お金が成る木で不労所得

不労所得の種類には何がある?リスク・リターン別に15種類解説

「不労所得」という言葉に、大きな憧れを抱く方も多いでしょう。不労所得を得るということは、単純に収入が増えるだけではなく、労働に時間をかけずに収入が得られることなので、非常に大きなメリットがあります。

 

仕事量を増やすことで収入を増やそうと思っても、人に与えられた時間には限界があります。そのため、労働で稼ぐことのできるお金には限界があります。しかし、不労所得を得る手段を構築できれば、収入を得るための時間を必要としないため、稼げるお金の量に限界はありません。

今回は、労働を伴わない、そして、時間をかけずにお金を得る手段を中心にご紹介します。不労所得を得るということは、毎日の生活費や収入を増やすという意味だけではなく、お金を稼ぐためのシステムづくりを行うものだと思ってください。

本当の意味での不労所得はほとんどない

冒頭でお伝えしておきますが、「何もせずにお金が自動的に増えていく」という投資の手法はほとんどありません。不労所得と呼ばれる収入にはさまざまな種類のものがありますが、実際に不労所得を得られる仕組みを構築するまでには、かなりの労力と時間が必要です。

そこで、一般的に不労所得と言われる中で、実態がほとんど労働に近いものをまずみていきましょう。

労働を伴う不労所得

労働を伴う不労所得の中でも、時間をかけなければ得られないものをご紹介していきます。

1.アフィリエイト

不労所得の代表格として、一時期もてはやされたのがアフィリエイトサイトです。サイトを制作し、商品を販売することにより売上を得ることができたり、広告がクリックされた回数に応じてGoogle AdSense(グーグルアドセンス)から報酬を得ることができたりする仕組みです。

 

しかし、これらの売上を発生させるためには、コンテンツを作ったりSEO(検索エンジン)対策を行ったりする必要があります。また、TwitterやFacebook、LINEといったソーシャル・ネットワークで顧客の囲い込みを行う必要もあります。

そして、何より、構築後も継続的にコンテンツを増やすといった更新作業を続けていかなければ、まとまった売上を得ることはできません。

 

そのため、アフィリエイトは決して不労所得と言えるものではありません。安定した売上を確保するために、日々の作業にはかなりの時間が必要です。

特に、物販を行う場合は顧客サポートや発送なども必要です。場合によっては、月間の労働時間が100時間以上になることもあるでしょう。

ですから、アフィリエイトは不労所得というよりはサイト運営ビジネスだと言えるでしょう。

2.書籍などの印税

書籍を出版し、発行部数に応じて得られる収入が印税です。印税も不労所得だと言われていますが、印税を得るには二つのハードルがあります。

まず、書籍を執筆するだけの時間が必要であること。そして、その書籍を売る必要があることです。

また、何の実績もない作家の本を出版社が積極的に出版することはないでしょう。出版社が主催するイベントで新人賞に入選するなどして作家としてデビューしなければ、印税を得る道は拓けません。

 

元々知名度がある人が自伝などを書く場合、それまでに執筆経験がなくても大量の部数が発行されることはあります。しかし、まったく出版に関係する賞を受賞したことがない人が出版しようと思っても、近年の出版不況により出版に至るまでのハードル(審査)は非常に厳しくなっています。

したがって、印税で収入を得るまでには何年もかかることでしょう。

3.版権ビジネス

版権ビジネスは、キャラクターなどを製作しそのキャラクターを使ったグッズを販売することで、一定の版権収入を得るものです。

ディズニーやサンリオ、San-Xといった会社が版権ビジネスを展開しています。また、既存のアニメやコミックのキャラクターなどを利用した版権ビジネスもあります。

 

版権ビジネスも、まずは制作したキャラクターが市場で人気を得なければ、そのキャラクターを使ったグッズが売れることはありません。マーケティングを行い、どのようなキャラクターが支持を得ているのかしっかりとした調査が必要です。

その上で、キャラクターが広く受け入れられるようアピールを行っていく必要があります。一度当たれば実入りの大きなビジネスとは言えますが、キャラクターが市場に氾濫している現在、新規キャラクターでヒットを出すことはかなり難しいと言えます。

中にはLINEスタンプのように、個人でも取り組めるキャラクタービジネスもありますが、それでも収入を得ている人はごく一部です。

4.株式投資やFX投資

不労所得の代表格と言われる株式投資やFX投資も、決して楽な不労所得とは言えません。これらの投資で安定した利益を出していくには、常に相場を注視して値動きの変動に応じて適切な取引を行っていく必要があります。

株式投資の場合、相場が動く時間が限られていますが、FXの場合は土日を除いて常に相場は動いています。相場の変動による売買益を狙うような投資手法では、相場への注視と売買の作業が発生するため、不労所得と言えるものではありません。

むしろ、大まかに勤務時間が8時間と決まっている一般的な仕事よりも、労働時間が長くなる可能性があります。

不労所得を得るには仕組みづくりが重要

不労所得を得るには仕組み作りがとても重要です。

版権ビジネスや印税ビジネスは、自らをブランド化するものです。もし市場に受け入れられる存在になれば、不労所得に近いシステムを構築できたと言えます。

 

しかし、そこまでの道のりは大変長く、誰でもできるというものではありません。デザインやイラストなど、何らかのスキルも必要です。

それでも、一般の人でもお金を自動的に得るための仕組みづくりを行うことは可能です。その具体的な例をみてみましょう。

1.お金を貸すことで収入を得る

金利を上乗せしてお金を貸し、金利収入を得る仕組みは不労所得の一例だと言えます。しかし、個人が勝手にお金を貸して収入を得るようなビジネスを展開することはできません。

まずは、貸金業と自治体に申請する必要があります。また、一定の資金を持っていなくてはなりません。

 

さらに、この手のビジネスは、お金を貸す時点ではそれほど大きな問題はありませんが、お金を回収する際に貸し倒れリスクが伴います。資金の回収こそが貸金業ビジネスの最大のリスクです。

2.物を貸すことで収入を得る

レンタルビデオのように、物を貸し出すことで収入を得ることも不労所得の一つだと言えます。既存のサイトや店舗に所有する物品だけを提供し、貸し出した後に対価が得られるのであれば、不労所得に近いビジネスを展開できるでしょう。

 

しかし、一般的には貸し出すためのものを自分で購入し、準備する必要があります。また、貸出すためには、集客しなければなりません。また、自分でサイトなどのシステムを構築する場合、コストはさほどかからないにせよ、時間と労力を要します。

3.土地を貸すことで収入を得る

土地や不動産を貸して収入を得ることは、個人でも可能です。2019年現在の投資用ローンの金利は、国がマイナス金利を導入したことで大幅に下がっています。そのため、不動産投資を行う個人投資家は増加しています。

また、不動産投資の場合、金融機関に融資を受けて不動産を購入できるため、必要な資金をすべて自分で用意する必要はありません。金融機関からお金を借りて土地を購入し、第三者に貸し出すことでビジネスが成立するため、不労所得を得るシステムが構築しやすい方法です。

4.権利を貸すことで収入を得る

土地だけではなく、権利を貸し出すことで利益を得ることも可能です。名義貸しが代表的なものとして挙げられます。

例えば、飲食店のフランチャイズビジネスが名義貸しに該当します。つまり、店舗を運営するためのノウハウと名義を貸し出すことで、売上に応じた収入を得ることができるのです。

ローリスク・ローリターンの不労所得

不労所得にはさまざまな種類があり、リスクとリターンの幅が異なります。基本的にリスクとリターンは比例するものであり、大きなリターンを目指そうと思うほどリスクが大きくなります。

そのため、毎月100万円といった大きな不労所得が欲しい場合、莫大な資金を用意するか、リスクの高い投資手法に挑戦しなければなりません。

まずは、比較的リスクが低く、ローリターンだと言える投資手法からご紹介していきましょう。

1.銀行預金

現時点では、最も確実に不労所得を得る手段は銀行預金です。銀行預金にはある一定の金額までなら元本保証があります。

バブル崩壊以降、日本の金融機関の金利は非常に低い水準で推移しており、普通預金にお金を預けても金利は0.01%未満、定期預金でも0.1%ほどです。金利が0.1%の場合、100万円を預けていたとしても1年間でわずか1,000円にしかなりません。

 

ただし、銀行預金は元本1,000万円までとその利息までが保証されているため、資産を目減りさせたくない人にとっては資金をタンス預金にしておくよりは良いと言えるでしょう。確実に増やしたい、損をしたくない場合は銀行預金も有効です。

また、海外の銀行にはより金利の高い金融機関があります。そういった金融機関にお金を預けておけば、日本の銀行に預けておくよりもお金を増やすことができます。その場合、為替変動に伴うリスクが同時に発生することに注意が必要です。

2.国債

日本が抱える借金(負債)を有価証券にして売買できるようにしたものが債権です。代表的なものには国債があります。債権なので、運営している母体が倒産した場合債権がなくなる可能性があります。

日本の国債の発行元は日本国です。日本という国がなくならない限り、元本は保証されていると言っても良いでしょう。

そのため、国債が発行されると多くの人が投資代わりに購入します。金利は0.1%ほどですので、銀行の普通預金よりは良いといった程度です。タイミングが合えば購入しても良いでしょう。

3.社債

国債ではなく、企業が資金調達のために発行するものが社債です。社債は国債よりもリスクがあり、発行元の倒産リスクを織り込んでおかなければなりません。

その反面、社債は1%や2%など、国債よりも金利がかなり高めに設定されます。そのため、ある程度まとまった収入を見込むことができます。

 

例えば、ソフトバンクの社債は人気があり、2%ほどの金利で売りに出されると、すぐに投資家が殺到します。このように、倒産が起こりにくいインフラ関連の大企業の社債を購入すれば、ある程度はリスクを抑えられるでしょう。

4.個人型確定拠出年金(iDeCo)

確定拠出年金(iDeCo)は、個人で用意することのできる私的年金制度です。iDeCo制度が利用できる投資信託や保険商品を選択し、投資や預金、積立を行います。

iDeCoに投資、積立している資金は60歳まで引き出すことができませんが、その代わり全額が所得税や住民税の控除対象になり節税が可能です。ただし、職種によりiDeCoの金額に上限があります。

また、運用益も非課税なので、老後の生活の支えになります。

特に個人事業主の場合、iDeCoを利用できる金額の枠が大きいので、節税に大きな効果を発揮します。また、個人での節税が難しい給与所得者にとっても利用価値の高い制度です。

5.ロボアドバイザー投資

最近増えている投資手法に、ロボアドバイザー投資と呼ばれるものがあります。これは、ロボアドバイザー投資を行う会社に資金を預け、人工知能がさまざまな投資手法を駆使して資金を運用する方法です。

資金を預けた後はロボアドバイザーにその運用を任せるだけなので、ほぼ完全な不労所得になります。また、投資手法やリスクの幅を自分で選ぶことができるので、ハイリスク・ハイリターンを求める方にも、ローリスク・ローリターンが良いという方にもおすすめできます。

 

一方、人工知能だからといって必ずしも利益が出るとは限りません。確実に資産を増やしたい人には向いていないかもしれません。

また、ロボアドバイザー投資は世間で利用されるようになってからまだ日が浅く、普及してきたのはここ1年から2年といったところです。そのため、適切な法整備が行われていません。

したがって、ロボアドバイザー投資を提供している業者の中には、投資家に対して不利益かつ不遜な行為を働く会社が存在するおそれもあります。

 

新興の投資手法を行う会社の中には、えてして詐欺行為を行う会社が出てくるものです。そのため、ある程度実績を積み重ねたロボアドバイザー投資を選ぶ必要があります。

また、提供元の会社が倒産した場合、資金はどの程度回収できるのか不明な点もあります。ロボアドバイザー投資に投資する場合、しっかりと事業者リスクを確認する必要があります。

今後の発展や普及に期待がかかる最新の投資手法の一つと言えるでしょう。

6.自販機設置、コインロッカー

土地を借りて自動販売機やコインロッカーを設置する方法です。住宅街の中にも設置することができるため、利用者が多ければ半自動的に収入を得られます。

立地次第で収益性は大きく異なりますが、良い場所を確保できれば効率の良い不労所得になり得ます。

自動販売機は商品の入れ替えが必要ですが、飲料販売事業者に任せることができます。ただ、電気代などの維持費がかかります。

一方、コインロッカーに必要な維持費はわずかです。駅前に需要が集中するため、どこでも運営できるとは限りません。

ミドルリスク・ミドルリターンの不労所得

ローリスク・ローリターンの投資手法では、1年間の投資で入ってくる収入は投資金額の2~3%といったところです。しかも、そこから税金を支払わなければなりません。

「せっかくまとまった資金を投入するのであれば、多少はリスクを冒してでも5%以上の利益は得たい」。そのような方向けに、続いてはミドルリスク・ミドルリターンの投資手法をご紹介していきましょう。

1.ソーシャルレンディング

最近注目を集めている投資手法の一つにソーシャルレンディングがあります。

ソーシャルレンディングは、クラウドファンディングのシステムを利用した投資手法です。複数の投資家から少しずつ資金を集め、事業用の資金を必要とする会社に集めた資金を貸付けます。その際に、上乗せした金利収入を得ることができる仕組みです。

5万円や10万円といった比較的少額から投資が可能なところがソーシャルレンディングの特徴の一つです。

 

ソーシャルレンディングは新興の投資手法であり、運営会社における事業者リスクが大きな問題になっています。実際に、ソーシャルレンディングの運営会社への行政処分がここ2、3年で複数件発生しています。

融資にあたっては融資先から担保を取っていますが、担保の評価額が曖昧だったケースが多々発生しました。そのため、「貸し倒れ後にわずかな資金しか返済されなかった」「集めた資金が投資家に告知されていた用途以外の事業に利用されていた」といった不祥事が報告されています。

 

ソーシャルレンディングの年利は平均5~10%と比較的高めです。投資した後は特に対応することがないため、不労所得が得られるまでのハードルが非常に低い点がメリットですが、残念ながら事業者リスクが高まっています。

ソーシャルレンディングが一般的になるまでには、もう少し時間がかかるかもしれません。

安全性が確保されていけば、不労所得を得るという意味では、大変優れた投資手法になる可能性があります。

2.投資信託

投資信託は、歴史が長く比較的安全な投資手法です。投資信託では、投資のプロが複数の金融商品を選定し、自分の代わりに運用してくれます。そこで得られた利益の一部が手元に戻ってくる仕組みです。

運用を自分で行う必要がないため、運用したい投資信託を選んだ後は、ほぼ作業が発生することはありません。運用期間後に償還金が振り込まれるのを待つだけという手軽さがメリットです。

また、日本国内の株式や為替だけではなく、海外の投資商品も豊富に用意されています。そのため、さまざまな投資対象を選んでいくことで、リスクを分散できるメリットがあります。

運用する商品の種類が豊富なので、収益性が高いもの、安全性が高いものなど、自分の投資スタイルに合ったものを選べるメリットがあります。安全性を重視するのであれば、自分が詳しい分野を扱う投資信託のみを選んでも良いでしょう。

 

一方、投資信託のリスクには、運用で必ずしも利益が発生するとは限らないことがあります。例えば、リーマンショック級の経済危機が発生したときに、高い確率で多くの投資信託(ファンド)に損失が発生する可能性があります。

そして、運用を委託する立場である以上、利益の有無にかかわらず必ず運用手数料を支払わなければなりません。そうした運用コストの高さがデメリットです。

 

それでも、投資信託は始めるまでのハードルが低く、必要な最低金額も少額で済みます。そして、投資信託は歴史のある投資手法であるため、運用を研究するための本やサイトなどが豊富で勉強しやすいことはメリットだと言えます。

運用元も大手証券会社など、事業者リスクが低い会社が多いです。

3.不動産投資

不動産投資は、投資信託と同様に歴史が大変長い投資手法です。不動産投資の歴史は、古代ローマの時代からあったとも言われており、日本でも土地や建物を貸すビジネスは、都市が成立した頃から行われていたと言われています。

不動産投資は、不動産を購入して他者に貸し出し、家賃収入を得ることを目的としています。また、家賃収入を得るだけではなく、値上がりしそうな場所の不動産を購入した後、値上がりしたタイミングで売却しキャピタルゲインを得る投資手法を取ることもできます。

 

このように、不動産の場合、インカムゲインの家賃収入とキャピタルゲインの売買益の両方を得ることが可能です。二つの方法で利益を得ることは可能ですが、安全性を重視するのであれば、家賃収入を目的とした運用が向いています。

家賃収入の利回りは、比較的リスクの低いものであれば3~5%ほど、リフォームを自ら実施してから貸し出す場合は、20%以上の利回りを得ることができる場合もあります。

冒頭でも触れましたが、不動産投資の最大のメリットは、金融機関からお金を借りて投資ができる点です。他者から資金を調達しながら投資対象の不動産を購入し、貸し出すことができるダブルサイドのビジネスですが、同じような投資手法はほとんどありません。

事業用ローンではなく、不動産投資専門のローンを金融機関も用意していて、金利や返済期間などの条件でも優遇されています。そのため、わずかな自己資金でも数千万円単位の不動産を購入することができ、貸し出して家賃収入を得ることが可能です。

 

ただ、現代の日本は少子高齢化により土地あまりの状況が続いています。収益用の集合住宅などを購入しても、物件によっては入居者を見つけることができず、赤字になる可能性があります。

家賃の相場は不動産価格そのものの相場よりも変動幅は小さいですが、景気の影響を受けます。そのため、立地を重視し安全性を確保したうえで他の物件を購入していくことが重要です。

投資初心者は、どの物件を選べば良いのかがわからないため、物件選びの時点でつまずいてしまう可能性があります。

4.太陽光発電設備投資

太陽光発電設備投資とは、太陽光発電設備を購入し、発電された電力を国に買い取ってもらう投資手法です。

現在、太陽光発電による電力の買取りの中止を国が検討していると報道されています。そのため、今後の新規参入は非常に難しくなっています。

太陽光発電設備に投資する場合、2000年代後半の売電価格が高かった時代に建てられた発電装置を購入し、運用益を得る形が一般的です。その当時建てられた発電設備は、一定期間は買取価格が保証されるため、今からでも投資するメリットはあります。

 

太陽光発電設備投資は、出口戦略が非常に難しい投資手法です。

太陽光発電設備が建てられる場所は主に山の中で、土地の価値がほとんどないに等しいです。そのため、国からの買取り制度がなくなった後、その土地をどのように処分していくかが課題になります。

 

出口戦略に長じた人でなければ、購入後に収入も得られず太陽光発電装置が残ってしまい、固定資産税を支払わなければならない状況も考えられます。年利は10%以上を見込めるものもありますが、リスクが高いと言わざるを得ません。

5.シェアリングビジネス

情報技術の発展により、個人が情報を発信しやすい時代になりました。その結果を受けて最近普及しているのが、車や装飾品などのシェアリングビジネスです。

シェアリングビジネスを始めるには、シェアリングビジネスのポータルサイトを提供している会社に自分の持つ車や装飾品などの高級品を登録し、そのサイトを通じて他人に貸し出します。そして、レンタル料を得るという仕組みです。

 

需要があるものは一般人がなかなか購入できない高級品なので、シェアリングビジネスに参入するためには、高級品を所有もしくは購入するだけの資金力を有していなければなりません。その意味で、参入のハードルはやや高いと言えるでしょう。

 

シェアリングビジネスの難点としては、需要が読みにくいことです。また、車などを貸し出した際に万が一事故が発生した場合、たとえ保険がおりて修理費用が出たとしても満足な修理が行われるとは限りません。

高級車といえども、一度事故に遭って破損した車に乗りたい人は多くはないでしょう。そういった物品の破損や喪失面のリスクを想定しておく必要があります。

それでも資金に余裕がある人、趣味で集めた高級品を生かして不労所得を発生させたいという人であれば、趣味と実益を兼ねられるので、大変向いています。

 

また、もっと手軽にできるものとして、駐車場のシェアリングビジネスが最近では増えています。例えば、イベント会場などの近くに土地を持っていて、空地や自宅の駐車場を一時的に貸出すビジネスです。

誰しもができる投資手法ではありませんが、土地を持っていれば新規参入でリスクを取ることなく、手軽に収入を得ることが可能です。

ハイリスク・ハイリターンの不労所得

ミドルリスク・ミドルターンの投資手法よりもさらに高い収益性を目指したい方は、ハイリスク・ハイリターンの不労所得を目指しましょう。

ハイリスク・ハイリターンの投資では、元本割れする可能性が高くなります。そのため、ハイリスク・ハイリターンの不労所得を得る投資手法を選ぶには、前もって入念に投資の特徴を調べ熟知しておく必要があります。

これからご紹介する投資手法は、熟練のトレーダーでも安定した儲けを稼ぎ出すことは難しいということを念頭に置いておいてください。

1.FXのスワップ金利

FXは国家間の通貨取引に伴う相場の変動により、売買の差益を得る投資手法です。売買益の獲得を目指し、常に相場に張り付いている必要があります。

しかし、どうしても相場につきっきりになることが難しく売買に時間を割けないため、スワップ金利を得ることを目的に投資する人もいます。

スワップ金利は、金利の高い通貨と金利の低い通貨のペアによる金利差です。その金利差が収入になります。各国は政策金利を設定しており、日本のように金利が非常に低い国もあれば、南アフリカのように金利が高い国もあります。

例えば、金利3%の通貨と金利0.2%の通貨ペアを持っていれば、3%-0.2%=2.8%の金利の通貨を持っていることになるのです。

 

FXであれば、自己資金以上に多くの通貨を所有できます。例えば、スワップ金利が3%の通貨をレバレッジ10倍で保有していれば、なんと金利30%で運用することが可能です。

このような高金利の通貨には、南アフリカランドやトルコリラがあります。先進国の通貨は比較的金利が低く抑えられており、日本の政策金利はほぼ0%、アメリカで1%ほどです。

ニュージーランドやオーストラリアといった高金利の通貨でも2%から2.5%ほどとなっています。

 

また、スワップ金利は国家の施策によって金利の幅が上下するため、常に安定した儲けが得られるとは限りません。高収入を目指すにはレバレッジを高く保つ必要があります。

しかし、レバレッジを高く設定することは、すなわち、通貨の相場の変動時に大きな損失が発生するリスクをはらんでいるということです。安全に運用するのであれば、ある程度の相場の下落が起きても耐えられるよう、レバレッジは2倍から3倍ほどに留めておくことが良いでしょう。

また、過去の相場を参考にして、もうこれ以上通貨の価値が下がらないだろうというときは、リスクが限定されるためレバレッジを大きくしても良いでしょう。

 

しかし、南アフリカランドやトルコリラといった高金利の通貨は、基本的には下落傾向にあるため、スワップ金利による収入以上の損失を被る可能性が高いです。

NZドルや豪ドルは比較的金利が高く、相場も安定しているのでスワップ金利目的で保有するのに向いている通貨です。

2.株の配当金

株もFXと同様に、相場の変動によって売買の差益を得ることを目的としています。

一方で、株主優待や配当金を目当てに株を所有する人もいます。

株の配当収入だけで生活している方もいるくらいですが、ある程度の元手があれば、株の配当金や株主優待の景品で5%ほどの年利を得ることも不可能ではありません。

株主優待の景品そのものは現金ではありませんが、電鉄会社の無料乗車券をインターネットオークションに出せば容易に現金化することができます。このように換金性の高い特典を用意している会社の株を保有していれば、分配金と合わせてかなりの不労所得が得られるでしょう。

 

また、株もある程度は自己資金以上のポジションを持つことが可能です。FXほどではありませんが、レバレッジを少しかけることで収益性を高めれば、年利換算で10%以上の利益を得ることは不可能ではありません。

ただし、株もFXと同様に自己資金以上のポジションを持っていると、相場が下落したときに大きな損失を被る可能性が高くなります。リスクをよく理解し、慎重にどの会社の株を選ぶのか検討する必要があります。

なお、株の場合は株式会社が倒産することによって、株券がまったく金銭的価値を持たないものになってしまうリスクがあります。これは、FXにはないデメリットです。

3.FXの自動売買

一般的に、FXでは自分の目で相場を見張り、常に最適な売買を繰り返さなければなりません。しかし、為替相場は24時間変動しているので、常に相場に気を配ることは不可能です。

そのため、自分が寝ている間に相場が大きく動き、気がついたら大規模な損失を被っていたということはよくある話です。

そこで、最近では手動での取引から離れ、設定したプログラムに沿って自動的にコンピュータが運用を行う自動売買による取引が増えています。

 

FXの自動売買は、基本的に

  • 相場が下がったら買いを持ち、相場が上がったら売る
  • 相場が上がったら売りを持ち、相場が下がったら売りを処分する

をこまめに繰り返します。そして利益を積み重ねていきます。リスクを自分で設定できるため、想像以上に相場が上がってしまった、下がってしまったというときに損失を限定することができます。

 

ただし、FXの自動売買でも、誰でも利益が得られるという保証はありません。自動売買のプログラムは、一定の範囲の中で相場が動くことを前提にしていることが多いため、急激な相場の変動には対応できず、一気に相場が動くと莫大な損失を被ってしまうことがあります。

あくまでも過去の値動きを参考にしたプログラムに過ぎず、これから先に起こる不測の事態には対応できないことが多いです。

 

FXの自動売買は、人工知能によるプログラムの販売も増えていますが、継続的に利益を出していくには、定期的にプログラムのアップデートを行う必要があります。常にプログラムの刷新が求められるため、自動売買システム運用のための費用はかなりのコストがかかります。

手間をかけずに不労所得を得るという意味では、自動売買は多くの人にとって利用しやすいものですが、恒常的に利益を出すことは決して簡単なことではありません。

手動売買と自動売買を組み合わせれば、リスクを抑えて利益幅を大きくできるでしょう。うまく活用すれば心強い味方になります。

4.フランチャイズビジネス

一定の資金を持った投資家の中には、フランチャイズビジネスに参入する人もいます。

フランチャイズビジネスは、飲食店のフランチャイズが代表格です。有名な飲食店の名前を借り、経営ノウハウや知名度を利用することで店舗を運営する仕組みです。店舗の運営自体は従業員を雇い、自分はオーナーとして利益を得ていくビジネスです。

飲食店に限らず、コンビニエンスストア、クリーニング店などでもフランチャイズビジネスが普及しています。

 

知名度があるチェーン店の場合、フランチャイズに加盟すれば毎月安定した収入を得ることができます。もちろん、同時にリスクもあります。

例えば、コンビニエンスストアの場合、本部が運営している直営の店舗がフランチャイズの加盟店の近くに進出したために売上の奪い合いになり、結果的に加盟店が店をたたまざるを得なくなるケースがあります。

 

また、現代の日本では若者の数が減っているため、労働力となるアルバイトの確保が難しく、人員不足に陥って営業ができなくなってしまった店舗も存在します。

その他にも、アルバイトが不祥事を起こしたり盗難したりといった従業員リスクが存在します。飲食店やコンビニエンスストアでは労働力が社員ではなくアルバイトの場合が多いため、社会人として未熟な労働者が引き起こす業務上のリスクが存在しているのです。

 

そして、店舗を出店する場合は土地や建物が必要となるため、初期投資にかかる費用も莫大です。土地を持っている地主の中には、フランチャイズビジネスでコンビニエンスストアを展開し、複数の店舗を所有して大きな収入を得ている人がいます。

反面、資金に余裕がない人の場合、従業員の給与を削減するためにオーナー自らが店頭に立ち、長時間の労働で過労に陥ることもあるのです。周辺に競合する店舗が多い立地では、フランチャイズビジネスを成功させることは決して容易ではないのです。

不労所得の税金・税率の種類

得られた不労所得には、当然税金がかかります。注意したい点として、不労所得によって所得の種類が異なるということです。所得の種類が異なると、税率も異なります。

大きな不労所得が得られたとしても、大きな税金を支払わなければ利益を残すことができません。所得の種類と税率を把握し、節税対策をすることも不労所得を得るうえでは重要です。

配当所得

配当所得とは、株式、FX、投資信託などで得られた配当金・分配金が該当します。「収入金額−元本取得ための負債の利子」で計算されます。

「申告分離課税」という方式を選択することが可能であり、税率は

  • 上場企業の配当金が20.315%
  • 非上場企業の場合は20.42%

であり、所得にもよりますが雑所得よりも優遇されています。

所得が少ない場合、総合課税を選択すれば税率を20%以下に抑えることもできます。

事業所得

事業所得はアフィリエイトなどの事業が該当します。税率は所得税と同じ累進課税であり、所得が増えるほど税率が高くなります。

所得が900万を超えると税率は33%にもなるので、法人化を行ったほうが税率を抑えられるケースもあります。また、個人事業主は青色申告で確定申告を行えば、65万円の控除を利用できます。

不動産所得

不動産所得は、アパートやマンションなどの不動産投資や、駐車場や土地を貸し出すことで得られた所得が該当します。給与所得との損益通算が可能です。

損益通算とは、不動産所得が赤字の場合、給与所得を合わせて最終的な所得税の金額や住民税の金額を決めることです。

例えば、減価償却費のおかげで不動産所得が-100万円、給与所得が600万円だったとします。この場合600万+(-100万)で最終的な所得は500万円になります。

そのため、給料所得から支払った住民税や所得税を還付してもらえる可能性があります。

まとめ

リスク・リターン別に不労所得を得るための手法をご紹介しました。どの不労所得を見ても、リスクが高いものはリターンも大きい、リターンが小さなものはリスクが小さいといった点が共通していることがおわかりいただけたでしょう。

大きなリターンを追いながらリスクを減らしていくためには、投資の勉強を常に怠らないことが必要です。そのための学習は、基本的には労働と変わりません。つまり、なんの苦労もせずに簡単に収入が得られることはあり得ないのです。

 

学習を絶え間なく行うと同時に、さまざまな投資手法を組み合わせることによって、リスクを分散することができます。

例えば、Aが値上がりするとBが値下がりするなど、利益が相反するものに投資します。Aが値下がりしたときにBが値上がりすれば、リスクの幅を限定することができます。

そのぶん、利益の幅は小さくなりますが、不労所得を得るために重要なことは、何よりも投資から退場しないことです。コツコツと利益を重ね続けても、大きな損失で退場してしまっては、それまでの苦労が水の泡になってしまいます。

 

退場しないことを念頭に、何よりも徹底してリスク管理を心がけていきましょう。そして、不労所得を積み重ねながら、同時に大きな収益が見込める事業を展開すれば、より巨額の利益と安定した収入が手に入ることでしょう。