投資を始めるにあたって一番大切なことは、「きちんと利益が出るのか?」という方が多いことでしょう。利益が出る投資をするためには、「利回り」が重要です。
そこで、この記事では5パーセント以上の高い利回りを狙える投資法やファンドのランキングを紹介します。少ない資金で大きな利益を出せる投資法を学び、資産を増やしていきましょう。
利回りが高い投資
利回りが高い投資法は意外と少なく、次の2つのどちらかです。詳しく解説していきましょう。
- アクティブ型の投資信託
- 投資会社のファンド
1. アクティブ型の投資信託
まず、投資信託を紹介します。投資信託とは、運用のプロに投資を任せられる商品です。
投資信託にはアクティブ型とインデックス型の2種類がありますが、利回りが高いのは「アクティブ型」です。アクティブ型の投資信託は、投資会社が銘柄分析をして、値上がりしそうな銘柄に投資します。
アクティブ型の投資信託で人気なのは、「ひふみ投信」や「さわかみ投信」です。
ひふみ投信は主に国内の将来有望な株式を買って、中長期での値上がり益を狙うファンドです。さわかみ投信は、株式市場のうねりを利用して「安く買って高く売る」戦略で利益を出しているファンドです。
投資信託は100円といった少額から始められることが多いため、「ちょっとだけ投資を始めてみたい」といった初心者の方におすすめです。ひふみ投信やさわかみ投信なら、安定して5パーセント以上の利回りを狙える可能性があるため、投資初心者でもしっかりお金を増やすことができますよ。
2. 投資会社のファンド
ヘッジファンドなどのように、投資会社が投資家から資金を集めて運用するファンドもあります。投資信託と同様にプロに運用を任せられる投資商品ですが、運用方法は多岐にわたります。
利回りが非常に高い投資先なので、条件を満たせる人は投資会社のファンドに投資するべきです。次の項目から、ファンドについて詳しく解説していきます。
ファンドとは?
まずは、ファンドの特徴を3つに分けて解説していきます。なお、投資信託もファンドと呼ばれることがありますが、この項目で解説するのは証券会社を通さないで募集される投資会社のファンドを解説します。
- 最も利回りが高い投資法
- 申し込み方法が特殊
- 投資額は高め
特徴1:最も利回りが高い投資法
ファンドへの投資は利回りが高く、10パーセントを超えるファンドも多いです。20パーセントに迫ることもあるほどです。
利回り10パーセントの場合、1,000万円を投資すれば1年後には1,100万円となり、100万円の利益が出ることとなります。
一般的な投資法だと高くても利回りは5パーセントほどなので、1,000万円を預けても1年後に1,050万円です。利益は50万円で、ファンドへの投資と比べると見劣りします。
計算例を見てもわかるように、利回りが高い方が、早く資産を成長させることができます。高利回りのファンドに投資をしない理由はないでしょう。
特徴2:申し込み方法が特殊
投資会社のファンドに申し込む方法は少し特殊で、「私募」という形式を取っています。
そのため、投資家同士の紹介を通じて申し込みを受け付けたり、プライベートバンクを仲介したりすることが多く、広く大勢から申し込みを受け付けることは少ないようです。
とはいえ、最近ではホームページから資料を請求し、申し込みができるファンドが増えてきています。ホームページからの問い合わせは、紹介やプライベートバンクの仲介よりもハードルが低いです。
気になるファンドを見つけたら、資料請求だけでも行い検討してみましょう。
特徴3:投資額は高め
ファンドに申し込む場合、1,000万円以上の資金が条件になっていることが多いです。これは、ファンドが「私募」という募集形式をとっているため、投資家の受け入れ人数に制限があることが要因です。一人ひとりの投資家からまとまった資金を受け付けないと投資規模が小さく運用しにくいのです。
1,000万円といったお金は誰もが持っているものではないため、もっと少額から始めたいなら投資信託がおすすめです。資金が出せる人であれば、高利回りのファンドへの投資が最適でしょう。
ファンドの運用方法
ファンドは自由度の高い投資を行っているため、さまざまな運用方法があります。ここでは、代表的な3つの運用方法について解説していきます。
いずれも高い利回りを実現する運用方法で、優秀なファンドマネジャーが運用しています。
- ヘッジファンド
- アクティビストファンド
- ベンチャーキャピタルファンド
運用方法1:ヘッジファンド
ヘッジファンドとは、どのような相場でも利益を追求するファンドです。一般的な投資法だと、相場が右肩上がりのときは利益が出ますが、右肩下がりのときは損をすることが多いです。
しかし、ヘッジファンドではどのような相場のときでもプラスになるように投資します。上昇相場のみならず下落相場でも利益を出すために、一般の投資家がアクセスできない専門的な商品にも投資します。例えば、先物取引や信用取引、オプション、スワップなどです。
運用方法2:アクティビストファンド
アクティビストファンドは「物言う株主」とも呼ばれています。企業の株式を保有して、経営に積極的に提言を行うことで、企業価値を向上させるファンドです。企業価値が上がると株価が上がるので、売却すれば値上がり益が得られる仕組みです。
アクティビストファンドの経営への関与の方法としては、次のような具体例が挙げられます。
- 役員の交代
- M&Aや事業譲渡、事業再編
- 配当性向の変更
- 自社株買い
日本では、企業と株主が長年生ぬるい関係で結びついてきた背景から、多くの株主は「物言わぬ株主」でした。しかし、企業の怠慢を許していては経営破綻に陥るなどの問題が起こります。
アクティビストファンドをはじめとする「物言う株主」は海外では一般的な株主の態度であり、企業価値の向上にも寄与しています。株価が上がれば経営陣や従業員にもメリットがあるため、アクティビストファンドは利益と社会貢献の両方を追求していると言えます。
運用方法3:ベンチャーキャピタルファンド
ベンチャーキャピタルファンドは、ベンチャー企業の未上場株式に投資するファンドです。会社が創業してから急成長することによって利益を上げられるので、ベンチャーキャピタルファンドも利回りが高い投資法です。
新規上場するタイミングで株価が上がるため、売却して利益を確定する戦略を取ることが多いです。また、M&Aで株式を高く売ることもあります。
ベンチャーキャピタルファンドは日本の未来を担うベンチャー企業に投資するので、社会貢献の側面もあります。高利回りというだけでなく、経済の盛り上げ、未来を育てる投資でもあるのです。
ファンドの選び方
ファンドの選び方で最も重要なのは、次の2点です。詳しくお伝えしていきますね。
- 過去に利益を出しているか
- 理念に共感できるか
選び方1:過去に利益を出しているか
過去に利益を出しているファンドの方が、今後も利益を出し続けられる可能性が高いと考えられます。運用年数や運用成績は参考になるポイントです。
ただし、過去に利益が出ていることと、将来にわたって利益を出し続けられることは、イコールではありません。利回りの成果も、良いときと悪いときの両方があります。
ファンドの過去の利益は、あくまでも参考程度に考えておきましょう。
選び方2:理念に共感できるか
投資とは、将来性のある事業にお金を出し、より良い社会を実現するものです。単なるお金稼ぎではないので、多額の資金を運用する投資会社は理念を持って投資をしています。
投資家としても、共感できる会社に資産を預けたいですよね。自分の望む使い道で運用してもらえるよう、投資会社の理念に共感できるかどうかはファンドを選ぶ重要なポイントです。
しかも、理念は投資会社のホームページで調べることができる大切な情報の一つです。特に、投資会社はファンドの運用方法が他社にわかってしまうと真似されてしまうことがあるため、運用方法についてはあまり情報を公開していません。
このような環境でファンドを選ぶとき、理念が参考になることは言うまでもありません。
ファンドランキング
ファンドの運用方法や選び方について理解したところで、ファンドのおすすめランキングを紹介していきます。
とはいえ、どれも大手のファンドで順位に関わらず良いファンドばかりです。順位に関係なく、自分に合ったファンドを選びましょう。
ファンドのランキングは次の4つの観点で評価しています。4つの項目をそれぞれ25点として、総合を100点満点として評価しています。
- 運用成績:過去の利回りの相対的な目安
- 投資手法:高利回りが期待できる投資法か
- 中長期の期待:将来にわたって利益を出せる投資を行っているか
- 運用年数:投資会社の創業からの年数
ファンド | 運用成績 | 投資手法 | 中長期の期待 | 運用年数 | 総合 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
レオス・キャピタル・ワークス | 18 | 22 | ・中型グロース株への投資 | 21 | 18 | 2008年~ | 79 |
ベイビュー・アセット・マネジメント | 18 | 22 | ・独自ネットワークを活かた日本では通常投資できないような商品
・他のヘッジファンドでは難しい投資先への投資 |
18 | 25 | 1998年~ | 83 |
ストラテジック・キャピタル | 25 | 23 | ・過大な政策保有株式の売却の提案
・配当性向の向上の提案 ・資本コスト削減の意識の提案 |
23 | 15 | 2012年~ | 86 |
プルーガ・キャピタル | 22 | 25 | ・AIでのインターネット上の情報分析 | 25 | 18 | 2011年~ | 90 |
アズカル・アセットマネジメント | 25 | 25 | ・アメリカ債券
・インドへの投資 ・ベンチャー企業 |
25 | 21 | 2005年~ | 96 |
「運用成績」と「中長期の期待」については、どのような観点で評価を行ったかについてお伝えしておきましょう。
まず、「運用成績」では過去に安定して高い利益を出せていることを重視しました。過去に高い利益を出せているということは、ファンドマネジャーの運用能力が高いと考えられ、今後も高い運用成績を期待できます。
例えば、アズカル・アセットマネジメントは過去平均12パーセントの利回りとなっており、安定した成果を評価して満点の25点としています。
「中長期の期待」については、将来にわたって継続して期待できる投資手法かどうかを評価しています。例えば、プルーガ・キャピタルはAIを用いた情報分析を強みとしていますが、国内の投資会社ではまだAIは一般的でなく、競争優位です。
今後もこの傾向が続き、またAIによる投資でプルーガ・キャピタルは先行者優位のポジションを得られると考えられるため、満点の25点としています。
第5位:レオス・キャピタル・ワークス
レオス・キャピタル・ワークスは、アクティブ型の投資信託「ひふみ投信」を運用している投資会社です。ひふみ投信は主に日本の成長企業に投資をするファンドで、「守りながら増やす」をコンセプトにしています。
2018年は相場が好調だったこともあり、1年で30パーセント以上のリターンを収めました。
レオス・キャピタル・ワークスの特徴は、積極的に情報を公開していることです。運用部の社員のインタビューなどを公開し、どんな人が運用しているのかわかるようになっています。
投資家は少なくないお金をファンドに預けるので、レオス・キャピタル・ワークスのように透明性の高い企業だと安心できるはずです。
投資信託なので広く一般向けの商品となっており、手数料は低めです。信託報酬は1パーセントを下回っており、アクティブ型の投資信託としては最安水準です。
また、1円以上1円単位で購入できるので、投資に回せる資金が比較的少なめの方におすすめです。
運用成績 | 投資手法 | 中長期の期待 | 運用年数 | 総合 |
---|---|---|---|---|
18 | 22 | 21 | 18 | 79 |
第4位: ベイビュー・ アセット・マネジメント
ベイビュー・アセット・マネジメントは、日本最大級の独立系運用会社です。独立系のため、お得意様の意見に流されることなどはなく、自社の運用に集中しているヘッジファンドです。
1998年に前身となる会社が設立され、これまで運用を行なってきました。今回紹介する投資会社の中で、運用歴は最も長いです。
ベイビュー・アセット・マネジメントは独自のネットワークを活かし、日本では通常投資できないような商品にも投資しています。他のヘッジファンドでは難しい投資先に投資して収益を上げることができます。
ただし、多様な商品に投資しているため、初心者にはファンドの運用方法がややわかりにくくなっています。ベイビュー・アセット・マネジメントは、既に投資に慣れていて専門知識を持っている人におすすめです。
運用成績 | 投資手法 | 中長期の期待 | 運用年数 | 総合 |
---|---|---|---|---|
18 | 22 | 18 | 25 | 83 |
第3位:ストラテジック・キャピタル
ストラテジック・キャピタルは、主にアクティビスト投資で利益を出しています。高いときは約20パーセントの利益を出すこともできる投資手腕を持っており、運用成績が良く高利回りが期待できるファンドです。
設立は2012年で、7年目を迎えました。
2019年現在、ストラテジック・キャピタルが保有している銘柄は、浅沼組、世紀東急工業、蝶理、極東貿易の5つです。これらの企業に対し、企業価値を向上させるため、次のような提案を行っています。
- 過大な政策保有株式の売却
- 配当性向の向上
- 資本コスト削減の意識
ほか多数
原則として、ストラテジック・キャピタルは日本で上場している会社に投資しており、企業価値を向上させるために株主の目線で提言を行います。アクティビスト投資は企業の経営問題に働きかけるため、難易度が高いです。
一方で、成功したときのリターンは非常に大きいため、ある程度のリスクを取ってでもお金を大きく増やしたい人に向いています。
運用成績 | 投資手法 | 中長期の期待 | 運用年数 | 総合 |
---|---|---|---|---|
25 | 23 | 23 | 15 | 86 |
第2位:プルーガ・キャピタル
プルーガ・キャピタルはAIを活用したヘッジファンドとして個性的で有名です。ゴールドマン・サックス出身で、東京大学大学院准教授の経験もある古庄秀樹氏が、2011年に設立した会社です。
プルーガ・キャピタルでは、AIを活用して大量のブログやツイッターの言語データを解析し、株価の上下を予想して投資しています。
AIはビッグデータから市場心理を学んでいくので、時間の経過とともに予測精度が上がっていきます。
このように、AIでインターネット上の情報を分析して資産運用をする手法は、アメリカでは盛んに取り入れられています。日本ではまだあまり普及していないので、AIに目をつけたプルーガ・キャピタルは先見の明があると言えます。
新しい会社なので、まだ運用年数や預かり資産は多くありません。ですが、ヘッジファンドの本場アメリカで人気のAIをいち早く取り入れているため、プルーガ・キャピタルは日本のヘッジファンド業界で一人勝ちできる可能性があります。
したがって、中長期的に期待できるファンドに投資したい人におすすめです。
運用成績 | 投資手法 | 中長期の期待 | 運用年数 | 総合 |
---|---|---|---|---|
22 | 25 | 25 | 18 | 90 |
第1位:アズカル・アセットマネジメント
アズカル・アセットマネジメントは、平均利回り約12パーセントと高い利益を見込める投資を行っています。2005年に設立された投資会社のため、10年以上の運用歴となっています。
アズカル・アセットマネジメントの投資先は、主に次の3つです。収益性が高いだけでなく、運用手法を具体的に公開しているため、情報の透明性でも評価できるファンドです。
- アメリカ債券
- インド
- ベンチャー企業
1つめのアメリカ債券への投資は、投資対象が理論価格より割安なときに行います。この戦略で、アズカル・アセットマネジメントはリーマンショックが起きた2008年でもプラス22パーセント、2009年にはプラス60パーセントという高いリターンを生み出しました。
2つめのインドへの投資は、今後10年で大きく成長するポテンシャルを評価しての投資です。インドでは若い世代の人口が増加していることに加え、IT産業が急成長しており経済発展に期待を持つことができます。将来を見据えた投資を行っており、中長期の期待も大きいです。
3つめのベンチャー企業への投資は、急激な成長による企業価値向上を狙った投資です。主に米国の高精度GPS、自動運転、IOT、AIなど先端デジタル技術を担うベンチャー企業に投資し、市場平均を大きく上回る収益を上げています。
アズカル・アセットマネジメントはリスクを抑えつつ安定して高い収益を上げられるファンドです。リスクを取って大儲けしたい人より、着実にコツコツと利益を積み上げたい人に向いています。
運用成績 | 投資手法 | 中長期の期待 | 運用年数 | 総合 |
---|---|---|---|---|
25 | 25 | 25 | 21 | 96 |
より高利回りを期待するなら
紹介したのは大手のファンドだったので、聞いたことがある会社や商品もあったかもしれません。いずれも良いファンドなので、自分に合いそうなファンドがあれば資料請求や申し込みをしてみることをおすすめします。
ですが、投資会社やファンドは紹介した以外にもまだまだたくさんあります。今回紹介したファンドは利回り10パーセント前後ですが、他にも利回りの高い投資法は存在します。
どういった投資法があるかについては、こちらの記事で確認してみましょう。