eワラント取引とは?サラリーマンの副業に最適な少額投資ではじめられる投資手法の秘密

株式投資やFXに比べるとわずかにマイナーとは言えますが、高いリターンが期待されることから注目を集めている金融商品が「eワラント」です。

いわゆる「オプション取引」の一種ですが、オプションの代表的商品である日経平均先物に比べて、より少額からの投資が可能であることに加え、その種類が豊富なのが大きな違いであり特徴だと言えるでしょう。

今回はeワラントについて「そもそもどんなものなのか?」をより詳しく見ていくとともに、どうやって取引を行って利益を出せば良いか、という具体的なステップについても見ていきましょう。

1、eワラントとは?

eワラントは、オプション取引の一種と書きましたが、そもそもオプション取引とは何なのでしょうか?

オプション取引は、将来のある時点(満期日)に決められた金額で買う、もしくは売ることを行使する「権利」を売買するトレードです。

満期日に今より指数の価格が上がると思ったら「コール(買う権利)」を買い、下がると思ったら「プット(売る権利)」を買い、満期日になったらその権利を「行使」します。

というのを見ても、文字だけだとピンと来ない方も多いかもしれません。

eワラント証券の公式動画の内容をかいつまんで引用しながら、その商品特性について学んでみましょう。

全部で5分程度の動画ですので、時間のある方は全て目を通してみてください。

公式【ようこそeワラントの世界へ】

動画の1:00頃からコール型とプット型のeワラントについて説明がされていますが、例えば日経平均を対象としたeワラントについて考えてみます。

2018年6月30日満期日、権利行使価格23,000円のコール型のeワラントがあったとします。

簡単に言えば6月1日にこのコール型のeワラントを購入し、30日に日経平均が23,000円を上回っていれば利益が発生、逆に下回っていた場合はコール(買う権利)の価値は0になってしまいます。

「満期日」と「権利行使価格」の関係性は非常に重要で、この後も何回か触れるのですが、ここでは「満期日までの期間が長い」「権利行使価格と現在の価格のかい離が小さい」eワラントは比較的ローリスクで初心者向け、ということを頭に置いておきましょう。

また、eワラントには「ニアピン」「トラッカー」等といった、コール型プット型とは別の商品特性を持つものも存在します。

「投資対象となる原資産が多い」「eワラント自体のタイプ(投資手法)が多い」のがeワラントの性質で、ここの辺りはややこしくも感じるかもしれないのですが、この記事では一つ一つを整理して分かりやすく見ていきます。

2、取引の基本と活用法

eワラントの基本は、先ほども書いたような「コール型」「プット型」のeワラントを選んで利益を出していくということです。

どんなeワラントがあるのか、eワラント証券の銘柄検索のページや売れ筋ランキングのページをさっと覗いてみましょう。

(1)eワラント証券 銘柄検索

eワラント証券 銘柄検索

(2)eワラント証券 売れ筋ランキング

eワラント証券 売れ筋ランキング

二つともページの一部をチラ見する程度で十分なので、どんなものがあるのかを確認してみると良いでしょう。

コールのあとに「○○回」とついているものは、権利行使価格は同じだが満期日が違うものなどを区別するためにつけられた、投資番号のようなものだと考えてください。

「売れ筋ランキング」に入っているラインナップを見ると「前日比(買取価格ベース)」というところで、数十パーセントの変動が起きているものが少なくありません。

日経平均のコール・プットのみでなく、著名企業のコール・プットが入っている日も多いです。

これから分かるのは、eワラントの特徴の一つとして「短期間で大きな値幅変動が起こりやすい」というものがあります。

かなりハイリスクハイリターンな商品特性を持っているので、活用法としてはメインの資産運用先とするのではなく、リスクヘッジのようなかたちで使うのがベターだと言えるでしょう。

3、ニアピン、トラッカーとは?

「1、eワラントとは?」でも少し触れましたが、eワラントにはコール型・プット型の他に「ニアピン」「トラッカー」、そしてトラッカーの派生として「レバレッジトラッカー」というものが存在します。

この項目では、それぞれのeワラントがどんな特徴を持つものなのか、ということをチェックしていきましょう。

(1)ニアピン

まず見ていくのが「ニアピン」です。

「ニアピン賞」というゴルフ用語がありますが、意味的にはそれと全く同じで、「満期日での投資対象の相場価格を当てる」というのがニアピン型eワラントを購入するにあたって我々投資家が狙うポイントとなります。

利益発生には「満期日での相場価格が予想と一致、もしくは相場価格と予想の差が一定に収まる」ことが条件として必要になります。

ゴルフでイメージするとホールに落ちれば◎、ホールに落ちずとも近くにゴルフボールが落ちれば○、といったような感じですね。

(2)トラッカー

次に「トラッカー」です。

トラッカー、と聞くとトラックを想起される方も多いのはないでしょうか。

“track”は和訳すると「~を追う」といったような意味で、”tracker”はそのまま「追うもの」ということになりますね。

トラッカーは「投資対象の値動きを追随したような動きをするeワラント」です。

日経平均の動きに連動する「日経レバ型ETF」「日経ブル型ETF」を耳にしたことがあるかと思いますが、それと似たようなものだと考えて良いでしょう。

また、トラッカーの派生としてあるのが「レバレッジトラッカー」、こちらはトラッカーにレバレッジをかけ、よりリスクを負って大きなリターンを求めにいく商品です。

先に書いた通り、「満期日」(までの期間)と「権利行使価格」はオプションやeワラントにおいて非常に重要な概念とのことでした。

コール型、プット型などのeワラントの場合は満期日に近づけば近づくほど時間的価値が減少していき、満期日にはそのeワラントの時間的価値は0になります。

時間的価値が0になったときに、権利行使価格と投資対象商品の相場価格がどうなっているか、というのが先に書いたeワラントの特徴でしたね。

一方、トラッカー型eワラントの大きな違いとして挙げられるのが「時間的価値の概念がない」、つまり「時間が経って満期日に近づいても(時間的)価値が減らない」という点です。

時間が経つことによって、価値が下がらないのは株式も同じです。

トラッカー型に関しては先に前述した日経レバ方ETFのような指数(ベンチマーク)連動型の商品と捉えておくと分かりやすいと思います。

4、eワラント投資のメリットとデメリット

さて、ここまでeワラントの「コール型」「プット型」、そして「ニアピン」「トラッカー」について簡単に見てきました。

今回の項目ではeワラント投資のメリットとリスクを挙げていきますが、勘のいい方なら既にお気づきかもしれませんね。

(1)eワラント投資のメリット

  1. 少額から(数千円~)でも投資が可能
  2. レバレッジがあるため大きなリターンを狙える
  3. 元本以上の損失を追うことがない
  4. 取引時間が長い

まずeワラント投資の大きなメリットとして挙げられるのが、少額からでも投資ができる、という点です。

通常株式であれば最低単元株数の100株であっても数十万~数百万円が必要となりますが、数千円単位から購入できるというのはハードルが低いという観点でとても優れていると言えます。

また「①取引時間が長い」も、ポピュラーな資産運用方法である株式投資と比べると大きなメリットです。

FXも平日は24時間トレード可能ですが、少額から投資が可能な証券会社は少ないので、この二点を兼ねそろえている金融商品はほぼeワラントくらいではないでしょうか。

残りの「②レバレッジがあるため大きなリターンを狙える」「③元本以上の損失を追うことがない」に関してはメリットと言えるのかは微妙なところで、一長一短、諸刃の剣と考えられる特徴です。

ハイリターンが期待される裏にはハイリスクが備えている、というのはどんな金融商品にも言えるためです。

次のデメリットと合わせてこれらをチェックしていきましょう。

(2)eワラント投資のデメリット

  1. レバレッジがあるためハイリスクハイリターン
  2. 種類が多く、最初のうちは投資判断がしにくい
  3. スプレッドが存在する

繰り返しとなりますが、元本を担保に元本以上の取引額でのトレードを行うレバレッジ投資はハイリスクハイリターンだと言えます。

株の信用取引なども同じケースです。

株の信用取引の場合、「買いは家まで、売りは命まで」という言葉があるように信用売りは元本以上の損失、つまり借金を負う可能性があるのが非常に怖いところです。

その点eワラントは「最悪のケースでも投資元本がゼロになるだけ」というのがメリットとして挙げられていますが、正直ここまでのリスクをとるのは投資と言えるのか判断に困ります。

あとはここまで見てきたように、eワラントは投資手法も投資対象となる商品も非常に多く、とっつきにくさを感じやすいということがあります。

理解するのにはざっくりと大観を押さえておくだけで大丈夫なのですが、実際に投資する場合はハイリスクということもあり慎重な投資姿勢が必要となります。

3.のスプレッドに関しては買値と売値の間に開きがあることに注意しましょう。

スプレッドは簡単に言ってしまえば取引手数料の一種のようなもので、販売価格と取引価格(取得価格)には差が生じるというものです。

5、eワラント投資で勝率を上げる買い時と売り時

eワラント投資をするにあたってまず意識すべきことは、「最初はリターン度外視でリスクを抑えたeワラントを購入する」です。

「4、eワラント投資のメリットとデメリット」では「eワラントは基本的にハイリスクハイリターン」と述べました。

それ以前にリスクが低めのeワラントの特徴についても記載しましたが、覚えていらっしゃるでしょうか?

「1、eワラントとは?」で少し触れた「満期日までの期間が長い」「権利行使価格と現在の価格のかい離が小さい」eワラントが比較的ローリスクなタイプのものとなります。

これはこれらの逆のもの、すなわち「満期日までの期間が短い」「権利行使価格と現在の価格のかい離が大きい」ものほどハイリスクハイリターンということを意味しています。

投資を始める際に重要なのは「小さい勝ちでもいいので成功体験を積み重ねる」ことです。

最初のうちは、上記のような特徴を持つeワラント、中でも分かりやすい日経平均コール・プット型のものを取引してみると良いでしょう。

勝率を上げる買い時・売り時に関しては明確に言語化するのはなかなか難しいのですが、勝率だけを上げるなら「利益が出たタイミングで途中売却する」だけです。

eワラントはそれ自体が価格を持っており「権利行使価格」と現在の「投資対象の相場価格」の関係によって値上がり・値下がりします。

勝率と損失・利益のバランスをどうとるか、というのは非常に難しいです。

eワラントのようなやや複雑な特徴を持つ商品だとなおさら、ということはありますので、まずはデモツールやシミュレーションを行ってテストをしてみると良いでしょう。

6、豊富な投資対象!迷ったら国内インデックス

これはメリットともデメリットも言えますが、eワラントの投資対象数は非常に多いです。

例えば為替FXだとマイナーな通貨ペアを入れても数十種ですが、eワラントの場合は1500種類以上の投資銘柄が存在します。

eワラントの投資対象となるのは、国内外株式はもちろん、為替、金や銀などのコモディティもその範囲に含まれています。

例えばSBI証券のeワラントのトップページを見ても、かなり多くの商品があることがわかると思います。

SBI証券 eワラント

単純に値上がりするか値下がりするかの株とは違い、eワラントの場合は満期日までの期間も関わってくるので、同じ指数を扱う場合でもそのバリュエーションがかなり増えるということです。

種類が多いのを見ると目移りしてしまいますが、やはり最初のうちは国内株式もしくは国内インデックスのeワラントを取引するのが無難だと思います。

よく知らないものを売買して利益が出ても、その勝った根拠を明確に特定できないためです。

7、eワラント商品のランキング

先ほども少し触れましたが、この項ではeワラントでどんな商品が売れているのか、ということをもう一度見ていきましょう。

(1)eワラント証券 売れ筋ランキング

eワラント証券 売れ筋ランキング

SBI証券のページでは、国内株式・インデックスなどタイプ別に値上がり値下がり別ランキングをチェックすることも可能です。

(2)eワラント証券 商品一覧

eワラント証券 商品一覧

基本的には、売れ筋ランキングに名を連ねているのは日経平均のコールもしくはプット、あとはその日に大きく動いた企業のコール・プットです。

eワラントを売買する投資家たちは大きな値動きを重視し利ザヤを狙っているので、上位に出てくる商品は株式市場を見ていれば大体予想がつくでしょう。

8、口座開設と売買方法

現在eワラントを扱っている主な国内会社は、SBI証券とEVOLUTIONジャパンセキュリティーズの二社です。

今回は代表的なネット証券であるSBI証券での口座開設方法および売買方法について記載していきます。

先ほどのランキングで掲載したページからももちろん飛べますが、SBI証券のトップページからアクセスする場合は上メニューの「CFD eワラント」にカーソルを乗せ、「eワラントのお取引までの流れ」をクリックしましょう。

その後「eワラント取引のお申込みはこちら」をクリックし、SBIの証券口座を持っていない場合は右側の「口座を開設」をクリックし、まずは株式口座を作ることから始めましょう。

株式口座の作成には個人情報の入力とマイナンバー・個人情報を証明できるものの提示(アップロード、書面、メール)が必要となります。

個人情報の入力にあたって困るところは「特定口座」「NISA つみたてNISA」の欄くらいだと思われます。

ここは「特定口座を開設する(源泉徴収あり)」「NISAを申し込む」のがベーシックですし、後で変更も出来ますので特にこだわりがなければこのような選択を行ってください。

口座開設が完了し、ログインID・パスワードの書かれた書面が届いたら「eワラント取引のお申込みはこちら」の後の画面の左側でログインを行い、電子書面を読んでeワラント口座の開設を行います。

こちらはインターネット上のみで完結するので、すぐ取引を開始することが可能です。

実際に入金を終えたら、あとは銘柄検索の画面から自分が買いたいeワラントの投資商品を選んで「買付」を行いましょう。

買付と売却の変更は、上のタブで変更をすることができます。

9、eワラント投資で成功を目指している投資家さんのブログ

一人ではなかなか慣れるのに時間がかかるeワラント投資。

個人投資家でeワラントでの資産運用を行っている方のブログを参考にしてみるのも良いでしょう。

(1)じゅん@投資家志望の投資日記

じゅん@投資家志望の投資日記

eワラント以外にもさまざまな金融商品に投資を行われている方のブログです。

eワラントのカテゴリを見ると大きな利益を出した記事・大きな損失を出した記事とやはり損益が両極端であること、そして安定して高いパフォーマンスを出し続けるのは難しいということが分かります。

(2)eワラントわらしべ長者

eワラントわらしべ長者

 

ブログというよりはウェブサイト寄りの構成になっています。

最新更新はやや昔ですが、eワラント投資のイロハが掲載された良サイトです。

10、eワラント投資オススメの本2選

先に掲載したブログというインターネット上の情報に加え、書籍も知識を蓄えるいいリソースとなるでしょう。

(1)3000円で30万円を目指すeワラント超入門

3000円で30万円を目指すeワラント超入門

eワラントは初学だと理解しづらい部分もあるのですが、この本は漫画を随所に挟みながら初心者でも分かりやすくeワラントトレードを学ぶことができる点で、良い入口となるでしょう。

ただ3,000円で30万円というのはリスクを取った極端な事例であるので、情報を鵜呑みにせず客観的な情報を拾っていきましょう。

(2)おこずかいを最速で最大に増やせる投資eワラント

おこずかいを最速で最大に増やせる投資eワラント

こちらも初学者にオススメしたい一冊です。非常に平易な内容ながらeワラントに関する基礎知識がカバーされており、ざっと全体を眺めるだけでもこの記事の復習プラスの知識を身に着けられるでしょう。

書籍も大事ですが、学んだことはデモトレードで試してみるのが一番だと思います。

「5、eワラント投資で勝率を上げる買い時と売り時」で触れたツールを有効に使い、再現性のある手法を組み立てていってみましょう。

まとめ

今回の記事ではeワラントの基礎について学んできました。

少し理解がしづらい、という方は日経平均先物のようなオプションやeワラントの元になったワラント債などについて学んでみると良いでしょう。

クセの強さはあるものの、その特徴を理解したうえで使えば役に立つ金融商品なのがeワラントだと言えます。

まずは知識をしっかりと身に着け、どうやって活用してくかを考えてから始めてみることをオススメします。