投資信託の選び方3ステップ!初心者にもわかりやすい手順とおすすめ商品6選

「投資初心者にもおすすめ」と言われることが多い投資信託ですが、日本にはなんと5,000を超える種類があります。これだけの量があると、どうやったら自分に合った商品を見つけられるのかわからないという方は少なくありません。

この記事では、投資信託の選び方を徹底的に解説します。「インデックス」「アクティブ」といった専門用語もわかりやすく解説したので、ぜひ参考にしてください。

それでもどの商品を選んだら良いかわからないという方のために、おすすめの投資信託もピックアップしています。

投資信託とは

投資信託は、投資家から集めたお金をまとめ、投資のプロが株式や債券などで運用する商品です。「株式」や「債券」といった運用方針は自分自身で決定する必要がありますが、具体的な銘柄選びといった難しいことは投資のプロに任せることができます。

投資信託が「初心者にもおすすめ」と言われるのは、このようにプロに任せられて専門知識が不要だからです。

ただし、投資信託は投資なので元本保証ではありません。運用がうまくいけばお金が増え、うまくいかなければお金が減ります。元本割れのリスクがある商品です。

 

とはいえ、投資信託は数ある投資方法の中で低リスクの部類に入ります。これは、分散投資によって投資のリスクを抑えているからです。

分散投資とは、数多くの銘柄に少しずつ投資する方法で、一つの銘柄が破綻しても全体としては大きな影響を受けない仕組みになっているのです。

投資信託の選び方

続いては、5,000種類以上もある投資信託の中から、自分に合った商品を決める選び方を解説していきます。次の3つのステップで商品を決められるようになっているので、ぜひお試しください。

  1. 投資先を決める
  2. お金の増やし方を決める
  3. 低コストの商品を選ぶ

ステップ1:投資先を決める

まず、どの国に投資するのか決めましょう。日本を含む、世界のどの国に投資するかによってリスクとリターンの大きさが異なるため、投資信託の選び方でも重要なポイントです。

ローリスク・ローリターンの投資を求めるなら、日本やヨーロッパなどの先進国に投資すると良いでしょう。

ハイリスク・ハイリターンなら、中国やブラジルといった新興国です。これらの国は著しい経済成長を遂げているものの、財政破綻のリスクもあるためハイリスク・ハイリターンとなります。

アメリカは中間くらいなので、ミドルリスク・ミドルリターンと言えます。

ステップ2:お金の増やし方を決める

投資信託によるお金の増やし方には、「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2種類があります。どちらの増やし方が自分に向いているか考えてから投資するようにしましょう。キャピタルゲインとインカムゲインについては、この後に解説します。

また、投資信託は運用方法によって「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の2種類に分けることができます。基本的には、

  • インデックスファンド:ローリスク・ローリターン</li
  • アクティブファンド:ハイリスク・ハイリターン

上記のような傾向があります。自分に向いている運用方法を選べるように、この詳細も後ほど解説しますね。まずは、投資信託によるお金の増やし方もその運用方法も2種類ずつあると思っていてください。。

ステップ3:低コストの商品を選ぶ

投資信託を保有するときにかかるコストも、投資信託では外せないポイントです。手数料などの支払いが少ない商品の方がお金を節約できるため、コストの低い投資信託を選びましょう。

投資信託を保有するのにどのようなコストがかかるのかについても、この後に説明します。

投資信託によるお金の増やし方

投資信託を選ぶときには、自分に合ったお金の増やし方ができる商品を選ぶ必要があります。投資信託の利益には「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2つがあるため、それぞれについて解説していきましょう。どちらが自分に合っているか考えてみてください。

キャピタルゲイン

キャピタルゲインは、商品の値上がりによって得られる利益のことです。価格が動く商品を安く買い、高く売ることで得られる利益です。

キャピタルゲインを得るには、投資商品を売却する必要があります。

 

投資信託は比較的安定した商品であるため、短期的には大きく値動きしませんが、長期的には利益が大きく膨らみやすいです。10年、20年と投資をすると、1.5倍や2倍に成長することが期待できるため、長期的に投資できるならキャピタルゲインを狙うことがおすすめです。

キャピタルゲイン狙いの投資がおすすめなのは、定年退職まで時間がある現役サラリーマンなど、将来に向けた資産形成を目標にしている人です。今すぐ投資に頼って生活をするのではなく、老後のために資産を作っておきたい人は、キャピタルゲインを狙える投資をすると良いでしょう。

インカムゲイン

インカムゲインは、投資商品を持っている間、定期的に得られる利益のことです。銀行預金の利息と同じような仕組みで、1年間に投資金額の数パーセントを分配金や配当金として受け取ることができます。

売却しなければ得られない「キャピタルゲイン」と異なり、「インカムゲイン」は商品を保有している間に得られるものです。保有したまま放置していても、定期的に分配金や配当金が自動的に振り込まれます。

 

投資信託でインカムゲインを狙うなら、「分配金あり」や「分配型」といったキーワードが商品名に入ったものを購入しましょう。多くの投資信託は投資家がキャピタルゲインを得られるように設計されているため、インカムゲイン狙いなら専用の商品に投資する必要があります。

インカムゲインがおすすめなのは、今すぐに生活費を補う「不労所得」が欲しい人です。もう少し収入を増やしたい年金暮らしの方や、不労所得を作って早期退職したい現役サラリーマンの方などは、インカムゲイン狙いの投資の方が合っているでしょう。

投資信託は2種類に分けられる

投資信託は、運用方法によって2種類に分けられます。それが、「インデックスファンド」と「アクティブファンド」です。

  • インデックスファンド:ローリスク・ローリターン
  • アクティブファンド:ハイリスク・ハイリターン

上記のような傾向があるため、これをわかっていないと投資信託選びを間違えてしまうかもしれません。投資信託の選び方を身につけるためにも、それぞれの解説をしっかりと頭に入れてください。

インデックスファンド

インデックスファンドは、市場平均などの経済指標に連動する商品です。市場平均とは、「日経平均株価」や「TOPIX」といった指数です。これらは株式をたくさん集めて平均化した指数なので、同じような値動きをするインデックスファンドは市場平均と同等と見なすことができます。

インデックスファンドは、ローリスク・ローリターンの傾向があります。商品が分散投資を基本に設計されているためです。

市場平均に連動するためには、市場にあるたくさんの株式を保有していなければなりません。これを行っているのがインデックスファンドで、対象の銘柄に分散投資ができているためリスクが低く、その代わりにリターンも小さいのです。

アクティブファンド

アクティブファンドは、運用のプロであるファンドマネジャーが独自の基準で選んだ銘柄で運用する投資信託です。インデックスファンドよりも好成績を目標に運用されています。

ただし、必ずインデックスファンドを上回ることができるという保証はありません。

さらにファンドマネジャーが選んだ銘柄で運用されるため、インデックスファンドほど分散した投資はできていないことが多いですが、選んだ銘柄が高騰すればとても大きな利益を得られます。したがって、ハイリスク・ハイリターンの商品なのです。

投資信託の3つのコスト

投資信託には、次の3つのコストがかかります。これらのコストは低いほど投資家の出費が少なくて済むため、商品を比較してコストが低いものを選びましょう。

  1. 購入時手数料
  2. 信託報酬
  3. 信託財産留保額

コスト1:購入時手数料

購入時手数料は、投資信託を購入するときに支払う手数料のことです。これは、銀行や証券会社など投資信託を販売している会社に支払う手数料です。

一般的に、購入時手数料は購入金額の0パーセントから3パーセントに設定されていることが多いです。

最近では「ノーロード」といって、購入時手数料が無料の商品も増えています。コストを下げるためにも、ぜひノーロードの投資信託を活用していただければと思います。

また、同じ商品であっても、銀行や証券会社によって購入時手数料の設定が異なることがあります。複数の金融機関で口座を持っている人は、それぞれの機関で購入時手数料を比較して最も安いところで購入すると良いでしょう。

コスト2:信託報酬

信託報酬は、投資信託を保有している間はずっと支払い続ける手数料のことです。これは、投資信託を運用するプロが所属している運用会社に支払われる手数料です。

インデックスファンドの場合は0.1パーセントから1パーセント、アクティブファンドの場合は1パーセントから2パーセントほどが信託報酬の相場です。

信託報酬は、長期で保有するほど無視できないコストです。わずかですが、毎日自動的に差し引かれるコストなので、できるだけ信託報酬の低い商品を選ぶと良いでしょう。

コスト3:信託財産留保額

信託財産留保額は、投資信託を売却するときに支払うコストです。投資家が投資信託を売却するとき、運用会社では、運用しているプロは投資していた債券や株式を売却します。このときにかかった手数料などを、投資信託を売却する投資家が負担するために支払うのが信託財産留保額です。

信託財産留保額の相場は、0パーセントから1パーセントほどと比較的低めです。短期で投資信託を売買する予定がなければ、特に気にしなくて良いコストです。

おすすめの投資信託:インデックスファンドの場合

ここまでの解説で、5,000種類以上の商品の中から自分に合った投資信託の選び方は身についているはずです。しかし、実際に選ぶ段階になると、どうしたら良いのか迷ってしまう人は多いはずです。

そこで、ここからは「インデックスファンド」と「アクティブファンド」に分けて、それぞれおすすめの投資信託を紹介していきます。まずは、リスクの低いインデックスファンドでおすすめを3つ紹介します。
まずは比較表で確認し、その後一社ごとに解説していきます。

おすすめインデックスファンド
ファンド名購入時手数料信託報酬信託財産留保額
eMAXIS Slim国内株式(日経平均)なし0.154%なし
たわらノーロード 全世界株式なし0.132%なし
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドなし0.0938%なし

※2020年1月現在

おすすめ1:eMAXIS Slim国内株式(日経平均)

eMAXIS Slim国内株式(日経平均)は、日経平均株価に連動するインデックスファンドです。投資先は日本ですが、商品は株式でややリスクがあるため、ミドルリスク・ミドルリターンと考えておきましょう。

手数料が安いので、投資にかかる出費はあまり気にならないでしょう。日本国内への投資をしたい方は、eMAXIS Slim国内株式(日経平均)がおすすめです。

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おすすめ2:たわらノーロード 全世界株式

たわらノーロード 全世界株式は、国内外の世界の株式に分散投資するインデックスファンドです。投資先は全世界にわたり、先進国も新興国も含まれます。米国の比重がやや高いので、ミドルリスク・ミドルリターンと考えておきましょう。

手数料は安く、投資にかかる出費を抑えることができます。世界への分散投資をしたい方には、たわらノーロード 全世界株式がおすすめです。

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おすすめ3:SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド

SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドは、アメリカの株価指数であるS&P500に連動するインデックスファンドです。新しい商品でSBI証券でしか購入できませんが、投資家からの期待が高くどんどん資金が集まってきているため紹介します。

このように、非常に低コストです。投資信託が0.1パーセントを切っているのに、成長国であるアメリカに投資できるため、投資家からの人気が高いのです。

SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドは、アメリカに投資をしてみたい方におすすめです。

30年間もデフレ状態が続いた日本と異なり、アメリカの株式は毎日のように過去最高値を更新しています。経済の調子が良い国に投資すれば、大きなキャピタルゲインが期待できます。

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おすすめの投資信託:アクティブファンドの場合

続いて、おすすめのアクティブファンドを3つ紹介していきます。インデックスファンドよりもリスクが高いのですが、高いリターンを期待することができます。

おすすめアクティブファンド
ファンド名購入時手数料信託報酬信託財産留保額
ひふみプラスなし1.078%なし
結い2101なし1.08%なし
EXE-i グローバル中小型株式ファンドなし0.23%なし

※2020年1月現在

おすすめ1:ひふみプラス

ひふみプラスは、国内外の割安な株式に投資し、大きなキャピタルゲインを狙う投資信託です。アクティブファンドには珍しく、低コストで保有できます。

常にプラスの収益を出しており、1年で20パーセント近く値上がりしたこともある商品です。運用成績の良い投資信託なので、アクティブファンドを始めるならひふみプラスはおすすめです。

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おすすめ2:結い2101

結い2101は、主に国内の株式に投資をしてキャピタルゲインを狙う投資信託です。こちらも、アクティブファンドには珍しく低コストの商品です。

過去の収益率は基本的にプラスで、安定した成果を上げています。アクティブファンドの中では低リスクの運用をしている投資信託なので、アクティブファンドを試してみたい人におすすめできます。

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おすすめ3:EXE-i グローバル中小型株式ファンド

EXE-i グローバル中小型株式ファンドは、日本を含む世界の中小企業に投資して大きなキャピタルゲインを狙う投資信託です。非常にコストが低い商品です。

海外を含む、中小企業への投資のため、ハイリスク・ハイリターンの投資です。これまでの実績を見ると、1年で20パーセント以上の利益を出した年もあれば、5パーセントほどの利益だった年もあり、変動が激しいです。

このような変動が気にならず、高い利回りを求める人におすすめの商品です。

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投資信託のお得な制度

投資信託を購入する際、次に紹介する制度の枠を使って購入すると、節税ができてお得になります。投資で利益を追い求めるだけでなく、節約をしてお金を貯めることもできるので、ぜひ活用してください。

  1. iDeCo
  2. NISA
  3. つみたてNISA

制度1:iDeCo

iDeCoは「個人型確定拠出年金」のことで、個人で年金を準備するために毎月決まった金額を積み立てる制度です。年金のために積み立てたお金をどの商品で運用するか選ぶことができ、投資信託や預金などを選択できます。

iDeCoのメリットは、紹介する3つの制度(iDeCo、NISA、つみたてNISA)の中で最も節税効果が高いことです。その節税効果は次の3点です。

  1. iDeCoに拠出したお金は所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減される
  2. 投資信託などにおいて得られた運用益が非課税となる
  3. 60歳以降に年金や一時金を受け取るときに課税されるが、軽減税率により無税・減税となる

この後解説する「NISA」と「つみたてNISA」のメリットは、上記メリットのうち「2.」の運用益の非課税のみです。そのため、3つの制度の中ではiDeCoの節税効果が最も高いのです。

 

iDeCoのデメリットは、60歳になるまで引き出すことができない点です。iDeCoは個人で準備する年金なので、老後を迎えるまでは使うことができません。

それでも、現役サラリーマンの方や自営業の方には、iDeCoをまずおすすめします。老後のために拠出する掛け金が所得控除の対象となるため、節税と資産形成を同時にできるからです。

制度2:NISA

NISAは、株式や投資信託などによる運用益が非課税となる制度です(iDeCoのメリット「2.」と同様)。

毎年120万円までの元本を投資することができ、5年間使える制度です。つみたてNISAよりも1年間で投資できる金額が多いため、たくさん投資したい人にはNISAがおすすめです。

 

NISAのメリットは、購入できる商品の幅がつみたてNISAやiDeCoよりも広いことです。投資信託のみならず、ETFや株式、また一部の海外の商品も購入することができます。

もし、投資信託以外の商品にも投資したいなら、NISAがおすすめです。

NISAのデメリットは、制度を使える期間が短いことです。毎年120万円の枠をフルに使ったとしても、5年しか使えないため、合計で600万円の非課税枠となります。

 

この後解説する「つみたてNISA」は、合計で800万円の非課税枠があります。そのため、枠が少ないことがNISAのデメリットです。

NISAの枠で購入した商品は、いつでも売却することができます。iDeCoとは異なり、引き出し制限はありません。

制度3:つみたてNISA

つみたてNISAは、投資信託などによる運用益が非課税となる制度です(iDeCoのメリット「2.」と同様)。毎年40万円までの元本を投資することができ、20年間使える制度です。

定期積立が基本の制度なので、毎月3万円強まで投資することができます。

つみたてNISAのメリットは、安全性の高い投資信託から選べることです。つみたてNISAで購入できるのは投資信託のみで、それも金融庁のお墨付きを得た商品だけです。

そのため、怪しい商品にだまされる可能性はゼロに等しく、低リスクで運用することができます。

 

つみたてNISAのデメリットは、商品選びの自由度が低いことです。メリットの裏返しになりますが、投資したい投資信託があっても、金融庁が認可を出しておらずつみたてNISAでは取り扱っていないというケースもあるのです。

つみたてNISAの枠で購入した商品は、NISAと同様にいつでも売却することができます。iDeCoと異なり、引き出し制限はありません。

まとめ

投資信託の選び方について解説しました。投資先やお金の増やし方を決めて商品を絞り込み、コストを比較して安い方を買うというのが基本的な手順です。

iDeCoやNISAなども活用すれば、投資と同時に節約もすることができます。ぜひお得な制度を活用し、投資信託を始めてみてください。

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