ぶことができ、しかも有名な証券会社に口座を開設すれば購入できるため、投資初心者でも始めやすいことがわかるでしょう。
種類2:不動産投資信託(REIT)
通称REIT(リート)と呼ばれる不動産投資信託は、先ほど解説した「投資信託」の不動産に特化したものです。投資信託の中でも、不動産に投資する投資信託だけ「REIT」という名前がついています。
REITの場合、投資家から集めたお金で不動産投資会社がオフィスビルなどを購入し、テナント料やビルの売却で得られた利益を投資家に還元します。大勢の個人投資家のお金をかき集めて、不動産投資をするイメージです。
不動産投資は物件を買うのに多額のお金がかかるため、資産が少ない個人投資家には手を出しづらいジャンルです。しかし、REITであれば1万円ほどから購入できる銘柄があるため、少ないお金で不動産投資をしたい人に向いています。
種類3:ヘッジファンド
ヘッジファンドは、市場全体が下がっているときでも利益を追求する投資ファンドです。最先端の金融工学の知識を使い、株式だけでなく先物取引なども使って市場の動向に左右されず常にプラスの利益を目指します。
このように説明すると、「他の投資ファンドは利益を追求していないの?」と思われてしまうかもしれませんね。しかし、そんなことはありません。
どのような投資ファンドも利益を追求していますが、投資できる商品に制限があるため、収益性に違いが生まれます。
一般的な投資ファンドの例として、まず投資信託の運用を考えてみましょう。
株式や債券などに投資をするので、市場全体が右肩下がりのときはどんな商品に投資していてもマイナスとなってしまいます。できるだけ値下がりしにくい銘柄に資産を移すことはありますが、規制があるので複雑な商品への投資ができません。
投資信託にとって、相場が全体的に下がっているときに「独り勝ち」するのは非常に難しいです。
一方で、ヘッジファンドの場合は投資信託と異なり運用の自由度が高いため、先物取引などを駆使して右肩下がりの市場でも利益を上げることが可能です。このようにヘッジファンドと投資信託とでは運用できる商品や方法が異なるため、収益性に違いが出ます。
「それなら、投資信託ではなくヘッジファンドに投資したい」と思いますよね。残念ながら、ヘッジファンドは1,000万円以上など大きな金額で申し込みを受け付けしているところがほとんど。大きなお金を拠出できるなら、ヘッジファンドを検討してみても良いでしょう。
種類4:企業再生ファンド
企業再生ファンドは、経営不振状態の企業の株式を安値で買い、企業価値を高めてから高値で売却するファンドです。株式を安く買って高く売る売却益が主な利益です。
企業再生ファンドは、経営不振状態の企業なら何でも投資するわけではなく、「再生の可能性が見込める企業」にのみ投資をします。例えば、次のような企業です。
- 本業の収益性は高いのに新規事業に失敗し、債務超過に陥っている
- 優れた技術を持っているのに、売れる商品が作れない
- 人件費などのコストがかかりすぎ、収益を圧迫している
企業再生ファンドからは、対象の会社に企業再生の専門家を送り込むなどして収益を高める工夫をしたり、リストラなどコストカットを行ったりします。株価を向上させて売却益をファンドの投資家に還元するので、目標の収益は高くなります。
種類5:ベンチャーキャピタルファンド
ベンチャーキャピタルファンドとは、株式未公開のベンチャー企業に投資を行うファンドです。一般的な株式の売買は証券取引所に上場している株式の売買を指しますが、ベンチャーキャピタルファンドの対象となるのは上場していない会社の株式です。
利益を上げる仕組みは、企業が成長したときのIPOやM&Aが挙げられます。
IPOとは未上場の株式会社が証券取引所に上場して投資家に株式を取得してもらうことです。IPOを行えばベンチャー企業の株式を売却できるので、ベンチャーキャピタルファンドが売却益を投資家に還元することができます。
また、M&Aでベンチャー企業を売却することでもベンチャーキャピタルファンドは利益を手に入れることができます。ファンドの投資家はM&Aによる利益を受け取ります。
ベンチャーキャピタルファンドの投資先は、どんなベンチャー企業でも良いわけではありません。綿密な企業調査によって会社の将来性を判断します。
書類による調査だけでなく、ベンチャー企業の経営者とも面談を重ねて企業のビジョンなどを議論していくので、投資対象は厳しく審査されます。
種類6:アクティビストファンド
アクティビストファンドは、株式を取得した企業の経営について積極的に提言を行い、企業価値の向上を目指すファンドです。この特徴から「モノ言う株主」とも言われています。
アクティビストファンドの利益は、株式の配当と売却益です。割安と考えられる株式を買って株主の立場から経営に対して提言を行い、企業価値が向上して株価が上がったら株式を売却します。
株主は保有株の割合に応じて経営に対して議決権を持つので、議決権を有効に活かした投資と言えます。
アクティビストファンドに対して「株主なのに会社の経営にあれこれ口を出してくる」と企業の内部の人は煙たがることもありますが、本来、株主は「モノ言う存在」であるべきです。企業がビジネスを行えるように出資しているのが株主のため、アクティビストファンドは株主としての本来の責任を果たしている存在とも言えます。
米国だと「モノ言う株主」は一般的ですが、日本の場合は株主も経営者も生ぬるい関係になってしまっているケースが多いです。実際、企業価値を向上させる意識が無く会社の利益も株価もズルズルと下がっていく例は枚挙に暇がありません。
日本におけるアクティビストファンドの登場は、株式市場の救世主となる可能性があります。
種類7:ファンド・オブ・ファンズ
ファンド・オブ・ファンズとは、ファンドに投資する投資ファンドです。つまり、投資対象がこれまで解説したようなファンドとなる商品のことです。
ファンド・オブ・ファンズの場合、個人では難しい投資ファンドへの投資も行えるため人気が出てきています。
例えば、ヘッジファンドは1,000万円以上を申込単位としていることが多いため、あまり大きなお金を持っていない人にとっては投資が難しいです。しかし、ファンド・オブ・ファンズの場合、個人投資家から少しずつお金を集めて大きな金額にしてヘッジファンドに投資ということが可能です。
また、ファンド・オブ・ファンズの場合、複数のファンドを投資先とすることができます。例えば、ヘッジファンドと企業再生ファンドの両方に投資することも可能です。
投資先が1ヶ所に集中しないので、低リスクの分散投資を行うことができるのです。
ファンドではない投資の種類
7種類の投資ファンドについて解説してきましたが、ファンドではない投資も多数あります。例として、次の5つを紹介していきましょう。
- 株式
- 債券
- 不動産
- 金など貴金属
- 太陽光発電
なお、一般的に投資ファンドはこれらの「ファンドではない投資先」に投資をしています。「自分は投資ファンドにだけ投資する」と決めている人も、間接的に自分が投資している商品について学んでおきましょう。
投資の種類1:株式
株式に投資することは、企業に出資することと同じ意味を持ちます。株式を買ったあなたのお金は、企業が事業を行うために使われます。
企業は事業で作った利益の一部を、配当金として株主に支払います。配当金を受け取ることで、あなたは投資に対するリターンを得るわけです。
また、企業が事業で利益を出せば、企業価値が高く評価され株価が上がります。あなたが株式を買ったときよりも株価が上がりそのタイミングで売却できれば、売買による利益を手に入れることができます。
なお、多くの投資ファンドは株式に投資しています。特に、企業再生ファンドやベンチャーキャピタルファンド、アクティビストファンドの3つは値上がり益を最大化することで高利回りを追求しています。
投資の種類2:債券
債券は、国や企業が一般の投資家からお金を借りるために発行するものです。満期を迎えれば元本は返却されますし満期までに利息をもらえるため、株式よりもリスクの低い投資商品です。
個人投資家が買いやすい債券の発行体は国や地方自治体などの安定した団体で、破綻しにくいと考えられます。ただし、破綻リスクが皆無というわけではなく、投資した元本が満期時に返って来ない可能性もわずかながらあります。
投資の種類3:不動産
不動産投資は、利益を得るために不動産を買うことです。自分が住むために買うのではないことがポイントです。
不動産投資では、まずマンションやアパートを購入します。その部屋に住む人を募り、入居者から家賃としてお金をもらいます。これが不動産投資で利益を得る仕組みです。
また、物件の価値が上がったら売却して、差額を利益として得ることも可能です。地方よりも都心の物件に不動産投資の資金が集中するのも、都心の物件の方が将来性が高く、価値が上がりやすいと考えられるからです。
投資の種類4:金など貴金属
金は安全資産と言われており、価値が変動しにくいものです。株式や債券といった証券とは異なり実物がある資産なので、経済動向に左右されず価値を保ちます。
金のメリットは、経済が落ち込んでいるときに相対的に価値が高くなることです。リーマンショックのような市場の大暴落が起こると株式は紙切れと化しますが、金は現物があるゆえに価値を保つことができるのです。
一方、金そのものには儲けを生む仕組みがないため、配当や利息を受け取ることはできません。金への投資は「儲けるための攻め」ではなく、「市場の暴落に備えた守り」と言えます。
投資の種類5:太陽光発電
近年注目されている投資の一つに「太陽光発電」があります。太陽光発電投資とは、ソーラーパネルを設置して発電し、電気を電力会社に売ることで儲けを得る投資法です。
ソーラーパネルは「自分で発電して自分で使う節電目的」と思われることが多いですが、実は投資としても活用できるものなのです。
「固定価格買取制度」という制度があり、発電した電気は一定の売却価格で20年間買い取ってもらうことができます。決まった価格で売却できるので、景気の影響を受けないとして人気の投資法です。
投資ファンドのメリット
続いては、投資ファンドに投資をするメリットを紹介していきましょう。メリットは、次の3点です。
- 運用のプロに投資を任せられる
- 分散投資ができる
- 運用状況のレポートをもらえる
メリット1:運用のプロに投資を任せられる
投資ファンドへの投資には、銘柄選定を運用のプロに任せられるというメリットがあります。投資ファンドなら初心者でもプロ並みの運用成果を期待できるため、投資の腕に自信が持てない人にもおすすめできる投資法です。
例えば、成長性の高いベンチャー企業に投資する場合を考えてみましょう。新たな企業が倒産せずにビジネスを続けていられる確率は、起業後1年で50%、5年で15%、10年で5%と言われています。
これだけ生き残りの難しい業界で成功できる、一部の企業の株式を安いうちに買えれば、莫大な利益を手に入れられるでしょう。ただ、成長して大企業になるベンチャー企業を見つけるのは、個人投資家には至難の業です。
一方、ベンチャーキャピタルファンドの場合、企業分析の専門家の調査によって優れたポテンシャルを持つ企業を発掘してくれるので、個人投資家の勘よりも高い確率で成長するベンチャー企業を見つけることができます。
このように、個人投資家にはできないレベルの高い銘柄分析をやってくれるのが投資ファンドです。専門的なことは運用のプロに任せられるので、投資初心者から上級者まで多くの人に投資ファンドを活用して欲しいです。
メリット2:分散投資ができる
どのような投資ファンドであっても、「一つの企業の株式だけを買っている」ということはほとんどありません。基本的にはさまざまな銘柄を買い集めているため、投資ファンドへの投資は「分散投資」です。
分散投資をするべき理由は、リスクを抑えて運用できるからです。
もし、あなたが一つの会社の株式に全資産を投じる「集中投資」を行っていたら、その企業が倒産したときに全財産を失ってしまうかもしれません。ですが、いくつかの企業の株式に分散投資していれば、一つの企業が倒産しても他の株式は生き残るので、いきなり全財産がなくなるほどの被害はありません。
ファンドではなく株式や債券を個人で買い集めて分散投資をするなら、相当数の銘柄を買わなければなりません。ですが、投資ファンドなら一つに投資すれば自動的に分散投資されます。
手軽に分散投資ができるという意味でも、投資ファンドはメリットが大きいのです。
メリット3:運用状況のレポートをもらえる
投資ファンドの投資家は、ファンドマネージャーなどから運用状況のレポートをもらうことができます。運用のプロたちがこれまでの投資成果や今後の展望をまとめた資料です。
レポートを読むだけでも相場観を養うことができますし、今後も同じファンドに資金を預け続けて良いのかなどの判断の根拠にもなります。レポートは素人にもわかりやすいことばで書かれているため、投資に関する小難しい書籍や新聞記事を読むより有益でしょう。
個人投資家にとって最も大変なのは情報収集で、有益な情報は末端の個人にまで回って来ることはほとんどありません。投資ファンドを運用する人たちは投資業界の中に身を置いているので、その情報量は比べ物にならないほどです。
個人投資家は、投資について役立つ情報を仕入れられるファンドからのレポートを活用していきましょう。投資信託のように少額で始められる投資ファンドでもレポートをもらえるので、調べてみてくださいね。
投資ファンドのデメリット
投資ファンドへの投資にはメリットがある一方、もちろんデメリットもあります。次の3つがデメリットです。
- 元本保証ではない
- 手数料がかかる
- 為替変動の影響がある
デメリット1:元本保証ではない
投資ファンドは投資のため、「必ず元本と利息が得られる」ものではありません。100万円を投資したら、1年後に120万円に増えている可能性もある一方、80万円に減っている可能性もあるものです。
どうしても元本割れが嫌なのであれば、銀行の定期預金で運用するしかありません。ですが、定期預金の利回りは良くて0.02%ほどです。元本割れのリスクを取ってでも、3%から10%ほどのリターンが見込める投資をした方が良いという考え方もできます。
元本保証でないことは、投資ファンドだけでなくすべての投資について言えることです。投資ファンドの場合、メリットとしてお伝えした分散投資が効いており、比較的低リスクの投資ができます。
リスクを取るのが怖い方にとっても、投資ファンドになら資産を預けやすいのではないでしょうか。
デメリット2:手数料がかかる
運用のプロに資産運用を任せられることが投資ファンドのメリットである一方、人に任せるために手数料を支払う必要があります。手数料の分、リターンが下がってしまうことになるため、手数料の支払いはデメリットと言えます。
手数料の大小は、商品によります。
例えば、投資信託なら管理・維持するための信託報酬は0%から2%です。ヘッジファンドの場合、管理・維持の手数料の目安は1%から2%前後ですが、「成功報酬」という手数料が追加で必要となります。
成功報酬はヘッジファンドで儲けられた利益に対してかかる手数料で、20%から50%と高めに設定されていることが多いです。
ファンドマネジャーをはじめとした運用のプロに投資を任せるため、手数料の支払いは必要です。きちんと投資成果が出ている投資ファンドなら手数料を支払っても投資家の利益がプラスになるようになっていますよ。
デメリット3:為替変動の影響がある
海外に投資する投資ファンドの場合、為替変動による損得があります。海外に投資する投資信託の場合、外貨建てでは儲かっていても、円建てに変換すると損をしているといったことがあり得るのです。
例えば、1ドルが100円の時に投資信託を100ドル分買ったとしましょう。日本円では1万円ですね。1年後にその投資信託が110ドルに値上がりしたので、このタイミングで売ったと仮定します。
このとき、1ドルが80円と円高になっていたら、売却した際に受け取るお金は8,800円です。1万円投資していたはずなのに、8,800円に値下がりしてしまいました。これが、外貨建ての投資としては儲かっているものの、為替変動で損をしてしまうパターンの例です。
とはいえ、逆に「外貨建てでは損しているけど、円建てに変換したら得している」というケースもあり得ます。海外に投資する場合は「為替変動によって得をすることもあれば、損をすることもある」と覚えておきましょう。
状況別・投資ファンドの選び方
ここまで、投資ファンドの種類やメリット・デメリットについて解説してきました。
投資ファンドについて理解を深めたところで、実際に投資するべき商品を考えていきましょう。投資家の状況別に、次の3パターンに分けておすすめの投資ファンドを解説していきます。
- 少額で始める場合
- 1,000万円以上の資金がある場合
- 利回りを追求する場合
選び方1:少額で始める場合
少額で投資ファンドを始めるなら、次の3つがおすすめです。
- 投資信託
- REIT
- ファンド・オブ・ファンズ
投資信託は、インターネット証券会社で買えば100円から始めることができ、100円単位で購入することができます。特にこれから初めて投資をする方で、投資をお試ししてみたい方におすすめです。
1万円以上を投資に回せる人は、投資信託の他にもREITを検討してみてはいかがでしょうか?欲を言えば、10万円ほどの資金があれば、REITは選り取り見取りです。
REITは利回りが3%から6%程度と高いことが特徴なので、10万円の投資でも年間3,000から6,000円ほどの分配金を受け取ることのできるおいしい投資です。
ファンド・オブ・ファンズは投資信託やREITに多い種類です。海外の投資信託やREITに投資するファンド・オブ・ファンズも少額で始められます。
選び方2:1,000万円以上の資金がある場合
1,000万円以上のまとまった資金を一度に投資できる場合は、ヘッジファンドでの運用がおすすめです。相場が右肩下がりのときでも利益を出せるヘッジファンドは、限られた富裕層にしかできない投資です。
ヘッジファンドは10%を超える高利回りを狙えるので、資金があるならヘッジファンドに投資すれば大きな利益を得られる可能性があります。
投資信託だと2%から5%、REITだと3%から6%の利回りが一般的なので、ヘッジファンドが利益に対していかにシビアかおわかりいただけると思います。
ヘッジファンドは資金力のある人にしかできない投資法なので、お金がある方はその特権を活かすことをおすすめします。
選び方3:利回りを追求する場合
ヘッジファンドと同等もしくはそれ以上の利回りを狙えるのは、次の3つの投資ファンドです。
- ベンチャーキャピタルファンド
- アクティビストファンド
- 企業再生ファンド
これらの投資ファンドに共通するのは、「割安な企業の株式を買い、企業を育てて株価を上げてから売却して利益を得る」という投資法です。成功すればリターンは20%を超えることもあり、利回りを追求する投資家には持ってこいの投資ファンドです。
初心者におすすめの投資信託
これから投資を始める方や、投資経験が浅いという方におすすめの投資信託は次の5つです。
- ニッセイ日経平均インデックス・ファンド
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
- ひふみプラス
これから投資を始める方は、「最初は少しのお金で投資を試してみて、良さそうだったら本格的に始めたい」と思う方が多いでしょう。前の項目でも解説したとおり、投資ファンドの中で最も少額で始められるのは「投資信託」です。
これら5つから始めてみてはいかがでしょうか?それぞれについて詳しく解説していきましょう。
初心者向け1:ニッセイ日経平均インデックス・ファンド
ニッセイ日経平均インデックス・ファンドは、日経平均株価に連動する投資信託です。日経平均株価を構成する200以上の銘柄に投資をするので、分散投資の効果もバッチリです。
「日経平均株価」は毎日のニュースの中でも報道されるので、「前の日よりも上がっているか・下がっているか」はニュースをチェックするだけでわかります。また、大幅に上昇したり下落したりしているときはニュースで解説されるので、指標が「なぜ大きく変動しているのか」という原因を把握しやすく、初心者にもおすすめの指標です。
さらに、購入時や売却時の手数料が無料で、信託報酬が年率0.154%と非常に小さいです。低コストで保有できる投資信託なのでおすすめです。
初心者向け2:楽天・全世界株式インデックス・ファンド
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは、楽天・全世界株式インデックス・ファンドは日本を含む全世界の株式に投資をする投資信託です。世界経済の平均的な成長を取り込めるので、安定的なリターンが期待できます。
さらに、購入時や売却時の手数料が無料であり、信託報酬が年率0.2196%と小さいことが特徴です。低コストで全世界に幅広く資産を分散させることができるのでおすすめのファンドです。
初心者向け3:SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドは、米国の株価指数「S&P500」に連動する投資信託です。2019年9月12日から募集を開始したばかりの新しいファンドです。
まだ過去実績がないため不安に思われる方もいるかもしれませんが、米国の人気商品に投資するファンド・オブ・ファンズです。その商品は、バンガード社が運用するS&P500連動型のETF(投資信託に似た商品)で、右肩上がりの運用実績を誇っています。
成果を出している商品への投資のため、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド自体の運用にも問題はないと考えて良いでしょう。
初心者向け4:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、次の8つに均等に投資する投資信託です。
- 国内株式
- 先進国株式
- 新興国株式
- 国内債券
- 先進国債券
- 新興国債券
- 国内REIT
- 先進国REIT
さまざまな国や商品に分散した投資を行えるので、低リスクに運用できる特徴があります。投資先を決められなくて困っている方には、特におすすめの投資信託です。
初心者向け5:ひふみプラス
ひふみプラスは主に国内の株式に投資する投資信託ですが、成長性の高い企業を選んで投資しています。そのため、日経平均株価の銘柄全体に投資するといった手法よりも高いリターンを期待することができます。
2012年に運用を開始してから基本的に右肩上がりで資産運用を続けており、東証一部の平均的な株価を表すTOPIXよりも高いリターンを上げています。各証券会社の投資信託の人気ランキングでも、その運用実績の良さから上位に来ていることが多いです。
信託報酬は1.0584%とやや高めですが、購入時・売却時の手数料は無料です。初心者の方も手を出しやすいファンドなので、検討してみてください。
投資信託なら節税もできる
投資ファンドの中でも投資信託がおすすめなのは、「節税もできる」というメリットがあるからです。具体的には、「iDeCo(イデコ)」と「つみたてNISA(ニーサ)」の2つの制度があります。
投資信託を始めるなら、まずはiDeCoやつみたてNISAを使うことから始めてください。それぞれの制度の内容について、詳しく見ていきましょう。
iDeCo
iDeCoとは、自分で積み立てして作る個人年金のことです。毎月一定額を積み立てていき、60歳を迎えると年金または一時金で受け取ることができます。
iDeCoに拠出したお金は、投資信託だけでなく保険商品や定期預金で運用することもできます。拠出した金額は全額が所得税・住民税の控除対象となるため、支払う税金が少なくなってお得です。
拠出できる金額は、公務員なら1万2千円、会社員なら2万3千円、自営業なら6万8千円が毎月の上限です。「少し投資を始めてみたいな」と思っている方にとっては十分な枠ですので、iDeCoを活用してみてはいかがでしょうか?
つみたてNISA
つみたてNISAで投資信託を購入すると、運用で得られた利益に税金がかかりません。普通は資産運用の利益に約20%の税金がかかるため、つみたてNISAの非課税メリットは非常に大きいです。
つみたてNISAを使えるのは最長20年で、年間40万円までの投資額です。月間の投資額に変換すると、約3万円となります。これから投資を始める方なら、月3万円の枠があれば十分ではないでしょうか。
iDeCoとの違いは、所得税・住民税の控除対象かどうかです。iDeCoなら控除されますが、つみたてNISAは控除されません。つみたてNISAで非課税となるのは、運用益のみです。
そのため、iDeCoの方がつみたてNISAよりも節税メリットが高いです。
まずは、つみたてNISAの前にiDeCoを使えるか調べてみてください。iDeCoの上限より多く投資したい場合、つみたてNISAを活用すると良いでしょう。
まとめ
投資ファンドについて、種類とおすすめを解説しました。代表的な投資ファンドは次の7つなので、おさらいしておきましょう。
- 投資信託
- 不動産投資信託(REIT)
- ヘッジファンド
- 企業再生ファンド
- ベンチャーキャピタルファンド
- アクティビストファンド
- ファンド・オブ・ファンズ
投資に慣れてきたら、投資信託以外の投資ファンドも検討していくと良いでしょう。利回りを追求するなら投資信託だけでなく、REITをはじめとした他の投資ファンドへの投資も必要になりますよ。
さらにファンドの選び方をもっと詳しく知りたい方は以下の記事もおすすめです。