「収入が少なくても、簡単にできるお金の貯め方はない?」「無駄遣いしているつもりはないのに、お金が貯まらない」そう思い、お金の貯め方を模索している方は多いと思います。
実は、お金をためるのはそう難しいことではありません。コツさえつかめば、誰でも簡単に貯められるようになります。当記事では、お金が貯まらない原因と、誰でもできるお金の貯め方を5つ、ご紹介します。
「なぜお金が貯まらないのかわからない」と悩んでいる方、「少しずつでも、お金を貯められるようになりたい」と思っている方は、参考にしてくださいね。
お金が貯まらない原因は収入の大きさではない!
お金の貯め方をお伝えする前に、なぜあなたが貯蓄できないのか、お金が貯まらない原因を知っておきましょう。お金が貯まらない方は、「自分は収入が少ないから仕方ない」と思っていることが多いです。
しかし、貯まらない原因は収入の大きさではなく、日常のお金の使い方が原因ですよ。
原因1:支出の残りで貯蓄しようとする
お金が貯まらない原因でもっともよくあることは、「支出の残りで貯蓄しようとする」というものです。給与が出たらすぐ飲みに行き、雑誌でチェックしていた洋服を買いにいってお金を使い、「今月も貯蓄できなかった」なんて生活を送っていませんか?
給与が入っても、自分の欲望(支出)優先でお金を使っているようでは、いくら収入が多くても貯蓄はできません。「給与が入った途端すぐお金を使ってしまう」という方は、あればあるだけ使ってしまう浪費癖をなおし、「支出の前に貯蓄する」という心がけが重要ですよ。
原因2:自分がいくら使っているか把握できていない
「使っているつもりはないのに、お金が貯まらない」という方の場合は、「自分がいくら使っているのかを把握できていない」ことが原因の可能性が高いです。毎日なんとなくコンビニに行ってお菓子を買ったり、ランチの後にコーヒーショップに立ち寄ったりしていませんか?
コンビニやコーヒーショップで一度に使うお金は数百円かもしれません。しかし、たとえ数百円でも、毎日通えばひと月に1万円ほどの出費になることもあり得ます。「安いから」という理由ですぐ買い物をしたり、自分がいくら使っているか把握していなかったり、という方は、なんとなくの支出がどんどん積みあがってしまいます。
こういうケースは、自分が浪費しているという自覚がないでしょう。しかし、自分が何に使ったか把握するようにすれば、常日頃からいかに無駄遣いが多いか気づくはずですよ。
原因3:固定費が多い
「毎月の支払いが多く、貯蓄に回せる余裕がない」という方は、固定費の多さが原因の可能性があります。固定費とは、毎月定額で発生する支出のことです。
固定費の一例
- 家賃や住宅ローンなどの住居費
- 水道やガス代などの水道光熱費(基本料金部分)
- スマホや固定電話などの通信費(基本料金部分)
- 生命保険や損害保険などの保険料
- 車のローン、駐車場代などの車関連費
- 保育園代や習い事の月謝などの教育費
固定費は毎月必ず発生する費用です。そのため、支払う金額が多いとそれだけで毎月使えるお金、貯蓄に回せるお金は少なくなってしまいます。
身の丈にあわない高い家賃の住居に住んでいたり、多額の保険やローンを契約していたり、高額なスマホを分割購入していたりと、固定費が原因で貯蓄できない方は、少なくありません。
固定費の中でも特に気をつけたいのが、住宅ローンや車、スマホの端末代といったローンの支払いです。ローンは借金契約なので、一度借りたら必ず返さなければいけませんし、簡単に節約できない費用です。
「一括なら買えないけど、分割ローンなら買えそう」と考え、安易にローンを組むのは危険ですよ。ローンの利用はただ支払いを先延ばしにしているにすぎず、その分毎月の家計が苦しくなる可能性があります。くれぐれも、よく考えてから利用するようにしてください。
誰でもできるお金の貯め方5選
お金が貯まらない原因を知ったら、次はどうすれば良いのでしょうか?お金をためるために重要なポイントは、「ストレスをためずに、無理なく節約と貯蓄を両立する生活を続けること」です。
「お金を使う」という行為は、普段の生活習慣に深く密接しています。そのため、お金をためるためにはまず生活習慣を変えなければなりません。
ただ、節約のために細かい家計管理をしたり、極端に食費を削ったり、ストレスを感じるような方法では続きませんよね。ダイエットと同じで、お金をためるために必要なのは「無理なく継続すること」です。
誰でも無理なく継続できる、お金の貯め方を5つ、ご紹介しましょう。
お金の貯め方1:給与を先取り貯蓄する
「給与が入ったら、まず飲みや買い物に使う」という方は多いでしょうが、それではいくら頑張ってもお金は貯まりません。毎月給与が入ったら真っ先に貯蓄して、残りを支出に充てるという方法が無理なくお金をためるための第一歩です。
給与が入ったらすぐ貯蓄する方法として、「給与の先取り貯蓄」があります。給与の先取り貯蓄とは、毎月の給与が自分の銀行口座に振り込まれる前に、一定額差し引かれたうえで貯蓄に回せる仕組みのことです。
一般的な方法としては、会社が用意している財形貯蓄や社内預金、誰でも利用できる銀行の自動積立定期預金があります。それぞれ詳しく解説しましょう。
財形貯蓄
財形貯蓄とは、会社が導入している福利厚生制度の一つで、会社を通じて貯蓄を行う任意の制度です。
財形の貯蓄先は会社ではなく、個別の金融機関です。
会社は給与の一部を天引きして銀行や保険会社などの金融機関に送金し、貯蓄を代行するという仕組みになっています。誰でも利用できるわけではなく、会社が財形貯蓄制度を導入していなければ利用できません。
財形貯蓄は、貯蓄の目的に応じて「一般財形貯蓄」「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」の3種類があります。いずれも、利用後残高が50万円あれば「財形住宅融資」という低金利の住宅融資を受けられるというメリットがあります。
さらに、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄については元利合計550万円までの利子が非課税になるため、通常の銀行預金よりもお得に貯蓄することが可能です。
財形貯蓄は、利用するときも、資金を引き出すときも、勤務先で所定の手続きが必要になっています。「簡単にお金を引き出せない」という抑止力、「給与から強制的に貯蓄できる」という強制力は、貯蓄が苦手な方にこそおすすめです。
社内預金
社内預金とは、会社が従業員の貯蓄を管理する預金制度です。財形貯蓄と違う点は、会社自身が給与の一部を天引きし、社内でプールしておくという仕組みにあります。
最近では、財形貯蓄制度の導入により、社内預金制度を導入する会社は少なくなってきたといわれています。そのため、勤務先で当制度がなければ利用できないのですが、もしある場合は、メリットが多いので利用を検討しましょう。
社内預金制度のメリットは、次の2点です。
- 労働基準法で最低金利が年0.5パーセントと定められていること
- 財形貯蓄制度より資金の引き出しが自由であること
銀行の普通預金金利の平均が年0.001パーセントになっている今、ただ預金するだけで年0.5パーセント以上の金利が得られるのは非常にお得ですよね。
なお、年0.5パーセントは最低下限金利のため、会社によってはより高い金利を設定している場合もあります。財形貯蓄に比べて資金の引き出しもしやすく、金利も高いため、使い勝手の良さやお得度を求めている方におすすめですよ。
銀行の自動積立定期預金
上記2つの制度が会社にない場合は、銀行の自動積立定期預金を利用しましょう。
自動積立定期預金とは、銀行の普通預金口座から毎月決まった日に、決まった金額を自動的に定期預金口座へ振替するシステムです。給与の受取口座に設定している銀行に行き、毎月の給与日を積立日に設定しておけば、給与が入った日に、自動的に一定額を貯蓄に回せますよ。
自動積立定期預金を利用して、普通預金口座から定期預金口座へ振り替えられた資金は、
- 満期日が来たら自動的に払い戻しされるもの
- 満期はなく、資金の引き出しをするには窓口で請求しなければいけないもの
- 満期はなく、資金の引き出しは定期預金口座から簡単にできるもの
といったように、銀行によってさまざまな種類があります。
自動積立定期預金は、ほとんどの銀行で必ず用意されている定番預金メニューです。そのため、会社で財形貯蓄制度などの取り扱いがなくても、自動積立定期預金を使えば簡単に先取り貯蓄ができますよ。
また、最近では、「外貨貯蓄預金の継続預金プラン」や、「投資信託の継続購入プラン」といった自動積立商品も用意されています。運用力の高い外貨や投資信託に興味がある方は、こういった商品も検討できる、銀行の自動積立商品がおすすめです。
お金の貯め方2:支出の状況を把握する
「自分がいくら使っているのかを把握できていない」という方は、まず支出の状況を把握しましょう。自分が日々何に、いくらお金を使っているかを知ることができれば、節約すべきポイントが見えてくるはずです。
最近は、レシートをスマホのカメラで読み取るだけで支出を自動入力できる、「マネーフォワードME」などのスマホアプリが増えています。現金で購入した買い物はレシートを自動読み取りし、クレジットカードやスマホ決済で購入した買い物は金融機関と連携して利用履歴を自動入力できるようにすれば、1ヶ月の収支を把握するのは意外と簡単ですよ。
家計簿は、貯蓄できない原因を知り、節約ポイントを探るためのツールなので、毎月細かく付ける必要はありません。「家計簿なんて面倒くさい」と思うかもしれませんが、まずは>1ヶ月の支出状況をチェックしてみてください。
1ヶ月だけでも支出の状況を把握できれば、無駄遣いしている費用は何か、どこを節約すべきか、節約ポイントが見えてくるはずですよ。
お金の貯め方3:クレジットカードは極力使わない
「手元にお金がないときは、ついクレジットカードを使ってしまう」という方は、クレジットカードの利用を極力控えましょう。クレジットカードはお金の支払いを先延ばしにする「ローン契約」と同じで、借金です。今手元にお金がないのにクレジットカードで買い物してしまう癖が続けば、毎月カードの支払いに追われ、貯蓄できる余裕がなくなってしまいますよ。
「ポイントがつくから」という理由でクレジットカードを利用している方は、国際ブランド付のデビットカードやプリペイドカードを利用しましょう。デビットカードは利用している銀行口座の残高から支払いをするため、銀行口座に残高がなければ利用できません。
プリペイドカードはあらかじめ自分がカードにチャージした残高を上限に支払いするため、「今ある残高分しか買い物できない」という点はデビットカードと同じです。
いずれもポイントが付きますし、VISAなど国際ブランド付のカードであれば大体の場所で利用できます。クレジットカードは今あるお金以上に買い物してしまうという危険性がありますが、デビットカードやプリペイドカードであればそういった危険性はありません。
自分がもっているお金以上にお金を使ってしまう癖がある方は、クレジットカードの利用をやめることからはじめてみてください。
お金の貯め方4:固定費を見直す
「毎月の支払いが多い」という方は、固定費を見直しましょう。固定費は、一度見直しをすれば節約効果が永続的に続きます。住宅ローンや車のローンなどのローン支払いを節約するのは難しいですが、
- 都市ガスや電気の供給会社を変える
- スマホの通信プランを格安SIMにする
- 生命保険や損害保険を見直す
などは、誰でも、簡単にできる見直しです。
都市ガスや電気は、自由化によってさまざまな供給会社を利用できるようになりました。会社によってはスマホや固定電話とのセットプランがあるなど、多彩な割引プランがあるので、自身のライフスタイルにあわせて選ぶのも良いでしょう。
スマホは、ドコモやau、ソフトバンクといった大手キャリア以外のMVNO(格安SIM提供事業者)の格安SIMに切り替えれば、データ通信費を大幅に節約することができます。
また、生命保険や損害保険も、定期的な見直しが重要です。最近はネット完結型で格安の保険商品が多く販売されているため、定期的に内容を見直し、適正な保険料で保障をもつようにしましょう。
お金の貯め方5:支出を「浪費」「消費」「投資」に分けて考える
お金が貯まらない方の多くは、何も考えずにお金を使う傾向があります。1ヶ月の支出を割り出したときに、それらの支出を浪費・消費・投資に振り分けてみてください。
「浪費」が多い方は、無駄遣いをなくす癖をつけなければいけません。
「消費」が多い方は、消費の元になるサービスや商品の単価を下げること、また本当に必要な消費なのかを考えるようにしましょう。
「投資」が多い方は、その投資がどれだけ身になっているのかを見直してください。投資といえば聞こえはいいですが、投資とは本来、成長するものにお金をかける行為です。
投資信託の定期積み立てで着実に財産が増えているというような投資であれば、投資による資産の成長がわかりやすいですが、「違う意味の投資」が多い方は要注意ですよ。
たとえば、エステや流行ファッションの費用すら「自己投資」に置き換えていたり、自己啓発本やセミナーに多額の費用をかけていたりする場合です。その自己投資費用は自分を本当に成長させているのか、我が身を振り返って考えてみてくださいね!
少しでも貯まったら資産運用をはじめてみよう
ご紹介したお金の貯め方で少しでもお金が貯まったら、資産運用で「ためたお金をさらに増やす」ことも考えていきましょう。資産運用とは、お金がもつ機能を活かして、お金がお金を増やす仕組みをつくることをいいます。
今手元にある1万円も、財布に入れているままでは価値は変わりません。でも、金利が高い銀行預金に預ければ、少しでも利息がついて1万円以上の価値になりますよね。資産運用にはさまざまな方法がありますが、最近はロボ・アドバイザーや投資信託など、知識がなくても気軽に資産運用できる方法が増えています。
貯蓄でためたお金を元に、資産運用で資産をもっと増やしていけば、お金を貯めることが楽しみになります。お金を貯めることが楽しめれば、節約を意識することなく、自然と貯蓄習慣が身に付くようになるでしょう。
まとめ
「お金の貯め方がわからない」と悩んでいる方は、まずお金が貯まらない原因を知ることからはじめてください。お金が貯まらないのは収入の多さではなく、日常的なお金の使い方が原因です。
つまり、お金を貯めるためには普段の生活習慣を見直し、節約と貯蓄を無理なく継続できる、健康的な生活習慣に切り替えるしかありません。
「生活習慣を変えるなんて難しい」と思うかもしれませんが、今回ご紹介した次の方法は、誰でも簡単にできるものばかりです。
- 給与からの先取り貯蓄
- クレジットカードを使わない
- 支出の状況を把握する
- 固定費の見直し
- 支出を「浪費」「消費」「投資」に分けて考える
特に、強制的に貯蓄ができる先取り貯蓄は、自然にお金を貯められるもっとも有効的な方法です。まずは1万円からでもお金をため、資産運用でお金を貯めることを楽しみに変えていけば、貯蓄習慣を身につけることは簡単ですよ。