オリンピック株とは?2020年に向けて有望なおすすめ銘柄10選

  • 2018年4月3日
  • 2021年10月15日

オリンピックは世界的なイベントであり、大きな経済効果を生み出します。

1964年に行われた東京オリンピックでは、東海道新幹線をはじめとするインフラが、開催にあわせ急ピッチで整備されました。

当時整備されたインフラは、50年以上たった現在でも日本経済を支える重要な役割を担っています。

総事業費は1兆円を超える国家プロジェクトであり、これは当時の国家予算が約3.3兆円だったことを考えれば、いかに大きなお金が動いたかがわかります。

では、2020年東京オリンピックではどんな経済効果が期待できるのか、オリンピック株として有望なのはどのような銘柄なのか、みていくことにしましょう。

1、2020年東京オリンピック開催に向けての経済効果は?

東京都の試算では、大会招致が決定した2013年から2030年までの18年間の日本全国における経済効果を約32.3兆円(大会開催までの8年間で約21兆円、開催後から2030年までの10年間で約11兆円)、194万人の雇用を創出すると見積もっています。

内訳は、競技会場の整備費、大会運営費、観戦者らの支出、企業のマーケティング活動費などの直接効果が約5.2兆円、交通インフラ整備や訪日観光客数の増加、競技会場の活用、スポーツ需要の拡大など、大会後に生じる「レガシー効果」が約27.1兆円としています。

東京オリンピックによる経済効果に関しては、2014~2020年の実質国内総生産(GDP)を累計2530兆円押し上げるという日銀の試算や、2015〜2020年度までにGDPを累計約36兆円押し上げるという、みずほ総合研究所の推計などもあります。

2、業種別オリンピック関連銘柄

オリンピック開催により恩恵を受ける業種と、それに関連する銘柄には以下のようなものがあります。

(1)訪日観光客の増加(インバウンド)による需要

訪日観光客の増加は、「ヴィジット・ジャパン」として推進している国策でもあります。

2016年には訪日観光客は2,404万人となり、ヴィジット・ジャパン・プロモーションの開始された2003年の521万人から5倍近くまで伸びています。

政府は2020年に4,000万人まで増やすことを目標としており、世界的なイベントであるオリンピックは、その牽引役として重要な役割を担っていると言えます。

観光客の増加による経済効果は非常に大きく、宿泊・交通・小売など様々な業種に恩恵をもたらすことが期待されます。

また、供給不足をカバーする形で、民泊やライドシェアなど、発展途上にある産業が一気に普及するきっかけとなるかもしれません。

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関連業種 関連銘柄例
宿泊・旅行 9603 エイチ・アイ・エス
9726 KNT-CT
(民泊) 1435 インベスターズクラウド
2120 LIFULL
3300 AMBITION
6030 アドベンチャー
6191 エボラブルアジア
8889 アパマンショップHD
交通 9006 京急
9009 京成
9201 日本航空
9202 ANA HD
(ライドシェア) 2432 ディー・エヌ・エー
3669 モバイルクリエイト
4755 楽天
9035 第一交通産業
9984 ソフトバンクグループ

(2)大会関連施設・周辺インフラ整備に伴う建設需要

新国立競技場を始め、選手村や会場周辺のインフラ整備など、オリンピックが開催されることで建設特需が発生します。

また東京のインフラは、老朽化も進んでおり、オリンピックを機に大規模な改修や補修など需要が発生することも期待されます。

ただ、オリンピックにおいても、コストを削減してコンパクトに開催するのが時代の流れであり、一時は3兆円ともいわれたオリンピックの開催経費は、約1.5兆円程に削減されたようです。

これでも十分に高いと言われていますが、前回の東京オリンピックのように国家予算の1/3に相当する費用をつぎ込んだことに比べれば、当時ほどの大規模な特需は期待できません。

関連業種 関連銘柄例
ゼネコン 1801 大成建設
1802 大林組
1803 清水建設
1812 鹿島建設
1890 東洋建設
1893 五洋建設
建材 1515 日鉄鉱業
5233 太平洋セメント
5269 日本コンクリート工業
5288 アジアパイル
5933 アルインコ
9991 ジェコス
インフラ
(道路・橋梁) 1414 ショーボンド
1871 ピーエス三菱
1881 NIPPO
1926 ライト工業
5911 横河ブリッジHD
不動産 8801 三井不動産
8802 三菱地所
8815 東急不動産
8830 住友不動産

(3)警備や広告・スポーツ関連全般の需要

このほか、オリンピックに関連業種として、以下のような銘柄もあります。

関連業種 関連銘柄例
広告 4324 電通
警備 2331 綜合警備保障(ALSOK)
9735 セコム
9740 セントラル警備保障(CSP)
スポーツ関連 7936 アシックス
8022 ミズノ
8111 ゴールドウイン
8114 デサント
8281 ゼビオHD
9766 コナミHD

3、いまからでも間に合うおすすめオリンピック関連銘柄10選

東京オリンピックの招致が決まってから、5年近く経ちました。

株価は先行して動くものであり、オリンピック開催による株価押し上げ効果は、すでに織り込まれたと考えることもできます。

では、今からオリンピック関連銘柄を買うのは遅いのかというと、そうでもありません。

オリンピックを契機にインフラの改修が加速したり、関連施設の再利用やインバウンド需要のさらなる拡大など、オリンピック効果は大会が終わってからも続きます。

招致決定のときのような急激な上昇ではないかもしれませんが、オリンピック関連企業には、まだ業績・株価の上昇余地は残っており、いまからでもまだ間に合います。

オリンピック関連銘柄の中から、いまからでも間に合うおすすめ銘柄を厳選してご紹介します。

1414 ショーボンドHD
橋梁・ビルなどのコンクリート構造物補修のパイオニアであり、最大手。オリンピックを契機とした老朽化の進むインフラ改修需要による長期的な業績拡大が期待されます。
1802 大林組
大手ゼネコンの一角。都市開発に強みを持ち、オリンピックを契機とした都市再開発の加速による長期的な業績拡大が期待されます。
2331 ALSOK(綜合警備保障)
大手警備サービス企業。東京オリンピックオフィシャルパートナーであり、オリンピック関連施設建設、開催期間中における警備やセキュリティシステム需要は今後増加すると見込まれます。
4324 電通
国内最大手広告代理店。オリンピックの招致や運営にも関わり、放映権・スポンサー契約などを独占的に取り仕切る企業であり、オリンピック開催に向けてさらなる利益を獲得することが予想されます。
5233 太平洋セメント
セメント最大手。オリンピックを契機とした都市再開発、インフラ整備・改修需要による長期的な業績拡大を期待されます。
5911 横河ブリッジHD
鋼製橋梁の最大手であり、点検・維持管理など保全にも強み。オリンピックを契機とした老朽化の進むインフラ改修需要による長期的な業績拡大が期待されます。
7936 アシックス
スポーツシューズに強みを持ち、世界に展開。東京オリンピックゴールドパートナーとして公式ウェアなど関連商品を独占的に提供しており、開催に向けて利益拡大やブランド力のさらなる向上が期待できます。
8801 三井不動産
大手デベロッパーであり、東京オリンピックゴールドパートナー。大会会場の立地する東京湾岸エリアに多くの土地を保有し、地価上昇や大会後の再開発へも期待がもてます。
9006 京急
私鉄大手。稼ぎ頭である羽田空港線は、羽田空港の国際線発着枠が拡大され、オリンピックによる訪日観光客増加で大きな恩恵を受ける。訪日観光客の増加が続くことによる業績拡大が期待されます。
9202 ANA HD
大手航空会社であり、東京オリンピックオフィシャルパートナー。現在羽田空港の国際線発着枠最大シェアを持つANAですが、2020年に向け発着枠が2015年比1.7倍に拡大される見込みであり、さらなる業績拡大が期待されます。

4、オリンピック終了後の株価はどうなる?

オリンピック開催に向けて、株価上昇余地を残していたオリンピック関連銘柄については、大会終了を機に下落する可能性もあります。

しかし株式市場全体では、すでにその先を見据えて株価は動いているため大会が終了すること自体による相場への影響はあまりないと言えます。

オリンピック終了後には、オリンピック関連施設の再利用や周辺再開発、インフラ整備・改修の加速、インバウンド需要の拡大といった「レガシー効果」による、一定の株価の下支え効果はあるかもしれません。

とはいえ、オリンピック招致決定のときのような力はありません。

そのため、オリンピック関連銘柄としてではなく、その銘柄本来の実力が試されることになると言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

オリンピック関連銘柄の株価は、すでにオリンピック効果を織り込んでいるとも言えます。

しかし、オリンピックを契機とした長期的な波及効果は、まだまだ未知数であり、今後も業績拡大・株価上昇が期待できるオリンピック関連銘柄は残されています。

今回ご紹介した銘柄なども参考に、オリンピックをステップとして伸びていく実力をもつ銘柄をみつけていただければ幸いです。