大きな値上がりを狙うのも株を買う醍醐味ですが、一般の方がもっと気軽に楽しみながら株式投資を行う上で、株主優待はとても魅力的な制度だといえます。
この株主優待を一躍有名にしたのが、優待券を使うために自転車で爆走する桐谷氏ではないでしょうか。株主優待だけで生活する「優待生活」を実践する桐谷氏が保有する株の総額は約3億円とも言われています。
そのまま真似するのはなかなか難しいですが、株主優待だけで生活できるほど株主優待の内容が充実していることの表れでもあります。
株主優待制度は日本の上場企業3,686社中1,307社(2016年9月末時点)、3社に1社が行っています。
日本以外でも株主優待制度を行っている企業はありますが、これほどまでに選択肢が充実しているのは日本だけです。
せっかく日本で株式投資するのであれば、株主優待を楽しまない手はありません。
そこでいざ株を買おうと思うと、この選択肢が多すぎてどれを選べばいいのかわからない!という贅沢な悩みが生まれます。ここではまず候補に入れておきたいおすすめ株主優待銘柄をご紹介します。
1、アトム(7412)
アトムはステーキ・ハンバーグの「ステーキ宮」、回転寿司の「にぎりの徳兵衛」、焼肉「がんこ炎」などを運営する会社です。コロワイドの傘下にあるため、居酒屋の「甘太郎」や同じくコロワイド傘下の「かっぱ寿司」などでも共通して優待を受けることができます。
(1)株主優待の内容
優待内容としては半期に一度、保有株数に応じて、グループ店舗で1ポイント1円として利用できる株主優待ポイントがもらえます。また店舗での利用のほか、ポイントと引き換えに国産黒毛和牛などの商品とも交換可能です。
【利用可能店舗】
http://www.colowide.co.jp/gs/brand/list.php
https://www.kappasushi.jp
(2)優待を受けるための条件
優待を受けるためには、9月末あるいは3月末に100株以上を保有する株主として株主名簿に記載されている必要があります。
初めて株主となった際に株主優待カード(ポイントカード)が発行され、継続して保有する場合には、そのカードにポイントが付与されます。
9月末の株主には12月、3月末の株主には6月にポイントが付与されます。
例えば9月末・3月末の両時点で1,000株以上保有していれば20,000ポイント×2回、合計40,000円相当の優待を受けることができます。
http://www.atom-corp.co.jp/corpo/ir/stockholder.html
アトム公式HPはこちら
2、すかいらーく(3197)
すかいらーくはファミリーレストラン「ガスト」や「ジョナサン」、中華「バーミヤン」などを運営する会社です。
(1)株主優待の内容
優待内容としては半期に一度、保有株数に応じて、グループ店舗で利用できるお食事券がもらえます。2017年6月以降の優待から優待金額が3倍に拡充されたため、ますます魅力的な内容となりました。
【利用可能店舗】
http://ir.skylark.co.jp/stock/benefit.html
(2)優待を受けるための条件
優待を受けるためには、6月末あるいは12月末に100株以上を保有する株主として株主名簿に記載されている必要があります。
例えば6月末・12月末の両時点で100株以上保有していれば、合計6,000円相当の優待を受けることができます。
すかいらーく公式HPはこちら
3、日本マクドナルドHD(2702)
ご存知マクドナルド、人気の優待銘柄です。鶏肉問題や異物混入問題など一時期赤字にまで転落しましたが、見事復活し業績は好調です。そのため株価も上昇しておりやや割高感があります。
http://www.mcd-holdings.co.jp/stocks/welcome.html
(1)株主優待の内容
優待内容としては半期に一度、1枚にバーガー類・サイドメニュー・ドリンクがセットになった優待食事券がもらえます。この優待食事券が6枚綴りで1冊となっており、保有株数に応じて1冊〜5冊もらえます。
1枚すべて使ってセットメニューと引き換えられるほか、バーガー類・サイドメニュー・ドリンクをそれぞれ別々に使うこともできます。
(2)優待を受けるための条件
優待を受けるためには、6月末あるいは12月末に100株以上を保有する株主として株主名簿に記載されている必要があります。
例えば6月末・12月末の両時点で100株以上保有していれば、優待食事券が各1冊もらえます。すべてビックマックセット(¥680)と引き換えた場合には、年間で12セット分・8,160円相当の優待となります。
日本マクドナルドホールディングス公式HPはこちら
4、吉野家HD(9861)
牛丼「吉野家」を運営する会社です。そのほかにも「はなまるうどん」や「京樽」なども運営しています。
(1)株主優待の内容
優待内容としては半期に一度、吉野家をはじめとするグループ店舗で利用できる優待食事券(300円分)が、保有株数に応じて10枚〜40枚もらえます。
【利用可能な主な店舗】
http://www.yoshinoya-holdings.com/ir/info/complimentary.html
http://www.arcmeal.co.jp/shops/
http://www.greensplanet.co.jp/hitokuchichaya/tabid/66/Default.aspx
(2)優待を受けるための条件
優待を受けるためには、2月末あるいは8月末に100株以上を保有する株主として株主名簿に記載されている必要があります。
例えば2月末・8月末の両時点で100株以上保有していれば、優待食事券(300円分)が各10枚、合計6,000円相当の優待が受けられます。
吉野家ホールディングス公式HPはこちら
5、イオン(8267)
全国に展開する総合スーパー「イオン」を中心とする、「イオンモール」や「イオン銀行」などイオングループの中核企業です。
(1)株主優待の内容
優待内容としては、イオングループ店舗での購入金額からキャッシバックや割引優待が受けられる株主優待カード(オーナーズカード)が発行されます。キャッシュバックの上限は半期につき購入金額100万円まで、キャッシュバック率は保有株数に応じて3〜7%です。お客様感謝デーの5%OFFとも併用できます。
また3年以上継続して1,000株以上長期保有した場合には、保有株数に応じてイオンギフトカードがもらえます。
http://www.aeon.info/ir/stock/benefit/index.html
(2)優待を受けるための条件
優待を受けるためには、2月末あるいは8月末に100株以上を保有する株主として株主名簿に記載されている必要があります。
新たに株主となった場合には、株主優待カードが発行され、買い物をした際にカードを提示することでキャッシュバックを受けることができます。
またイオンシネマでは窓口で株主優待カードを提示すると同伴者も含めて割引料金で映画を観ることができます。
イオン公式HPはこちら
6、ANA HD(9202)
全日空(ANA)を中心に、バニラ・エア、Peach Aviationなどの航空運送事業、そのほか航空関連事業、商社などの事業などを行なっている会社です。国内線・国際線ともJALを上回り、国内首位の航空会社となっています。
(1)株主優待の内容
優待内容としては、ANA国内線航空券を割引運賃(片道普通運賃の50%割引)で購入できる株主優待番号が発行されます。
またANAグループ各社の施設(ホテルやゴルフ場など)や提携ホテルを割引料金で利用できる様々なクーポン券の入った「ANAグループ優待券」の冊子がもらえます。9月末株主には翌年カレンダーの特典もあります。
http://www.ana.co.jp/group/investors/stock/benefit/
(2)優待を受けるための条件
優待を受けるためには、3月末あるいは9月末に100株以上を保有する株主として株主名簿に記載されている必要があります。
ANA HD公式HPはこちら
7、ヤマダ電機(9831)
ヤマダ電機は全国に展開する家電量販店最大手の会社です。傘下にはベスト電器があります。
(1)株主優待の内容
優待内容としては半期に一度、保有株数に応じて優待割引券(500円分)がもらえます。優待券は1,000円以上の現金による買物につき1枚利用できます。
100株以上を1年以上継続保有すれば、優待券が追加されます。
http://www.yamada-denki.jp/company/009.html
(2)優待を受けるための条件
優待を受けるためには、3月末あるいは9月末に100株以上を保有する株主として株主名簿に記載されている必要があります。
*3月株主は100株以上を1年以上2年未満継続保有すると3枚、2年以上継続保有で4枚追加。
*9月株主は100株以上を1年以上継続保有すると1枚追加。
ヤマダ電機公式HPはこちら
8、ヴィレッジヴァンガードコーポレーション(2769)
ヴィレッジヴァンガードコーポレーションは、「遊べる本屋」をコンセプトに独自のセンスでセレクトした書籍や雑貨などを販売する会社です。業績が低迷し事業など立て直しの途上にあります。優待内容も見直しが行われましたが、魅力は失われていません。
(1)株主優待の内容
優待内容としては、ヴィレッジヴァンガード利用できる10,000円相当(1,000円×10枚)の買物券がもらえます。優待内容の見直しで2,000円の購入ごとに1枚という制限がつきましたが、10%近い優待利回りは魅力的です。
また1年以上2年未満保有すれば1枚、2年以上継続保有すれば2枚追加されます。
(2)優待を受けるための条件
優待を受けるためには、11月末に100株以上を保有する株主として株主名簿に記載されている必要があります。
【利用可能な主な店舗】
http://www.village-v.co.jp/about/
ヴィレッジヴァンガードコーポレーション公式HPはこちら
9、オリックス
プロ野球チームでご存知の方も多いオリックスですが、本業はリース国内首位の会社です。リース以外にも不動産事業、銀行、生命保険事業、レンタカー・カーシェアなど様々な事業を行なっています。
(1)株主優待の内容
優待内容としては、グループ事業であるプロ野球観戦やレンタカー、ホテル・旅館などを割引料金で利用できる株主カードの発行とカタログギフト(ふるさと優待)がもらえます。
レジャーやグルメなど家族で様々な楽しみ方のできる優待内容だといえます。
またカタログギフトは3年未満の保有で5,000円相当、3年以上の継続保有すれば10,000円相当とランクアップします。
(2)優待を受けるための条件
優待を受けるためには、3月末あるいは9月末に100株以上を保有する株主として株主名簿に記載されている必要があります。
オリックス公式HPはこちら
10、フォーシーズHD(3726)
フォーシーズHDはITが発祥でしたが、買収によって化粧品や健康食品の販売会社となった会社です。子会社には「フェヴリナ」「サイエンスボーテ」「Cure」などがあり、炭酸ジェルパックや洗顔ソープなどのスキンケア商品やサプリメントなどを取り扱っています。
(1)株主優待の内容
優待内容としては、通販サイト「フェヴリナ」と「サイエンスボーテ」で利用できる株主優待券がそれぞれ5,000円相当、計10,000円相当もらえます。
通販サイトでの利用のほか、株主優待限定商品との交換もできます。
株価が4万円台で1万円相当の優待がもらえ、優待利回り約25%という破格ともいえる内容です。
http://www.4cs-holdings.co.jp/ir/pdf/20161222_yuutai.pdf
(2)優待を受けるための条件
優待を受けるためには、9月末に100株以上を保有する株主として株主名簿に記載されている必要があります。
フォーシーズHD公式HPはこちら
まとめ
いかがでしたか?
今回はおすすめの株主優待についてお話させていただきました。日本では上場企業の約3社に1社が株主優待を行なっており、内容も充実しています。
投資額に対してどれだけ優待による還元が受けられるかという「優待利回り」は銘柄選びのひとつ目安になります。優待内容の使い勝手や会社の業績、株価の水準、その会社を応援したいかなどを考慮して最終的に投資するかの判断を行いましょう。
この記事が、より株主優待を楽しむための参考になれば幸いです。