老後の資金や子供の教育資金など確保するために資産運用を行っている方も多いのではないのでしょうか。ただ、将来必要となる資金を考えるともう少し効率的に運用を行いたいと考えるとなるとファンドで運用することも1つの方法です。
ファンドも多くの種類があり、どの様に選べばよいのかわかりづらいのが現状です。そこで、今回はファンドの選び方を解説するとともに、ファンドを含めて実際に投資したい資産運用のプロを5つ紹介します。
1、前提として知っておきたい!ファンドの種類は?
投資信託をはじめるにあたり、はじめに知っておきたいファンドの種類を知っておきそれぞれの特徴を把握しておくことが重要です。ファンド選ぶ上で知っておきたいファンドの種類を紹介します。
(1)証券投資信託
証券投資信託は、一般的にイメージされる投資信託のことで、株式や債券、不動産、デリバティブ、コモディティなどを対象に複数の銘柄を組み合わせて運用する投資商品です。
個人が購入できるのは個人投資家向けに販売する「公募型」で、運用会社が指定した証券会社や銀行、郵便局、保険会社で扱っています。
(2)ヘッジファンド
ヘッジファンドとは、一般的にイメージされる投資信託同様に株式や債券、デリバティブ、コモディティなどに投資を行いますが、特徴としては、買いだけではなく、空売りなど高度な手法を利用することで、上昇局面だけではなく下落局面でもリターンが狙えるのが特徴です。
(3)アクティビストファンド
アクティビストファンドとは、良く投資関係のニュースや新聞で見聞きする「物言う株主」のことで、投資先の企業に対して経営上の注文を行うことで企業経営を良くし、株価上昇を狙い売却して利益を得ることを目的としたファンドです。
(4)ベンチャーキャピタルファンド
ベンチャーキャピタルファンドとは、起業したばかりのベンチャー企業に投資を行うファンドです。ベンチャー企業は資金調達が難しい側面がありますが、ファンドは事業の将来性などを判断し投資を行うことで、将来的な新規株式公開(IPO)や吸収合併(M&A)の時点で売却して利益を得ることを目的としたファンドです。
(5)バイアウトファンド
バイアウトファンドとは、企業全体もしくは事業部門全体をTOBなどの手法を使って買収することで、企業価値を向上させた後に売却することで利益を得ることを目的としたファンドです。
(6)企業再生ファンド
企業再生ファンドとは、経営難に至った企業を買収することで、経営を再建し企業価値を向上させた後に売却することで利益を得ることを目的としたファンドです。
(7)不動産投資信託(J-REIT)
不動産投資信託(J-REIT)は、日本国内のオフィスや物流施設、賃貸住宅などの実物の不動産に対して投資家から資金を募り保有し、そこから得た賃貸収入や売却益を投資家に対して分配するファンドです。
(8)不動産投資ファンド
不動産投資ファンドとは、先程の不動産投資信託と似ていますが、投資家から資金を集めた資金と金融機関から借り入れた資金を元に、不動産を購入しそこから得た賃貸収入や売却益を分配するファンドです。
(9)ファンドオブファンズ
ファンドオブファンズは、ヘッジファンドや企業再生ファンドなど個人投資家から資金を集めて投資するファンドです。個人投資家はヘッジファンドや企業再生ファンドなどに直接投資することは難しいですが、ファンドオブファンズを通じて投資することで間接的に投資が可能になります。
(10)商品ファンド
商品ファンドは、金や銀、天然ガス、石油などの商品に対して、個人投資家から資金を集めて投資するファンドです。
(11)現物ファンド
現物ファンドは、ホテル事業や飲食店など特定の事業に対して投資するファンドです。その他、映画や音楽、ワインなどにも投資するファンドもあります。
(12)コンテンツファンド
コンテンツファンドは、現物ファンドと似ていますが映画や音楽、ゲーム、ソフトウェア、テキストなど知的財産に対して投資するファンドです。
2、ここさえ押さえればOK!投資すべきファンド(投資信託)の選び方6つ
実際にファンド(投資信託)を選ぶ上では何を基準に選べばよいのでしょうか?地長期的に運用するためには将来的に運用パフォーマンスが良好に推移する可能性が高いことに加え、コストについてもしっかりと抑えておく必要があります。実際に押さえておきたい6つのポイントを紹介します。
(1)信託報酬が年率1%以下のファンド
信託報酬とは、運用会社が銘柄選定や運用するにあたり、調査にかかわる費用や人件費などの経費を、投資家に対して運用委託料として徴収するものです。
長期的に運用していくには、できるだけコストを抑えることが重要です。目安として年率1%以下が望ましいといえます。運用期間が長くなればコスト負担が高まりますので信託報酬については必ずチェックします。
(2)販売手数料が無料であるノーロードファンド
投資信託を購入する時、運用会社が設定した範囲内で金融機関が販売にかかわる費用を徴収する目的で販売手数料が設定されています。
近年ではネット証券の普及で、販売手数料も抑えることが可能になったため、販売手数料が発生しないノーロードファンドも登場しています。
(3)純資産残高が右肩上がりで増加しているファンド
純資産残高が右肩上がりで増加していることも重要です。純資産残高が増加していれば、運用で利益が得られていることや、多くの投資家から資金が集まっている事になりますのでパフォーマンスにおいても良好であると判断できます。
(4)過去の運用成績が良好であるファンド
過去の運用成績が良好であるのかもしっかりとチェックしておきましょう。最低でも過去5年間の運用成績に目を通しておきます。相場が良いときだけではなく悪い時など相場環境にどれだけ対応できるかもわかります。
(5)分配金を再投資しているファンド
運用で得られた分配金はできるだけ再投資しているファンドが望ましいといえます。分配金を再投資することで、元本を積み上げ複利の効果が期待できます。そのため、資産を大きくするスピードも早まるといえるでしょう。
(6)償還日が無く長期的に投資が可能なファンド
長期的に運用していくためには、満期となる償還日が無く長期的に投資が可能なファンドを選ぶことが重要です。
3、ファンドの中でもアクティビストファンドがオススメな2つの理由
様々なファンドがある中で実際に投資を行うにはどの様なファンドを選ぶと良いのでしょうか?
投資するにはしっかりと利益を確保して資産を大きくする目的を達成するには「アクティビストファンド」がおすすめです。その理由を2つ紹介します。
(1)アクティビストが保有する銘柄は上昇しやすい!
アクティビストファンドは、企業に対して経営上の注文を行うため、企業が株主を意識した経営を行うことになります。そのため、経営効率が向上することから、株価も上昇しやすいと言えます。
2016年10月19日付けの東洋経済オンラインの記事によると、主要なアクティビストファンド4本が保有している株式から無作為に5銘柄ずつ抽出した20銘柄の平均騰落率は79.7%としています。ファンド別の平均をみると、株価の上昇率は2桁以上だったということです。
(2)株主還元が強化されやすい!
アクティビストファンドが株式を保有することで、企業経営の効率を求める中、経営で得た利益を株主へ還元するよう求めます。利益をキャッシュで貯め込む(内部留保)のではなく、配当金の増配や自己株式の取得などで、株主に還元します。
近年では、巷で有名なアクティビストファンド「村上ファンド」が保有する黒田電気が2016年3月期通期の1株あたりの配当金を86%引き上げています。
4、厳選!ファンドを含めたおすすめの資産運用及び投資のプロ5選
これまでファンドの選び方として、事前に知っておくべきポイントを幾つか紹介しましたが、実際に投資する上で、おすすめできる資産運用及び投資のプロは何があるのでしょうか?ここではファンドを含めて実際に投資したい資産運用及び投資のプロを5つ紹介します。
(1)Japan Act
Japan Actは、日本国内の株式を主な投資対象としたバリュー/アクティビスト投資を行っている会社です。
徹底した投資対象の分析から理論価値を算出し、何らかの要因によって市場で過小評価されている企業への投資を行っています。
短期的な利益を追及せず、中長期的な投資スタンスで経営陣との対話を通じ、企業との関係構築を図っている。
企業の手掛ける事業の優位性や将来性、保有資産を徹底的に分析し、企業本来の価値と現在の企業価値(市場における時価総額)との間に乖離のある銘柄を投資対象とし、企業への要求や株主提案を行うなど、アクティビストとして積極的に活動しています。
(2)レオス・キャピタルワークス
レオス・キャピタルワークスは、藤野英人氏が率いるファンドで、「資本市場を通じて社会に貢献する」をモットーに、日本国内を中心とした大型株から中小株まで成長企業に幅広く長期的に投資することで、日本の将来の経済成長に貢献します。
実際に、データのみならず企業に足を運んで調査や分析を行った上で、将来的に伸びる企業を発掘します。
同社が運用する投資信託「ひふみ投信」は、2008年9月30日の設定以来、基準価格は、10,000円からスタートし、2017年10月20日時点で45,951円となっており、純資産額は91,206百万円まで拡大しました。2017年9月30日まで9年間の運用成績は355.3%を記録しています。
(3)セゾン投信
セゾン投信は、クレジットカードで有名なセゾングループに属した、中野晴啓氏が率いるファンドです。4年連続して『R&Iファンド大賞』最優秀ファンド賞を受賞しています。
同ファンドは、主に2本の投信を運用しており、世界最大の運用会社であるバンガードのインデックスファンドを活用した「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と、国内外の株式と債券に幅広く分散して、長期的なスタンスで投資先企業の調査を行った上で投資する「セゾン資産形成の達人ファンド」です。
2つの投信を合わせて2017年3月末時点で純資産総額は1,716億円となっています。
「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」の基準価格は2017年10月20日時点において14,459円となっており、2007年5月の設定以来プラス42.49%の運用益を得ています。
「セゾン資産形成の達人ファンド」の基準価格は2017年10月20日時点において20,199円で、2007年5月の設定来96.23%の運用益を得ています。
(4)さわかみファンド
さわかみファンドは、澤上龍氏が率いるファンドで1999年8月24日より日本国内外の株式と債券中心に長期スタンスで投資を行います。
運用方針は、投資先の企業に対して徹底的に調査を行うことに加え、議決権行使を積極的に行うことで長期的に運用成績の向上を狙っています。
基準価格は2017年10月20日時点において25,569円となっており、純資産総額は運用実績は設定来プラス147.6%の運用益を確保しています。
(5)ニッセイアセットマネジメント
ニッセイアセットマネジメントは、日本生命グループの投資会社で、同ファンドが持つ投信はインデックスファンドと呼ばれる、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの指数に連動した運用を行っているのが特徴です。そのため、信託報酬も低水準を維持しています。
例えば、日経平均株価に連動した「ニッセイ日経225インデックスファンド」の信託報酬は0.27%に設定されています。2017年9月30日時点の純資産総額は
ニッセイアセットマネジメントは、インデックス投資ですので、これまで紹介したアクティブファンドに比べるとリターンは控えめですが、リスク許容度が中程度の方に適したファンドであると言えます。
まとめ
ファンド(投資信託)には様々なものがありますが、長期的に運用していくためにも、信託報酬や販売手数料などのコスト、純資産総額や運用成績といったこれまでの実績、分配金は再投資されるのか、償還日の有無はしっかりとチェックすることが重要です。
これらのポイントを踏まえた上で、紹介したファンドを参考に投資先を選んでみてはいかがでしょうか。この記事が投資先選びのご参考になれば幸いです。