株式分割とは?利益を出す確率を上げるために知っておくべき6つのこと

  • 2018年1月29日
  • 2021年10月15日

株式投資を行っているとよく耳にするのが「株式分割」という言葉です。

株式分割は株価にも影響を与えることが多いため、必ず知っておきたいワードの一つです。きちんと知っておくことで容易に収益に繋げることも可能なのです。

今回の記事では以下の内容をお伝えしていきます。

  • そもそも株式分割とは何なのか?
  • 株式分割を利用して利益を出せるか?

株取引で利益を上げたいとお考えの方のご参考になれば幸いです。

1、株式分割とは?

そもそも株式分割とは何なのでしょうか?

簡単に説明してしまうと、読んで字のごとく、「これまであった株を何株かに分割する」ということです。

株式分割に関する企業のIRなどを見ると「1株→5株(1:5)」「1株→2株(1:2)」といった記載が見受けられますが、例えば1株→5株の場合、株価が1000円の銘柄を1株保有していたとすると、分割後200円を5株、といった形になるというわけです。

「分割すれば分割したぶん株数が増え、それに対して株価は下がる」ということですね。

実際に株式分割を行う事例を見てみましょう。

株式分割予定銘柄一覧 (日興イージートレード)

http://www.smbcnikko.co.jp/eztrade/ez/000_ns22.html

銘柄名の横に「分割比率」「効力発生日」という欄がありますが、分割比率1:4であれば「これまでの1株が効力発生日から4株分になるよ」ということを表しています。

結構な銘柄が株式分割銘柄に挙げられているように、株式分割を行う会社というのは少なくありません。

2、株式分割があるとどのような効果がある?

では、株式分割はどういった効果を目的にして行われるのでしょうか?

「株を分割したら株式の総数が増えるのは分かったけど、株価は下がってしまっているではないか」という疑問を持たれた方も多いでしょう。

ですが実は、「分割により株価が下がる」というのは企業側の一つの狙いでもあるのです。

株式分割が行われると

  • 株数が増える
  • 株価が下がる

というのは何度か書いてきた通りです。

株式分割というかたちでこの2つが行われると、これらの行為は株主にとって大きな意味を持つのです。

(1)株数が増えるメリット

株数が増えたことによって流動性が増し、取引の利便性が増す

(売買が成立しやすくなり、極端な値動きが少なくなる)

(2)株価が下がるメリット

株価が下がったことにより「買いやすさ」が向上

(株価が下がったからと言って、もともと保有していた人が損するわけではない)

と、我々投資家にとってはメリットが多くなっています。

「流動性が上がる」というのは株式取引において大きなポイントで、「買いやすく売りやすく」なるということを意味しています。

また、株式分割前に同銘柄を保有していれば、分割後の保有株数は増えるので配当を多く受け取れる、というケースがあるというのも利点の一つでしょう。

株式分割を好感し株価が上がりやすい銘柄は、「それまでの発行株数が元々少なめだった企業」だと言えます。

ですからどちらかというと東証一部の大型株より、マザーズ・JASDAQのような新興企業の方がポジティブに株式分割を受け取るケースが多く見受けられます。

3、株式分割が行われるのはどのような時?

企業が発行株式を増やす方法には、大きくわけて「株式分割」と「増資」の二種類があります。

前者はここまで見てきたように発行済みの株式を分割すること、そして後者は「新しく株券を発行し、資金を調達すること」を指します。

マーケット的には株式分割は好感され、逆に増資は嫌気されることが多くなっています。

株式分割と増資はやや似ているのですが、増資は企業が自身の資本増強を狙って行うという場合が多い一方で、株式分割は株主を意識した施策である場合が多いです。

流動性を増やす、また取得単価を安く設定することで株主を増やそう、という狙いがあるわけです。

また、株主を増やすことで市場鞍替えを目指す企業もありますね。

東証一部であれば株主数が2200名以上必要、といったボーダーがあるので、一部の企業ではそれを見込んで株式分割を行う、といった狙いもあると言えるでしょう。

4、結局株式分割する可能性がある株は買っておいた方がいいの?

先にも書いた通り、株式分割は基本的に投資家にとってはメリットがあることが多いです。

そのため、業績に直接影響があるわけではなくとも、需給的な面から株式分割が発表されると一時的に株価が上がる銘柄も多くなっています。

ただ、既に同株式を保有している人からすると分割後の一部を売りやすくなるという一面もあるので一概に買い需要が上回るとも言えません。

株式分割を好感した買いと言うのはあまり続かず、一週間もするとその勢いが衰え、株価が戻ってしまうというケースも少なくありません。

「株式分割するから買い」というよりは、「分割しそうだから買い」という方が良いかもしれませんね。

企業側としても株式分割は株価浮揚策として打ち出されることがありますが、実際に上昇の勢いを保ち続けているという例はそこまでありません。

やはり業績に関係するというわけではないので、あくまでも短期的なポジティブ要因だと言うことが出来るでしょう。

短期的上昇要因であることが多いため、株式分割のニュースが出てから買っても遅いことが多く、持っている株に株式分割のニュースがでたらラッキー程度と思っておくとよいでしょう。

また同ニュースで思ったよりも株価が上がるようだったら一度売却し、その熱が冷めた頃に再購入すれば大きな恩恵を受けられるかもしれません。

5、株式分割する銘柄を調べる方法は?

株式分割をする銘柄は、以下のようなサイトで確認することが出来ます。

また株式分割が決定した場合、各企業からIRが出ますので、企業ホームページから確認することが可能となっています。

株式分割予定銘柄一覧 (日興イージートレード)

http://www.smbcnikko.co.jp/eztrade/ez/000_ns22.html

株式分割 (トレーダーズウェブ)

http://www.traders.co.jp/domestic_stocks/stocks_data/stocks_split/stocks_split.asp

このようなサイトを見ると、実際に株式分割が行われる「効力発生日」のほかに、「権利付最終売買日」「権利落日」という記載があります。

保有銘柄が株式分割を受けるためには、こういった日付を意識しておく必要があるのです。

詳しくは次の項目で見ていくことにしましょう。

6、株式分割の権利を得る方法は?

さて、前述した通り株式分割の権利を得るためには「権利付最終日」までに同株式を保有しておく必要があります。

補足になりますが、株主優待や配当金を受け取る場合も「権利付最終日」を過ぎる前に株式を持っていなければなりません。

「権利付最終日」というのは、株主である権利を得られる最終日付となっています。

2018年4月に株式分割を行うハウスコム <3275> を一例に見てみると、

権利付最終売買日が2018年3月27日となっていますので、遅くともこの日までに株式を購入しておく必要があるのです。

その後3営業日後の4月1日に実際に株式分割が行われる予定となっています。

このように株式分割の権利を新しく得る場合は、効力発生日はもちろんのこと権利付最終日を意識しておかなければなりません。

まとめ

さて、ここまで株式分割について見てきましたがいかがでしたでしょうか。

株式分割は投資家にとってはいいニュースであることが多いため、保有銘柄が分割される、といったリリースが出れば素直に好材料と言ってよいでしょう。

「株価の見た目が安くなる」というのは一見デメリットのようにも思えますが、「もともと保有していなかった人たちからは割安にうつる」という意味も持ち、株式分割をしたのに分割前の株価まで上昇した、といったケースも見受けられます。

株式分割をした銘柄の騰落を追ってみるのもよいケーススタディとなりそうです。