価格の動きを見る上で欠かせないチャートに、さまざまな種類があります。
今回は
- バーチャートとラインチャートにそれぞれどんな特徴があるのか
- どのような場面で役立つのか
など、簡単ですぐに役立つチャートの見方を解説します。
株式投資に役立つ売買サインを、一つでも多く覚えていただけましたら幸いです。
1、バーチャートとは?
(1)バーチャートの特徴・活用法
バーチャートは、値動きをバー(棒)で示したチャートのことです。
欧米では、このバーチャートがよく用いられています。
バーは一定期間の高値と安値をつないだもので、バーの上端が「高値」、下端が「安値」、バーの左に突き出た横棒が「始値」、右に突き出た横棒が「終値」を示しています。
シンプルな形状で値幅がわかりやすく、トレンドの大きさを見るのに適したチャートです。
またバーチャートには、「四本値」と「三本値」の2つのタイプがあります。
四本値は1本のバーで、ローソク足と同じ「始値・終値・安値・高値」の4つ値が示されます。
一方、三本値では始値を除く「終値・安値・高値」の3つ値が示されます。
欧米では終値が重視されるため、三本値も比較的よく用いられています。
1本のバーが表す期間が1日、1時間、5分間のバーチャートをそれぞれ日足、1時間足、5分足と言います。
(2)バーチャートのメリット
バーチャートでは高値と安値が見やすく、高値同士あるいは安値同士を結んだラインであるトレンドラインを引きやすいというメリットがあります。
トレンドラインは、上値を押さえる抵抗線や、下値を支える支持線として、売買のタイミングを図る重要な目安となります。
トレンドラインを引きやすいということは、トレードにおいても有利に働きます。
またローソク足では、値動きが激しいとローソク本体の形が目まぐるしく変わるのに対し、バーチャートでは高値あるいは安値が更新されたタイミングでしか形状は変わらず、安定感があるため、心理的な動揺などを比較的感じにくい傾向があります。
落ち着いてトレードできるかはパフォーマンスにも影響し、チャートを選ぶ要素の一つと言えます。
(3)バーチャートのデメリット
バーチャートでは高値や安値を見やすい反面、始値や終値が見にくいというデメリットがあります。
また陽線なのか陰線なのかが分かりにくく、慣れていないとトレンドの方向感をやや掴みにくいと言えます。
2、ラインチャートとは?
(1)ラインチャートの特徴・活用法
ラインチャートは終値をつないだ線(ライン)で示されたチャートです。
終値以外の情報はなく非常にシンプルで、値動きのトレンドを掴むのに適したチャートです。
移動平均線などとの位置関係を比較しやすいというのも特徴だと言えます。
1日毎、1時間毎、5分毎の終値をつないだものが、それぞれ日足、1時間足、5分足です。
(2)ラインチャートのメリット
ラインチャートはシンプルながら、値動きのトレンドが右肩上がりなのか、右肩下がりなのか、すぐに判断できるというメリットがあります。
情報が少ない分、必要以上にダマしや迷いに惑わされず、トレンドの大局を読むのに適していると言えます。
(3)ラインチャートのデメリット
終値以外の情報がないことで、トレンドの勢いなどがわかりにくいというデメリットがあります。
ラインチャートだけ判断する必要はなく、バーチャートやローソク足などを組み合わせる判断材料とすることも大切です。
3、やっぱりローソク足は最強チャート?売買タイミングの読み方
ローソク足は、「始値・終値・安値・高値」の四本値を示す、日本で最も一般的に用いられているチャートです。
一定期間の始値と終値に挟まれた実体(胴体)と、実体部分と高値・安値の間を結んだ線であるヒゲで成り立っています。
始値よりも終値が高い場合には陽線、始値よりも終値が安い場合には陰線となり、その期間に値段が上がったのか下がったのかが一目で分かります。
バーチャートと同様に、1本のローソク足が表す期間が1日、1時間、5分間のローソク足をそれぞれ日足、1時間足、5分足と言います。
(1)ローソク足からは投資家の心理を読める
ローソク足では、その形状から投資家の心理を読むことができるという点で優れたチャートです。
例えば実体が小さく上下のヒゲも短いローソク足であれば、投資家は様子見の姿勢を強め、売買が細って値動きが小さなっているのではないかと予想できます。
また同じように実体が小さい場合でも、上下のヒゲが長ければ、売り買いが拮抗しているということが読み取れます。
大きな実体や一方に長いヒゲが現れれば、値幅を伴った勢いのある値動きであり、投資家心理がその方向に傾いているということが読み取れます。
(2)売り買いのサインと様子見のサイン
投資家の心理を示すローソク足では、トレンドや売り買いのタイミングの判断材料となる、特徴的な形状があります。
①買いのタイミング
実体部分の長い陽線(大陽線)や下ヒゲの長い陽線がチャートに現れた場合、上昇トレンドにある可能性が高く、買いのタイミングとなります。
下ひげの長い陽線は、一旦大きく値下がりし後に反発し、始値よりも高値で引けたことを示しています。
これは売り圧力を跳ね返すだけの強い買い圧力があることを示しており、下ヒゲが長いほど、上昇力が強いと読めます。
また、実体部分の長い陽線は、買い圧力が強いことを示しています。特にヒゲのない陽線を「大陽線」といい、始値から終値まで上昇し続ける、かなり強い上昇相場と読めます。
②売りのタイミング
実体部分の長い陰線(大陰線)や上ヒゲの長い陰線がチャートに現れた場合、下落トレンドにある可能性が高く、売りのタイミングとなります。
上ひげの長い陰線は、一旦大きく値上がりしたものの、始値よりも安値で引けたことを示しています。
買い圧力を跳ね返すだけの強い売り圧力があることを示しており、上ヒゲが長いほど、下落力が強いと読めます。
また実体部分の長い陰線は、売り圧力が強いことを示しています。
特にヒゲのない陰線を「大陰線」といい、始値から終値まで下落し続ける、かなり強い下落相場と読めます。
③トレンドの転換点
上昇相場や下落相場は、いずれ下落あるいは上昇に転換します。
この転換点であらわれやすいローソク足形状が「十字線」です。
この十字線が上昇相場の中で現れれば下落へ転換する兆候、下落相場の中で現れれば上昇へ転換する兆候と読めます。
十字線がチャートに現れればトレンドが転換するとみて、上昇トレンドにあれば売り、下落トレンドにあれば買いを入れるきっかけとして使うことができます。
ただ十字線が現れた直後は、投資家心理は拮抗している状態にあると言えます。
そのため、一旦踊り場となった後、再び元のトレンドが継続することも十分考えられます。
すでにポジションを持っている状態であれば、一旦利益確定や損切りをするというのもよいかと思います。
しかし、これから新しくポジションを取るという場合には、明確にトレンドが転換したことを確認してからでも遅くはありません。
十字線や上下にヒゲをつけた実体の小さい陽線や陰線(コマ)が現れた段階では、トレンド転換に注意しながら、一旦様子見を行うのが無難だと言えるでしょう。
このほかにも、包み足やはらみ線、酒田五法といった連続したローソク足の関係性を使った分析法などもあり、売買のタイミングを判断する材料として、ローソク足は昔から利用されています。
4、チャート分析で上がる株を見つけている株式投資家さんのブログ
(1)株初心者が株価チャートで上がる株を瞬時に見つける3つのポイント
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(2)投資の世界に生きる わかりやすい証券価格チャートの使い方
5、もっとチャートを勉強したい人におすすめの本
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
チャートから売買のタイミングやトレンドを判断する際には、一つのチャートだけで判断するのではなく、同時に複数のチャートを比較してみることも大切です。
目的や自分にとっての使いやすさなどによって、それぞれのチャートをうまく使い分けられるようになりましょう。