「株のデイトレード(デイトレ)なんて儲かるの?」そう疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。デイトレは、1日のうちに売買を完結させる投資方法で、長期投資に比べれば売買1回あたりの利益自体は小さいことが多いと言えます。
ただ、1日の内で複数回売買することできるため、利益を積み重ねて大きな利益を得ることが可能です。また、短期間で利益を確定、すぐに次のトレードに移れるため、少ない資金でも効率的に増やしていくことができるというメリットがあります。
しかし、それはトレードでしっかりと利益を確保できたらの話であり、デイトレをすれば誰しも儲けられるというようなうまい話ではありません。むしろ、闇雲にトレードを重ねればすぐに投資資金が底をついてしまい、株式投資から退場しなければならないというのはよくあることです。
株のデイトレで儲けるためにも、実際にデイトレを始める前にしっかりとデイトレについて理解しておくことが大切です。
デイトレードとは
デイトレードとは、1日で売買を終わらせる投資方法のことです。
具体的には、株式などの金融商品を買ってから売るまでを、1日で終わらせることです。また、売りから入る場合は買い戻すまでを1日で終わらせます。
基本的には、1日で「安く買って高く売る」ことの繰り返しでデイトレードの利益を積んでいきます。これを「現物取引」と言います。
現物取引に対して「信用取引」という取引方法もあります。
信用取引とは、自分が持っているお金より大きな金額を動かせる取引と考えていただければ差し支えありません。少額の資金しかなくても大きな取引をして儲けることができます。
また、株式を持っていなくても、資金を証拠金として証券会社から株式を借りることで、「株式を高く売って安く買い戻す」という通常とは逆の順番での売買もできます。
信用取引は自分が持っているお金以上のお金を動かすものなので、現物取引よりもリスクが高いです。デイトレードの初心者の方は、「そんな取引方法もあるのだな」と思っていただくだけで十分です。
まずはわかりやすい現物取引から始め、投資に慣れてきたら信用取引も勉強していくと良いでしょう。
デイトレードできる商品
デイトレードできる商品は、大きく分けると次の3種類です。
- 株式
- 通貨(FX)
- CFD
初心者の方は株式かFXから始め、もっとマニアックかつ専門的な商品にも挑戦したい場合はCFDにもチャレンジすると良いでしょう。
それでは、株式、FX、CFDとは何か詳しくお伝えしていきましょう。
1:株式
株式は初心者でも比較的取り組みやすい商品です。株式は企業が発行する証券で、株式を買うことで企業に出資するイメージです。
株価は1日の間に上下に変動するので、デイトレードではこの変動を利用し、「安く買って高く売る」といった手法で利益を出します。
理論的には、株価は企業の業績などによって決まりますが、1日で業績が大きく動くことはそうそうありません。デイトレードで狙うのは、業績に連動した値動きではなく、株式の需要と供給のバランスの崩れによる値動きです。
ただし、株式を取引できるのは平日の日中なので、会社員など日中に仕事がある人には難しいでしょう。東京証券取引所が開いているのは平日の9時00分~11時30分、12時30分~15時00分なので、この間にパソコンやスマホに向かえないなら、次に解説するFXの方がおすすめです。
2:FX
FX(Foreign exchange、外国為替証拠金取引)は為替相場の変動を利用したトレードです。毎日のニュースでも「1ドル=○○円」と報道されており、時々刻々と変動していることはご存じかと思います。
FXでは2つの通貨の値動きを利用し、差額で儲けを出す方法です。
例えば、1ドル=100円のときに100ドルを買ったとします。使ったお金は1万円になりますね。
少し時間が経って、1ドル=120円に上がったとしましょう。このときドルを円に戻すと、100ドル=1万2,000円となって2,000円儲かります。
1日で1ドルが100円から120円に大きく動くことはかなり稀ですが、わかりやすい例としてご理解いただければと思います。
FXは日本だけでなく世界中で取引されているので、平日なら日本の夜中でも取引することができます。株式と違い、日中は仕事がある会社員でも、夜にFXを副業としてやって儲けている方もいます。
また、自動売買プログラムが充実しているのもFXの特徴です。自分で取引するスキルが身についていない初心者でも、自動売買なら取り組みやすく、安定した利益も出やすいです。そのため、FXはデイトレード初心者にもおすすめです。
3:CFD
CFDはFXと同じような仕組みで利益を出すものですが、取引できる商品の幅がとても広い特徴があります。
CFDは「Contract For Difference」の略で、日本語では差金決済取引と呼ばれています。用語は難しいですが、「FXの拡大版」のような認識で問題ありません。
CFDで取引できるのは、株価指数、商品(金や原油など)、債券、ETFなどさまざまです。FXはCFDに含まれ、通貨を取引できるCFDがFXとなります。また、株式もCFDで取引することができます。
CFDでの利益の出し方はFXと同じで株価指数や商品の価格変動を利用し、差額を利益にします。何を取引する場合でも、「安く買って高く売る」か「高く売って安く買い戻す」のどちらかになります。
初心者の方にはCFDはおすすめできません。株式やFXよりもマニアックなので、情報を手に入れにくかったり、他のトレーダーの手法をまねたりしにくいからです。
最初は株式やFXから始め、株価指数や金、原油などのトレードもしたくなったら、CFDを始めると良いでしょう。
デイトレードのメリット
デイトレードは、1日で売買を終わらせるところに特徴があります。一般的な投資と言えば、将来有望そうな企業に数年から数十年ほど投資し続けるといった長期投資になりますが、デイトレードは長くても1日しか保有しません。
デイトレードは短期投資であるがゆえに、長期投資には無いメリットがあるのです。デイトレードのメリットには、次の2つです。詳しく解説していきましょう。
- 資金効率が良い
- 翌日にポジションを持ち越さない
メリット1:資金効率が良い
デイトレードは長期投資に比べて、少額の資金でも大きな利益を狙えるので、資金効率が良いメリットがあります。
長期投資の場合、投資の利回りは5パーセントあれば良い方です。100万円を投資すると、1年後に105万円になっているので、1年で5万円の儲けが出るのが長期投資のイメージです。
投資元本の100万円を1年間動かさず、投資先をコロコロと変えない長期投資の場合、この程度の利益となります。
一方、デイトレードは100万円の資金でも1年で20万円ほどの利益を狙うことができます。1日ごとに投資先を変えられるのがデイトレードの特徴なので、その日に上がる銘柄をうまく選べば20万円程度の利益を出すことも夢ではありません。
銘柄選びが上達すれば、もっと大きな利益を狙うことも可能です。
デイトレードと長期投資の資金効率の差は、小さな値動きを着実に取るか、無視するかという違いにあります。長期投資の場合は長い目で見てプラスになれば良いので、1日の値動きは無視します。
一方、デイトレードでは1日の値動きを着実に利益に変えていきます。そのため、最終的な利益の大小に差が出るのです。
メリット2:翌日にポジションを持ち越さない
デイトレードは1日で売買を終わらせるので、銘柄を保有したまま翌日に持ち越すことがありません。銘柄を保有することを「ポジションを持つ」と言うので、つまりポジションを翌日に持ち越さなくて済むメリットがあります。
反対に、翌日にポジションを持ち越す場合、寝ている間に相場が大きく動くリスクを取ることになります。
ヨーロッパやアメリカが昼の間に、政治や経済に大きな影響を及ぼすことが起これば相場が動きます。24時間取引できるFXはもちろん、日本の日中にしか取引できない株式市場にも影響します。
持っているポジションによっては、寝ている間に損をしてしまうかもしれないのです。
デイトレードの場合、寝る前にはポジションを決済しているので、上述のリスクがありません。寝ている間に相場が動いても損をしないので、翌朝から値動きの原因を調査して、落ち着いてトレードを始めれば良いのです。
デイトレードのデメリット
デイトレードの代表的なデメリットを2つ紹介するので、理解した上でデイトレードを始めましょう。また、投資はデイトレードだけでなくスイングトレードや長期投資などさまざまなスタンスがあるので、「デイトレードは無理かな」と感じた方は、他の方法を調べてみましょう。
- 1. 取引に手間がかかる
- 2. 手数料がかかる
デメリット1:取引に手間がかかる
デイトレードの大きなデメリットとして、取引するのに手間がかかることがあります。
トレード中はパソコンやスマホから目が離せないので、負担に感じる方が多いでしょう。簡単なお小遣い稼ぎというよりは、副業のイメージを持っていただいた方が良いと思います。
また、デイトレード向きの銘柄を調べたり、チャート分析の手法を身につけたりといった努力も必要です。勉強することで勝率が上がりますが、勉強が嫌いな方や、デイトレード用の勉強をする時間が無い方には、難しいかもしれません。
デメリット2:手数料がかかる
デイトレードで注意しなければならないのが手数料です。商品を売買する度に「売買手数料」がかかるからです。
デイトレードの場合、1日に何回も売買を繰り返すため、手数料がかさみやすい点がデメリットになります。上手に「安く買って高く売る」「高く売って安く買い戻す」といったトレードができている場合でも、手数料が膨らんで利益より手数料が大きくなり、結果的に損をしてしまった、というケースがあるのです。
デイトレードを始める前に知っておくべきこと
これまで、デイトレード(デイトレ)のメリット・デメリットを解説してきました。デイトレを行うにあたっては、ご自身の環境が適しているかどうかも重要な要素です。
また、取引を始めるにあたって必要なものがあります。それぞれについて解説していきましょう。
1:ライフスタイル
デイトレを行う前提として、取引が行われる時間帯にご自身が取引をできる環境にあるのかは大きな問題となります。
先ほどお伝えしたように、日本株(東京市場)の取引時間は平日の9時00分~11時30分、12時30分~15時00分の計5時間です。仕事などでこの時間帯に時間を確保することができない方は、デイトレには適しません。
2:取引する時間帯
デイトレは、短時間で値幅を取ることで利益をあげる投資方法です。そのため、市場が動かなければ利益をあげるチャンスを得られません。
株取引が行われる時間は、前述のとおり平日の9時00分~11時30分、12時30分~15時00分ですが、この間でも特に値動きの大きい時間帯があります。取引時間中ずっとパソコンの前に張り付いているよりも、この時間帯に集中して取引を行う方が効率的だと言えます。
- 9時00分~9時30分:取引の開始(寄付)直後から30分くらいが、1日の中で最も値動きの大きな時間帯です。デイトレーダーにとって最大の勝負時と言えます。
- 12時30分~13時00分:午後の取引開始直後も値動きが大きくなりやすい時間帯です。昼休み中に株価に影響を与えるようなことが起こった場合にはより大きく動きます。
- 14時30分~15時00分:取引終了時間に向けて、当日中に利益・損失確定の注文が出やすく値動きが大きくなります。特に、金曜日には週末を控えて値動きが大きくなる傾向があります。
3:取引手数料
売買を何度も繰り返すデイトレでは、約定した際にいくら手数料がかかるかは非常に大切なポイントです。だたでさえ利幅が小さいのに、高い手数料を払っていては利益を出すのが難しくなります。
手数料は証券会社によって異なるため、後述する「取引のしやすさ」と合わせて証券会社を選ぶ基準の一つです。
証券会社 | 取引 | 対象 | 5万円 | 10万円 | 20万円 | 30万円 | 50万円 | 100万円 | 200万円 | 300万円 | 500万円 | 1000万円 |
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DMM株 | 現物 | 約定ごと | 55円 | 88円 | 106円 | 198円 | 198円 | 374円 | 660円 | 660円 | 880円 | 880円 |
1日定額 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | ||
信用 | 約定ごと | 88円 | 88円 | 88円 | 88円 | 88円 | 88円 | 88円 | 88円 | 0円 | 0円 | |
1日定額 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | ||
ライブスター証券 | 現物 | 約定ごと | 55円 | 88円 | 106円 | 198円 | 198円 | 374円 | 660円 | 660円 | 880円 | 880円 |
1日定額 | 440円 | 440円 | 440円 | 440円 | 440円 | 660円 | 1,100円 | 1,540円 | 2,420円 | 4,620円 | ||
信用 | 約定ごと | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | |
1日定額 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 524円 | 964円 | 1,404円 | 2,284円 | 4,484円 | ||
SBI証券 | 現物 | 約定ごと | 55円 | 99円 | 115円 | 275円 | 275円 | 535円 | 1,013円 | 1,013円 | 1,013円 | 1,013円 |
1日定額 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 838円 | 1,278円 | 1,718円 | 2,598円 | 4,798円 | ||
信用 | 約定ごと | 99円 | 99円 | 148円 | 198円 | 198円 | 385円 | 385円 | 385円 | 385円 | 385円 | |
1日定額 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 770円 | 1,100円 | 1,430円 | 2,090円 | 3,740円 | ||
岡三オンライン証券 | 現物 | 約定ごと | 108円 | 108円 | 220円 | 385円 | 385円 | 660円 | 1,650円 | 1,650円 | 2,310円 | 3,300円 |
1日定額 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 880円 | 1,430円 | 1,980円 | 3,080円 | 5,830円 | ||
信用 | 約定ごと | 108円 | 108円 | 165円 | 330円 | 330円 | 550円 | 1,100円 | 1,100円 | 1,320円 | 1,320円 | |
1日定額 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | ||
立花証券ストックハウス | 現物 | 約定ごと | 55円 | 88円 | 110円 | 264円 | 264円 | 517円 | 990円 | 990円 | 990円 | 990円 |
1日定額 | 220円 | 220円 | 220円 | 330円 | 550円 | 990円 | 1,760円 | 2,640円 | 3,300円 | 7,700円 | ||
信用 | 約定ごと | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | |
1日定額 | 0円 | 0円 | 220円 | 220円 | 220円 | 440円 | 880円 | 1,320円 | 2,200円 | 4,400円 | ||
GMOクリック証券 | 現物 | 約定ごと | 96円 | 96円 | 107円 | 265円 | 265円 | 479円 | 917円 | 917円 | 917円 | 917円 |
1日定額 | 234円 | 234円 | 234円 | 305円 | 438円 | 876円 | 1,283円 | 1,691円 | 2,281円 | 3,756円 | ||
信用 | 約定ごと | 97円 | 97円 | 143円 | 187円 | 187円 | 264円 | 264円 | 264円 | 264円 | 264円 | |
1日定額 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 943円 | 2,200円 | 3,300円 | 5,500円 | 11,000円 | ||
楽天証券 | 現物 | 約定ごと | 55円 | 99円 | 115円 | 275円 | 275円 | 535円 | 1,013円 | 1,013円 | 1,013円 | 1,013円 |
1日定額 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 943円 | 2,200円 | 3,300円 | 5,500円 | 11,000円 | ||
信用 | 約定ごと | 99円 | 99円 | 148円 | 198円 | 198円 | 385円 | 385円 | 385円 | 385円 | 385円 | |
1日定額 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 1,100円 | 2,200円 | 3,300円 | 5,500円 | 11,000円 | ||
松井証券 | 現物 | 約定ごと | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — |
1日定額 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 1,100円 | 2,200円 | 3,300円 | 5,500円 | 11,000円 | ||
信用 | 約定ごと | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | |
1日定額 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | ||
auカブコム証券 | 現物 | 約定ごと | 99円 | 99円 | 198円 | 275円 | 275円 | 1,089円 | 2,079円 | 3,069円 | 4,059円 | 4,059円 |
1日定額 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | ||
信用 | 約定ごと | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | |
1日定額 | 2,750円 | 2,750円 | 2,750円 | 2,750円 | 2,750円 | 2,750円 | 2,750円 | 2,750円 | 5,500円 | 11,000円 | ||
マネックス証券 | 現物 | 約定ごと | 110円 | 110円 | 198円 | 275円 | 495円 | 1,100円 | 2,200円 | 3,300円 | 5,500円 | 11,000円 |
1日定額 | 2,750円 | 2,750円 | 2,750円 | 2,750円 | 2,750円 | 2,750円 | 2,750円 | 2,750円 | 5,500円 | 11,000円 | ||
信用 | 約定ごと | 104円 | 104円 | 154円 | 209円 | 209円 | 390円 | 880円 | 1,100円 | 1,100円 | 1,100円 | |
1日定額 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
※手数料はすべて税込・2020年6月現在
(参考:https://minkabu.jp/hikaku/fee.html)
4:パソコン・スマホ・取引ツール
デイトレというと、机の上にたくさんのディスプレイを並べてトレードしているイメージがあるかもしれません。しかし、パソコン1台あれば十分で、スマホがあれば外出先でもトレードは可能です。
何台もディスプレイを買うお金があれば、それを投資資金としてトレードに回しましょう。そんなことよりも、自分にあった使いやすい取引ツールを見つけて、そのツールを使ってトレードできる環境を整える方がもっと大事です。
SBI証券や楽天証券、岡三オンライン証券、松井証券などが取引ツールとして定評があります。証券会社の口座はいくつ持っていても良いので、それぞれのツールを実際に使ってみた使いやすさや、手数料などからメインの証券会社を決めていくと良いでしょう。
5:信用取引口座の開設
株取引は「安く買って高く売る」、つまりこれから株価が上がりそうな株を見つけて「買い」から入ることが基本ですが、信用取引であれば「売り」からも入ることができます。信用取引には「買いは家まで売りは命まで」という相場格言があるように、信用取引の売りは損失が際限なく拡大するリスクも伴います。
ただ、これは適切なタイミングで損切りをしないなどリスク管理を怠った結果によるものです。適切にリスク管理・資金管理を行うのであれば、信用取引の売りは株価が下げる場面でも利益をあげられるようになる有効なツールとなります。
初心者がよくわからないまま信用取引を行うことはリスクが高いですが、現物で取引を重ね、株価が下がるタイミングがある程度予想できるようになった段階、信用取引も活用していくと良いでしょう。
その際はリスク管理を徹底することを忘れてはなりません。すぐに信用取引をしないにしても、いずれ利用することを想定して証券口座と一緒に信用取引口座も開設しておきましょう。
6:投資資金の準備
投資資金としては300万円あれば理想ですが、それが難しくとも100万円は確保しておきたいところです。10万円以下で買える株もありますが、選べる銘柄は限られてきますし最初に損失を出してしまえばすぐに退場せざるを得なくなります。
元手が少ないほどリスクが高まるということは肝に銘じ、実際に投資し始めるのは投資資金が貯まってからにしましょう。
資金が貯まるまでの間も無駄にせず、資金を入れないで株価の動きを予想するなどイメージトレーニングを積み感覚をつかんでおけば、実際に資金を入れたトレードに活かすことができます。
デイトレードを始める前にすべきこと
早速デイトレードを初めていきたいところですが、いきなり取引を始めると失敗して痛手を被ってしまうでしょう。
デイトレードを始める前に、最低限身につけておきたいことが3つあります。次の3つのポイントを押さえ、始められそうなタイミングでデイトレードを始めましょう。
- 目標を定めること
- チャート分析を身につけること
- 日々の取引を記録すること
1:目標を定めること
まずは毎月何円くらいデイトレードで稼ぎたいのか、目標を決めましょう。目標が決まっていないと、目先の利益に走って冷静なトレードができなくなるなど、失敗を誘う心理状態になってしまうことがあるからです。
毎日5,000円稼ぎたいなら、1日の目標を5,000円にするのではなく1ヶ月の目標を20日分の10万円にしましょう。1日の目標を決めてしまうと、絶対に失敗できないことがプレッシャーになってしまい、トレードに狂いが出やすいからです。
2:チャート分析を身につけること
ローソク足チャートや移動平均線などのチャート分析も、基礎知識は勉強してからトレードを始めましょう。買い・売りでエントリーするポイントを見極めるためには、チャート分析が欠かせません。
最初は失敗することも多いとは思いますが、なぜ失敗したのかチャートに照らし合わせて理解することで同じ失敗を繰り返さなくなります。上級トレーダーもチャート分析をしてエントリーポイントを探っていますし、上達するためにはチャート分析は欠かせません。
3:日々の取引を記録すること
日々の取引を記録することも、デイトレードを上達するために必要です。
特に、失敗したときはどの銘柄でどんなチャートのときにエントリーして失敗したのかを記録しましょう。なぜ失敗だったのか、どうすれば失敗を防げたのかなど、自分なりに分析してください。
デイトレードで安定して稼ぐためには、勝率を高める必要があります。同じ失敗を繰り返さないだけでも勝率は上がっていくので、日々の記録を取って反省できるようにしましょう。
デイトレードの始め方
デイトレードを始めるには、まず株式、FX、CFDのどれを取引するのか決めます。初心者の方は株式かFXがおすすめです。
取引する商品が決まったら、口座を開設します。株式なら証券会社、FXならFX会社のホームページから、口座を申し込みます。免許証などの本人確認書類とマイナンバーカードもしくは通知カードが必要になるので、手元に用意して申し込みをしましょう。
申し込みが終わると、数日から1週間ほどで口座開設完了のお知らせが郵送で届きます。書類にログインIDや初期パスワードなどが書かれているので、指示に従ってログインしましょう。
デイトレードにおすすめの銘柄の探し方
デイトレードの取引に向く銘柄は、毎日変わります。前日にある程度絞り込み、当日にいくつかトレードするものを決めるのがデイトレードの基本スタンスになります。
そのため、「この銘柄さえ見ていればOK」というものではなく、探し方を身につけて自分で銘柄を探さなければなりません。この項目ではデイトレ向きの銘柄の探し方について、基礎を解説するので参考にしてください。
ポイント1:値上がり率ランキング
まずは値上がり率ランキングを見て、翌日のデイトレ銘柄を絞り込みましょう。値上がり率が大きい銘柄は、何らかの理由で注目度が上がっているからです。
新商品が発表されたり、決算発表の結果が良かったりすることが多いです。
注目度が上がっている銘柄は、翌日も値動きが大きくなりやすいです。前日に値上がりしているからといって翌日も値上がりするとは限らないのが難しいのですが、値動きは大きくなりやすくデイトレ向きです。
ポイント2:出来高
出来高が多い銘柄は流動性が高いので、デイトレに向いています。売り手も買い手も大勢いるので、「ここだ!」と狙った価格での売買がしやすいのです。
チャンスをつかみやすいので、出来高が多い銘柄を選びましょう。
ポイント3:板の厚さ
トレードする銘柄を選ぶとき、板(気配値)に注目してみてください。出来高の多い銘柄は売りも買いも注文がたくさん入っており、板が厚い状態になっています。
さらに、売りが厚いのか買いが厚いのかも調べてみましょう。売りが厚い場合は値下がり、買いが厚い場合は値下がりする傾向があります。売りと買いの厚さの差が大きいほど、1日の値動きが予測しやすく、デイトレに向いています。
参考にしたいデイトレで稼いでいるデイトレーダーブログ
デイトレーダーのブログは、日々の収益の報告がメインになります。上述したデイトレードに必要な「日々の記録」をブログでやっているイメージです。
彼らのブログを読むと、ベテランのデイトレーダーがどんな銘柄に注目しているのかがわかります。参考にして同じ銘柄を取引してみるなど、取り入れられることがあるでしょう。
この項目では、デイトレの参考になるブログを3つ紹介します。
ブログ1:美人OLのデイトレードで100億稼ぐ
画像引用元:美人OLのデイトレードで100億稼ぐ
「美人OLのデイトレードで100億稼ぐ」は、何時何分にどの株式を買ったか・売ったかが分かりやすい収益報告ブログです。
1日で1万円から10万円ほどの利益なので、同じくらいの利益を狙う初心者にとって参考になります。収益の桁が現実的なので、誰でも手法を取り入れやすく、トレードの役に立つブログです。
ブログ2:デイトレードで3人の子どもを育てる
画像引用元:デイトレードで3人の子どもを育てる
「デイトレードで3人の子どもを育てる」は、元手70万円からスタートした株式のデイトレーダー、藤野良太さんのブログです。
日々の収益は数万円程度を積み重ね、月間30万円から40万円の利益を稼いでいます。初心者が元手70万円で1ヶ月30万円稼ぐのは難しいですが、元手が少なくても投資で稼げることに勇気をもらえるはずです。
藤野さんのブログは、売買した銘柄や数量、決済した金額が分かりやすいのが特徴です。一目でわかるように表で整理されているので、勉強の教材としても優秀です。
ブログ3:FX億トレーダーぶせなブログ
画像引用元:FX億トレーダーぶせなブログ
「FX億トレーダーぶせなブログ」は、FXのデイトレブログです。1日の収益が1万円から10万円ほどのことが多く、初心者の方にとっても現実的な金額で参考になるブログです。
このブログではチャートにエントリーしたポイントを描き込んで説明してくれるので、チャート分析も勉強することができます。FXのデイトレをする方は、FX億トレーダーぶせなブログを参考にすると良いでしょう。
まとめ
デイトレードは、短期間のトレードで効率的に利益をあげることも可能な投資方法です。一方で、リスク管理・資金管理は特に重要であり、それを怠ればすぐに投資資金は底をついてしまいます。
そうならないためにも、最も大切なトレード始める前に損切りルールを設定することを始め、トレードしやすい環境を整えたり、チャートの見方を身につけたり、適切な銘柄選択したりといったデイトレを始める前の準備が大切なのです。