2018年FIFAワールドカップ・ロシア大会は、“半端ない”強さをみせたフランスの優勝で幕を閉じました。
今回のワールドカップで日本は、コロンビアとの初戦から劇的な勝利を収めたのを皮切りに、連日大いに盛り上がりました。
この記事では、今回のロシア大会を振り返りながら、次回2022年カタール大会に向け、今から注目しておきたいワールドカップ関連銘柄についてみていくことにしましょう。
1、コロンビアに劇的勝利!ワールドカップ・ロシア大会を振り返る
日本は初戦、格上のコロンビアに2-1で勝利を収めます。
しかし、その後のセネガル戦は2-2のドロー、ポーランドには0-1と厳しい戦いとなりました。
ポーランド戦では、負けている状況の中で、ボールキープによって失点を避ける作戦をとり、他力での突破を選択したことには、一部では批判の声もありました。
しかし、不本意ともいえるシビアな決断が功を奏し、2010年大会以来通算3度目となるセカンドステージへ進出することができました。
セネガルとは勝点、得失点、総得点まで並び、警告などのフェアプレーポイントの差で上回るという、これまでに例のない接戦となったことも話題となりました。
(1)【グループステージ グループH試合結果】
第1節(2018年6月19日)コロンビア 1-2 日本
第2節(2018年6月24日)日本 2-2 セネガル
第3節(2018年6月28日)日本 0-1 ポーランド
セカンドステージ・ベルギー戦では、前半0-0で折り返した後半、48分に原口選手、52分には乾選手が相次いでゴールを決め、強豪ベルギーを2-0でリードする展開となります。
しかし、やはりベルギー。71分に1点を返すと、73分には2点目。
両チームの攻防が続き、延長戦かと思われたアディショナルタイム、最後はカウンター攻撃からシャドリ選手が決勝ゴールを決め、2-3で日本はセカンドステージ1回戦・ベスト16に終わりました。
(2)【ノックアウトステージ ラウンド16】
ベルギー 3-2 日本
日本を破ったベルギーは3位、優勝はフランスという結果となっています。
(出所:JFA)
2、ワールドカップ開催で株価に影響のあるスポンサー企業は?
ワールドカップでは、スポンサーとなる企業にも注目が集まります。
サッカー日本代表(JFA)のスポンサーとなっている企業は以下のような企業です。
(1)オフィシャルパートナー【キリンHD】
「SAMURAI BLUE(日本代表)」、「なでしこジャパン(日本女子代表)」をはじめ、U-23以下各年代の日本代表のほか、フットサル、ビーチサッカーなど、全カテゴリーのサッカー日本代表を支援する最上位スポンサーカテゴリーです。
1978年からキリングループ(キリンビール株式会社、キリンビバレッジ株式会社、キリン株式会社)が務めています。
(2503)キリンHD | 株価 (2018/7/25 終値) |
2,998円 |
国内シェア2位のビール会社。各種飲料のほか、医薬品なども手がける。1978年からサッカー日本代表を支援している。 | ||
(2)オフィシャルサプライヤー
オフィシャルパートナーと並ぶ、日本代表チームの最上位スポンサーとして、1999年からアディダス・ジャパン株式会社(非上場)が務めています。
(3)サポーティングカンパニー
最大10社で構成される、サッカー日本代表の公式スポンサー。2018年7月時点、以下の8社が務めています。
- 株式会社朝日新聞社(非上場)
- 株式会社クレディセゾン
- 株式会社ファミリーマート
- 日本航空株式会社
- 株式会社みずほフィナンシャルグループ
- MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社
- 大東建託株式会社
- KDDI株式会社
①クレディセゾン
(8253)クレディセゾン | 株価 (2018/7/25 終値) | 1,727円 |
セゾンカードを発行する、国内流通系首位のクレジットカード会社。 | ||
②ユニー・ファミリーマートHD
(8028)ユニー・ファミリーマートHD | 株価 (2018/7/25 終値) | 10,450円 |
伊藤忠系のコンビニ大手ファミリーマートを展開している。中京圏を中心に総合スーパーやコンビニ・サークルKを展開するユニーグループと経営統合。 | ||
③日本航空
(9201)日本航空 | 株価 (2018/7/25 終値) | 4,191円 |
一度は破綻状態に陥っものの、公的資金や大規模なリストラなどにより、再上場を果たす。国内線・国際線とも国内2位だが、シェアはANAとほぼ二分。 | ||
④みずほフィナンシャルグループ
(8411)みずほフィナンシャルグループ | 株価 (2018/7/25 終値) | 195.4円 |
旧富士銀行・第一勧業銀行・日本興業銀行を前身とする、メガバンク。規模では三菱UFJ銀行に次ぐ2位。銀行・信託・証券の連携を推進している。 | ||
⑤MS&ADインシュアランスグループ
(8725)MS&ADインシュアランスグループ | 株価 (2018/7/25 終値) | 3,427円 |
三井住友海上火災、あいおいニッセイ同和損保、三井住友海上あいおい生命などを傘下に持つ、大手損保グループ。アジアを中心に海外にも積極的に展開している。 | ||
⑥大東建託
(1878)大東建託 | 株価 (2018/7/25 終値) | 18,180円 |
地主に賃貸住宅の建設による土地活用などを提案し、その後の入居者斡旋や管理・運営までを一貫して行う、賃貸経営受託システムを中心に、不動産事業を展開している。 | ||
⑦KDDI
(9433)KDDI | 株価 (2018/7/25 終値) | 3,126円 |
auブランドを展開する三大キャリアの一角で、携帯電話事業や光回線事業などを手がける。銀行や保険など非通信事業にも積極的に参入している。 | ||
3、次回開催国・カタールはどんな国?
4年に1度開催されるワールドカップは、次回は2022年・カタールで開催予定です。
カタール(Qatar・カタール国)は、ペルシャ湾に面したアラビア半島に位置する中東の国です。
首都はドーハ。
そう、1993年ワールドカップアジア最終予選、日本がワールドカップ初出場を目前に、ロスタイムの同点ゴールでその切符を逃した「ドーハの悲劇」の舞台となった場所です。
人口は約267万人(2017年4月/カタール開発計画・統計省)、その9割近くは外国人労働者が占め、カタール国籍を持つカタール人は約25万~30万人程度しかいません。
面積も秋田県よりも狭い小国ですが、油田やガス田が存在し、豊富なオイルマネーによって、世界で最も裕福な国ともいわれていました。
公用語はアラビア語、宗教は半数以上がイスラム教を信仰しています。
40℃に迫る夏の暑さも、試合に影響してくると思われます。
また日本との時差は6時間です。
今回のロシア大会では、会場により時差が4〜7時間ありましたが、それと同じくらいの時差となります。
そのため試合時間は深夜帯となると想定されるため、日本での観戦は寝不足を覚悟しておくことになりそうです。
4、2022年カタール大会でも注目の銘柄
ワールドカップでは、さまざまな企業に恩恵をもたらすことが期待されます。
先の「スポンサー企業」に加え、「スポーツ用品関連」「広告代理店」「テレビ局」「飲料・アルコール関連」などが関連銘柄となります。
また意外な銘柄にも、“思惑”で買いが入ることもあります。
そのような銘柄も含め、注目しておきたい関連銘柄をピックアップしました。
(1)コナミHD
(9766)コナミHD | 株価 (2018/7/25 終値) | 5,320円 |
大手ゲーム会社で、サッカーゲームの王道「ウイニングイレブン」を手掛けるほか、スポーツクラブも展開する。 | ||
(2)クリップコーポレーション
(4705)クリップコーポレーション | 株価 (2018/7/25 終値) | 923円 |
小・中学生向けに学習塾と、幼児〜小学低学年向けサッカー教室を展開する。ワールドカップをきっかけにサッカーを始める子どもも多い。 | ||
(3)ハブ
(3030)ハブ | 株価 (2018/7/25 終値) | 1,066円 |
英国風パブ「HUB」を展開する。ワールドカップ開催時にはパブリックビューイングを行う。今回のロシア大会でも売上増加の恩恵を受けており、次回大会にも期待がもてる。 | ||
(4)アサヒグループHD
(2502)アサヒグループHD | 株価 (2018/7/25 終値) | 5,527円 |
ビール国内シェアトップの総合酒類・飲料メーカー。サッカー観戦に伴うアルコール需要の高まりによる恩恵が期待されます。 | ||
(5)サッポロHD
(2501)サッポロHD | 株価 (2018/7/25 終値) | 2,701円 |
ビール国内4位の酒類・飲料メーカー。サッカー観戦に伴うアルコール需要の高まりによる恩恵が期待されます。 | ||
(6)カルビー
(2229)カルビー | 株価 (2018/7/25 終値) | 3,960円 |
「ポテトチップス」などを製造・販売するスナック菓子最大手メーカー。サッカー観戦でお酒を飲むなら、簡単につまめるおつまみも!そのような需要の高まりを期待。 | ||
(7)ハウス食品グループ
(2810)ハウス食品グループ | 株価 (2018/7/25 終値) | 3,620円 |
カレールーの国内トップシェアを誇る食品メーカー。眠気覚し飲料「メガシャキ」も販売しています。深夜の観戦となるであろう次回大会でも、眠気覚し飲料の活躍を見越した思惑買いも期待されます。そのほか「眠眠打破」のノエビアHD(4928)、「リボビタンD」の大正薬品HD(4581)、「モンスターエナジー」のアサヒグループHD(2502)なども。 | ||
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ワールドカップは、「スポンサー企業」をはじめ、「スポーツ用品関連」「広告代理店」「テレビ局」「飲料・アルコール関連」など、さまざまな銘柄を動かします。
このような“イベント”に関連した銘柄は、本命とされる銘柄のほか、意外な“大穴”銘柄が思惑で買われることもあります。
イベントが企業にどんな経済効果をもたらすのでしょうか。
それを考えながら銘柄を探すのも、イベント関連銘柄の楽しみといえるでしょう。
日本代表が勝ち進み、大会が盛り上がるほど大きな効果が期待できるため、応援にもより熱が入ってしまうかもしれませんね。