不動産投資が「やめとけ」と言われる5つの理由。知っておきたい5つのポイント

  • 2020年8月5日
  • 2021年10月15日
  • 不動産

「不動産投資はやめとけ」と言われることがあります。成功すれば大きな利益を得られますが、失敗したときのダメージも大きいからです。

不動産という高額なものに投資するため、リスクが高く感じられるのです。

 

しかし、ただ「やめとけ」と言うのは無責任です。実際、不動産投資家は日本に大勢いますし、リスクを乗り越えて投資を成功させています。

そこで、この記事では「やめとけ」と言われる理由と、失敗しないようにするためのポイントを解説します。これから不動産投資を始める方は、特に失敗しない方法を学ぶきっかけにしてください。

 

また、この記事を読んだ上で「不動産投資はやめておいた方が良いな」と感じる方もいるでしょう。最後に他の投資方法もまとめたので、自分に合った投資方法を見つけるヒントに役立ててください。

「不動産投資はやめとけ」と言われる理由

まず、「不動産投資はやめとけ」と言われる理由について解説します。

やめとけと言われるのは、さまざまなリスクがあり、必ず成功するとは決まっていないからです。これから解説する5つのリスクを通して、やめとけと言われる理由を学んでいきましょう。

  1. 空室ができて儲からないリスクがある
  2. 入居者とのトラブルのリスクがある
  3. ローンを組むので借金リスクがある
  4. 営業マンにだまされ不良物件を買うリスクがある
  5. 思わぬ災害で損するリスクがある

理由1:空室ができて儲からないリスクがある

不動産投資は賃貸マンションなどを所有して入居者に部屋を貸し出し、対価として家賃をもらう投資方法です。そのため、空室ができると収益が低くなってしまいます。

入居者がゼロ人ですべてが空室という最悪の場合、家賃はまったく入って来ないので、高いお金を出して誰も住まない不動産を買っただけという大失敗になってしまいます。

 

ほぼ満室の状態を保つには、物件選びが重要です。需要のあるエリアに不動産を構えるべく、不動産投資について勉強したり、実際に自分で不動産を見て回ったりするなどの努力が必要なのです。

理由2:入居者が家賃を滞納するリスクがある

不動産投資の利益は、入居者からもらう家賃がメインです。ですが、入居者が家賃を払えず滞納し続けるといったトラブルが起こる可能性があります。

滞納されると利益がゼロになってしまうので、不動産投資が失敗する原因となります。

 

家賃の回収は、不動産のオーナーがやる場合と管理会社に委託する場合とがあります。手数料はかかりますが、管理会社に委託すれば、家賃を滞納する入居者への対応もしてくれます。

したがって、家賃滞納リスクを下げるには、仕事をきちんとやってくれる管理会社を見つけることが重要です。その他、騒音トラブルなどの対応も管理会社に任せることができます。

理由3:ローンを組むので借金リスクがある

不動産の購入費用は数千万円から数億円になるので、ローンを組んで始めることが一般的です。しかし、ローンは平たく言えば借金です。

自分が住むための家を買う住宅ローンならまだしも、投資用の物件を買うための不動産投資ローンを組むのは、抵抗がある方も多いでしょう。

 

不動産投資が上手く行っている場合、ローンは家賃収入から返済していきます。しかし、不動産投資に失敗して家賃が入って来ない最悪の場合、数千万円から数億円という大金を自分の本業の給料や貯金から返済しなければならないのです。

サラリーマンの生涯賃金の平均が1億円から2億円と言われている中、不動産投資ローンを組むことが無謀に感じられる方もいるでしょう。こうならないためには、不動産投資を成功させるための努力が必要です。

 

ローンに頼りすぎないよう自己資金を貯めておいたり、不動産投資や税金に関する勉強をしたりすることが必要でしょう。どうしてもローンを組みたくないなら、後述する他の投資方法を試すことも一案です。

理由4:営業マンにだまされ不良物件を買うリスクがある

口の上手い営業マンにだまされて、収益率が低い物件を買ってしまった投資家も大勢います。収益率が低い物件とは、購入費用が安かったから買ってみたものの、リフォーム費用が追加でかかってしまったり、需要が下がっていくエリアで家賃を下げなければ入居希望者が来なかったりする物件です。

特に不動産投資を始めたばかりの初心者は、カモにされているケースが多いです。

 

「だまされないように気をつける」というのは非常に難しいことですが、不動産投資の勉強をすれば相場の利回りがわかるので、不良物件に引っかかる確率を下げられるでしょう。身近に不動産投資の経験者がいるなら、セカンドオピニオンを求めることもおすすめです。

理由5:思わぬ災害で損するリスクがある

不動産は地震や火災、水災などでダメージを受けると、価値が下がってしまいます。再び人が住める状態に修繕する費用もかかりますし、そもそも全壊して建て直さなければならない状態になるかもしれません。

このような状態になると、普通に投資を続けることは困難です。しかも、災害は避けようがないので、損害保険に加入しておき損害が補償されるようにしておきましょう。

不動産投資のメリット

5つのリスクを紹介しましたが、それでも不動産投資をやっている投資家は大勢います。彼らは不動産投資にどのような魅力を感じているのでしょうか?

リスクを取ってでも得たい不動産投資のメリットについて、次の3つを紹介していきましょう。

  1. 安定した不労所得が得られる
  2. 管理会社に管理を任せられる
  3. 節税効果がある

メリット1:安定した不労所得が得られる

不動産投資には、安定した不労所得が得られるメリットがあります。家賃収入がメインなので、景気に左右されにくいメリットがあるのです。

例えば、株式投資の場合は景気が悪くなると企業の業績が悪化し、投資家に配られる配当金が減額されたり、株価が下がったりします。

 

しかし、不動産投資の場合、賃貸マンションの需要は不景気でもほとんど変わりません。したがって、景気の良し悪しに関わらず、家賃収入を得られるのです。

不動産投資は安定した収入が得られる特徴があります。しかも部屋を貸すだけなので、基本的に労働してお金を稼ぐよりも手間がかからず、安定した不労所得を得られるとして人気があるのです。

メリット2:管理会社に管理を任せられる

不動産投資をするには、新規入居者の募集や家賃を滞納している人の対応など、さまざまな業務をしなければなりません。このような業務は管理会社に委託できるので、実際は投資家の手間を減らすことができます。

サラリーマンと不動産投資家を兼業している人がいるのは、管理会社の存在が大きいです。管理会社に任せるには手数料がかかりますが、入居者の対応についてノウハウを持っています。

また、空室対策やマーケティングについて現場の立場で投資家に助言するのも彼らの仕事の一つです。不動産投資を成功させるためのパートナーになる存在なので、活用することで投資家は手間を省きながら投資を成功させやすくなるのです。

メリット3:節税効果がある

不動産投資で赤字が出たとき、節税効果が大きくなります。特に、給与所得があるサラリーマンの方にとって、メリットが大きい節税効果です。

不動産事業所得がマイナスの場合でも、サラリーマンであれば本業の給与所得はプラスでしょう。この場合、不動産事業所得と給与所得を相殺して(損益通算)、その金額に課税されるので、所得税や住民税を少なくすることができます。

不動産事業所得のマイナスの方が大きければ、課税率ゼロパーセントにまで持っていくことすら可能です。

 

本来、赤字は望ましくないので、不動産事業所得も黒字を目指すのが基本戦略です。しかし、もし赤字になったとしても、節税できると考えれば気が楽になりませんか?

損益通算によって支払う税金を減らせるので、不動産投資はサラリーマンのような兼業投資家にも人気が高いです。

不動産投資で失敗しないポイント

リスクに対応できれば、大きなメリットを享受できるのが不動産投資です。ここからは、不動産投資で失敗しないように何をすれば良いのか、5つのポイントを解説していきましょう。

  1. 不動産投資を勉強する
  2. 自分で物件を見てから購入する
  3. ローンに頼りすぎないで購入する
  4. 修繕計画に沿って資金を貯めておく
  5. 生命保険・損害保険に入っておく

ポイント1:不動産投資を勉強する

不動産投資に対する知識は絶対に必要です。本やネットのコラム・ブログで勉強してみて、どんな特徴がある投資で、失敗した先人は何をすれば良かったのか研究しましょう。

上述したように、知識がない人はカモにされてしまいます。大切な時間や労力を使って投資をするのですから、大きな失敗をしないように最低限の基礎知識は身につけておきましょう。

知識が身につくとだまされにくくなるだけでなく、不動産投資のアドバイザーや身近な先輩投資家とも話が合うようになるので、レベルの高い情報を仕入れられるメリットもあります。

ポイント2:自分で物件を見てから購入する

不動産は自分の目で見てから、購入するかどうか考えましょう。実際に確認しなかったことが原因で、失敗につながった事例はごまんとあります。

例えば、中古の物件が安く競売にかけられていたので買ってみたものの、事前の資料に書かれていたより状態が悪い物件だったということはよくあります。物件自体は安く買えたものの、リフォームに莫大な費用がかかり、結局高くついてしまいます。

このような失敗を避けるには、自分で物件を見てから買うか考えるべきだったのです。だまされるリスクも下げられるので、自分の目で確認してから買いましょう。

ポイント3:ローンに頼りすぎないで購入する

自己資金が少なくてもローンを組めば始められることが不動産投資の魅力の一つですが、大きすぎる金額のローンを組まないよう注意しましょう。1割から3割は自己資金でまかなうことが一般的です。

実際、普通のサラリーマンに20億円のローンを組ませた悪質な手口もあります。生涯賃金は1億円から2億円なので、20億円も借りて投資に失敗してしまったら、破産するしかありません。

不動産投資に慣れてくれば、ローンの金額を大きくしても良いケースはあるでしょう。しかし、初心者の方は1割から3割を自己資金でまかなえる金額の不動産から始めることをおすすめします。

ポイント4:修繕計画に沿って資金を貯めておく

不動産は定期的に修繕が必要なので、修繕計画に沿って資金を貯めておきましょう。新築の場合、不動産を購入するときに修繕計画も決めることが一般的なので、家賃収入の一部を積み立てて資金を貯めておきましょう。

修繕とは、具体的には配管のメンテナンスや外装の塗り替えなどがあります。不動産は現物で時と共に劣化していくので、修繕のための費用を貯めておく必要があるのです。

ポイント5:生命保険・損害保険に入っておく

不動産投資を始めるとき、生命保険や損害保険にも入っておきましょう。ローンを組むときに、必ず加入するよう金融機関から求められるはずです。

損害保険に入っていれば、上述したリスクの一つである災害が起きても、損害額は補償されます。生命保険は、万が一にも投資家が死亡してローンを返せなくなった場合、保険から返済される仕組みです。

損害保険も生命保険も加入するには保険料を支払う必要がありますが、どんなリスクが起こるかわからないので、加入しておくべきでしょう。

不動産投資以外のおすすめ投資方法5選

不動産投資には安定した収益が期待できるといったメリットがある反面、ローンや災害のリスクもあるので「やっぱり、不動産投資はやめておこう」と思った方もいるかもしれません。そこで、不動産投資の他にどんな投資方法があるのか、5つ紹介していきたいと思います。

いずれも、不動産投資とは異なるメリットとデメリットがある投資方法です。どんな点が不動産投資と異なるのかに焦点を当てて解説していきましょう。

  1. 投資信託
  2. REIT(不動産投資信託)
  3. 株式
  4. ロボアドバイザー
  5. 投資会社

方法1:投資信託

投資信託は、大勢の投資家のお金を運用会社が預かり、代わりに株式や債券、不動産などで運用する商品です。

プロに運用を任せられる商品なので手間がかからない特徴があります。この点は、管理会社に事務を任せられる不動産投資と似ています。

 

不動産投資と異なるメリットは、少額から始められる点です。基本的には1,000円ほどから始めることができ、一部のインターネット証券会社では100円から始めることができます。

投資商品全般を見ても、100円から投資できるものは珍しいです。不動産投資では億円単位のお金がかかるのでローンを組む必要がありますが、投資信託なら少額の手持ち資金で始められるメリットがあります。

 

目安の利回りは1パーセントから3パーセントほどなので、5パーセントほどを狙える不動産投資よりも低めの投資方法なのですが、少額から始められるのは大きなメリットです。「投資を始めてみたいけど、不動産投資のように大金を必要とする投資から始めるのは怖いな」と感じる方には、投資信託がおすすめです。

方法2:REIT(不動産投資信託)

REITは不動産投資信託で、投資信託の仲間です。仕組みは投資信託と同じですが、投資先は不動産のみの商品です。

不動産投資と異なるメリットは、少額で不動産に投資できることです。REITは投資会社が不動産で運用する商品なので、投資家が数億円レベルの不動産を所有する必要はなく、小口の資金で投資できます。

具体的な金額は銘柄によりますが、10万円から100万円ほどで一口購入できます。

不動産投資における節税効果や生命保険の代わりになるといったメリットはREITにはありませんが、小口資金で不動産投資ができる点はREITならでは。少額で不動産投資を始めたいならREITがおすすめです。

方法3:株式

株式は、株式会社が発行する証券で、株式を買って企業に出資する代わりに利益の一部を配当としてもらう(インカムゲイン)ことができます。また、株価の変動を利用して株式を安く買って高く売る(キャピタルゲイン)ことでも儲けを出すことができます。

株式は不動産投資よりも少額で始められ、数万円から100万円ほどの資金があれば投資することができる商品です。さらに、一部の企業は株主優待の制度を導入しており、株式を持っているだけで企業の自社製品や自社サービスの割引券をもらうことができるのです。

投資額が大きいベテラン投資家になると、優待だけで食費がまかなえるほどになることもあり、「年間の食費はほぼゼロ」という強者もいます。株主優待のメリットは株式特有なので、不動産投資にはありません。

 

ただし、値動きが激しく収益が景気に左右されやすい点は、株式投資のデメリットだと言えます。株価や配当金の金額、優待の内容は企業の業績に連動するので、不景気になると株式を持っているメリットが薄くなってしまうかもしれません。

不動産は景気に左右されにくく安定した収益が得られるので、この点では対極の投資対象です。

 

とはいえ、株式投資なら配当金を不労所得として得られ、かつ株主優待で節約もできるので、利益の追求と節約を同時にできる珍しい投資方法です。保有することにメリットを感じられる株式を見つけたら、始めてみても良いでしょう。

方法4:ロボアドバイザー

ロボアドバイザーは、お金を預けておくとインターネット上で資産運用を代行してくれるサービスです。アンケートに基づいて投資家のリスク許容度を診断し、個々に合った投資商品の売買や最適化を行ってくれます。

ロボアドバイザーのメリットは、何と言っても手軽さです。銘柄選びや実際の売買まですべてを任せられるので、投資家の手間がかかりません。

 

不動産投資では失敗しないよう勉強したり、自分の目で物件を見たりすべきとお伝えしましたが、ロボアドバイザーなら運用を任せられるので、このような労力がかからないのです。

ただし、ロボアドバイザーは手数料が高く、利回りが下がってしまうデメリットがあります。1パーセントから3パーセントほどが一般的な利回りで、自分の工夫次第で利回りを上げられる不動産投資と比べると、利回りが低く感じられるでしょう。

 

しかし、投資に手間をかけたくない人にはロボアドバイザーはおすすめです。会社員など本業が忙しくて投資の勉強や銘柄選びに時間をかけられない人は、自動で運用してくれるロボアドバイザーを活用すると良いでしょう。

方法5:投資会社

ヘッジファンドやアクティビストファンドなどを運用する投資会社に資金を預けるという投資方法もあります。プロに投資を任せられる点は投資信託と同じですが、投資会社は専門的な商品を使って高い利回りを追求するのでヘッジファンドやアクティビストファンドなどは利回り20パーセントを実現することもある高利回りの投資方法です。

不動産投資と異なるメリットは、投資会社に運用を任せられるので投資家の手間がかからないことです。この点も投資信託と同様で、プロに任せられるので投資初心者でもプロ並みの運用成績が期待できます。

 

一方、投資会社の情報は一般的に広く出回っているものではなく、情報収集がしにくいというデメリットがあります。投資会社は私募の形式で投資家を募集しており、少数の投資家からの資金を運用するので、広く一般の投資家に知ってもらうメリットがないのです。

そのため、ネット上の口コミが少なく、評判の良い投資会社を探しにくい点がデメリットと言えるでしょう。

 

投資会社への最低申込額は、1,000万円であることが多いです。

投資信託や株式投資などと比べるとハードルが高いのでデメリットとして挙げられますが、不動産投資と比べると同程度かより安い金額で始められる投資方法と言えます。不動産投資を始められる資金がある人は、投資会社への投資も比較してどちらが良いか考えていただければと思います。

まとめ

「不動産投資はやめとけ」と言われる理由や、どうすれば失敗を防げるかについて解説してきました。メリットの大きい投資方法なので、失敗を防ぐポイントをしっかりと押さえてから始めるようにしてください。

反対に、不動産投資はやめておこうと思うなら、他の投資方法を考えても良いでしょう。今回ご紹介した方法の中から、ご自身に合ったものを選んでみると良いでしょう。

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