【体験談】FXは大損すると地獄!損する人に共通する原因と防止対策

FXは誰でも始められる副業として人気がありますが、実は損失を出しているトレーダーも大勢存在します。筆者も大損を出した経験があるので、FXで生計を立てている人を本当に尊敬しています。

この記事では、筆者がどんな大損を経験したのか、実例を解説していきます(1つは現在進行形でマイナスです……)。そこから、どうしてFXで大損してしまう人がいるのか原因を探り、どうすれば大損せずに済むのか対策を紹介していきます。

【体験談】FXで大損した経験・実例

【体験談】FXで大損した経験・実例

筆者も投資をしており、FXでも失敗を経験してきました。どうも自分にはFXは合っていないと感じたため、現在は自動売買を使っています。

その経験を踏まえて、大損しないための対策を解説していきたいと思います。まずはプロフィールを簡単に解説し、裁量トレードと自動売買で損失を出した経験をお伝えしていきます。

筆者プロフィール

金融機関に3年間勤めた経験があり、プロの運用を間近で見てきた個人投資家です。FP(ファイナンシャルプランナー)としてライフプランや投資のアドバイスをすることもあり、基本的には長期投資を推奨しています。

とはいえ、短い期間でお金を稼げるFXも捨てられず、細々とトレードしています。その結果、自分には向いていないことが分かったのですが、この記事では自分の失敗を踏まえてさまざまな対策を解説していきます。

実例1:裁量トレードで大損

裁量トレードとは、相場の状況を見て臨機応変に売買注文を出すトレード手法のことです。一般的にイメージされる、トレーダーがたくさんのモニターを並べて、エントリーのタイミングを探っている取引を思い浮かべていただければと思います(筆者はそこまで本格的な設備ではありませんでしたが)。

筆者も最初は裁量トレードで売買していたのですが、少しでも利益が出たらすぐに決済してしまいたくなり、利益がほとんど出ませんでした。100円くらいプラスになると、すぐに利益を確定させたくなってしまうのですよね。

 

一方で、筆者は損切りが下手で、損失の方は長く待ってしまう悪い癖がありました。利益が小さく損失が大きいのですから、得をするわけがありません。あっという間に資金が溶けていったのを覚えています。

加えて、筆者は相場の先読みが下手だったと反省しています。上がると思って買いでエントリーすると下がり、下がると思って売りでエントリーすると上がるのです。いわゆる「ついてない」「持ってない」タイプの人間なのだなと実感し、裁量トレードは諦めました。

 

裁量トレードを諦め、次に手を出したのが「自動売買」です。自動売買でみんなが使っているプログラムを使えば、自分特有の「ついてない」という欠点を克服できると思ったからです。

実例2:自動売買で含み損が拡大

結論からお伝えすると、自動売買に変えてからは裁量トレードの頃より利益が出ていました。50万円の資金を投入して、2ヶ月で3万円ほどプラスになっていました。

運用期間が短いのでプラスになったりマイナスになったりを繰り返してはいたのですが、相場とプログラムの相性が良かったようで、若干プラスの方が多いかなといった成果でした。

 

筆者が自動売買を始めたのは2020年のコロナショックの後なので、直近で最大の暴落には巻き込まれてはいません。しかし、各国の状況の不安定さが増した環境ではあったため、相場の急激な値動きに巻き込まれてしまい、現在は約10万円のマイナスが出ている状態です。

ちなみに、筆者が自動売買で選んだ通貨ペアはスイスフラン円です。いずれも安全資産とされているため、需要と供給がどちらかに大きく傾くことがあまりなく、レンジ相場を形成しやすいペアです。

自動売買で私が使いたかったプログラムがレンジ相場向きだったので、レンジ相場になりやすそうなスイスフラン円を選びました。実際、過去の相場にプログラムを当てはめるとかなり利益が出てはいました。

 

ところが、新型コロナウイルスの影響で急激なスイスフラン高円安になってしまい、レンジ相場から外れてしまいました。そのため、2020年8月末現在はマイナスの状態になっているのですが、過去の相場を見る限り2年前くらいの水準に戻っただけとも取れます。

スワップポイントがもらえる方にポジションを保有していることもあり、ひとまず放置して様子を見ているところです。

 

以上が、筆者がFXで大損を出した経験です。「正直なところ、こういう風にはなりたくない!」の模範例だと思います。

以下では、筆者や他の大損しているFXトレーダーの何が悪かったのか解説していきますが、ご自身に当てはまる項目がないか確認してください。当てはまってしまっても、大損する前に対策すれば大丈夫です。

FXで大損してしまう人に共通する5つの原因

FXで大損してしまう人に共通する5つの原因

FXで大損してしまう人には、共通する理由があります。主な5つの理由を解説するので、ご自身に当てはまる原因がないか確認していきましょう。

原因を知ることで対策をし、利益につなげていってください。

  1. 損切りができない
  2. 利益をすぐに確定してしまう
  3. 手法が自分に合っていない
  4. レバレッジをかけすぎている
  5. 通貨ペアが自分に合っていない

原因1:損切りができない

FXで利益を最大化するには、損切りが重要です。しかし、損切りが上手にできずに損失を膨らませてしまっているトレーダーが多いのです。

FXは、相場が上下どちらの方向に動くかを予想してエントリーする取引ですが、単純化して考えると、上昇する確率が50パーセント、下降する確率が50パーセントなので、2分の1の確率で予想が当たる取引です。そのため、予想が当たったときは利益を伸ばし、予想が外れたときは少額の損失に抑えることができれば、プラスとマイナスが相殺してプラスになります。

これがFXで利益を出せるカラクリなので、損切りが重要なのです。

 

「もう少し待っていれば価格が戻ってくるかも……」といったように、マイナスになるととりあえず様子見したくなる気持ちは分かります。しかし、冷ややかな目で捉えて機械的に損切りした方が、FXの成績アップにつながりやすいのです。

機械的に損切りするには、エントリーしたときに指値で利益確定の注文を入れるとともに、逆指値で損切りの注文も入れておきましょう。「〇〇pips下がったら損切りする」といったルールを決め、機械的に執行することで、感情を排して損切りできるトレーダーになれるでしょう。

原因2:利益をすぐに確定してしまう

FXで勝つためには、「損失を小さく、利益を大きく」が鉄則です。利益確定が早すぎて薄利しか出ていないトレーダーが大勢いますが、利益は大きく伸ばすことを意識した方が良いでしょう。

上述のとおり、FXで予想が当たる確率が2分の1だとすると、プラスになる回数もマイナスになる回数も同程度になることが予想されます。そのため、損失を最小限に抑え、利益を最大限に伸ばせれば、マイナスよりもプラスが上回って利益が出ます。

よって、利益が出たときは焦って利益確定するのではなく、手数料や損切り幅よりは高いところまで利益を伸ばしてから確定しましょう。こうすることで、自然と成績は上がってくるでしょう。

原因3:手法が自分に合っていない

トレードの手法が自分に合っていないことも、FXで大損につながる原因となります。トレーダーの生活スタイルや性格によって合う手法は異なるので、無理かもと思ったら手法を変えてみましょう。

例えば、日中は仕事があって忙しいサラリーマンが、夜中にFXのスキャルピングやデイトレードなどをやっている場合が挙げられます。日中も仕事を一生懸命やっているのに、睡眠時間を削って夜中もトレードをしていては、仕事もFXも成果を出しにくくなって当然です。

 

数日間はポジションを保有し続けるスイングトレードに切り替えたり、翌日が休みの土曜日だけ夜中にトレードをしたりするなど、生活スタイルに合わせたやり方を考えましょう。

自分に合った手法を見つけるには、少し試してみて合うかどうか考える必要があります。その意味では色々な手法を試してもらいたいのですが、他人のおすすめに安易に従って「この手法しかあり得ない!」のように思いこむことは危険です。FXの手法選びも柔軟に行いましょう。

原因4:レバレッジをかけすぎている

FXで大損する原因の一つには、レバレッジをかけすぎていることも挙げられます。レバレッジとは、自分の口座のお金を担保にFX会社からお金を借りて売買に使うことです。

借りるお金が大きい方が大きな損失になりやすいので、特に初心者など自分に合った手法が分かっていない方は、レバレッジを低くして取引した方が大損しにくいです。

 

レバレッジの仕組みを少し解説しておきましょう。

レバレッジ2倍の場合、自分がトレードに使うお金と同額のお金をFX会社から借りられます。トレードが終わったら借りたお金だけを返せば良いので、上手くいけば2倍の利益を得ることができます。

反対に、予想が外れて損失が出てしまったら、トレーダーが被る損失も2倍になります。レバレッジが2倍よりも大きければ、もっと損失も大きくなると考えられます。

 

国内のFX会社を利用する場合、最大のレバレッジは25倍です。25倍の利益が得られるかも、と思えば魅力的ですが、損失が25倍になって再起不能な大損を被るリスクも大きくなります。

原因5:通貨ペアが自分に合っていない

FXは通貨ペアごとに値動きの特性が変わるので、取引している通貨ペアが自分に合っていない場合も大損につながりやすくなります。

基本的には、取引しているトレーダーの数が多いドル円やユーロドルがおすすめです。参加者の数が多いということは、イレギュラーな値動きが起こりにくいからです。

これらの通貨ペアは、経済指標の結果や政治情勢に対して素直に反応することが多いので、トレンドを読みやすく初心者にもおすすめです。

 

一方で、トルコリラや南アフリカランドなどの新興国通貨はあまりおすすめできません。取引している人が少なく流動性が低いことに加え、新興国特有の政情不安や財政破綻のリスクがあり、突然に暴落する可能性を秘めているからです。

値動きが読みにくくリスクが高いので、初心者にはおすすめできません。

 

新興国通貨は金利が高いので、スワップポイント狙いのFXトレーダーには人気があります。しかし、初心者がいきなり手を出すにはリスクが高い通貨と言えるでしょう。

最初はドル円やユーロドルなど、大勢のトレーダーが取引しているメジャーな通貨ペアでFXをやっていくことをおすすめします。

FXで大損しないために知っておくべき7つの対策

FXで大損しないために知っておくべき7つの対策

続いて、FXで大損しないための対策を紹介していきます。より実践的なテクニックで、すぐに取り入れられるものだけを7つ集めました。

FXで利益が出ないと感じている方は、ぜひ取り入れてみてください。

  1. 損切りルールを機械的に実行する
  2. 利益は伸ばしてから確定する
  3. 順張りの相場でトレードする
  4. レバレッジをかけすぎない
  5. 目的に合った通貨ペアを選ぶ
  6. 23時~2時の間で取引する
  7. 自動売買を活用する

対策1:損切りルールを機械的に実行する

上述したように、損切りができないトレーダーは損失を出しやすいです。その対策として、損切りのルールを決めて機械的に実行していきましょう。

損切りは手動で行うのではなく、逆指値注文を利用するのがおすすめです。エントリーするのと同時に逆指値注文で「〇〇pips下がったら決済」と入れておくことにより、自動で損切りが行われます。

 

損切りできない人は、「もう少し待ったら予想どおりの方向に戻ってくるのではないか」と自分の都合の良い方に考えてしまい、損切りするタイミングを逃して大損する可能性があります。このように感情に惑わされないよう、逆指値注文で強制的に損切りを実行しましょう。

対策2:利益は伸ばしてから確定する

上述したように、損切りは素早く行う反面、利益は伸ばしてから確定した方が利益が出やすいです。せっかく予想どおりの方向に相場が動いたなら、チャンスをものにするためにも利益を大きく引っ張りましょう。

目安としては、1回の損切り幅と手数料を補填して利益が出るくらいの利幅を狙いたいところです。

 

利益が少しでも出ると、損失に転じるのが怖くて早く決済してしまうという方は、指値注文を使いましょう。利益確定の注文は「○○pips上がったら決済」という指値注文を使うことで、条件に達したら自動で決済されます。トレードに感情が入らないので、利益が出やすくなります。

エントリーしたら、損切りの逆指値注文と利益確定の指値注文を両方入れておくと良いでしょう。機械的にトレードすることで、判断に迷いが入らなくなり、勝率が上がっていきます。

対策3:順張りの相場でトレードする

トレンド相場とレンジ相場ではトレンド相場の方が難易度が低いので、トレンド相場での順張りを狙うのも一つのテクニックです。トレンド相場とは、右肩上がりで上昇している相場や、右肩下がりで下落している相場のことです。

上昇相場なら買いでエントリーし、下降相場なら売りでエントリーすることで、トレンド相場では利益を出しやすいです。

 

反対に、どちらの方向に動くか分かりにくいのがレンジ相場なので、初心者の方が手を出すのは難しいでしょう。先読みしにくい相場なので、無理してエントリーする必要はないと思います。

ただし、相場はトレンド相場が3割でレンジ相場が7割と言われるように、レンジ相場になっている期間の方が長いです。トレンド相場で利益を着実に出せるようになったら、ステップアップを兼ねてレンジ相場にチャレンジしてみる、というスタンスが良いかもしれません。

レンジ相場で稼げるようになればチャンスが広がりますし、レンジ相場に手を出してはいけない、という意味ではありません。

対策4:レバレッジをかけすぎない

上述したように、FXで大損する原因の一つがレバレッジをかけすぎてしまうことです。最大25倍のレバレッジを掛けられるので、自分のお金だけを使ったときの利益の25倍も儲けられる魅力的な仕組みではありますが、損失も25倍になるリスクがあります。

そのため、大損を避けたいならレバレッジは小さめにして取引をしましょう。

 

一般的には初心者の方はレバレッジ2倍から3倍で取引するのが妥当と言われていますし、筆者の経験からもこれくらいがおすすめです。レバレッジを大きくするのは、自分に合った手法を確立してからで良いでしょう。

対策5:目的に合った通貨ペアを選ぶ

通貨ペアの選び方も、FXで大損しないために重要です。基本的には、ドル円やユーロドルといったメジャーな通貨ペアがおすすめです。トレーダーが多くて流動性が高い通貨ペアの方が予期せぬ値動きが起こりにくく、取引しやすいからです。

特にFXはアルゴリズムトレードが発達しているので、流動性が低い通貨ペアだと「フラッシュクラッシュ」に遭って予期せぬ暴落に巻き込まれる可能性があります。フラッシュクラッシュとは数分のうちに大きく暴落することで、ロスカット(強制決済)に遭ってトレーダーの損失を確定させてしまうことがあります。

いつ起こるか予期できないので、事前にフラッシュクラッシュに備えるのは難しいです。

 

アルゴリズムトレードはコンピューターによる取引で、人間にはできないスピードで売買を行います。大きな売りが入るとアルゴリズムによって売りが売りを呼ぶことになり、数分間での大暴落であるフラッシュクラッシュが起きるとされています。このようなリスクを下げるには、アルゴリズム以外の参加者も多い流動性が高い通貨ペアを選ぶのがおすすめです。

対策6:23時~2時の間で取引する

FXの市場が活発なのは日本時間の23時~2時の間なので、この時間帯に取引するのが最も利益が出やすいです。ヨーロッパやアメリカのトレーダーたちがいるため参加者の数が多く、トレンドに素直な値動きをしやすいからです。

自分の手でトレードしたい人は、この時間帯を狙うと良いでしょう。

 

逆に、日本の6時~8時の早朝の時間帯は取引しにくいです。アメリカの市場が閉まって日本の市場が開く前の時間帯で、市場の参加者が少ないからです。

オセアニア市場は開いていますが、23時~2時の時間帯に比べると、圧倒的にトレーダーが少なく値動きを読みにくいです。

 

出勤前の早朝にFXをやりたいと思う方もいるかもしれませんが、この時間帯はおすすめできません。夜中にFXをやるようにするか、スイングトレードや自動売買などの手法を使っていくと良いでしょう。

対策7:自動売買を活用する

FXには「自動売買」というサービスがあるので、自分で取引する裁量トレードで上手くいかない人は、自動売買を活用してみましょう。自動売買とは、あらかじめ決めておいたルールに従ってプログラムが自動で売買してくれる仕組みのことです。

自動売買のメリットは、トレーダーの感情が入らないので勝率が安定していることや、24時間取引できるので寝ている間や仕事をしている間もチャンスを逃さないことです。仕事が忙しくてFXをやる時間がないという人にもおすすめです。

 

自動売買は自分でプログラムを作成することもできますし、FX会社が用意したプログラムの中から好きなものを選んで使うこともできます。裁量トレードで損失を出していた初心者の方も、FX会社のプログラムで自動売買をするようになってから利益が出たという方が大勢います。

経験のなさから来る失敗も、専門の会社が作ったプログラムを利用することで克服できるケースがあるのです。

 

ただし、自動売買は過去の相場で利益を出せるルールで作成されているため、トレンドの急変に弱いデメリットがあります。2020年のコロナショックによって含み損が拡大してしまったというトレーダーも筆者を含めて大勢いるので、万能ではないことは理解して使ってください。

まとめ

FXで大損する原因や大損しないための対策を解説してきました。基本的には、損切りを素早く行ったりレバレッジを低くしたりする対策が有効です。

ご紹介した方法を駆使して、大損を抜け出して利益につなげていきましょう。

FXで大損をしてしまい、投資手法で迷っている方はプロにすべておまかせしてしまうこともよいかもしれません。手数料分の利益が減っても大損からは免れ、自由な時間も確保することができます。

次の記事では、「参加しやすく安定的なインデックスファンド」や「ハードルは高いですが高利回りなヘッジファンド」をご紹介しています。

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