【2019年版】老後破綻にならないために退職金を賢く運用する方法

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定年退職された方の多くは収入が年金だけとなり、年金と貯蓄を切り崩しながら生活していくことになります。

今は人生100年時代ともいわれ、ただ貯蓄を切り崩していくだけでは貯蓄が底をつく「老後破綻」は、決して他人事ではありません。

老後破綻に陥らないためには、貯蓄をなるべく切り崩さなくて済むよう、支出を見直し、定年退職後も働いて年金以外の収入を得ることとともに、保有する資産(貯蓄)を運用して増やしていくことが重要です。

しかし、退職金として一度に大きなお金を受け取ると、早く運用しないともったいないという焦りから、よく検討もせずリスクの高い商品に投資してしまう方もいます。

運用も大切ですが、退職金は老後の大きな支えとなるお金です。

元本割れのリスクを伴う運用は、よく考えた上で計画的に行う必要があります。

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1、退職金運用の方法

長い老後に備えるには、退職金を含めた資産を上手に運用しながら使っていくことが大切です。

それには、まずお金を使う時期によって3つに分け、それぞれにあった方法で運用することがポイントとなります。

短期資金 中期資金 長期資金
資金の用途 生活資金
緊急資金
1年以上先に使うことが決まっている資金 余裕資金
当面使う予定のない資金
使う時期 1年以内 1〜5年後 5年〜
重視する点 安全性
流動性
安全性 収益性
適した運用商品 普通預金
MRF、MMFなど
定期預金

個人向け国債

財形貯蓄

など

株式
投資信託など

(1)退職金運用1:短期資金

当面の生活費や急な出費に備える緊急資金など、1年以下に使うお金(短期資金)は、すぐに使えるよう安全性、流動性の高い普通預金やMRF・MMFでの保有が適しています。

(2)退職金運用2:中期資金

自宅のリフォーム費用や子どもの結婚資金援助費用など、1年以上先に使うことが決まっている資金(中期資金)は、定期預金や個人向け国債など、必要な時期に現金化可能な安全性の高い商品での運用が適しています。

(3)退職金運用3:長期資金

当面(5年以上)使う予定のない資金(長期資金)は収益性を重視し、株式や投資信託などでリスクをとって運用を行うのに適しています。ただし、現役時代のように損失を収入で補填することが難しくなるため、より安全性の高い運用を心がける必要があります。

リスクの高い商品での運用は「100-年齢」の割合をひとつの目安に、リスク許容度に応じて運用商品の配分を考える必要があります。

2、銀行等の退職金運用プラン:メリットと注意点

退職金を受け取るタイミングは、銀行にとってもはまとまった資金を入れてもらえる格好のチャンスです。

退職金は通常銀行振込されるため、そのまま自分たちのところで退職金を運用してもらおうと、好条件の退職金運用プランを用意しています。退職金運用プランにはメリットもありますが、注意すべき点もあります。

(1)退職金運用プランメリット:優遇金利の適用

退職金運用プランでは、一定期間預け入れ金利が優遇されるのが一般的です。

通常の定期預金が0.01%という中で年率5〜6%というかなり高い金利が適用されるプランもあります。

しかし、うまい話には落とし穴があるものです。条件を事前によく確認する必要があります。

(出所:みずほ銀行

(2)退職金運用プラン:注意点2つ

①:優遇金利が適用される期間

優遇金利は年率で表示されていますが、特に高金利のプランでは3ヶ月定期となっているケースが多いです。1000万円預け入れた場合、3ヶ月の金利は15万円(税引後は約12万円)。受け取れる金利が思ったより少ないということも起こります。

②:投資信託とのセット販売

優遇金利が適用されには、投資信託とセットで購入することが条件となっているプランもあります。

たとえば、上記のみずほ銀行の退職金プランでは、投資信託を50%以上(最低250万円)組み入れる必要があります。

投資信託を最低の250万円とした場合、定期預金に預けられるのは250万円まで。受け取れる金利は、3ヶ月で約3万円です。

退職金プランで選択できる投資信託には、購入時に手数料がかかる商品が設定されており、投信購入価格の約1〜3%の手数料が発生します。

250万円分購入であれば、手数料は約2万5000円〜7万5000円です。

受け取れる金利と同じ、あるいはそれ以上を手数料として支払うことになるのです。

もともと購入したい投資信託であれば、金利分で手数料の負担が軽くなったと考えることできますが、もともと買う予定のない投資信託を、金利につられて買うのであれば本末転倒です。

トータルでメリットがあるのかをよく考えて利用しなければなりません。

3、おすすめ退職金運用先:ヘッジファンドや独立系の投資会社

いくら退職金運用プランを利用して高い金利を受け取っても、セットで購入する投資信託の手数料で消えてしまったり、買う予定のない投資信託を買うのなら、意味がありません。短期資金や中期資金は、金利は低くても通常の定期預金などを利用しつつ、長期資金の運用でしっかりと収益をあげたほうが、何倍も大きなメリットがあります。

退職金のうち長期資金を運用するのであれば、相場環境に左右されず絶対的な収益を追求し、中長期的な資産の成長をめざす、ヘッジファンドや独立系投資会社がおすすめです。

レオス・キャピタルワークス

(ひふみ投信)

レオス・キャピタルワークスは、藤野英人氏が2003年に創業した独立系投信運用会社。主力商品である『ひふみ投信』は、主に国内外の成長企業の株式を投資対象として、長期的な資産形成を目指すファンド。柔軟に組み入れ銘柄の入れ替えを行い、株式市場の変化に対応するのが特徴。藤野氏自身も資産の多くをひふみ投信で保有している。
セゾン投信 セゾン投信は、2006年に設立された独立系投信運用会社。市場の動きの予想は行わず、長期視点での分散投資を運用方針として、2つのファンドを運用。『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』は、世界30か国以上の株式と10か国以上の債券に国際分散投資に原則50%ずつ投資するインデックス(バランス)型ファンド、『セゾン資産形成の達人ファンド』は30か国以上の国の厳選された企業の株式へ国際分散投資を行うアクティブ型ファンド。
鎌倉投信 鎌倉投信は、鎌田恭幸氏ら4名によって2008年に設立された独立系投信運用会社。3つの「わ」(和・話・輪)を信条としている。唯一の運用商品である『結い2101』は、これからの社会にほんとうに必要とされる会社に投資を投資対象として、リスクを抑えながらゆっくりと安定した資産形成を目指している。
Japan Act Japan Actは、『改革者として、日本市場にイノベーションを起こす』ことをビジョンに掲げており、アクティビスト(物言う株主)として活動する独立系投資会社。企業本来の価値に対して、市場からの評価が著しく低い割安な企業に投資し、経営陣との対話を重ねながら、株主として積極的な働きかけを行うことにより、企業価値・株主価値を向上させ日本の企業改革や日本市場の発展に貢献することを目的として設立された。2018年8月の設立から2019年10月末までのパフォーマンスは約+36%と市場平均を大きく上回る驚異的な成績をあげている。
ストラテジック・キャピタル 旧村上ファンド出身のアクティビスト(物言う株主)、丸木強氏が率いる独立系投資会社。投資先企業に対し、中長期的に企業価値・株主価値の向上につながる提案などを行う。株主還元強化の提案を積極的に行い、株主総会で提案可決には至らないものの、自社株買いや増配につながった事例も多い。

4、退職金運用について勉強することが大切

退職金はただ切り崩すだけでなく、うまく運用することが大切です。

とはいえ、よくわからないまま運用して大切な資金を失うくらいなら、なにもしないほうがまだましです。また運用方法について、プロに相談することはよいことですが、丸投げしてしまうのは考えものです。

特に銀行や証券会社の担当者に丸投げしてしまうと、ノルマに追われる彼らの思うツボです。すべてがそうとはいえませんが、勧められる商品はあなたではなく、彼らにとってメリットのある手数料の高い商品のことがあります。

手数料に見合うリターンが得られるのなら問題ありませんが、そうなっていないのが現実です。

(出所:週刊朝日2018年10月26日号

最終的な投資判断を行うのはあなた自身です。プロに相談するにしても、提案された商品が納得して投資できるものなのか、実際に運用する前に退職金の運用について勉強し、投資判断に必要な最低限の知識を持っておくことが大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

銀行などの退職金運用プランは、一見好条件に見えても、そのほとんどが投信のセット販売で銀行が儲けるためのしくみとなっています。

そのため、担当者に勧められるままに利用することはおすすめできません。焦って投資する前に、まずは退職金の運用について勉強し、より幅広い選択肢の中から、運用の目的にあった商品を探すこと、納得した上で投資することが大切です。

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