「先物チャート」にはどんなものがあるのか?株式チャートとは違うのか?
あなたは今そうお考えではないでしょうか。
株式は現在の価格で取引を行うのに対して、先物は将来の物の値段を予想して取引を行います。
もちろん先物にもたくさんの種類があり、全てを理解するのにはかなりの勉強が必要になることでしょう。
今回はポイントを絞り、「これさえ知っておけばきちんと収益を生み出せる」というようなチャートをご紹介していきます。
しかも、初心者の方でも分かりやすい内容となっています。
また実際に、先物チャートを確認するのにオススメのサイトやアプリもご紹介していきます。今回の内容が、先物チャートで収益を出すためのご参考になれば幸いです。
1、先物チャートの代表的な3種
株式投資をされている方であれば、株価の値動きをグラフにしたチャートはよくご存知かと思います。
先物のチャートについても、基本的には同じものです。
このチャートは、日経225先物のチャートですが、株価チャートと比べても特に変わったところはありません。
先物には実際の商品を対象とする「商品先物」と、日経平均株価などの指数を対象とする「金融先物」があります。
「金融先物」「日経平均先物」など、対象とする商品や指数の違いがあっても、チャートは基本的に同じです。
先物チャートについても株価チャートと同じように、値動きを分析するために様々なチャートが用いられます。
この記事では、代表的なチャートである「ローソク足」「単純移動平均線」「ボリンジャーバンド」について解説していきます。
先物チャートについても株価チャートと同じように、値動きを分析するために様々なチャートが用いられます。
この記事では、代表的なチャートである「ローソク足」「単純移動平均線」「ボリンジャーバンド」について解説していきます。
2、先物チャート①ローソク足チャートの見方と売買のタイミング
まずは、最も基本といえるローソク足についてみていきましょう。
(1)ローソク足チャートから分かること
ローソク足からは、それだけで一定期間内の値動きが一目でわかることに加え、その形状から相場の状況や売買のタイミングを読み取ることができます。
(2)ローソク足チャートの見方
ひとつのローソク足からは、ある期間内の値動きにおける、始値・高値・安値・終値(四本値・よんほんね)を知ることができます。
ローソク足は、始値と終値に挟まれた四角の部分を実体(胴体)と、実体部分と高値・安値の間を結んだ線であるヒゲで成り立っています。
始値よりも終値が高い場合には陽線、始値よりも終値が安い場合には陰線となり、その期間に値段が上がったのか下がったのかが分かります。
また、ひとつのローソク足が表す期間によって、1時間であれば「1時間足」、1日であれば「日足」などの種類があります。
(3)ローソク足チャートから見る買うべきタイミング
上昇相場においては、「実体部分の長い陽線(大陽線)」や「下ヒゲの長い陽線」が現れやすくなります。
このような形のローソク足が現れた場合には、買いのタイミングとみることができます。
①実体部分の長い陽線(大陽線)
実体部分の長い陽線は、始値から終値まで値上がりが続き、上昇圧力が強いことを示しています。
始値から終値まで上昇し続けてヒゲのない陽線を「大陽線」といい、特に上昇力が強い相場に現れます。
②下ヒゲの長い陽線
下ひげの長い陽線は、始値から一旦大きく値下がりしたものの反発し、始値よりも高値で引けた場合に現れます。
下落分を上回るだけの上昇の勢いを伴った相場であることを示しています。
下ヒゲが長いほど、上昇力が強くなります。
(4)ローソク足チャートからみる売るべきタイミング
下落相場においては、「実体部分の長い陰線(大陰線)」や「上ヒゲの長い陰線」が現れやすくなります。
このような形のローソク足が現れた場合には、売りのタイミングとみることができます。
①実体部分の長い陰線(大陰線)
実体部分の長い陰線は、始値から終値まで値下がりが続き、下落圧力が強いことを示しています。
始値から終値まで下落し続けてヒゲのない陰線を「大陰線」といい、特に下落圧力が強い相場に現れます。
②上ヒゲの長い陰線
上ヒゲの長い陰線は、始値から一旦大きく値上がりしたものの反発し、始値よりも安値で引けた場合に現れます。
上昇分を上回るだけの下落の勢いを伴った相場であることを示しています。上ヒゲが長いほど、下落力が強くなります。
(5)ローソク足チャートから見るトレンドの転換点
上昇相場や下落相場はいつまでも続くことはなく、いずれは下落あるいは上昇に転換するタイミングがきます。
この転換点を判断するローソク足の形状が「十字線」です。この十字線は、始値と終値が同じで終わる場合に現れます。
この十字線が上昇相場の中で現れてくると下落転換の兆候として、下落相場の中で現れてくると上昇転換の兆候としてみることができます。
この形のローソク足が現れた場合にはトレンドの転換が近いとみて、現在のトレンドとは逆方向の売買や利益確定、損切りのタイミングとみることができます。
3、先物チャート②単純移動平均線チャートの見方と売買のタイミング
続いて、単純移動平均線チャートの見方と売買のタイミングについてみていきます。
(1)単純移動平行線チャートから分かること
単純移動平均線は、当日を含む過去の一定期間の株価の終値を平均したものを、基準時をずらしながら順々に結んでできる線のことです。
過去5日間の終値の平均を結んでできる線は「5日移動平均線」といった感じで、過去20日分なら「20日移動平均線」、そのほか「13週移動平均線」「26週移動平均線」など期間に応じて様々な種類があります。
この単純移動平均線チャートからは過去の値動きの推移が読み取れます。
値動きが平均化されるため、一時的な値動きに惑わされず相場のトレンドや、売買のタイミングを判断する材料とすることができます。
(2)単純移動平行線チャートの見方
単純移動平均線は、一定期間の株価の平均値をグラフ化したもので、一時的な値動きを平均化することで、値動きのトレンドを判断する材料となります。
単純移動平均線の向きがトレンドを示しており、単純移動平均線が上向きであれば上昇トレンド、下向きであれば下降トレンドだと判断します。
(3)単純移動平行線チャートから見る買うべきタイミング
単純移動平均線から判断する買いタイミングとしては、以下のようなものがあります。
①単純移動平均線をローソク足が下から上に明確に上抜け
単純移動平均線を下回って推移していたローソク足が、
単純移動平均線を下から上に明確に上抜けた場合には、上昇に転換したサインとみることができ、買いのタイミングとなります。
②ゴールデンクロス
「ゴールデンクロス」とは、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に突き抜けることを言います。
このゴールデンクロスが現れた場合には、上昇トレンドに転換したサインとみることができます。
(4)単純移動平行線チャートから見る売るべきタイミング
単純移動平均線から判断する売りタイミングとしては、以下のようなものがあります。
①単純移動平均線をローソク足が上から下に明確に下抜け
単純移動平均線を上回って推移していたローソク足が、単純移動平均線を上から下に明確に下抜けた場合には、下落に転換したサインとみることができ、売りのタイミングとなります。
②デッドクロス
「デッドクロス」とは、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に突き抜けることを言います。
このデッドクロスが現れた場合には、下降トレンドに転換したサインとみることができます。
4、先物チャート③ボリンジャーバンドの見方と売買のタイミング
最後に移動平均線とともに、よく用いられるチャートがボリンジャーバンドです。
(1)ボリンジャーバンドから分かること
ボリンジャーバンドは標準偏差を使い、値動きの範囲を予測するものです。
どのくらいの確率でその範囲に収まるかは「σ(シグマ)」で表され、±1σの範囲には約68.2%、±2σの範囲には約95.4%の確率で収まります。
ボリンジャーバンドと現在の価格との位置関係から、確率的に見て現在の価格が高いのか安いのかを判断する材料となります。
(2)ボリンジャーバンドの見方
ボリンジャーバンドには基本となる形が3つあります。
①スクイーズ
スクイーズは、英語で「搾る」という意味であり、ボリンジャーバンドにおいて、幅が絞られて狭くなっている部分のことを言います。
このスクイーズは価格が変動するエネルギーを溜めている状態にあり、今後大きく価格が変動する可能性が高い状況です。
②エクスパンション
エクスパンションは英語では「拡張」という意味であり、ボリンジャーバンドが大きく拡がった部分のことを言います。
スクイーズで溜まっていたエネルギーが解放され、大きく価格が動き始めます。
エクスパンションの拡がりの大きさは、上昇トレンドや下降トレンドの強さとみることができます。
また、ボリンジャーバンドが一方だけでなく上下両方に拡がっているかどうかも、しっかりとしたトレンドであるかを判断する重要なポイントとなります。
③バンドウォーク
バンドウォークとは、エクスパンションが現れた後、ボリンジャーバンドの±2σラインに沿って価格が上昇(下落)していくことを言います。
+2σラインに沿って上昇するバンドウォークは強い上昇トレンド、-2σラインに沿って下落するバンドウォークは強い下降トレンドを示しています。
バンドウォークが現れる状況は強いトレンドのため、しばらくはトレンドに沿った値動きとなります。
ただし±2σの価格とは確率的には5%以下しか起こらない特別な状況であり、買われすぎ、売られすぎといえる状況でもあります。そのため価格の反転には特に注意が必要となります。
(3)ボリンジャーバンドから見る買うべきタイミング
ボリンジャーバンドから判断する買いタイミングとしては、以下のようなものがあります。
①大きなエクスパンションを伴う価格上昇
価格が上昇し、大きなエクスパンションが起こった場合には、エクスパンションの始まりが買いのタイミングとなります。
②下降トレンドにおけるバンドウォークからの反発
下降トレンドにおいてバンドウォークが生じている場合、売られすぎの状態が続いていると読め、いずれ強い反発が予想されます。
価格が-2σラインから離れて下落から上昇に転じたときが買いのタイミングとなります。
(4)ボリンジャーバンドから見る売るべきタイミング
ボリンジャーバンドから判断する売りタイミングとしては、以下のようなものがあります。
①大きなエクスパンションを伴う価格下落
価格が下落し、大きなエクスパンションが起こった場合には、エクスパンションの始まりが売りのタイミングとなります。
②上昇トレンドにおけるバンドウォークからの反落
上昇トレンドにおいてバンドウォークが生じている場合、買われすぎの状態が続いていると読め、いずれ強い反落が予想されます。
価格が+2σラインから離れて上昇から下落に転じたときが売りのタイミングとなります。
5、先物チャートを見るならおすすめサイト5選
ここでは、先物チャートをみるのにおすすめのサイト・ツールをご紹介します。
(1)世界の株価と日経平均先物 日経225先物 リアルタイムCME SGX
円建て・ドル建ての各チャート、CME(シカゴマーカンタイル取引所)・SGX(シンガポール取引所)・大証のそれぞれの取引所における日経平均先物を一度に確認することができます。
(2)世界の株価と日経平均先物 WTI原油先物 金先物価格 リアルタイムチャート
WTI原油先物や金先物チャートをリアルタイムで確認することができます。また関連ニュースについても同時に確認できて便利です。
(3)岡三ネットトレーダーライトF(岡三オンライン証券)
同時に最大3つのチャートを立ち上げることができ、チャート上に抵抗線や支持線、もみあいレンジ、波動のパターンなどを表示したり、相対チャートでは、先物銘柄と指数などを最大4種類まで同時に比較したりすることができて便利です。
(4)HYPER SBI(SBI証券)
日経225先物、ミニ日経225先物、日経225オプションの価格情報を大阪取引所と直接接続して取得し、超速で情報が提供されます。また、板情報の内訳を把握することができるので、実際に発注した場合には、注文が気配板の何件目・何枚目かを確認することができて便利です。
(5)マーケットスピード(楽天証券)
20種類以上のテクニカルチャートがあり、チャートに線を描画したり、コメントを入れたりすることが可能です。また日本経済新聞社やロイターなど複数の情報ベンダーが提供するニュースをリアルタイムで確認しながら、チャートの動きをみることもできます。
6、先物のチャートを見るならおすすめアプリ5選
ここでは外出先でもスマホで先物チャートを確認できる、おすすめのアプリをご紹介します。
(1)世界株価アラーム
日経平均先物のほか、世界の株価指数などのチャートを確認することができるアプリです。
前日比、直近10分間の変動率を設定しておくことにより、設定値を超える相場の急変があった場合にはプッシュ通知が行われ、いち早く知ることができるのが特徴です。
(2)岡三ネットトレーダースマホF
先物・オプションに特化したアプリです。TOPIXやJASDAQなど、他の指数と比較してチャートを描画する比較チャート機能を搭載しています。リアルタイムのチャート描画に加えて、19種類の豊富なテクニカル指標を用いたチャート分析が可能です。
(3)HYPER 先物オプションアプリ
チャートはリアルタイム(最短1秒更新)に更新されるため、常に最新の状況を確認することができます。また、チャート上にトレンドラインを描画することが可能で、チャート画面上をタップやスライドすることで自由なラインが描画できます。
(4)株touch(松井証券)
日経平均株価、日経225先物、日経225mini、マザーズ指数先物、TOPIX先物、ミニTOPIX先物、JPX400先物、NYダウ先物の現在値、四本値、複数気配、騰落率のほか、Basis、理論値、乖離率などを確認できます。またチャート上にトレンドラインを描画できる機能も搭載しています。
(5)iSPEED先物OP(楽天証券)
別々の指数を並べて相関を見たり、同じ指数の足種を変えて並べることができたりと便利です。また日経225先物のほか、国内外の主要指数・先物価格や為替レート、ニュースなどの情報をいつでも確認できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
先物チャートについては、株価チャートと基本的には同じものです。
そのため、ローソク足や移動平均線、ボリンジャーバンドなどが同じように使うことができるので、株式投資経験のある方には抵抗はないはずです。
また先物と現物の値動きは相互に関連しているので、先物をうまく活用することができれば、投資チャンスをより広げることにもつながります。
この記事でご紹介したサイトやツール、アプリなどを使って、先物チャートを投資に活かしていただければ幸いです。