【体験談】株で損するのはなぜ?損切りラインを決めてしっかり守れ!

  • 2020年11月3日
  • 2021年10月15日

知人や友人、もしくはテレビなどから投資で損をしたエピソードを聞いて「株式投資は損する怖いもの」というイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか?確かに、株式投資には損はつきものです。

どのような優れた投資家でも、株式投資で一度も損をしたことがない人はほとんどいないでしょう。

 

しかし、損するリスクと上手に向き合えば、損を最小限に抑え利益をあげられる可能性を高められます。そのためには、株式投資で損するパターンを理解して対策することが大切です。

本記事では、株式投資で損したエピソードを深掘りして、損を小さくする方法を紹介します。また、損を小さくするのに有効でありながら、多くの人がそのやり方に戸惑う「損切り」についても解説します。

【体験談】株で損したエピソード

株で損するパターンにはさまざまなものがあり、それぞれの投資家によって異なるでしょう。ただ、その中でも多くの投資家が損をするパターンがあります。

まずは、筆者が株で損したエピソードをもとに、投資家がよくする損失パターンを3つ紹介します。そして、損をする理由について解説しましょう。

  • 信用取引で資産以上の損失
  • 投資先企業の急な経営難
  • 損切りしないで大損

体験談1:信用取引で資産以上の損失

筆者には、信用取引で資産以上の損失を出してしまった失敗談があります。信用取引とは、証券会社から現金や株券を借りて株式を売買する取引のことを言います。

シンプルに言えば、借金をして株式投資をすることです。早く、多くの投資成果を得たかった筆者は、投資資金を増やすために信用取引を始めました。

 

もともと手持ちの資金が少なかったので、30万円の自己資金と60万円のお金を借りて、約90万円で株式売買をしていました。しかし、株式売買はうまくいかず、あっという間に損を出して90万円が半分の約45万になって手を引くことにしました。

大きな損失を出した筆者には60万円の借金が残りました。そのため、残っていた45万円と自分で15万円を支払い、60万円を返済しました。

 

つまり、投資資金以上の損失をしたのです。

ここでの損失の原因は一つで、余裕資金が少ないのに借金をしたことです。株式投資では、借金をしない限り、投資資金以上の損失はしません。

余裕資金がなく経験もない投資家は、信用取引を避けなければなりません。

体験談2:投資先企業の急な経営難

筆者は、業界が安定している大手企業の株を継続的に買い続けていたことがあります。投資していたのは、その企業の株式だけでした。

そこへ、予期せぬことが起こったのです。その企業が急に経営難に陥り、実質的に破綻してしまったのです。

 

筆者が持っていた株式は、その企業の経営難のニュースを初めて見てから2週間ほどでなんとゼロ円近くまで下がりました。継続的に投資していただけあって、その損失額は計り知れないほどでした。

結局その株式は売れず、筆者には損失しか残りませんでした。

 

大きな損をしてしまった原因は、リスク分散ができていなかったことです。ある限られた株式だけに投資していると、自分の持っている資産はその株式だけに依存してしまいます。

個人の力で企業の倒産は防げませんし、大手企業の経営難を予測するのも簡単ではありません。今回のようなケースで、損をしてしまうことは不可避です。

複数の株式を購入するなどして損を小さくすることならできたはずです。

体験談3:損切りしないで大損

損切りとは、損を出しているときに損を拡大させないために、株式を売ることです。筆者は損切りできずに、損を拡大させた経験があります。

筆者が株式投資を始めてしばらくたったころ、それまで順調だった世界経済が停滞し、筆者の株式はマイナス10パーセントくらいのダメージを受けていました。しかし、筆者は損を確定させることが怖く、「株価が回復するだろう」と株式を売ろうとはしませんでした。

 

そうしているうちに損失は拡大し、結果的にマイナス25パーセントになったところで、保有している株式を売却しました。マイナス10パーセントのところで売っていれば、多くの損失を出さずに済んだかもしれません。

損失を広げてしまった理由は、損切りのルールを決めていなかったことでしょう。損切りルールについては後述しますが、「損を拡大させないための自分なりのルール」のことです。

損切りルールを守ることは簡単ではありませんが、損を拡大させないためには必要なことです。

株の損益の仕組み

続いては、株で損益がでる仕組みについて確認していきましょう。株で生まれる損益には、次のような種類があります。

  • 売却損益
  • 配当金
  • 株主優待
  • 手数料・税金

売却損益

売却損益とは、株式を売買して得られる利益と損失のことです。利益のことをキャピタルゲイン、損失のことをキャピタルロスと呼びます。

株は日々値動きしています。その理由は、需要と供給で説明できます。

 

たとえば、新製品を開発して売上を伸ばしている会社は人気が出て、投資家が株を買おうとします。すると、需要が増えて、その企業の株式は値上がりするのです。

一方で、業績不振の会社の株式は買おうする投資家が少ないため、株式を発行しても供給が増えるだけで値段は下がり続けます。

その値動きから生じた損失と利益が売却損益なのです。安く買って高く売れれば、利益を出せて、逆に高く買って安く手放すと損になりますね。

配当金

株式を購入した投資家は、投資先企業が利益をあげるとその利益を受け取る権利があります。企業から分けてもらった利益のことを配当金、もしくは分配金と呼びます。

また、配当金のことをインカムゲインと表現することもあります。配当金を投資家に支払う時期や回数は、企業によって異なりますが、決算時期に合わせて年に1回から2回であることが一般的です。

 

受け取れる金額は、企業の業績などに左右されるためわかりません。受け取れない場合もあります。

継続的に多くの配当金を出している企業や、毎年配当金が値上がりしているところもあるので、配当金の推移は確認しておきましょう。

株主優待

株主優待とは、株式を購入してくれた投資家に企業独自のサービスを行ったり、商品を提供することです。そもそも、株式は企業が資金を集めるために発行するものです。

そのため、投資家が株式を購入してくれることで企業に資金が集まり、さまざまな事業が行えるようになります。

 

株主優待は、投資家の活動促進や投資家への利益還元のために実施されています。株主優待で受け取れるのはサービス券や日用品の割引券などで、厳密には利益と言えないかもしれません。

ただ、生活の助けになることは間違いないでしょう。

手数料・税金

株式投資には、必ず手数料と税金がかかります。手数料は使っている証券会社や購入する銘柄、取引方法によって異なります。

株式投資の場合は、売買のたびに手数料がかかります。手数料は、コストにしかなりません。そのため、できるだけ手数料がかからないように証券会社や投資対象、取引方法を選びましょう。

 

また、株式投資で得られた利益には、約20パーセントの税金がかかります。その税率は、売却益も配当金も同じです。

たとえば、1万円の利益を得られたとしたら、2,000円を税金として支払う必要があることになりますね。NISAを活用すれば一定金額までの利益が非課税になるので、活用してみてください。

株式投資で損を小さくする方法

誰しも、投資で損はしたくないもの。しかし、株で損を出すことはほぼ防げません。

ただし、損を少なくする努力は、できるでしょう。株で損を小さくする次の6つの方法を紹介します。

  1. 短期の利益にこだわらない
  2. リスク分散する
  3. 信用取引は避ける
  4. 余裕資金で投資する
  5. 人気株に流されない
  6. 損切りライン・ルールを決める

方法1:短期の利益にこだわらない

株式投資をする上で、短期の利益にこだわることは避けた方が良いです。なぜなら、短期の利益を求めると売買回数が増えるからです。

売買回数が増えると、手数料も増えます。手数料が増えると、支出が多くなって利益が出にくくなります。

 

短期売買では利益を得る一部の人の裏には、損失を出した多くの人がいます。短期売買では、資金力と経験がある人が勝ちやすいのです。

たとえば、株式の代表的な短期投資であるデイトレードでは、ほんの一握りの人が利益を出し、その他大勢の人が損をして辞めていっていることはよく知られていることです。

方法2:リスク分散する

株式投資で損を小さくするには、リスク分散をしましょう。リスク分散とは、複数の銘柄を購入することです。

そのことを「分散投資」と呼びます。

 

たとえば、AとBという企業の株式を、それぞれ1万円ずつ購入したとしましょう。1ヶ月後、Aはマイナス20パーセントの2,000円の損を出したとします。

一方、Bではプラス5パーセントで500円の利益を得られとします。全体の損益はマイナス15パーセントですが、Bを購入していなければ、損はもっと大きかったはずです。

このように、分散投資は損失のリスクを下げてくれるので、複数銘柄を購入するのがおすすめですよ。

方法3:信用取引は避ける

信用取引は、先ほどお伝えしたように借金を利用した株式売買です。借金をすれば投資資金が増えるため、自分の資金だけでは得られない大きな利益が生まれる可能性があります。

しかし、投資経験が浅いうちは信用取引することは避けましょう。損をしたときのダメージも大きくなるからです。

 

損をすると、手元資金が減るだけでなく借金も返さなければならなくなります。つまり、赤字になりやすいのです。

株では、信用取引をしなければ赤字にはなりません。また、信用取引自体も難しく経験が必要です。

そのため、投資経験が浅いうちは、信用取引をしないことをおすすめします。

方法4:余裕資金で投資する

株は、余剰資金でしましょう。生活資金や限られた資産の中で始めてはなりません。

損をしたときに焦りが生まれて冷静さをなくし、損失を出しやすくなるからです。

 

たとえば、100万円の現金のうち70万円で投資を始めたとします。しかし、そこからマイナス10パーセントの7万円の損失をしたなら、どういう心境になるでしょうか?

怖くなってすぐ売ってしまうか、取り返そうと無理な投資をしてしまうかもしれません。

いずれにせよ、冷静な投資判断ができず利益はあげられないはずです。株は、余裕資金でゆっくり始めても問題ありません。

方法5:人気株に流されない

人気株に安易に飛びつくことは危険です。なぜなら、高値掴みになって損しやすいからです。

話題になっている株は多くの人が買おうとするでしょう。すると、株価は本来の価値以上に上がります。

 

その情報を聞いて購入しようとするときには、すでに大きく値上がりしていることがほとんどです。そのような株式は、人気がなくなればすぐ値下がる傾向にあります。

結局、高く買って安く売ることになり、損をします。購入する株式は、自分で探して情報を集め、失敗と成功を経験しながら選んでいくしかありません。

方法6:損切りライン・ルールを決める

損を拡大させないためには、損切りルールを決めましょう。人が投資で失敗するのは、感情に流されたときです。

もっと値上がりしてから売ろうとして結局値下がりしてしまったり、いつか値下がりが止まるだろうと思っていたのに損が増えたりすることは、誰しもが経験することです。

 

人は感情に流されると、論理ではなく願望で自分の都合の良い結果を予測するようになります。そのような投資がうまくいくとは考えづらいですよね。

ただ、値動きを論理的に予測することは難しいため、できるだけ感情に流されないようにルールを決めて損失を避けます。その方法が損切りなのです。

損切りの仕方については、次で詳しく解説します。

初心者でもカンタン!株の損切り方法

ここまでで、損切りの重要性はご理解いただけたことでしょう。では、具体的な損切りの仕方を紹介します。

初心者の方でも取り組みやすい次の4つの方法を解説していきましょう。

  • パーセンテージで決める
  • 損失額で決める
  • 逆指値注文をする
  • 期間を決める

方法1:パーセンテージで決める

パーセンテージでの損切りの仕方は、投資資金に対してあらかじめ決めておいた割合の損失が出たら売却するというものです。パーセンテージで損切りを決める投資家は多くいます。

たとえば、投資額に対して10%のマイナスで損切りします。割合は自分で決めてかまいませんが、5パーセントから10パーセントほどに設定しておくことが主流です。

 

自分の耐えられる損失を確認しながら決めましょう。そして、決めておいた割合以上になったら確実に損切りすることが重要です。

方法2:損失額で決める

パーセンテージに似ていますが、具体的にいくらの損失を出したら損切りすると決めておく方法です。たとえば、「20万円の損をしたら売る」という決め方です。

損失額で決めるなら、パーセンテージ以上に自分がいくらの損失までなら耐えられるのかをはっきりさせておいてください。あらかじめ覚悟を決めておくと、いざというときに焦ることがないはずです。

方法3:逆指値注文をする

逆指値注文とは、あらかじめ売却する値段を決めて、株式の購入と同時に注文をしておく方法です。あらかじめ注文しておくため、損切りすることになったときに感情とは無関係に自動で売却できます。

逆指値注文には、確実に損切りできるというメリットがあります。また、利益確定でも使える方法なので、試してみると良いでしょう。

方法4:期間を決める

損切りには、パーセンテージや金額ではなく期間で損切りする方法があります。あらかじめ購入した株式の保有期間を決めておき、その期間が過ぎれば売却するというものです。

期間によって損切りするため、株式の値動きに一喜一憂することも少なくなるはずです

 

注意点は、その期間中に暴落などが起こって、資産が減った場合の対処法です。期間を決める損切り方法は、他の損切り方法と組み合わせると良いでしょう。

注意:損切りラインを下げてはダメ

一度決めた損切りラインは決して下げてはなりません。なぜなら、ルールを決めた意味と効果がなくなるからです。

損切りのルールは、感情とは無関係に損失を拡大させないために決めるものです。

 

損を確定させたくない心理から、損切りラインを下げる投資家は多くいます。しかし、そういうときこそ損を拡大させないために損切りしてください。投資では、ルールを守ることが自分の資産を守ることなのです。

まとめ

株式投資では、信用取引や急な投資先企業の業績悪化など、損失を出すリスクと常に隣り合わせです。そのリスクをできるだけ下げるには、短期的な利益にこだわらずリスク分散して、自分の信じた銘柄を購入し、損切りルールを徹底する必要があります。

それでも、損をすることはあるでしょう。

 

しかし、損を小さくする努力をしなければ、その損失はもっと大きくなるはずです。本記事でお伝えした参考に、株式の損失リスクとうまく向き合ってください。