今年もお盆の季節がやってきます。
この時期は取引が減少し、相場が動きにくくなる傾向があることから『お盆相場』『夏枯れ相場』などと言われます。
取引が減少することに加え、株価も軟調な傾向があることから、安値で株を購入する絶好のチャンスでもあります。
この記事では、過去の夏枯れ相場(お盆相場)を分析し、その傾向と対策を考えていくことにしましょう。
1、お盆相場(夏枯れ相場)とは
お盆とは、ご祖先の霊を供養するものとして全国で風習として行われているもので、一般的には8月13日〜16日の4日間がお盆期間とされています。
日本ではこのお盆期間が休みとなる企業が多く、市場参加者が減少しやすくなります。
日本以外の国にはお盆はないため、この期間に限って影響があるわけではありませんが、長期でバカンスをとる人が多く、夏は世界的にも閑散相場となる傾向があります。
【お盆相場(夏枯れ相場)の特徴】
- 相場参加者が減少する(取引が減少する)
- 株価が軟調に推移しやすい
夏に株価が軟調となるのは、ポジションを一旦手仕舞いするための売りが出ることや、取引の減少で買い支えが弱くなることが主な要因と考えられます。
夏が終われば、年末に向けてポジションを再び取り始めることから、株価が上昇する確率が高くなります。
『閑散相場に売りなし』と言う相場格言もあり、この夏の時期は、相場に引っ張られ株価の下落した優良銘柄を仕入れる絶好のチャンスとなります。
2、過去の8月の株価の推移は?
次のグラフは、8月第1営業日の株価を100とし、直近5年の8月中の株価の変化を示したものです。
(ヤフーファイナンス株価時系列データをもとに作成)
このグラフをみると、8月は月初の株価を下回って推移することが多く、全体として軟調な相場となっていることがわかります。
ただ相場全体としては、お盆期間に目立って下落するようなことはないようです。
これは日本市場においても外国人投資家の存在が大きく、日本特有の慣習“お盆”の影響が小さくなってきているのではないかと考えられます。
ただし、機関投資家や外国人投資家があまり投資対象としない中小型株については、取引に占める国内の個人投資家の割合が大きく、お盆期間中には値動きが荒くなる可能性もあります。
急激な変動に注意が必要であるとともに、デイトレードで利益を狙うチャンスとも言えるでしょう。
3、夏枯れ相場で株を仕込むのは9月が狙い目
(ヤフーファイナンス株価時系列データをもとに作成)
このグラフは、8月最終営業日の株価を100とし、直近5年の8月中の株価の変化を示したものです。
このグラフからは、8月に下落した株価が9月に反発し、上昇に転じる傾向がみられます。
9月中も下落が続いた年もありますが、直近5年ではすべての年で10月末には8月末株価を上回りました。
このことから、夏枯れ相場で株価が下落する8月に仕込む銘柄に目をつけておき、9月に仕込むとよさそうです。
4、打診買い・底値を確認しての買い
下落している株価のどこが底なのかを見極めるのは難しく、かといって待ちすぎていれば投資するタイミングを逃すこともあります。
資金に余裕があれば、打診買いで少しずつ買い増していくと良いでしょう。
また株価の上昇は年末に向けて続くパターンが多く、底値をつけて反発し、8月末の株価を抜けたあたりで買いにいっても、中長期的には利益を狙えることが多いといえます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
お盆相場(夏枯れ相場)で株価が下がれば、9月には優良銘柄を安値で仕込むチャンスが訪れる可能性が高くなります。
お盆休みにはしっかり休むことも大切ですが、どの銘柄を狙うかをじっくり分析して、お盆明け以降のチャンスに備えましょう!