アプリローンチからおよそ4年半で総ダウンロード数1億越え、もはや多くの国民の生活に根付いたとも言えるスマートフォンアプリ『メルカリ』。
フリーマーケット市場の勢力図を大きく塗り替え、日本のスタートアップ企業の中でも最も成功した事例と言っても間違いないでしょう。
そんなメルカリが2018年6月19日、新規上場(IPO)することが決定しました。
想定時価総額は最大で4,000億円近くになるとも言われており、2016年のLINE上場以来、久々の大型案件で大きな注目を集めています。
今回はそんなメルカリについて、新規上場株を購入する方法や上場後の株価の動向予想について詳しく見ていきましょう。
- 1 1、フリマアプリ「メルカリ」って?
- 2 2、さあ、メルカリ(4385)上場!IPO情報をチェック
- 3 3、メルカリのIPO株を購入する方法は?
- 4 4、おすすめは主幹事証券会社からの申し込み
- 5 5、IPO株の当選確率をアップさせる方法
- 6 6、2018年前半戦!IPO市場の結果は?
- 7 7、メルカリ関連銘柄をチェックしましょう
- 7.1 (1)ユナイテッド <2497>
- 7.2 (2)GMOインターネット <9449>
- 7.3 (3)GMOペパボ <3633>
- 7.4 (4)コメ兵 <2780>
- 7.5 (5)トレジャーファクトリー <3093>
- 7.6 (6)大黒屋 <6993>
- 7.7 (7)伊藤忠商事 <8001>
- 7.8 (8)三井物産 <8031>
- 7.9 (9)日本郵政 <6178>
- 7.10 (10)ヤマトホールディングス <9064>
- 7.11 (11)楽天 <4755>
- 7.12 (12)さくらインターネット <3778>
- 7.13 (13)はてな <3930>
- 7.14 (14)D.Aコンソーシアム <6534>
- 7.15 (15)クルーズ <2138>
- 8 8、メルカリ株の初値予想は?
- 9 まとめ
1、フリマアプリ「メルカリ」って?
ご存知の方も多いかもしれませんが、フリーマーケットアプリ『メルカリ』は、個人同士の商品売買を目的として作られたものです。
新品・中古品関係なくさまざまな商品が出品されており、一年あたりの流通総額は年々増加しています。2017年には3,000億円以上の売買がなされたことがほぼ間違いといわれております。
これまでインターネットを通じた個人間の商品やり取りというと『ヤフーオークション』がメインでしたが、メルカリはあらかじめ値段が決定された「フリーマーケット」形式のアプリです。
コメントを通じて値切りのような交渉も多く見られ、また写真を撮って商品状態を選べば簡単に出品できるという手軽さから、若者層・主婦層を中心に急速にユーザーが拡大しています。
売る側としては「なんでも手軽に自分の好きな価格で商品を出品できる」、買う側としては「自分の欲しいものをなるべく安く、手軽に購入できる」という、売る側・買う側、どちらのニーズも満たせるようなサービスだと言えるでしょう。
メルカリの流行後、ヤフーオークションも追随して「ヤフオクフリマモード」を導入していることから、メルカリが個人間取引市場に与えた影響がいかに大きいかが分かります。
2、さあ、メルカリ(4385)上場!IPO情報をチェック
メルカリの新規上場日は2018年6月19日です。
そこまでの上場プロセスは以下のようになっています。
- 抽選申し込み期間(ブックビルディング期間)
6/4~6/8
- 公募価格決定
6/11
- 購入申し込み期間
6/12~6/15
- 新規上場
6/19
基本的にIPOを上場前に申し込む場合、抽選で当選するかどうかが決定されます。
6/4~6/8の間に申し込みを完了させ、その後6/11にその抽選が当たったかどうかが証券会社から知らされます。
通常IPO株はかなり人気で、なかなか当選しないことが多いのですが、メルカリの場合は当選株数が2千万株を超えており、かなり当選確率が大きくなっています。
6/11に公開価格が3,000円の上限で決定し、想定時価総額は約4,000億円と、かなり大きな部類に入ります。
2018年5月14日に公表された第5期(2016年7月1日~2017年6月30日)の決算公告では、総売上高は212億円、経常利益は44億円、当期純損失が69億円となっています。
当時からもメルカリのユーザー数・取引額は拡大を続けているので、おそらく第6期は売上高300億円越えがほぼ間違いないペースで成長を続けています。
経常利益の伸び率は売上高に対して緩やか、第5期に当期純利益のマイナス(当期純損失)が発生してしまっているのは、株式評価損が発生したのが一時的なマイナス要因として大きく働いているためです。
主幹事を務めるのは大和証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券です。
幹事はその他代表的な証券会社が務めており、SBI証券・マネックス証券・SMBC日興証券・みずほ証券などが名を連ねています。
株主構成は社長の山田進太郎氏が30%弱の割合を占めており、次いでユナイテッド株式会社、代表創業者の富島 寛氏と続きます。
大株主のロックアップ期間は180日間となっているため、大株主からの売出しによる値下がり圧力は上場直後には低いと言えるでしょう。
新規上場後の値動きに関しては、2016年上場のLINEが同じ大型案件として参考となりそうです。
(LINE <3938> 上場直後2016年7月15日~日足チャート)
LINEやメルカリのような大型案件は通常のIPO株と異なり、かなり当選確率が高く「買いたい人が買いやすい」と言えるため、基本的に初値(上場直後の価格)と公募価格(上場前の抽選による購入価格)に差が生じにくいとされています。
LINEは公募価格3,300円に対し初値は4,900円と+50%近い値で寄り付き、その後一日の中で4,400円近くまで売られ、翌日は下方向に窓を開けて4,000円近くで推移、という動きが見られました。
LINEの場合はNYとの同時上場で、日本に上場する前日にNYで初値が高くついたのがこういった価格形成をした大きな理由と言えるでしょう。
メルカリの場合も公募価格・初値がどうなるのかが気になるところですが、最新の売上高212億円に対し時価総額は3,300億円とかなり大きめ、この売上規模であるならば時価総額・株価ともに2,450円では高すぎるくらいです。
ただIPOは需給・市場の雰囲気にかなり影響を受けるので、公募価格以上の価格がつくことは十分あり得ます。
メルカリ、というと名が通ったベンチャー企業ということで個人投資家にも人気が出そうですが、高く価格がついたところで売りを出してくる人も多そうで、LINEの二の舞になる可能性もあります。
安易に上場直後に買いを入れるのは避けたいところです。
3、メルカリのIPO株を購入する方法は?
新規上場前にメルカリを購入するには、「2.さあ、メルカリ(4385)上場!IPO情報をチェック」で記載した、6月4日~6月8日の抽選申し込み期間にて各証券会社から申し込みを行う必要があります。
その場合、各証券会社で割当株数(抽選で当選した場合に購入できる株数)が大きく異なるので、割当株数が大きな主幹事会社である大和証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券からの申し込みを行っておくと良いでしょう。
また、余裕があれば幹事会社であるSMBC日興証券、みずほ証券、野村證券、マネックス証券、SBI証券といった証券会社からも抽選申し込みを行うと良いです。
抽選応募の際には仮条件(2,700円 ~ 3,000円)を入力しての申し込み、またそれに応じた現金を証券口座に入金しておくことが必要となります。
4、おすすめは主幹事証券会社からの申し込み
やはりおすすめは、割当株数が多い主幹事証券会社で申し込みを行うことです。
同じことを考える投資家がいるため抽選応募者の母数も大きくなりはしますが、それでも主幹事から申し込みを行っておくことがベストな選択肢でしょう。
主幹事証券会社のなかでも大和証券の方が三菱UFJモルガン・スタンレー証券より割当株数が多くなっているため、メルカリ当選を狙うなら大和証券を利用しての申し込みはマストとなってきそうです。
5、IPO株の当選確率をアップさせる方法
IPO株に関しては、ほとんどの証券会社で「完全抽選」という方法をとっているため、「複数証券会社で申し込みを行うほど当選確率が上がる」と言えます。
SBI証券のようにIPOチャレンジポイント制度を設けている証券会社は稀で、基本的に一般の個人投資家の場合は前に挙げたような方法をとることが当選確率を上げるうえで重要になります。
そのためには仮条件の上限で申し込みを行い、それに応じた申し込み資金を口座に用意しておく必要がありますので、前もって資金準備を行っておくことが大事と言えます。
6、2018年前半戦!IPO市場の結果は?
IPOは公募価格に対し初値が高くつきやすいことで知られているため、「当選後の初値売り」というのは投資パフォーマンスがかなり良いとされています。
2018年のIPO市場の公募価格と初値の関係を見てみると、
HEROZの騰落率+998.89%だけが悪目立ちしますが、5月31日上場のラクスル、+9.67%でも十分すぎる値です。
このデータを見てもわかるように、マザーズであればほぼ必ず初値は高くつくので、IPOは上場後も人気化しやすいということになります。
7、メルカリ関連銘柄をチェックしましょう
今回のメルカリのように時価総額(吸収額)が大きなIPOの際には、メルカリが上場することによって恩恵を受ける関連銘柄の株価も同意しやすいです。
例えばメルカリに買いが集まって寄らない間、他の関連銘柄に買いが仕掛けられる、といったパターンもこれまでのIPOで多く見受けられてきた事例です。
逆にメルカリの競合とされるような企業は売られる動きが強くなる、といったことも予想されます。
この項目ではメルカリの関連銘柄とされる会社をご紹介します。
(1)ユナイテッド <2497>
メルカリの大株主2位に記載されており、メルカリが上場することで直接的に利益の恩恵を受ける企業です。
(2)GMOインターネット <9449>
伊藤忠テクノロジーベンチャーズと共同でメルカリに出資しています。
(3)GMOペパボ <3633>
中古車フリマアプリ『クルモ』を展開中です。
同じくフリマアプリでこちらにも注目が集まることが期待されます。
(4)コメ兵 <2780>
実店舗型、ブランド品に特化した中古ブランドショップを展開し、新たにフリマアプリ【kante】をリリースしており、メルカリ上場にあわせて相乗効果の期待があります。
(5)トレジャーファクトリー <3093>
全国にリサイクルショップを展開しています。
メルカリの上場により中古市場の活性化が図られ期待される銘柄になります。
(6)大黒屋 <6993>
コメ兵に次ぎ中古ブランド市場で2位になります。
フリマアプリの浸透で中古品市場の拡大に期待が寄せられています。
(7)伊藤忠商事 <8001>
GMOインターネットと共同でメルカリに出資しているため、メルカリ関連株の一角で期待されますが、時価総額が大きいため、激しい株価の動きはあまり期待できないと思われます。
(8)三井物産 <8031>
2016年3月にメルカリに出資を発表しています。
現時点で三井物産の出資が一番多いと思われます。
(9)日本郵政 <6178>
運送大手、メルカリと「ゆうゆうメルカリ便」で提携中です。
(10)ヤマトホールディングス <9064>
運送大手、メルカリと「らくらくメルカリ便」で提携し全国一律の割引料金のサービスを導入しています。
(11)楽天 <4755>
フリマアプリ『ラクマ』運営、フリマ関連として期待されます。
(12)さくらインターネット <3778>
データセンター運営、2016年にブロックチェーン関連として人気化しました。
メルカリのインフラを支えています。
(13)はてな <3930>
『はてなブログ』を運営しています。メルカリサイトに『はてな』のオウンドメディアが使用されています。
(14)D.Aコンソーシアム <6534>
博報堂傘下の広告会社です。
ユナイテッドの大株主のため、物色される期待がもたれます。
(15)クルーズ <2138>
ECサイト「SHOPLIST」を展開しており、ゲーム事業から通販サイトに大幅に事業転換中です。
フリマアプリ関連として物色の期待がもたれます。
8、メルカリ株の初値予想は?
メルカリの初値予想に関しては、仮条件・公募価格を元にした需給バランスで決定すると言えるでしょう。
株価に関しては2,450円でも高い、と書きましたが3,200円~4,000円あたりが初値としてはあり得そうなところかもしれません。
上場後の動きに関してはどうしてもLINEの影がちらついてしまい、そこまで良いイメージが持てないのですが、公募価格に対してどれだけの騰落率で初値寄りつくかが大事となってきそうです。
あくまでも感覚ですが、4,000円をオーバーするようであればセカンダリーでは触りたくない銘柄かもしれません。
まとめ
ここまで6月19日新規上場のメルカリについて見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
IPOはひとつのお祭りのようなもので、6月中はメルカリに資金が集中するような動きが市場全体を通して見られることが予想されます。
換金売りとしての新興市場(マザーズ)下落、直近IPO下落のような動きも頭に置いておきたいところです。
メルカリ上場に関しては、株式市場全体を盛り上げてくれるニュースになることは間違いないでしょう。
この資金調達をきっかけに、更にサービスを発展させていってほしいものです。