短期は無理でも長期は可能!株が上がるのか下がるのか予想するポイント

  • 2018年3月16日
  • 2021年10月15日

株式に投資をする場合は、上がると予想をして買い、下がると予想すると下がるまで様子を見るか、ここから売る(空売り)というのが、ごく当たり前のことです。

つまり株が上がるのか下がるのかを予想することから株式投資は始まります。

もし100%予想が当たるのであれば苦労しませんが、少しでも予想の精度を上げたいというのは、誰もが思うことではないでしょうか。

この記事では、株が上がるか下がるかを予想する上でのポイントについて解説してきます。

このポイントを知って投資するのと、知らないままで投資するのでは、かなり違った結果が出ると思います。

是非、最後までお読みいただけましたら幸いです。

1、株価の予想は不可能なのか?

経済学におけるファイナンス理論では、株価の予想は不可能だと考えられています。

それは株価に影響を及ぼす要因・情報はすぐに織り込まれて株価に反映され、インサイダー取引などでない限り、株価が上がる前に株価の上昇を予想して事前に買っておくことはできないとされるからです。

この理論では株価はランダムに動くものであり、チャートはあくまでその結果を示したものにすぎないとされます。

そのため「ゴールデンクロスが出たら株価が上がる!」というようなテクニカル分析は、単なる「占い」のようなものであるとされています。

「あっ!ゴールデンクロスだ。これから株が上がるかも」と思って株を買う人がいることで株価が上がるというだけで、もし「ゴールデンクロス?なにそれ」というような人しかいなければ成り立たないと考えるのです。

統計的に「優位性がある」とは、実は「信じている人が多い」ということをそれっぽく言い直しただけということもあります。

また、ファイナンス理論を考えなくても、そもそも株価を完全に予想できる方法があるならば、株価が上がるとわかった銘柄は誰も売らなくなり、株価が下がるとわかった銘柄は誰も買わなくなってしまいます。

そうなると、そもそも取引自体が成立しないため値段がつかない、つまり「株価」自体が存在しなくなってしまいます。

つまりテクニカル分析や統計、占いを信じる人がいれば、株価がその通りに動くことはあるけれど、完全には予想できないというのが結論です。

2、まずは、日経平均株価の寄り付きを予想してみましょう

株価は予想できないと述べましたが、実は比較的高い確率で株価が上がるか下がるかを予想できるものがあります。

それが「日経平均株価の寄り付き」です。

その日の日経平均株価が上げて始まるか、下げて始まるかは、その前日の米国市場の動きをみればおおよそ予想がつきます。

世界の株式時価総額の4割以上を占める米国市場の動きは、世界の株式市場に大きな影響を与えます。

そのため前日米国市場が下がれば、それに引きずられて日経平均株価も下落するということはよく起こります。

直近のNYダウの1,000ドルを超す下げでは、日経平均株価(そのほかほぼ全銘柄)が会心の一撃を食らわされました。

ただ完全に連動するわけではないので、特に大きな動きがなかったような場合には米国市場とは逆の値動きをすることもあります。

もうひとつ日経平均株価の寄り付きを予想する上で重要な材料が、米国CME(シカゴ・マーカンタイル取引所・Chicago Mercantile Exchange)で取引されるCME日経平均先物価格です。

日経平均先物価格は、いわば日経平均株価の先取り価格であり、前日が米国市場の営業日であれば、ほぼ24時間取引されています。

そのため東京市場が開く直前のCME日経先物価格にさや寄せする形で、日経平均株価は同程度の価格で寄りつく傾向があります。

3、長期的なサイクルでみる株価予想は?

では同じ日経平均株価について、長期的なサイクルでみた株価予想について考えてみましょう。

まずアベノミクス第一の矢、「異次元の金融緩和」による上昇相場第1波は2015年6月に20,952円の天井をつけて一度下げに転じました。

そして2016年11月16,111円を底に第2波がスタートし、2018年1月時点ではその途上にあります。

安定した安倍政権の状況を鑑みると任期は3期9年、2021年9月までの続投が想定できます。

このことから、東京オリンピックに向けてアベノミクス相場の上昇波が続くことが想定されます。

現在米国市場の大幅下落に伴い日本市場にもその影響が波及していますが、両市場とも企業業績などについて当面は目立った問題はなく、急激な株価上昇が続いたことによる調整とみています。

この調整を経たのちに、東京オリンピックへ向けたさらなる上昇の加速を予想しています。

この上昇は2019年末〜2020年に天井をつけ、アベノミクスバブル・オリンピック相場は終焉を迎えるのではないかと予想しています。

4、ファンダメンタル投資なら「長期的な」株価の上昇を予想できる?

明日は、どの株が上がるかといった短期的な株価予想は、前述の通り完全にはできません。

ただし財務状況や業績など企業のファンダメンタルからみて、株価が割安に放置されている銘柄であれば、株価が割安に置かれている要因が取り除かれることによって、長期的にはその企業本来の価値を反映した価格まで株価が上昇することが予想できます。

もちろん株価が上昇するまで、その企業の価値が損なわれないことは条件となります。

このような銘柄(バリュー株)を見つけて投資できれば、利益をあげられる可能性は高いと言えます。

5、アナリストの株価予想は?人気のアプリ

(1)アナリストの株価予想は参考までに

株価の予想をするというと、証券アナリストが頭に浮かびませんか。

雑誌や情報番組などにたくさんのアナリストが登場しています。

アナリスト予想というページがあるくらい、たくさんの予想が飛び交っています。

アナリストとは、高度の専門知識と分析技術を応用し、各種情報の分析と投資価値の評価を行い、投資助言や投資管理サービスを提供するプロフェッショナル(参考:日本証券アナリスト協会)のことです。

投資助言(買ったほうがいいよ!)というからには、株価の上昇を「予想する」のも仕事のうちだとは言えますが、必ずしも予想を「当てる」のが仕事だとは言えません。

人とは違う予想を早めに出して注目を集めるアナリスト(新聞や雑誌の記事でも、賛否両方を載せたほうが面白いので取り上げられやすい⁈)や、証券会社に所属するアナリストは、証券会社が儲かるよう大げさに買い推奨をするといったことも無きにしもあらずです。

専門家だからと安心せず、ご自身での情報の確認が必要です。

またアナリストによる推奨や投資助言には、必ず「最終的な投資決定は、お客様自身の判断でお願します」といった文言が記載されています。

結局は「投資は自己責任」となります。

きちんとした根拠のもとで、アナリストの意見と違う側面に着目して銘柄を検証してみると、同じタイミングで買い推奨・売り推奨のどちらもできるということも少なくありません。

ただ、あまりにも予想を外してばかりだと信用がなくなってしまうため、万全を期して株価が上がる確信が得られてから発表するということもあります。

この場合、確かに株価上昇の確実性は高まると言えますが、発表したときにはすでに株価が上昇してしまっていて、投資家が買う頃には株価のピークをすぎているということも起こります。

このようなことから、アナリストの予想を鵜呑みにするのではなく、自分でしっかりと銘柄を見極められるようになることが大切です。

もちろんアナリストは企業の分析に関してはプロですので、レポートなどは大いに参考にしましょう。

(2)株価予想人気アプリ

あすかぶ!(iOS版) App Store

あすかぶ!(Android版) Google Play

株価予想アプリ「あすかぶ!」は、1日1つ指定される銘柄の翌営業日の株価(「あす」の「かぶ」価)が上がるか下がるかを予想するスマートフォン向けアプリです。

指定銘柄のチャート、企業の説明、ニュースを提供することはもちろんのこと、SNS機能としてユーザーのコメントを確認できるタイムライン(みんなの声)が用意されています。

また、ユーザーが株価も予想や正解をすることでゲームを行う感覚で経験値を得ることができ、それに応じてレベルの上昇や実績バッジの獲得が行われます。

投資初心者の方もアプリを通じて投資家としてのレベルを確認し、実際に投資に踏み出すための後押しを行うことが可能です。

(引用:Finatext社とのパートナーシップによる新感覚株アプリ「あすかぶ!」リリースのお知らせ・楽天証券

6、AIの株価予想は?

アナリストや個人の株価予想には、様々なバイアス(偏見)が介入してくるため、客観的な予想は難しくなります。

そこで今何かと話題のAI(人工知能)がここでも活躍します。

AIは、大量の情報を分析した結果からパターンを導き出し、ディープラーニングによって新しい情報を吸収しながら予想精度を改善していくことに加え、人間が予想を行う場合のようなバイアスはなく、客観的に予想を行うことができるという特徴があります。

分析対象には統計などの数値データだけでなく、チャート形状、さらには文章までも含まれ、内容を数値化して分析を行います。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、基準日の1カ月後に日経平均株価が上昇するか下落するかをAIによって予測する試みが行われ、43カ月間(〜2015年10月)の平均的中率は約70%、2015年に関しては90%の的中率をあげ、実力を実証しています。

この結果を踏まえて2017年2月には、三菱UFJ国際投信を運用会社とし、AIの投資助言に基づいた運用を行う投資信託「AI日本株式マザーファンド・愛称:日本AI(絶対収益追求型)」を設定しています。

また大和証券では、大和総研が開発したAIによる株価予測モデルを用いて選定した国内銘柄情報を、2017年5月に提供開始するなど、各社がAIの株価予想を導入する流れが進んでいます。

AIによる日経平均株価予想ツールグローウィン「GROWIN」も登場しています。

月400円から個人でも利用できるツールです。

「GROWIN」は過去30年分の株価指数をサンプルデータとして学習し、当月の株価指数データと照合して類似度を判定することで予想を行うものです。

2017年6月〜2018年1月の間、翌月の日経平均株価予想を8回行い内7回(的中率87.5%)で上昇・下落を的中させています。

きっと、あなたも試してみたくなると思います。

日経平均株価予想ツール「GROWIN」

日経平均株価AI予想

7、株価を予想しているサイト・ブログ

最後に、独自の株価予想を行っているサイト・ブログをご紹介します。

(1)Yahooファイナンス 株価予想

Yahooファイナンス

投資のプロが独自の株価予想を公開しているサイトです。様々なプロの予想がその理由とともに公開されているため、どのように予想するのかを学ぶ上で役立つサイトです。

(2)S氏の相場観

S氏の相場観

有料会員登録すると、「経験則から推測される相場の先行き、相場観、相場解説」 「国内外のファンドから入手した裏情報を元にした中長期向き銘柄情報」「大口投資家の狙う短期値幅取り銘柄情報」「 売買するにあたっての注意事項、心構え等」がメールマガジンで配信されます。

有料会員以外にも、無料のメルマガやブログ形式で相場観などについて、さわり部分については知ることができます。

(3)大仏さんのよぶにらみ

大仏さんのよぶにらみ

大手証券会社、投資顧問会社、新聞記者などを経た運営者が、市場分析を公開しているブログです。

有料のレポート会員には、詳細な株式レポートなどが毎週配信されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

株が上がるか下がるかを完全に予想することは、残念ながらできません。

しかし、米国市場に影響を受ける日経平均株価の寄り付きであったり、企業のファンダメンタルに基づくバリュー株の長期的な株価の見通しなどについては、ある程度の予想が可能です。

また近年ではAIを活用した、株価予想などの動きも広がってきています。

100%の予想はできませんが、相場の大きな流れを掴むことができるようになれば、予想の精度は上がっていきます。

他の投資家の予想方法なども参考に、自分にあった自分なりの相場観、予想方法を見つけましょう。