成長性に期待!マザーズ株の魅力とマザーズ指数先物のリスクヘッジ投資

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「東証一部」「ジャスダック」といった言葉を、株式投資に興味がある方であれば一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

これらは多くの会社が上場している「市場」と呼ばれるものです。

日本の東京証券取引所において代表的な市場は四つあります。

  1. 「東証一部」(最も有名で、著名大企業の多くはここに属しています)
  2. 「東証二部」(東証一部に比べるとややお堅い企業が多くなっています)
  3. 「ジャスダック」(下のマザーズと同じく、新興企業が多めです)
  4. 「マザーズ」(新興企業が多い市場で、新規上場する会社のほとんどはここからのスタートとなります)

基本的に上位に記載した市場ほど上場基準が厳しくなっており、その市場への上場条件は難しいものとなっています。

そのため新たに新規上場(IPO)する企業は比較的審査が緩めなマザーズ市場から、というパターンが多くなっていると言えるでしょう。

今回はそんなマザーズ市場に上場している銘柄の特徴をはじめ、マザーズ株最大の魅力である「値幅をとりやすく利益を出しやすい」ということ、そして銘柄選択のポイントなどについて見ていきましょう。

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1、マザーズ市場のあらまし

はじめに、「マザーズ市場」というのはどういった成り立ちででき上がったのでしょうか?

マザーズ(Mothers)は「Market of the high-growth and emerging stocks」の頭文字をとってつけられた市場名で、「high-growth」という形容詞があるように、今後大きな拡大が見込まれるビジネスモデルや高い成長の可能性を持っている企業が属する市場として制定されました。

先ほど「どの市場に上場するにあたっても上場審査が必要」と書きましたが、東証一部や東証二部に比べるとその基準は緩めで、赤字企業であっても成長性が見込めれば上場でき審査基準が短い、という特徴を持っています。

出典:日本取引所グループ

マザーズ市場が開設されたのは1999年11月と割と最近で、その後指数そのものをオプションとして扱う「東証マザーズ先物」が2016年7月に上場、マザーズ指数に連動して株価が動くETF(上場投資信託)である「東証マザーズETF <2516>」が2018年2月1日に東証に上場しています。

マザーズ先物やマザーズETFのような金融商品はマザーズ指数の流動性を上げるという性質を持っているため、こういった商品が盛り上がりを見せ出来高が増えていけば、それだけ同市場の注目度も高まっていくと言えるでしょう。

上場している銘柄同様、マザーズ市場自体もまだまだこれから成長を遂げていく市場だと考えられます。

2、マザーズ株の魅力は?

マザーズ株の魅力は、マザーズという名前の由来にもあるように「これからの高成長が期待される銘柄が多い」という点、そしてそれに起因して「株価の大きな上昇が見込める銘柄が多い」という点であると言えます。

(1)急成長が見込める銘柄

マザーズ市場の特徴の一つ「これからの高成長が期待される銘柄が多い」高成長により業績の拡大化が起きればそれだけ株価への影響も大きくなります。

つまり株価の大幅な上昇が期待されるということになり、その点でマザーズ銘柄に注目している投資家は非常に多いのです。

株価の上昇というのは色々な背景があり、業績が拡大していくことで増益期待が伴っていくに連れ株価が上がるという基本的なパターンから、「企業の新たな取り組み・サービスが急速に広まるのではないか」という「思惑」を原因に株価暴騰というケースも多々存在します。

(2)急激に大きな上昇が見込める銘柄

特にマザーズのような新興市場では思惑による株価上昇、という場面は非常に多いと言えるでしょう。

「新サービス・新商品を開発」といった一つのリリースだけで株価が数倍になることも少なくなく、その大きな値動きはマザーズ株の特徴・魅力です。

例えばあるゲーム企業が「新作ゲームをリリース」するというIRを出しただけで「このゲームは大ヒットするのではないか」と考えた投資家が多いと、その企業の株価が急激に上がる、といったシーンはよく見られます。

ただ注意しなければならないのは、それはあくまでも「期待」「思惑」といったものにすぎず、そのゲームが実際にヒットし業績に寄与するのか、という点がその株価の上昇からは抜け落ちているという点です。

次の項目、「3、マザーズ株を買うリスクは?」でも詳しく説明しますが、こういった期待のみで上がった株価に業績がついてこないと決算発表で株価暴落、といったことも多くあるのがマザーズ銘柄の特徴であり、「大きな株価上昇が見込めるのは魅力である一方、反面下落のリスクも備えている」ということは頭に入れておきたいポイントだと言えるでしょう。

3、マザーズ株を買うリスクは?

「大きな株価上昇が見込めるのは魅力」とお話ししてきましたが、反面、慎重な投資を必要とする市場であることを念頭に入れて、リスクを見ていきましょう。

(1)期待先行で急上昇後急降下

先ほど最後にも触れたように、新興銘柄においては期待先行で株価が上昇し、それに火がついて買いが買いを呼び更に上げたのちに何かのきっかけで株価暴落ということがよく見られます。

そんな期待先行の買いがリスクの一つとして挙げられるでしょう。

(2)激しい値動きで高値掴み

もう一つのリスクとして、マザーズ銘柄は東証一部・東証二部の銘柄に比べ値動きが激しいものが多く、ちょっとの油断で高値掴みをしてしまうと短期間で急激な売りにより大きな損失を出してしまう可能性がある、ということが挙げられます。

(3)売り買いが極端に一方的な値動き

値動きをメリットとして見ている個人投資家が非常に多く参入しているのがマザーズ市場であるため、一度株価が下落すると「売りが売りを呼ぶ」といった一方的な株価の値動きになることが多い、ということもマザーズ銘柄を取引するうえでは知っておきたいポイントだと言えます。

(4)個人投資家の信用残に注意

個人投資家は「信用買い」を使ってこのような銘柄を売買することが多いのですが、マザーズ含めた全体的な相場の下落局面においてはこういった信用買いの中長期ポジションが株価の上値を抑えます。

また大幅下落のトリガーとなることがあるため、信用買い残・信用売り残の多さといった点もマザーズ銘柄を買ううえでのリスクとなることがあるというのも知っておきましょう。

4、マザーズ市場に上場する新興市場銘柄を選ぶポイント

さきほど挙げたような魅力(メリット)やリスクを踏まえたうえで、どのようにマザーズ銘柄を選んでいけばよいのかを考えていきましょう。

(1)売買のタイミング

最初に前提として考えておきたいのは、個人投資家はマザーズ市場をその値動きの軽さから「簡単に利益を出せるのではないか」と考えがちなのですが、値動きが軽い、というのはそれだけ値動きが激しいということでもあり、「簡単に」というのは誤りで、マザーズ上場銘柄の売買は(銘柄によって)非常に難易度が高いということです。

値動きに翻弄され利益確定、損切のタイミングが正確に行えないと損失を出し続けてしまう場合もあるため、銘柄選定に加え「売買のタイミングを磨くこと」も、マザーズ上場銘柄を取引するうえでは身に着けておきたい技術の一つです。

(2)損失を出さない・急激な値上がりに手を出さない

まず、初心者の方がマザーズ上場銘柄を選ぶにあたっては「急な値上がりを見せている銘柄には手を出さない」ということが挙げられます。

値上がりをしている銘柄を見るとそれがどうしても欲しくなってしまうのですが、高値掴みになってしまうというケースもあるため、まずは利益を出すことよりも「損失を出さない」という考えを持つが大切でしょう。

(3)プロセスを先読みする

こういった上昇銘柄においては「期待先行の買い→買いが買いを呼ぶ上昇相場→過熱感の調整→業績による適正株価への収斂」といったプロセスが起こるのが多いのですが、最も手を出していけないのは「買いが買いを呼ぶ上昇相場」です。

急激な株価の上昇のあとには大きな売りが出てくる場合もあるため、そういった銘柄を見た場合は「過熱感の調整」による株価下落が起きるのではないか、という先を読む姿勢が重要だと言えます。

(4)期待先行買いの前と過熱感の調整後にチャンスあり

ではどこで銘柄を買えばよいのか、「過熱感の調整」、もしくは「期待先行の買い」が起きる前です。

期待先行の買いが起きる前に人気化しそうな銘柄をリサーチして買っておく、というのは難しく、上がるまで待つ姿勢も必要となりますが、銘柄選定が合っていればうまく上昇の恩恵を受けることが出来ます。

また、「過熱感の調整」においては、この調整が長期化する場合がありますが、逆に言えばその期間が長いほど、そしてその下落幅が大きいほどチャンスであるとも言えます。

その後の「業績による適正株価への収斂」において好調な業績が発表されれば、その下落分を取り戻すような上昇を再び見せる、というパターンもあるためです。

(5)マクロ経済や政府の施策をチェック

マザーズ市場でどのような企業そしてビジネスモデルを選べばよいのか、ということに関しては、マクロな経済政策や政府施策などもあわせてチェックしていくとよいでしょう。

例えば直近「働き方改革」や「フィンテック」といったことが注目を集めていますが、こういった領域で新たなビジネス・収益基盤を作っていけるような企業を探していくのです。

(6)過去のデータをリサーチ

そしてその事業が実際に収益に結び付き、株価に反映されるか、ということを自分なりにリサーチしていくとよいでしょう。

またその際には、「過去、実際にどんな企業がどういった理由で値上がりを見せたのか」ということを念頭に置いてケーススタディのようなかたちでデータをとっていくとより効率が上がります。

こういったサイトや過去チャートを参考に、学習の手助けにしてみてください。

5、東証マザーズ指数先物のリスクヘッジの魅力

「1.  マザーズ市場のあらまし」でも軽く触れましたが、最近になって「マザーズ先物」「マザーズETF」といったマザーズ指数をもとにした新たな金融商品が出てきています。

これらはマザーズ市場の個別銘柄を売買対象とするのではなく、マザーズ指数そのものの値動きを株価のようなものとして売買対象とするもので、これらの買いポジションを持つ際にマザーズ市場が上がれば利益が、下がれば損失が出るということになります。

こういった商品の大きな魅力は、個別銘柄を買わずとも「マザーズ指数」そのものを投資対象として扱えるという点にもありますが、それを利用してリスクヘッジを行える、というのが最大の魅力の一つだと言えるでしょう。

株式取引における「リスクヘッジ」とは、株価の下落(リスク)に対しその損失分をある程度穴埋め・回避(ヘッジ)することです。

例として代表的なのが、個別銘柄の買いポジションに対し、先物で売りポジションをとっておき、もし買いポジションで損失が出たとしても、売りポジションでその損失を穴埋めする、というものです。

これまで個別銘柄においても、例えば「東証一部の個別銘柄を買っておき、日経平均先物でリスクヘッジ」ということを行う投資家は多かったものの、マザーズ市場においては(マザーズ先物が登場するまでは)それと同様の行為を行うことはできませんでした。

リスク回避の方法には「株式を売却し、現金(キャッシュポジション)を増やしておく」ことが用いられていましたが、マザーズ先物が出来たことによりマザーズ市場銘柄の売買にはより効率性が伴ったと言えるでしょう。

何度か書いてきたように、マザーズ銘柄は非常に値動きが激しいため、そのリスクをヘッジするためにマザーズ先物を利用する、というのは非常に大きな魅力であると言えます。

ただマザーズ先物は比較的新しいオプションということもあり、日経平均先物などに比べると出来高が少なめで流動性も同様に少なくなっています。

レバレッジをかけることができ、ロング・ショート両方で利益を挙げられる日経平均先物で利益をあげることを目的とする投資家は多く存在していますが、マザーズ先物は流動性という観点からもまだその域には達していないと言えるでしょう。

6、マザーズ市場とジャスダック市場統合のうわさ?

2018年1月、新興市場のマザーズとジャスダックが統合する、という大きなニュースが市場を騒がせました。

かつて大阪証券取引所が開設した「ヘラクレス」という市場が旧ジャスダックと併合し「新ジャスダック(現在のジャスダック)」となりましたが、今回もそれと似たことが起きようとしています。

日本の株式を最も売買しているのは実は日本の投資家・機関投資家ではなく海外の投資家・機関投資家なのですが、そういった海外トレーダーからの位置づけを分かりやすくする狙いと、上場企業を呼び込んで市場活性化を見込む目的のようです。

確かに先に引用した市場ごとの上場基準を見てみるとマザーズとジャスダックはそれほど違いがあるわけでもないため、統合によるメリットもいくつかあるのかもしれません。

ただその後、ロイターによると「東京証券取引所はマザーズとジャスダックの統合検討を進めている事実はない」との報道が配信されました。

先のニュースは新聞に掲載されたものですが、新聞レベルでもいわゆる「飛ばし記事」の掲載は多く、実際に行われるかどうかはこれからの動向を見守ることになりそうです。

まとめ

さて、ここまでマザーズ市場のあらましから、その魅力・銘柄を選ぶポイントなどについて見てきましたがいかがでしたでしょうか。

マザーズ市場銘柄は個人投資家に非常に人気があるのですが、その反面値動きの激しさというリスクも伴っており初心者の方が手を出すには少々危なさも持っているものです。

前述したように、株式取引において大事なのは利益を出すことよりも損失をいかに減らすか、出さないか、ということです。

まずはこういった各市場の基本情報、銘柄の特徴をわかったうえで株式取引に慎重に取り組みましょう。

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株式投資、FXの経験が4年~の個人投資家です。
「金融・ファイナンス・経済・時事ニュース・投資」の記事を中心に執筆しております。

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