REIT(リート:不動産投資信託)とは何?わかりやすくFPが解説

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「REITの利回りが良いと聞いたけど、普通の投資信託と何がどう違うの?」「REITに興味があるけど、何をどう購入すれば良いかわからない。」

REIT(不動産投資信託)とは、名前のとおり不動産を投資対象とする投資信託ですが、このような疑問を持つ方は多いです。

 

たしかに、REITへの投資法は通常のREIT銘柄から、REITに投資する投資信託(REITファンド)まで複数の種類があります。購入方法もそれぞれ異なるため、「ややこしい」と思うのは当然でしょう。

そこで、当記事ではREITの仕組みからメリット・デメリット、購入方法までわかりやすく解説していきます。投資におすすめのREITファンドの種類も紹介しています。
「REIT投資をしたいけど、投資方法がわからない」という方や「REITのおすすめを知りたい」という方は、参考になさってくださいね。

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REIT(リート:不動産投資信託)とは

REITとは、投資家から集めた資金で不動産を購入し、賃料収入と物件の売却益を投資家に分配・還元する投資信託です。

自ら不動産を運用する現物不動産投資とは異なり、REITは自身で不動産を運用する必要がなく、運用は不動産投資のプロに任せることができます。運用の手間やまとまった資金がなくても不動産投資できるのが、REITの特長なのです。

REITの仕組み、投資対象については各項目で詳しく解説していきます。

REITの仕組み

一般的なREITの仕組みは、証券取引所に上場(※)している不動産投資法人が発行する投資証券に、一般の投資家が投資して利益を得るものです。投資信託運用会社で作られた投資信託(ファンド)に一般の投資家が投資して利益を得ています。

実際に不動産や株式を保有するわけではなく、投資信託の運用を行う法人に投資するという仕組み自体は、REITも投資信託も同じなのです。
REITを運用する不動産投資法人が一般の投資信託運用会社と異なる点は、上場法人(※)であるということです。そのため、REITは証券取引所で取引されており、上場株式などと同様にリアルタイムな時価で取引できます。

上場銘柄ということもあってREITは一般の投資信託より数が少なく、国内の個別REIT銘柄は2020年3月時点で70本足らずしかありません。

 

このように、REITは投資信託の一種と言っても

  • 取引(購入・投資)は株式と同様に市場で行われる
  • 一般の投資信託(国内に6000本超)と違い、個別REIT銘柄の数は少ない(70本弱)

という特徴・違いがあるのです。

(※)上場形態は国によって制度が異なります

J-REITとは

REITについて情報収集をしていると、「J-REIT」という言葉がよく目につきますよね。「J-REIT」とは、日本国内で上場している不動産投資法人・またはその法人が発行している投資証券を意味します。

つまり、日本の株式市場で取引できるREITがJ-REITなのです。

 

REIT投資で情報収集していると、ふたつの名称が混在していてややこしく感じるかもしれません。しかし、REITという投資の大きな枠組みの中に日本のJ-REITがあるだけなので、難しく考える必要はないですよ。

REITの投資対象・運用方法

REITの投資対象は不動産ですが、不動産にもさまざまな種類がありますし、運用の方法も銘柄によって異なります

下記を見ると一口にREIT(不動産投資)と言っても、投資対象の物件や運用方法は色々あることがわかります。

REITの主な投資対象物件

  • オフィス
  • 居住用住宅
  • ホテル
  • 旅館
  • 物流施設
  • 商業施設
  • ヘルスケア
  • 病院
  • その他

REITの運用方法

  • 特化型:マンションだけ、ホテルだけなど、投資対象物件の用途を限定している
  • 複合型:さまざまな用途の物件を組み合わせて運用している

同じ不動産でも、人が存在する限り常に需要がある居住用住宅と、観光客の増減で需要が変動するホテルとでは、資産自体の特性が違いますよね。このように、REIT投資は投資対象の物件や運用方法によって値動きも利回りも違ってくるものです。

REIT投資の際は、どのような物件をどのように運用していきたいのか、他の投資商品との組み合わせもよく考えたうえで投資銘柄を選ぶようにしてください。

REITのメリット・魅力

REITのメリット・魅力は、なんといっても手軽に不動産投資による分配収入(インカムゲイン)を得られる点にあります。

  1. 少額で手軽に不動産投資できる
  2. 運用は専門家にお任せで、手間がかからない
  3. リアルタイム取引ができ、換金性が高い
  4. 安定した分配収入(インカムゲイン)が得られる
  5. 株や債券などと異なる値動きが期待できる

それぞれ具体的に解説していきましょう。

メリット1:少額で手軽に不動産投資できる

REITは現物不動産投資と比べると、少額で手軽に投資できることが特長です。

現物不動産投資の場合は、物件探しからローンの借入れ、入居者の募集から物件の維持・管理まで、すべて自身で行わなければなりません。ローンを利用したとしても初期費用には数百万円程度必要ですし、個人だと投資対象もワンルームマンションなどに限られることが一般的です。

 

しかし、国内のREIT銘柄であれば数万円~数十万円程度(※)で投資できるものが多く、個人では所有が難しいホテルや大型商業施設などへの投資も可能です。

「不動産という資産に魅力を感じているものの、ローンを組むのはちょっと……」という方や、「まとまった自己資金を用意できない」という方は多いと思います。そんな方でも自身でローンを組む必要なく少額で手軽に投資できるのが、REITの大きな魅力と言えるでしょう。

 

※REIT銘柄の価格は常に変動しているため、投資額はあくまで目安です。

メリット2:運用は専門家にお任せで、手間がかからない

REITの運用は、不動産の専門家である投資法人にお任せできるため、運用に関する手間はほとんどかかりません。仕事や家事・育児など日々の生活が忙しい方でも、片手間で不動産投資に挑戦できることは大きなメリットでしょう。

現物不動産投資の場合、収益用物件を購入するだけでは収益を得られません。物件を購入したあとも入居者のクレーム対応や物件のメンテナンスなど、さまざま手間と費用がかかるのです。

 

その点、REITであれば投資家は市場でREIT銘柄を購入し、保有しておくだけで不動産収益が得られます。「投資に時間をかけたくない」という方や「できる限りほったらかし運用したい」という方には、プロにお任せのREITがおすすめです。

メリット3:リアルタイム取引ができ、換金性が高い

REITの取引(購入・投資)は証券取引所で行うため、上場株式と同様にリアルタイムの価格で取引ができ、換金性が高いことが特長です。

現物不動産投資の場合は、物件の購入と売却にどうしても時間がかかるものです。また、一般の投資信託の場合は、ファンドの注文から売買の成立まで(約定)までに数営業日のタイムラグがあり、価格の更新は1日1回となっています。

 

REITなら、その時点の価格ですぐに取引ができます。この点は「より機動的な投資をしたい」という方にとって、大きな魅力になることでしょう。

メリット4:安定した分配収入(インカムゲイン)が得られる

REITの収益は不動産の賃貸収入や売買益がメインで、利益のほとんどを投資家に分配する仕組みになっています。そのため、株式や債券に比べて安定した分配収入(インカムゲイン)を期待できるのです。

不動産証券化協会のデータでも、J-REITの過去10年間の分配金利回りは3パーセントから6パーセントの範囲(※)を推移しています。もちろん、自身で現物不動産投資をすれば、運用方法によってはさらに高い利回りを得られるかもしれません。

 

しかし、現物不動産投資にかかる手間や費用を差し引いて考えれば、十分安定した利回りと言えるのではないでしょうか。

 

※出典:「J-REIT分配金利回り(10年間)」(一般社団法人 不動産証券化協会)

メリット5:株や債券などと異なる値動きが期待できる

REITは不動産を主な投資対象としているため、株式や債券などといった資産と異なる値動きをすると言われています。すでに株式や債券といった資産を保有している場合、ポートフォリオの一部にREITを組み込めば、さらに高い資産分散効果が期待できるでしょう。

 

投資の基本は、値動きが異なる資産を組み合わせてリスクを抑えることです。一般の投資信託でも、国内外の株式、債券、REITを組み入れてファンド内で分散投資を体現しているバランスファンドは人気があります。

「分散投資の効果をより高めたい」という方にも、REITの値動きは大きな魅力になるでしょう。

REITのデメリット・リスク

いくら安定性が高いと言っても、REITは投資商品のため、複数のデメリットとリスクがあります。

  1. 元本や分配収入の保証がなく、価格変動リスクがある
  2. 不動産投資法人の倒産・上場廃止リスクがある
  3. 実際に不動産を保有できるわけではない

すべての投資は自己責任です。REIT投資の際は各デメリットとメリットを照らし合わせ、自身で投資の判断をするようにしてください。

デメリット1:元本や分配収入の保証がなく、価格変動リスクがある

REITは投資商品なので、元本や分配収入に対する保証はありません。不動産は安定資産と言われることがありますが、結局はリスク商品なのです。

日々REITの価格は変動していますし、プラスになることもあればマイナスになることもあります。REIT投資の際は「安定資産」という言葉を過信せず、値動きが異なる複数の資産と組み合わせ、投資資産全体のリスクを抑えることが大切です。

デメリット2:不動産投資法人の倒産・上場廃止リスクがある

REITには、不動産投資法人そのものが倒産したり上場を廃止したり(J-REITの場合)するリスクもあります。J-REIT市場でも、過去にニューシティ・レジデンス法人が経営破綻し、上場廃止になったという事例がありました。

もちろん、倒産や上場廃止は最悪のケースで、そう頻繁に起こるものではありません。しかし、そのような事態が起きれば、REITの価値が大幅に下落する可能性があります。

万一にそなえるためにも、REIT投資では個別銘柄への集中投資は避け、複数の銘柄に分散投資するようにしましょう。

デメリット3:実際に不動産を保有できるわけではない

投資信託全般に言えることですが、REITは投資のプロに資産運用をゆだねる投資方法です。実際に自身が投資資産を保有しているわけではありません

そのため、現物不動産のように自身の判断で不動産を売却したり、最終的に自身がその不動産に住んだりといった選択はできません。運用の手間はかからないぶん、選択肢は限られているのです。

さまざまな運用方法を試したい方や幅広い選択肢を持ちたい方にとっては、こうした運用の手軽さが逆にデメリットになると言えます。

REITの購入方法は3つ

REITの購入(投資)は上場証券取引所で行いますが、実は他にもREITを購入する方法があります。REITの投資信託購入方法は大きくわけて3つあります。

  1. 上場市場で個別のREIT銘柄を買う
  2. 上場市場で、複数のREIT銘柄に分散投資するETFを買う
  3. REITに投資する投資信託(REITファンド)を買う

先述したとおり、国内の個別REIT銘柄は100にも満たない数ですが、「2.」や「3.」の購入方法を利用すれば、投資の選択肢は広がります。それぞれの購入方法についてわかりやすく解説していきましょう。

購入方法1:個別のREIT銘柄を買う

REITのもっとも基本的な購入方法が、株式などと同様に証券取引所で個別のREIT銘柄を買う方法です。株式と同じなのでリアルタイム取引が可能で、機動的な売買ができることが特長です。

ただし、REITの個別銘柄は数万円から数十万円の投資費用が必要になるため、数百円から購入できる一般の投資信託ファンドに比べると投資費用を高額に感じる方もいるでしょう。

現物不動産投資と比較すれば少額で投資できるREITですが、投資信託というジャンルで比較すると決して少額投資とは言えない面があるのです。

購入方法2:複数のREIT銘柄に分散投資するETFを買う

REITそのものではなく、複数のREIT銘柄に分散投資している「REIT ETF」を買うという方法もあります。ETFもREITの個別銘柄や株式と同じ証券取引所での購入ができるため、機動的な売買ができるという点は同じです。

ただし、ETFの場合一つの銘柄に複数のREIT銘柄が内包されていることが特長です。個人でREIT銘柄を複数購入する場合はまとまった費用が必要ですが、REIT ETFを購入すれば手軽に分散投資することができます。

購入方法3:REITに投資する投資信託を買う

REITに投資する投資信託(REITファンド)を購入するという方法もあります。REITもREITファンドも同じ投資信託ですが、購入(取引)する市場と費用が違います。

  • REITは上場している証券取引所で売買でき、1銘柄数万円~数十万円の投資費用が必要
  • REITファンドは一般の投資信託と同様に売買でき、1ファンド数百円~投資できる

REITファンドであれば、海外のREITにもより手軽により少額から投資できることが特長です。「少ない資金で幅広いREITを保有したい」という方や、「REIT初心者」という方には、REITファンドの購入がおすすめですよ。

初心者におすすめ!REITに投資する投資信託(REITファンド)の種類

REITを始めるなら、初心者でも手軽に投資できるREITファンドがおすすめです。REITファンドは大きくわけて3つあります。

  1. 東証REIT指数へ連動するインデックスファンド
  2. 特定のREIT銘柄へ投資するアクティブファンド
  3. 国外のREIT指数や特定のREIT銘柄へ投資するファンド

ファンドごとに投資対象物件が異なるため、自身の投資方針にあうファンドを選んで投資してください。

1.【国内】東証REIT指数へ連動するインデックスファンド

REITファンドの中でももっとも初心者におすすめなのは、東証REIT指数へ連動するインデックスファンドです。REITの個別銘柄を複数保有するには多額の投資資金が必要ですが、インデックスファンドであれば国内のREIT市場全体へ分散投資できることが特長です。
銘柄の選定や分散投資の手間さえも省けるので、初心者はぜひ投資を検討してください。

東証REIT指数とは

東証REIT指数とは、東京証券取引所に上場しているREIT(J-REIT)の全銘柄を対象にした指数・インデックスです。国内のREIT市場=J-REIT市場全体の動きを表している指数なので、REIT投資を考えている方は必ずチェックしておきましょう。

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2.【国内】特定のREIT銘柄へ投資するアクティブファンド

REIT市場全体に投資するインデックスファンドと異なり、アクティブファンドは市場平均を上回る運用成績を目指すことが特長です。REIT銘柄すべてに投資するわけではなく、運用会社が厳選したREIT銘柄に投資しているため、ファンドによって値動きや運用成績は大きく異なります。

アクティブファンドは、ファンド自体にかかるコスト(信託報酬)もインデックスファンドより高めです。投資の際は運用方針や選定銘柄をよく確認し、慎重にファンドを選ぶことが大切ですよ。

3.【国外】国外のREIT指数や特定のREIT銘柄へ投資するファンド

国外にはさまざまなREITがあり、さまざまな市場で取引されています。ただし国外のREITとは取引市場は異なるため、J-REITよりも投資に対するハードルは高く感じますよね。

「国外のREITに興味はあるが、なんだか難しそう」という方におすすめなのが国外のさまざまなREIT指数や特定の銘柄に投資するファンドです。投資対象地域も欧米など先進国から新興国まであるため、よりグローバルな不動産投資が手軽にできることが魅力です。

まとめ

REITは不動産投資の魅力を手軽に得られることが魅力ですが、投資である以上元本割れなどのリスクがあります。そのため、REIT投資が気になっている方は、次のポイントに気をつけて投資の判断をしてください。

  • REITは上場している証券取引所で購入・投資できるため換金性が高く、機動的な売買が可能
  • 運用の手間や大きな費用をかけずに不動産投資できるものの、直接不動産を保有できるわけではない
  • 投資対象は住宅からホテルまで多種多様で、銘柄や運用手法によって値動きや期待利回りは変動する
  • REIT投資は直接銘柄を購入する以外にも、ETFやREITファンドを通じて購入する方法がある
  • 初心者におすすめは、少額でREIT市場全体に分散投資できる、東証REIT指数連動のインデックスファンド

ご紹介したポイントをしっかり押さえ、REITで手軽に不動産投資を楽しんでください。

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