プレミアムバンクサービスとは？10入会条件やサービス内容、注意点を解説

プレミアムバンクサービスは、手数料無料や金利の優遇など、銀行が独自に提供しているサービスのことです。年会費などのコストがかからないので、入会条件・適用条件に当てはまるなら、基本的には使ったほうがお得です。

それなら、
「具体的にどんなサービスがあって、何がお得なの？」
「どうやって利用するの？」
「条件って何？」
という疑問が湧いてくることでしょう。

そんな方向けに、当記事ではプレミアムバンクサービスの概要を掴んで、サービス利用を行うための基本的な知識をまとめております。

これらの情報を確認して、せっかくならお得なサービスをコストなしで利用してはいかがでしょうか？

プレミアムバンクサービスとは？

プレミアムバンクサービスとは、銀行に預けている金額（預入残高）が一定の基準を上回る顧客のみを対象とした、各種の優遇サービスです。プレミアムバンク、プライオリティーバンキングなどとも呼ばれています。

主なサービス内容と入会方法について解説していきます。

主なサービス内容

プレミアムバンクサービスの内容は金融機関によって異なりますが、主に次のようなサービスを提供しています。

• 振込手数料無料
• ATM手数料無料
• 預金金利の優遇
• ローン金利の優遇
• 外貨両替手数料の優遇
• 貸金庫の割引
• カード利用に応じたポイントの上乗せ
• 福利厚生

基本的には、振込手数料・ATM手数料が無制限または回数限定で無料になったり、預金やローンの金利が通常より優遇されたりするサービスが多いです。このように、利用者にとって嬉しい特典が受けられるので、基準をクリアできそうな方は積極的に活用したいところです。

入会方法

プレミアムバンクサービスへの入会は、顧客側からの申し込みではできません。条件を満たす顧客を銀行がピックアップし、案内や資料が送られてきます。

預金金額などに応じて自動的に適用される場合は、メールなどの簡単な通知しか届かないので、サービスが適用されていたことに本人すら気づいていなかったということもあります。

自分から申し込むことはできませんが、プレミアムバンクサービスを利用したいなら、条件を満たした状態をキープして銀行側に選ばれるのを待たなくてはなりません。そのためにも、利用したいサービスがあるなら、条件を把握しておく必要があります。

信託銀行のプレミアムバンクサービス

ここからは、各金融機関のプレミアムバンクサービスを、以下の種類に分けて紹介していきます（2022年2月18日時点）。

• 信託銀行
• 銀行
• ネット銀行

まずは信託銀行です。信託銀行のプレミアムバンクサービスは、基本的に1,000万円以上の取引がある方が対象となっており、銀行やネット銀行のサービスよりも入会のハードルが高いです。その分、充実した内容となっています。

エクセレント倶楽部（三菱UFJ信託銀行）

エクセレント倶楽部の主なサービス内容は以下のとおりです。

• 定期預金金利上乗せ
• インターネットバンキング振込手数料無料
• TM引出・預入手数料無料
• 不動産仲介手数料割引
• クオリティライフサポート

金利上乗せや手数料無料といった他社と同様のサービスのみならず、以下を始めとする「クオリティライフサポート」があることが特徴的です。

• セカンドオピニオン手配サービス
• エクセレント倶楽部オリジナルツアー
• 高島屋 お買物割引サービス
• 商品査定・買取り優待サービス
• おそうじサービス

たとえば、「セカンドオピニオン手配サービス」を使うと、がんなどの重い病気と診断されたとき、専門の医師を紹介してもらい、セカンドオピニオンを受けることができます。診断や治療の方針・方法などについて、主治医とは異なる医師に意見をもらえるので、より納得のいく治療を選ぶヒントになります。

みずほプレミアムクラブ（みずほFG）

みずほフィナンシャルグループ（FG）は、銀行・信託銀行・証券会社を傘下に持つ金融機関です。銀行・信託銀行・証券をまとめたサービスを受けられることが強みで、以下のとおり3つの口座の合計額で加入できるかどうか判断されます。

みずほプレミアムクラブの主なサービス内容は以下のとおりです。

• ATM手数料無料
• 振込手数料無料
• 住宅ローン関連手数料無料
• 資産運用レポーティングサービス
• 株式売買委託手数料の割引

みずほ銀行の手数料無料サービスに加え、みずほ信託銀行の資産運用レポーティング、みずほ証券の株式売買委託手数料の割引といったサービスも受けられます。銀行や信託銀行だけでなく、証券会社もよく利用する方にとって嬉しいサービス内容です。

プレスティアゴールド（SMBC信託銀行）

プレスティアゴールドの主なサービス内容は以下のとおりです。

• 国内円振込手数料無料
• 海外電信送金手数料無料
• 外貨現金取扱手数料優遇
• 住宅ローン金利特別プラン
• 預金金利上乗せ
• コンサルティング&マーケット情報提供

手数料無料や住宅ローン金利の特別プランなどのサービスに加え、資産運用の専門家によるコンサルティングやセミナーを受けることができます。各支店にはプレスティアゴールドの会員専用ブースがあり、投資目標や運用期間、リスクに対する考え方のヒアリングを通じ、資産運用ポートフォリオを提案してもらうことができます。

トラストプレミアムサービス（三井住友信託銀行）

トラストプレミアムサービスの主なサービス内容は以下のとおりです。

• 定期預金金利上乗せ
• ATM時間外出金手数料無料
• 他金融機関等ATM出金手数料無料
• 不動産仲介手数料割引
• ライフサポートサービス

また、トラストプレミアムサービスの会員ステージは、以下の3つに分かれています。

他社の入会条件が1,000万円以上であるのに対し、トラストプレミアムサービスは300万円から加入できます。ただし、シルバーステージだと、定期預金金利上乗せや他金融機関等ATM出金手数料無料などのサービスが受けられなくなります。

銀行のプレミアムバンクサービス

続いて、銀行のプレミアムバンクサービスを紹介していきます。信託銀行のサービスよりも格段に簡単な条件で加入できるので、「1,000万円も預けられない…」という方も活用しやすいです。

メインバンク プラス（三菱UFJ銀行）

メインバンク プラスの主なサービス内容は以下のとおりです。

• ATM時間外手数料無料
• 提携先コンビニATM利用手数料1～2回まで無料
• 「三菱UFJダイレクト」他行あて振込手数料1～3回まで無料

預金金利の優遇はなく、手数料無料のサービスのみです。適用条件に預金金額は関係ないので、インターネット通帳を利用すればほとんどのサービスを受けられます。

みずほマイレージクラブ（みずほ銀行）

みずほマイレージクラブの主なサービス内容は以下のとおりです。

• コンビニ（イーネット）ATM時間外・利用手数料1～3回まで無料
• 他行宛振込手数料3回まで無料

預金金利の優遇はなく、手数料無料のサービスのみです。預金残高30万円以上など、あまり難しい要件ではないので、サービスを受けやすい特徴があります。

SMBCポイントパック（三井住友銀行）

SMBCポイントパックの主なサービス内容は以下のとおりです。

• ATM利用手数料何回でも無料
• コンビニATM手数料1～3回まで無料
• ポイントの交換
• ライフイベントサービス

適用条件は、預かり資産残高500万円以上や投信自動積立の利用など、三菱UFJ銀行・みずほ銀行に比べるとハードルが高めです。ですが、給与・年金の受け取りでも適用されるので、500万円以上の預金ができない人でも決まった収入があれば使うことができます。

また、手数料無料に加えてポイントが貯まるのも嬉しい特徴です。振込手数料の割引や景品交換、マイレージなどへの移行もできます。

りそなクラブ（りそな銀行）

りそなクラブの主なサービス内容は以下のとおりです。

• 給与・年金の受け取りで月間10ポイント
• 積立定期の預入で月間5ポイント
• 積立投資信託の購入で月間5ポイント

他にも、銀行のサービスを利用するとポイントを獲得できます。手数料無料のサービスはありません。

ネット銀行のプレミアムバンクサービス

メガバンクよりも手数料が安い傾向があるネット銀行でも、プレミアムバンクサービスに近いプログラムがあります。手数料無料やポイント獲得など各行のサービスを紹介していきます。

ハッピープログラム（楽天銀行）

ハッピープログラムは5つの会員ステージに分かれており、ステージによってサービス内容が異なります。

手数料無料のサービスに加え、楽天ポイントの獲得倍率がアップするのが特徴です。楽天市場など対象となる楽天のサービスを利用したとき、ポイントの獲得倍率がアップします。

スマートプログラム（住信SBIネット銀行）

スマートプログラムの会員ランクは4つに分かれており、振込時などに利用する「スマート認証NEO」に登録するだけで、ランク2を獲得できます。総預金額が300万円以上ならランク3、500万円以上ならランク4など、商品の利用状況によってはさらに上のランクを目指せます。

スマートプログラムの主なサービス内容は以下のとおりです。

• ATM利用手数料 最大20回無料
• 他行あて振込手数料 最大20回無料
• スマプロポイント獲得

スマプロポイントは住信SBIネット銀行が発行するポイントで、1ポイント1円相当で現金に交換できます。JALのマイルに交換することも可能です。

具体的な条件やサービスの比較は、公式サイトで確認できます。

プレミアムバンクサービスの注意点

プレミアムバンクサービスを利用する前に、知っておいていただきたいことが2つあります。

1000万円以上の預金は保証の対象外

信託銀行のプレミアムバンクサービスを受けるには、基本的に1,000万円以上の預金が必要です。しかし、1,000万円を超える金額を銀行に預ける場合、「ペイオフ」を理解しておかなければなりません。

すなわち、1,000万円を超える預金をした場合、超えた部分は保証の対象外となります。万が一銀行が破綻したら、1,000万円を超えた部分は戻ってこないかもしれません。

1つの金融機関への預金は、1,000万円以内に留めておくのが無難です。信託銀行のプレミアムバンクサービスに興味がある方は、サービス内容と破綻した場合のリスクを比べ、納得できる場合のみ利用しましょう。

条件を満たし続ける必要がある

プレミアムバンクサービスを利用し続けるためには、常に条件を満たす必要があります。判定日時は金融機関によって異なりますが、基本的には、毎月条件を満たさなくてはなりません。

お金が必要になって下ろしたら預金金額がプレミアムバンクサービスの適用条件を下回り、「ATM手数料は3回まで無料なのに、適用されなくなって有料になってしまった」といったことがあり得ます。プレミアムバンクサービスをよく利用する方は、条件を下回らないように気を付けましょう。

まとめ

信託銀行、銀行、ネット銀行のプレミアムバンクサービスを紹介してきました。特徴をまとめておきましょう。

• 信託銀行：基本的には1,000万円以上の預け入れが必要、充実したサービスが受けられる
• 銀行、ネット銀行：10万円程度から適用され、手数料無料、ポイント付与などのサービスがある

プレミアムバンクサービスは年会費などのコストがかからないので、使えるなら使った方がお得です。ペイオフや条件に留意しながら、プレミアムバンクサービスを利用していきましょう。

ただし、ペイオフを気にされる方は、1,000万円以上の資金は運用に回しても良いかもしれません。
ただ、預金しておくだけでは

• インフレが原因で、資金が実質目減りする
• 銀行の金利では資産は増えていかない

といったデメリットもあるので、資産を増やす預け方というのは良い選択肢になるでしょう。

そんな資産運用が気になる、目指したい方は以下の記事もぜひチェックしてみてください。