テンバガーとは?株価が10倍になる銘柄の特徴と見極め方

  • 2018年2月22日
  • 2021年10月15日

「株で一攫千金!そんなことを夢みているものの、結局夢は夢のままだよな。」

そう思っているあなた、諦める必要はありません!

株で一攫千金を現実のものとするのが、テンバガーと呼ばれる銘柄です。

もちろん簡単・確実に儲かるというものではありませんが、そのチャンスは十分にあります。この記事をお読みいただければテンバガー銘柄の見つけ方が分かります。

メディア「BIGTRADERS」がまとめた内容なのできっとご参考にしていただけることでしょう。

この記事が株式投資のご参考になれば幸いです。

1、テンバガーとは?株価10倍以上の大化け銘柄

テンバガー(ten bagger)とは、株価が10倍以上に急騰した(しそうな)株のことを言います。

もとは1試合で10塁打という驚異的な数字をあげることを指す野球用語でした。

それがウォール街で「株価が10倍以上に大化けした株(10倍株)」という意味で使われるようになったものです。

2、実際に過去テンバガーとなった銘柄は?

株 儲かる

わたしたちがよく知っている銘柄にも、過去にテンバガーとなった銘柄は意外と多くあります。

例えばユニクロやGUを展開する「ファーストリテイリング(9983)」もそのひとつです。

ファーストリテイリング(9983)の株価は、1999年の1年間で約20倍に高騰しています(終値)。

その後もファーストリテイリングの株価は上昇し、終値ベースで1998年6月22日(上場来安値記録日)から2015年7月30日(上場来高値記録日)までに株価は約236倍とさらに上昇し、日本を代表する大型株へと成長しています。

 

*株式分割・統合による調整後の株価

 

このほかにもヤフー(4689)、ニトリ(9843)、「すき家」を展開するゼンショーHD(7550)などもテンバガーです。

そのほか「パズドラ」で一世を風靡したガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)の株価が、2012年〜2013年にかけて1年ちょっとで80倍近くまで急騰したことを覚えている方も多いのではないでしょうか。

このように、わたしたちの身近にもテンバガーとなり得る企業は存在しているということがわかります。

3、最新!2017年テンバガー達成銘柄

直近2017年にはどのような銘柄がテンバガーを達成したのでしょうか。

ここでは2017年中に株価が10倍以上に高騰した銘柄をご紹介します。


北の達人コーポレーション(2930)
は、なんと年初・大発会(1/4・年初来安値)から年末・大納会(12/29・年初来高値)まで株価が上昇し続けています。

今年に入っても利益予想の上方修正、株式分割の発表によって、株価は1週間で昨年末終値から倍になり、2018年1月23日に上場来高値3,065円に達しました。

これは2017年安値の約25倍です。

4、テンバガー銘柄の特徴は?

テンバガー銘柄に投資して一攫千金を狙うなら、株価が上がる前にその銘柄を見つけて買っておかなければなりません。

ではどんな銘柄がテンバガーとなる可能性が高いのでしょうか。

ここではテンバガー銘柄に多く見られる特徴をご紹介します。

(1)株価500円以下の低位株

2017年のテンバガー9銘柄中、8銘柄は当初株価500円以下の低位株でした。

そのうち半分の4銘柄は100円台です。

上場時から注目を集め、そのままテンバガーを達成するような銘柄もありますが、ほとんどのテンバガー銘柄は、それまで注目されず株価が低迷していた時期があります。

それがなんらかのきっかけで一気に注目が集まり、株価が急騰することでテンバガーとなるのです。

そのため、独自の技術などを持ちながら、株価の低迷している低位株がテンバガー候補となります。

(2)時価総額300億円以下の小型株

企業の価値(時価総額)は、その企業の株価に発行済株数をかけて計算されます。

ちなみに日本の上場銘柄の中で時価総額トップのトヨタ自動車(7203)の時価総額は、約25兆円(2018年1月24日時点・株価7,673円)です。

もしトヨタ自動車が今からテンバガーとなるとすれば、時価総額は250兆円となります。

これには日本の国家予算の2年分以上の資金がトヨタに投資される必要があり、現実的とはいえません。

一方時価総額300億円の銘柄であれば、3,000億円の投資で株価が10倍となります。

市場で流通している株数は発行済株数よりも少ないため、実際にはより少ない資金で株価は上昇します。

このためヒット商品の発売など、なんらかの原因で株価上昇に火がつくことでテンバガーとなりやすくなります。

(3)ベンチャー(新興)市場銘柄

上場間もないベンチャー企業は成長期待の高さのほか、「低位株」「小型株」という前述の特徴を備える銘柄が多くあります。

ちなみに2017年のテンバガー銘柄では、9銘柄中7銘柄が新興市場(JASDAQ・マザーズ)や東証2部の銘柄となっています。

なお、2017年のテンバガー銘柄のうち「ASJ」は最高値を記録した2018年7月10日の後、2018年1月31日の時点では半値以下となっています。

このことから注意しなければならないことは、高騰した後の売り時です。

(4)社会的に話題となっている業種・製品・サービスなどを扱う企業

ここまでみてきた株価の低迷している「低位株」かつ時価総額の小さい「小型株」という条件を満たしても、「なんらかのきっかけ」がなければいつまで経っても注目を集めることはなく、テンバガーとはなり得ません。

この「なんらかのきっかけ」のひとつが、社会的に話題となっている業種・製品・サービスなどの「トレンド」であり「テーマ」です。

今であれば、AIや仮想通貨、EV、IoT、働き方改革関連の人材サービスなどテーマには事欠きませんが、この中から次のテンバガー候補をいかに早く見出せるかが勝負となります。

5、テンバガー銘柄をスクリーニングで探す方法

テンバガー銘柄を探す上では、スクリーニングは欠かせないツールです。

スクリーニングを用いて時価総額や市場などの条件を設定すれば、その条件を満た
す銘柄が抽出することができます。

 

 

 

多くの証券会社では、スクリーニング機能を提供しているため、これを積極的に活用しましょう(画像はSBI証券)。

*SBI証券の場合、株価の設定項目はありませんが、投資金額の設定を「0〜5万円」とすれば、株価500円以下の銘柄が抽出することができます。

6、テンバガー銘柄を狙うメリット・デメリット

一攫千金の夢ではないテンバガー銘柄ですが、メリットもあれば、デメリットもあります。

それぞれどのようなメリットやデメリットがあるのか知っておきましょう。

(1)テンバガー銘柄を狙うメリット

①短期間で株価の大幅上昇が狙える

なんといっても、短期間に株価の大幅な上昇が期待できることがテンバガー銘柄の魅力です。

テンバガー銘柄は値動きが大きいため、株価が10倍まではいかずとも、効率よく資産を増やすことができます。

②少額から投資ができる

テンバガー銘柄は株価500円以下の低位株が中心であり、株価100円台の銘柄も多くあるため、1銘柄10万円台から投資することができます。

そのため複数のテンバガー候補銘柄に分散して投資すれば、リスク軽減となるだけでなく、テンバガーとなって大化けする銘柄にあたる確率も上がります。

(2)テンバガー銘柄を狙うデメリット

①価格変動リスクが大きい

株価の上昇期待が大きいということは、それだけ価格変動のリスクも大きくなります。

低位株であるため下値はある程度は限定されますが、1日で20%程度の価格変動は想定してリスク管理を行う必要があると言えます。

②仕手筋に注意する

仕手筋とは、多額の資金を武器に株価を意図的に動かして利益を上げようとする投資家のことをいいます。

テンバガー候補銘柄は仕手筋にとっても格好の対象であり、仕手株となる可能性もあるので注意が必要です。

彼らは時価総額の小さい低位株を、当初は株価が上がらないよう安値で少しずつ買い溜めしていきます。

そして十分に持ち株が溜まったところで、見せ球として大量の買い注文を出すことで、株価を意図的に釣り上げます。

このいきなりの株価急騰はテンバガー銘柄の値動きと似ています。

個人投資家はテンバガーの引き金となる「なんらかのきっかけ」が起こったと勘違いして、乗り遅れまいと買いに走り、株価はさらに上昇していきます。

そうなると仕手筋の思うツボです。

株価が上がってきたタイミングで仕手筋は一転、殺到する買い注文に一気に大量の売り注文をぶつけます。

株価は一気に下落し、本来あるべき低位株の姿へと逆戻りすることになります。

最後に個人投資家には含み損を抱えた株だけが残るのです。

このような仕手株に引っかからないためには、理由もないのに株価や出来高が上昇していないか、それが株価100円未満の超低位株であれば特に注意するようにしましょう。

7、テンバガー銘柄見つけたら早乗り、早降りが正解な理由

テンバガー銘柄の値動きには共通する傾向があります。

  1. 株価低迷期
  2. 「なんらかのきっかけ」発生!
  3. 出来高急増・株価急騰
  4. 株価急落(利益確定売り)

株価が急落後も再び株価が上昇していくか、再び低迷期に逆戻りするかは、その企業の実力や成長の持続性といった、より本質的な要因によって決まります。

かつてテンバガーを達成し、その後株価が200倍以上に成長したファーストリテイリング(9983)も、テンバガー達成後には(ITバブル崩壊という外部要因の影響が大きいと考えられますが)株価がピーク時の半値以下まで下落しています。

低迷期に逆戻りしてしまった典型的なテンバガー銘柄としては、ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)がそのひとつです。

「パズドラ」の大ヒットで株価が急騰しテンバガーとなりましたが、その後「パズドラ」を超えるヒットがでず、再び低迷期入りしてしまいました。

いずれにせよテンバガー銘柄においては、株価急騰後に利益確定の売りで株価が下落するというのがセオリーです。

中には株価水準を切り上げながら上昇を続ける銘柄もありますが、基本的にはセオリー通りの動きをします。

せっかくテンバガー銘柄をつかんでも、利益を確定しなければ絵に描いた餅であり、売り時を逃してしまえば意味がありません。

まだ上がるかもしれないという気持ちはわかりますが、目標額に達しているなら利益確定の売り、あるいは一旦逆指値の売りを入れて利益を確実に取りましょう。

8、2018年テンバガー候補はこれだ!歴史は繰り返す

レカム(3323)

レカム(3323・JASDAQ)はOA機器販売・保守などを行っている会社です。

昨年の光通信との資本業務提携締結をきっかけに昨年12月から急騰している銘柄です。すでに連続最高益を更新していますが、今後光通信子会社の連結によって業績のさらなる上振れが期待できます。

この記事の執筆時点(2018年1月25日)でも、株価は411円(時価総額約250億円)とテンバガー銘柄としての条件は満たしています。

だだし現時点では出来高が減少し、株価が安定しない状態にあります。第1段の急騰後の下落局面にあると考えられるので、少し様子見といったところです。

今後株価が落ち着いた段階で、2018年中の第2段の急騰狙いです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

テンバガー銘柄は、短期間で一攫千金を狙うこともできる魅力的な投資先です。

テンバガー銘柄には、「低位株」・「小型株」・「新興市場株」といった特徴があり、少額からでも投資できることから、個人投資家にとっても投資しやすいと言えます。しかし価格変動リスクの大きい投資でもあるため、しっかりとしたリスク管理も大切です。

テンバガー銘柄の特徴や過去のテンバガー銘柄などを参考に、スクリーニングでテンバガー候補銘柄を見つけて投資してみてはいかがでしょうか。