不測の事態に備えて、経済的な保障を受けるために加入するのが生命保険と思っていませんか。
近年では、保障のためだけでなく、資産運用のための金融商品として保険を活用する人が増えていることをご存知ですか?
生命保険が資産運用の方法として有用であることに光を当て、基本的な知識やおすすめの商品をご紹介します。
資産運用になる保険を徹底リサーチした上で作成しておりますので、お読み頂ければきっとあなたの資産運用に役立つはずです。
今回の内容が安定した資産運用のためのご参考になれば幸いです。
1、保険で資産運用するメリット4つ
資産運用の方法として生命保険が選ばれる理由、すなわち生命保険により資産運用することのメリットを整理していきます。
世界に類を見ないスピードで進む日本の高齢化が問題視されています。
男女ともに平均寿命は毎年延び続け、医療費・介護費が国の財政を圧迫しており、年金制度の崩壊を予想する声もくすぶる中で、「長生きするリスク」という表現も使われ始めました。
本来長生きすることは喜ばしいことのはずですが、予想以上に長生きし過ぎると国が経済的に破綻してしまうかもしれないという危機感の表れです。
将来に対する不安が増す中、株式やFX、不動産などの代表的な金融商品ではなく、生命保険による資産運用を始める人が近年増えています。
(1)保険で資産運用メリット1:金融商品としての親しみやすさ
生命保険で資産運用することの最大のメリットは、親しみやすさです。
いざ資産運用を始めようと思ったとき、株式やFX、不動産資産による運用は敷居が高いと感じて尻込みする人でも、馴染みのある生命保険による運用はさほど抵抗なく始められるものです。
(2)保険で資産運用メリット2:保障に加えて、資産運用もできる
生命保険の本来の価値は、万一に備えた保障です。万一の事態に備えるために必ず加入し続けることを決めた生命保険に、資産運用のメニューがおまけとして追加されていると考えれば、お得感があります。
病気やけがをした場合は保障を受けることができ、病気やけがをしなかった場合は支払った保険料に利子(運用益)が乗って戻ってきます。どちらのケースでも、入っていてよかったと思えるという安心感が、運用性のある生命保険商品の特徴です。
(3)保険で資産運用メリット3;節税効果
生命保険で資産運用するメリットとして、節税効果が挙げられます。
生命保険は、課税所得の控除対象だからです。株式やFXなどの金融商品にはこのような節税効果がありません。
(4)保険で資産運用メリット4:貯蓄がしやすい
貯蓄型の保険商品が多くあり、毎月自動的に引き落とされるので、手間をかけずに貯蓄と保障が手に入ります。
2、資産運用ができる保険の種類は?
ここまで生命保険で資産運用することのメリットについて見てきました。
生命保険による資産運用に興味を持っていらっしゃる方のために、資産運用にも使える保険商品の代表的な種類をご紹介します。
(1)個人年金保険
個人年金保険は、その名の通り、公的年金とは別に任意で積み立てる保険商品です。
公的年金だけでは給付額が少なく将来が不安と感じる方が利用します。老後資金の確保を目的として積立をする目的であるため、貯蓄性が高く、長期的な資金運用が可能です。
(2)終身保険
終身保険は、その名の通り終身の保険です。
被保険者が死亡あるいは高度障害状態になった場合、予め指定した受取人に保険金が支払われるタイプの保険商品です。
生涯保障が継続しますので、保険料支払い時には節税効果を享受しながら保険料を貯蓄できる商品です。
(3)養老保険
養老保険は、終身保険とは異なり、満期が設定されている有期保険です。
契約時に定めた保障期間を経過して満期になると、死亡保険金と同額の満期保険金を受け取ることができます。一般的に、保障期間が長ければ長いほど利率は高くなります。
(4)学資保険
学資保険は、子どもの将来の学費の出費に備える貯蓄性保険商品です。
一般的に、学費の中で最も高額になるのが大学以降の費用です。子どもの大学進学費用として学資保険に加入しておくことにより、大学在学中に一定の金額を定期的に受け取ることができます。
もちろん親自身で貯蓄する方法でもよいのですが、銀行の利率よりも少し高い利率が期待できること、また、その他の生命保険商品とのセットで加入できる手軽さから、代表的な保険商品の一角を担っています。
3、資産運用するならこれ!おすすめ保険商品5選
資産運用に活用できる保険商品の種類をご紹介してきました。
次に、それらの中でも特におすすめしたい保険商品を4種類ご紹介します。ご自身の境遇や好みにあった商品を見つけてみてください。
(1)低解約返戻金型終身保険
まず最初におすすめしたいのが、低解約返戻金型終身保険です。
低解約返戻金型終身保険とは、解約返戻金が低い、すなわち元本割れの幅が大きいというデメリットの一方で、一定期間契約通りに保険料を支払い続けるとある時点から予定利率が大幅にアップして、高額な保険金や返戻金として回収できるメリットがある保険商品です。
基本的に手を付ける必要のないいわゆる余裕資金を利用して、長期目線で運用したいという方には、低解約返戻金型終身保険がおすすめです。
(2)利率変動型保険
次におすすめしたいのが、利率変動型保険です。
予定利率を固定する商品が一般的な中、利率変動型保険の予定利率は金利変動に連動して変化する点が特徴です。インフレリスクに備える効果を持った商品といえます。
生命保険商品や銀行預金など、ローリスクな金融商品による資産運用をする場合に気をつけたいリスクは、インフレリスクです。インフレとは物価が上がること(=貨幣の価値が下がること)を指します。
予定利率を固定していた場合、物価が上がろうと下がろうと、予め定めた保険金・返戻金が支払われますから、もし物価が想定よりも上がった場合には、保険金・返戻金の価値は相対的に低いものになります。例えば、キャベツ1個100円の経済環境と、1個1,000円の経済環境では、同じ1万円札であってその価値が全く異なります。
物価変動に対応する保険商品として、利率変動型保険がメニューとして用意されています。つまり、物価が上がれば保険金・返戻金も上がり、物価が下がれば保険金・返戻金も下がるという商品です。
(3)一時払終身保険
一時払終身保険とは、保険料を分割払いするのではなく、一括で支払うタイプの終身保険です。
一つめのメリットは、保険料を分割で支払う場合に比べて、一括で支払う方が初期から運用できる金額が大きくなるので、その分保険金・返戻金の金額も大きくなることです。
もう一つのメリットは、節税効果があることです。先ほど説明した通り、生命保険の保険料は課税所得の控除対象です。特に、収入の多い方や資産を多く保有している人は、敢えて多めの保険料を一括で支払うことにより、課税所得を圧縮して節税メリットを享受することが可能です。
(4)外貨建保険
外貨建保険とは、外貨により運用・管理されている保険商品です。
一つめのメリットは、通貨分散ができることです。日本人は日本円をベースに考える癖が染みついていますが、日本円の価値は未来永劫、安泰とは言い切れません。円通貨の発行主体である日本国に対する市場の信頼が無くなると、円通貨は無価値になります。こうしたリスクに備えるために一定割合の資産を外貨、例えばドルやユーロで保有しておくことは、日本円の価値が暴落するような事態への備えとして有効です。
もう一つのメリットは、利率の高さです。日本は長い間デフレ脱却を目指して金融緩和政策を取っており金利は低位安定しています。結果として、相対的に外国通貨の金利の方が高いケースが多く、結果として高利回りが期待できる商品になります。
一方でデメリットとしては、為替リスクが生じる点が挙げられます。日本円をベースに考えた時に初めて為替リスクという概念が生じますが、先に述べたように、日本円の価値に普遍性を見出す考え方自体にも危うさがありますので、寧ろ通貨分散をする方が、総合的なリスクは低く抑えられていると考える方が一般的な見方です。
(5)変額保険
保険会社の運用スタイルは、「一般勘定」「特別勘定」の2つになります。
一般勘定は、保険会社が主に国債などで運用し予定利率で契約者にお支払いします。
特別勘定は、国内・国外を問わず、株式や債券を中心に運用をします。
運用実績によって、保険金や解約返戻金が支払われます。
変額保険は、特別勘定で運用される保険になります。
契約する際は、投資リスクがあるという確認をしておかないとなりません。
定額保険と違うので、将来受け取る金額の保障はなく、基本保険金(死亡保険金)が最低の保証金額になります。
こんなリスクのある変額保険ですが、特別勘定の組み合わせを変えて、「分散投資」できるような種類の保険も開発されています。
運用のやり方によっては、リスクを減らすことが可能になります。
4、資産運用を始める前に知っておきたい!保険で資産運用するデメリット
生命保険により資産運用することのデメリットもありますので、ご紹介します。
(1)長期的運用が必要
貯蓄性を備えた保険商品を途中解約した場合、元本割れした返戻金しか受け取れないことがあります。飽くまで長期運用を前提とした商品設計になっていますので、長期的に別の使途への充当が不要な余裕資金による運用が好ましいと言えます。
(2)保険料が割高
生命保険の主目的である保障に力点が置かれた保険商品に比べて、資産運用が可能な保険商品の保険料は割高になる傾向があります。
さらに、保険商品全般に言えることですが、保険料の大半は保険会社の運営費です。一般論として、仲介業者へ支払う手数料をいかに抑えるかが勝負を分けるため、保険会社の運営費に消えてしまう手数料を嫌う投資家が少なくないことも事実です。
(3)低金利環境下の積立は損
低金利時代が長らく続いている状況下では、保険商品の予定利率が低位にとどまることから、高い収益率を期待する方は物足りないと感じられるかと思います。
リスクを取ることの裏返しではありますが、株式や不動産などの他の投資資産の方がより高い収益率を期待できます。
5、保険以外でのおすすめ資産運用方法3選
保険商品を活用した資産運用に興味をお持ちの方は、おそらくローリスクの資産運用方法をお探しのことと思います。
保険商品以外にどのようなローリスク型の資産運用方法があるのか、代表的な資産運用方法をご紹介いたします。
(1)分散投資
リスクを抑えた投資手法の代表格が分散投資です。
金融商品の種類、投資時期・期間など、互いに異なる条件の商品を組み合わせることによりリスクを分散させ、リスク自体を軽減する効果があります。これをポートフォリオ効果と呼びます。
例えば、景気好調な場合に値上がりする商品と不況時に値上がりする商品といった逆相関の関係にある金融商品を組み合わせることにより、ポートフォリオ全体のリスクを下げる効果があります。ただし、リスクを抑える分、期待できるリターンも必然的に低くなる点は許容しなければなりません。
(2)国債
国債とは国が発行する債券のことです。
国債は、金融商品の中で最も安全性が高い資産だとされています。国が破産しない限り、満期を迎えれば必ず利子付きで償還されるからです。機関投資家向けと個人向け国債として販売されています。
安全性が高い反面、期待できる利回りは相当程度低くなります。
(3)金(ゴールド)投資
金(ゴールド)も安全資産として認識される金融商品です。
経済危機や国際紛争など、投資家がリスク回避姿勢に走る際に資金の逃避先として選ばれるのが金(ゴールド)です。
現代は貨幣通貨が価値の保存方法として定着していますが、かつては金本位制の制度の下、金(ゴールド)が唯一の価値の尺度であり、価値の保存方法として認識されていました。
貨幣通貨の信用度の根拠は、国家権力の安定です。経済危機や国際紛争など、国家権力の安定に疑念が生じるような状況においては、現代でもなお、貨幣通貨への信用度が低下し、金(ゴールド)に対する信頼感が相対的に高まります。
まとめ
生命保険が資産運用の方法として有用であることに光を当て、基本的な知識やおすすめの商品をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
生命保険という商品が、保障の面だけでなく、資産運用の面でも有効な金融商品であることがおわかりいただけたと思います。
堅実な資産運用により、「長生きするリスク」に備えたいものです。