セミリタイアに失敗しないためには?必要な貯金額とおすすめの投資方法6選

衝動的に「会社を辞めよう」と思った経験がない社会人はほとんどいないでしょう。最近では実際に行動に移し、退職してしまう「セミリタイア」を選択する人が増えています。

仕事に不満を抱えている人は多く、セミリタイアはメジャーになりつつあります。ですが、いざ退職するとなれば不安なことも多いですよね。

 

この記事では、セミリタイアを考える人の不安を解消するべく、メリットやデメリット、退職する前に押さえておくべきポイントを解説します。セミリタイア後の収入を作る投資についても解説したので、参考になれば幸いです。

セミリタイアとは

セミリタイアとは、負担にならない程度の仕事をして少しの収入を得つつ、自分のために使える自由な時間も確保する働き方のことです。一般的には、定年退職する前にフルタイムの正社員の仕事をやめ、労働時間が少ない仕事に就き、その収入とそれまでに貯めた貯金で生きていくことを指します。

日本ではまだセミリタイアする人は多くはありませんが、アメリカでは20代、30代の若い世代を中心にセミリタイアが広がっています。その背景として、AI(人工知能)が業務の多くを担うようになってきて労働の意味が薄れてきたり、自由な生き方を求める人が増えてきたりしていることがあります。

早期リタイアとの違い

セミリタイアと似たことばに「早期リタイア」があります。早期リタイアは、定年を迎える前に完全に退職することです。

「セミリタイア」も「早期リタイア」も、定年の前にフルタイムの労働をやめる点は共通です。しかし、「セミリタイア」は負担にならない程度に仕事を続けて収入を得るのに対し、「早期リタイア」は完全退職なので仕事の収入がない状態で生活することを指します。

 

多くの方は、早く労働から完全に解放される早期リタイアの方に憧れるでしょう。しかし、現実的に全く働かずに生きていくのは難しい人がほとんどです。

そこで、仕事も自由な時間も両立できる「セミリタイア」へのニーズが高まっているのです。

セミリタイアのメリット

定年を迎える前にセミリタイアをすると、次のようなメリットがあります。いずれも、厳しい労働から解放されることで得られるものです。

  1. 自由な時間が増える
  2. 激務で体を壊さなくて済む
  3. 物価の安い国なら裕福に暮らせる

メリット1:自由な時間が増える

セミリタイアすると、平日でも自分の自由な時間を得ることができます。趣味に打ち込むなど、フルタイムで仕事をしていたころにはできない時間の使い方ができます。

セミリタイアなので完全に労働から解放されるわけではありませんが、趣味に使うお金を稼ぐモチベーションで仕事に取り組むことができるのもメリットです。フルタイムの仕事が忙しいと、使う時間がないので貯まっていく、という方もいます。

せっかく稼いだお金を自分のために使えないのでは意味がないので、セミリタイアならそのバランスも上手く取れるでしょう。

メリット2:激務で体を壊さなくて済む

セミリタイアを考える方で多いのが、仕事が激務で休みも取れない環境にいる人です。セミリタイアして体に負担のない仕事に変えれば、仕事で無理をして体を壊す心配はなくなります

しかも、現在は定年年齢の引き上げも検討されており、今は60歳が定年年齢ですが将来的には65歳や70歳に引き上げられる可能性があります。早くセミリタイアして健康な生活を送りたいと考えることも当然です。

メリット3:物価の安い国なら裕福に暮らせる

セミリタイアしても、ぜいたくな暮らしをすることは難しいです。しかし、物価の安い国に移住すれば、裕福な暮らしができるかもしれません

セミリタイアする人は完全にリタイアできるほどの資産がない状態なので、仕事はして生活費を稼ぐ必要はあります。労働を軽くするためには生活費を下げれば良く、物価の安い国に行けば生活水準を落とさずに実現できます。

むしろ、日本にいるよりも裕福な暮らしができる可能性もあります。

 

仕事をセーブしつつ、豊かな暮らしができたら最高ではないでしょうか。

日本だと物価が高いので、セミリタイアしても節約に励む必要があります。ぜいたくに暮らそうと思えば、仕事に人生をささげることになってしまいます。

セミリタイアのデメリット

つらい仕事から逃れることができるセミリタイアは良いことだらけに見えますが、デメリットもあります。フルタイムの仕事を辞める前に、次のデメリットを理解してよく考えましょう。

  1. 仕事は続ける必要がある
  2. 収入が減る
  3. 再就職が難しい

デメリット1:仕事は続ける必要がある

セミリタイアは完全なリタイアではないため、仕事は続ける必要があります。フルタイムの仕事ではなく負担の少ない仕事に変えることが一般的ですが、仕事はするため仕事由来のストレスがゼロになるとは限りません。

完全に労働から解放されたいなら、早期リタイアを狙うことになります。自分にとってセミリタイアが最善の選択肢なのか、よく考えてから退職しましょう。

デメリット2:収入が減る

自由な時間と負担の少ない仕事を両立するのがセミリタイアなので、仕事での収入は少なくなります。負担の少ない仕事は時給が低い傾向があり、しかも労働時間を減らせば収入が減ることは明らかでしょう。

フルタイムの正社員の時と同じ金額を稼ごうとすれば、労働時間が増えてしまいセミリタイアした意味がなくなります。ある程度は仕事の収入に頼らなくても良い貯金を作ってからセミリタイアしましょう。

デメリット3:再就職が難しい

セミリタイアした後、「やっぱりフルタイムの仕事がしたいから再就職したい」と思っても年齢によっては難しいです。転職の案件は年齢の上限があることが多く、35歳以下と設定されることが一般的です。40代、50代で退職した後、再就職するのは難しいことに納得してからセミリタイアをしましょう。

また、職歴にブランクができてしまうと、再就職しにくくなります。一度はセミリタイアして別業界のアルバイトなどで生計を立てていたものの、「以前の業界の正社員に戻りたい」となった場合、アルバイトをしていた期間は空白の時間となってしまいます。

そのアルバイトの経験が直接活かせるケース以外では、中途採用の面接でセミリタイアの経験が有利に働くことはありません。再就職しにくさのリスクは頭に入れておいてください。

セミリタイアに活用すべき早期優遇退職制度

実際にセミリタイアするとなれば、最も心配なのはお金です。定年前に退職する場合、退職金は少ないことが一般的で、退職後の生活に困ってしまうかもしれません。

しかし、次に解説する選択定年制や希望退職を使えば、ある程度の退職金を得ることができます。これらの仕組みが使えるなら、退職のチャンスかもしれません。

  • 選択定年制
  • 早期希望退職

選択定年制

選択定年制とは、一定の年齢以上の社員が自ら希望する年齢で辞められる制度のことです。これが導入されている企業では、40歳から60歳の社員を対象として、会社が面談を組んで退職年齢の希望や意志をヒアリングします。

面談は、40歳、45歳、50歳、などキリの良い年齢を迎えると人事からの打診で設けられることが多いです。

 

退職金は、自己都合の退職よりも高い金額となる可能性が高いです。定年退職の退職金よりは少ないものの、自己都合よりは優遇される傾向があります。

企業側にとっても支払う退職金の金額は少ない方が良いため、従業員と企業とで利害が一致しているのです。

早期希望退職

早期希望退職は、会社が人員整理を行うときに設けられる臨時の制度です。企業の財政悪化などを背景にリストラを行う場合、会社から従業員を解雇するのではなく、希望者の退職を募る方法です。

次の就職先を紹介してもらえるケースもあるため、セミリタイアしたい人もしたくない人も検討してみる価値があるかもしれません。

 

早期希望退職よりは、解雇の方が退職金は高い傾向にありますが、リストラが行われている会社に居続けることも問題があります。今後も給与が得られる保証はないのに、これまでの業務を少ない人数でこなさなければなりません。

もし会社の将来性に疑問を感じるなら早期希望退職を使って退職金をもらい、セミリタイアして生活することも一つの選択肢です。

セミリタイアする前の注意点

セミリタイアした後、最もしんどいのはセミリタイアの翌年です。収入が少なくなるのに税金や保険料、年金の支払いがあるからです。

翌々年以降は問題なく生活できる人が多いと思いますので、これから解説するように、とにかくセミリタイアの翌年の支出がきついということに注意しておいてください。

住民税や健康保険の支払い

セミリタイアしても、住民税や健康保険料の支払いがあります。これらの支払金額は前年の収入に基づいて計算されるので、セミリタイアした次の年の支払いが最も大変となる人が多いです。

なぜなら、正社員で給与が多かったときの年収に基づいて住民税や健康保険料の金額が決まるためです。セミリタイア直後の少ない収入に対して、支払う金額が大きすぎるとなってしまうのです。

 

自治体によっては収入が減ったことを理由に住民税や保険料の減免申請もできるので、可能な場合は申請してみた方が良いでしょう。

また、健康保険に関しては、家族の扶養に入るなどして節約できます。しかし、独身の方だと自分が世帯主となるため、扶養による減額は期待できません。

翌年に支払いが回ってくる住民税や健康保険料は忘れられがちですが、支払えなければ滞納となってしまいます

 

まずは退職する前に給与明細を確認し、毎月いくらくらい天引きされているか確認してください。そして、セミリタイア後に同程度かプラスアルファの支払いになっても耐えられるか考えてから、セミリタイアするようにしましょう。

年金の支払いや積立

セミリタイアすると、定年まで勤めた人と比べてもらえる企業年金が少なくなります

国民全員が加入する国民保険も、保険料の支払いをやめてしまったら受給できる年金の金額が少なくなってしまいます。場合によっては、年金受給資格を満たさず、もらえない可能性もあります。

 

セミリタイアしたら、老後のセーフティーネットである年金も自分で準備しなければなりません。国民年金の保険料は必ず支払いましょう

それだけでは不十分なので、預金や積立投資でも構いません。後でお伝えしますが、個人で年金を作る「個人型確定拠出年金」を使っても良いでしょう。セミリタイアするなら、老後の生活費になるお金を、ある程度は自分で準備する必要があることを覚悟しておくべきです。

セミリタイアに必要な貯金額

次に、セミリタイアするために必要な貯金額を考えていきます。質素な暮らしを好むか、ぜいたくな生活をしたいかによっても異なるので、あくまでも目安として捉えてください。

完全にリタイアせず、少しは仕事をして収入を得る「セミリタイア」を前提とするので、必要な資金額はあまり大きくはありません。セミリタイアを考えている方は、ご自身の資産状況と照らしてセミリタイアできるかどうか検討してみてください

セミリタイア時の目安は1,000万円

どの年代においても、セミリタイアするときには1,000万円ほどの資金があると望ましいです。セミリタイアとはいえ、病気やケガをして働けなくなった場合は収入が入らなくなるのに治療費が出ていくため、1,000万円ほどの資金を持っておくと安心です。

また、老後を豊かに暮らせる資産として2,000万円が意識されます。セミリタイア時の1,000万円は減らさず、増やしていく意識で貯金もしましょう。1,000万円を使い切ってはいけません。

老後を迎える前に2,000万円

いわゆる「老後2,000万円問題」が声高に叫ばれたように、夫婦でゆとりある老後の生活を送るには、2,000万円ほどの資産が必要です。60歳から65歳くらいの年齢で2,000万円ほどの資産を持っているのが望ましいのです。

セミリタイア時に資産が2,000万円に届いていなくても構いません。ですが、貯金をして老後を迎えるまでに2,000万円の資産を作りましょう

セミリタイア後は正社員時代より収入が減るかもしれませんが、老後にお金が足りなくなったら取り返しがつかないため、若いうちから貯金をしておきましょう。

不労所得を作ることが重要

収入は減るけれど負担の少ない仕事をして自由な時間を得るのがセミリタイアだと解説しました。上述のとおり、少ない収入でも貯金をして老後に備えなければなりません。

しかし、これは労働でしか収入を得られないケースの説明です。

 

一方で、働かなくてもお金が入ってくる不労所得があればどうでしょうか?労働による年収が下がっても、不労所得が補ってくれれば、正社員の頃と同じような生活水準を保てるかもしれません。

質素倹約に励まなくても、十分に貯金ができる可能性もあります。

 

このように、労働のみの場合と、労働と不労所得がある場合を比較すると、後者の方が圧倒的に生計を立てやすいです。セミリタイアする前にある程度の不労所得を作っておければ、その後の生活が楽になるのです

だれでも始められる不労所得といえば、投資です。「投資」と聞くと怪しいイメージを抱く方もいるかもしれませんが、最近では低リスクかつ少額で始められる投資商品も増えています。

セミリタイアを目指すなら、ぜひ投資にも挑戦してみてください。

セミリタイアにおすすめの投資方法

セミリタイアするためには、「不労所得を作ること」が大事だと解説しました。ここからは、不労所得を作るのにおすすめの投資方法を6つ、具体的に紹介していきます。

  1. 投資信託
  2. 株式投資
  3. ETF(上場投資信託)
  4. REIT(不動産投資信託)
  5. 米国株式・米国ETF
  6. 外貨預金

おすすめ1:投資信託

投資信託は、資産運用を投資のプロにお任せできる投資商品です。株式や債券といったおおまかな運用方針は自分で決める必要があるのですが、具体的な銘柄選びは投資のプロに任せることができます。

投資信託の利回りは1パーセントから3パーセントです。100万円投資すると、1年で1万円から3万円の不労所得を得られます

最低投資金額は、インターネット証券会社なら100円です。

 

投資信託のメリットは、投資家の手間がかからないことです。運用のプロに任せられるので銘柄分析に労力をかける必要がなく、初心者でも失敗しにくくプロ並みの安定した成果が期待できます。

投資信託のデメリットは、利回りがあまり高くないことです。これは、投資のプロに運用を任せるため、運用利益から手数料などが差し引かれてしまうためです。

 

投資信託は少額で始められるので、投資をしたことがない人におすすめです。セミリタイアした人は収入が少ないので、一度投資に失敗してお金を失うと、資金を回復するのに時間がかかってしまいます。

そのため、失敗しにくい投資信託から試してみてはいかがでしょうか?

おすすめ2:株式投資

株式投資は、投資家が株式を買うことでお金を企業に出資する投資です。企業はそのお金で事業を行って利益を出し、投資家に「配当」という形で利益の一部を還元します。

株式投資の利回りは、3パーセントから5パーセントが目安です。100万円を投資すると、1年で3万円から5万円の不労所得を得られます

最低投資金額は銘柄によって異なりますが、10万円から20万円程度あると選択肢が広がります。

 

株式投資のメリットは、配当金のほかに「株主優待」をもらえることです。一部の企業では株主優待の制度を導入しており、投資家は企業の自社製品や割引券などをもらうことができます。

株主優待を上手に活用すれば日常生活での支出を減らせるので、節約もすることができます。

株式投資のデメリットは、リスクが大きいことです。企業の不祥事などが起これば株価は急落し、倒産すれば株式はほとんど無価値になってしまいます。

近年はどんな有名企業でも突然に不祥事が発覚することがあり、素人の銘柄分析では不祥事や倒産のリスクをゼロにすることができません。

 

それでも、配当金に加えて株主優待がもらえるので、株式投資はセミリタイアする人におすすめです。投資額が大きくなれば、株主優待で食事のほとんどをまかなうことができ、食費を削減することも可能だからです。

収入が少なくなるセミリタイアにとって、生活費を減らせる株主優待は大きなメリットです。

おすすめ3:ETF(上場投資信託)

ETF(イーティーエフ)は「上場投資信託」のことで、投資信託の一種です。投資信託と異なるのは売買の方法で、ETFは証券取引所に注文を出すので、少し売買の手順が難しくなります。

ETFの利回りは3パーセントから5パーセントほどです。100万円を投資すると、1年で3万円から5万円の不労所得を得られます。最低投資金額は銘柄によって異なりますが、3万円から10万円ほどが目安となります。

 

ETFのメリットは、プロに運用を任せられるのに、投資信託よりも利回りが高いことです。投資信託よりも手数料が低いので、投資家がもらえる利益が多いのです。

ETFのデメリットは、証券取引所に売買注文を出さなければならないことです。投資信託と違い、タイミングを見計らって売買注文を出すので、少し難易度が高いです。

 

注文方法にさえ慣れてしまえば、ETFは投資初心者にもおすすめです。運用のプロに任せられ、かつ投資信託よりも利回りが高いからです

おすすめ4:REIT(不動産投資信託)

REIT(リート)は「不動産投資信託」のことで、これも投資信託の一種です。投資先は不動産に限定される商品です。ETFと同様、証券取引所に注文を出して売買します。

REITの利回りは4パーセントから6パーセントほどです。100万円を投資すると、1年で4万円から6万円の不労所得を得られます。最低投資金額は銘柄によって異なりますが、10万円から20万円ほどが必要です。

 

REITのメリットは、分配金の利回りが高いことです。上述のとおり、投資信託やETFよりも利回りが高く、少ない投資額で多くの不労所得を得ることができます。

REITのデメリットは、値上がり益が期待できないことです。REIT自体の価格は変動しにくいので、分配金で利益を得る商品になります。

 

REITは、セミリタイアを目指す人にはぜひおすすめしたい商品です。分配金利回りが高く多くの不労所得を得られるため、仕事の収入が少なくなったときに頼りになるからです。

おすすめ5:米国株式・米国ETF

株式やETFについては先述のとおりです。名前のとおり、米国株式・米国ETFは、米国で取引されている株式やETFのことです。

米国株式・米国ETFの利回りは7パーセント前後です。100万円を投資すると、1年で約7万円の不労所得を得られます。最低投資金額は銘柄によって異なりますが、1,000円から1万円でも投資できる商品が豊富にあります。

 

米国株式・米国ETFのメリットは、米国の経済成長に乗って利益を増やせることです。日本は少子高齢化で経済成長が頭打ちとなっていますが、米国は人口増加やベンチャー企業の成功によって経済成長を続けています。

海外の成長国に投資することで、好景気の恩恵を受けられるのです。

米国株式・米国ETFのデメリットは、資産がドル建てとなり為替リスクがあることです。為替相場の変動によって円に換算したときの資産額が変動してしまうので、日々の値動きがストレスになる可能性があります。

 

米国株式・米国ETFがおすすめなのは、ドル建てで資産を持つことに抵抗がなく、高い利回りで運用したい人です。成長中の先進国への投資で日本の株式よりも有望な可能性があるため、セミリタイアして収入が少なくなった方にぜひ挑戦していただきたいです。

おすすめ6:外貨預金

外貨預金とは、米ドル、ユーロ、豪ドルなどで預金をすることです。日本は低金利ですが外貨預金なら高金利なことが多いです。

金利は、米ドルが1パーセントから2パーセント、ユーロが0.02パーセント前後、豪ドルが1パーセント前後です。100万円を投資すると、米ドルなら1年で1万円から2万円、豪ドルなら1年で1万円程度の不労所得を得られます

なお、金利は頻繁に変更されるので、投資をする前に最新情報を確認するようにしてください。最低投資金額は100円ほどに設定されていることが多いです。

 

外貨預金のメリットは、預金と同じような感覚で取り組めることです。投資に対して難しそうなイメージがある方でも、外貨預金なら気軽に始められるでしょう。

外貨預金のデメリットは、資産がドル建てとなり為替リスクがあることです。米国株式・米国ETFの項目で解説したのと同様に、為替相場の変動によって円に換算したときの資産額が変動してしまいます。

日本円での預金と同じような感覚で始められるので、投資初心者にも外貨預金はおすすめです。最も初心者向けの外貨預金は米ドルなので、米ドルから始めてみてはいかがでしょうか?

セミリタイアに嬉しい節税制度

投資には優遇措置があり、税金を節約できる制度があります。これからご紹介する3つの節税制度を活用し、投資と節約を同時に行いましょう。

  1. iDeCo
  2. NISA
  3. つみたてNISA

節税制度1:iDeCo

iDeCoは「個人型確定拠出年金」のことで、個人で年金を準備するために毎月決まった金額を積み立てる制度です。

年金は、セミリタイアを目指す人にとって死活問題です。フリーランスやアルバイトなどの雇用形態だと、一般的には企業年金がもらえないからです。

そのため、iDeCoを活用して自分の老後のための年金を作っておきましょう。iDeCoでは積み立てたお金をどの商品で運用するか選べるため、投資信託で投資したり預金で安全に運用したり、個人の好みにあった資産運用ができます。

 

iDeCoはここで紹介する3つの制度の中で最も節税効果が高いため、ぜひ活用していきたい制度です。その節税効果は次の3点です。

  1. iDeCoに拠出したお金は所得控除の対象となるため、所得税・住民税が軽減される
  2. 投資信託などの運用益が非課税となる
  3. 60歳以降に年金や一時金を受け取るときに課税されるが、軽減税率によって無税・減税となる

後述するつみたてNISAやNISAには2.の運用益の非課税しかないので、iDeCoは最も節税効果が高いのです。

 

ただし、iDeCoは個人で準備する年金なので、60歳になるまで引き出すことができません。60歳までに見込む支出、例えば住宅購入や結婚式のお金を貯める目的では使えない制度なので、理解してから始めましょう。

なお、iDeCoで購入できるのは投資信託や保険、預金です。ETFや海外の商品は購入できないため、ETFや海外の商品にこだわるならNISAを利用しましょう。

節税制度2:NISA

NISAは、株式や投資信託などによる運用益が非課税となる制度です。通常、投資による運用益には約20パーセントの税金がかかりますが、NISAを使えばこれが非課税になり、投資家は利益を丸ごと自分のものにできます。

セミリタイアするなら少しでも多く不労所得を受け取りたいため、利益が非課税になるのは嬉しい制度です。

NISAは毎年120万円までの元本を投資することができ、5年間使える制度です。後述する「つみたてNISA」よりも1年間で投資できる金額が多いので、たくさん投資したい人はNISAがおすすめです。

 

NISAのメリットは、購入できる商品の幅がつみたてNISAやiDeCoよりも広いことです。投資信託のみならず、ETFや株式、また一部の海外の商品も購入することができます。

海外ETFや海外株式を購入したい人には、NISAがおすすめです。

 

NISAで購入した商品は、いつでも売却することができます。iDeCoと異なり、引き出し制限はないので、急に資金が必要になったら商品を売却して現金化できます。

節税制度3:つみたてNISA

つみたてNISAもNISAと同様、投資信託などによる運用益が非課税となる制度です。つみたてNISAは毎年40万円までの元本を投資することができ、20年間使える制度です。

定期積立が基本の制度なので、毎月3万円強まで投資することができます。1年間で投資できる金額はNISAより少ないものの、長期間使える制度です。

 

つみたてNISAのメリットは、いつでも売却できることです。貯金感覚で投資信託を購入しておき、いざお金が必要になったらいつでも売却して現金にできるのです。

引き出し制限がない点がiDeCoと異なります。

 

なお、つみたてNISAで購入できるのは金融庁のお墨付きを得た投資信託やETFです。海外の商品などつみたてNISAで取り扱いがない商品に投資したいなら、NISAを使うのがおすすめです。

まとめ

セミリタイアのメリットやデメリット、退職する前の注意点などについて解説してきました。

特に、住民税や健康保険料の支払いはセミリタイアした人が最初に苦しむポイントです。資金を準備してから退職しましょう。

 

さらに、セミリタイア後の収入源となる投資についても解説しました。仕事を変えて収入が減ると不安になりますが、投資をして毎月1万円でも不労所得が入るようになると、気が楽になるものです。

退職する前に投資を始め、少しでも不労所得を得られる状態にしておくことをおすすめします。

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