こんな投資信託はNG!おすすめしない投資信託の特徴は?注意点&大損回避方法も

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投資信託の注意点と大損回避のための方法、おすすめしない投資信託の特徴について解説。投資信託はさまざまな資産を手軽に持てる利便性がメリットである一方、手数料が高くファンド選びが大変なデメリットがあります。

投資信託はプロに運用を託す金融商品で、投資初心者でも気軽に始められることが魅力です。その一方で、元本保証はなく、慎重なファンド選びを怠れば簡単に元本割れしてしまう危険性があります。

これから投資信託を始める人のために、投資信託の注意点、おすすめしない投資信託の特徴と、大損回避の方法について詳しく解説していきます。当記事が、適切な投資信託選びの参考になれば幸いです。

投資信託は選び方を間違えると大損する可能性もある

投資信託は、株や債券などプロが選定・運用する銘柄が一つのファンドとしてパッケージになった金融商品で、投資家は少額でプロの選ぶ銘柄に投資することができます。

しかし、いくらプロが選んだ銘柄でも絶対に元本割れしない保証はありませんし、投資信託は選び方を間違えると大損する可能性があるのです。

 

2018年6月、金融庁が国内銀行の投資信託販売状況に関する調査をしたところ、国内銀行29行で投資信託を購入した顧客の約46パーセントの運用損益がマイナスという衝撃の事実が判明しました(※)。

もちろん、投資信託は値動きがある商品なので、今損失が出ていても将来プラスに転じる可能性は十分あります。損失が出た原因もさまざまなものがあるでしょう。

 

ただ、投資信託はそもそも選択肢が多すぎるため、顧客が適切なファンド選びをすることが難しいという環境も、損失の一因であると考えられます。

ただでさえ国内の投資信託は数が多く、ハイリスクなファンドからローリスクなファンドまでさまざまな種類があり、販売窓口も証券会社から銀行、郵便局と多岐に渡ります。

窓口ですすめられるがまま、知識もなく投資信託を購入すると、大損してしまう可能性は十分あります。投資信託で、より利益を追求するためには、適切なファンド選びが何より重要なのです。

※金融庁の調査報告出典:「投資信託の販売会社における比較可能な共通KPIを用いた分析」(2018年6月29日 金融庁)

投資信託を始める前に知っておきたい注意点

投資信託を始める前に、必ず理解しておかなければいけない注意点は、次の3点です。

  1. 投資信託の対象資産のほとんどは株式市場で買える
  2. 利益の有無にかかわらず毎年手数料がかかる
  3. プロが運用するといっても必ず利益が出るわけではない

それぞれ重要なポイントなので、詳しく解説していきますね。

1.投資信託の対象資産のほとんどは株式市場で買える

投資信託は株や債券という銘柄がパッケージ化されている金融商品ということをお伝えしましたが、そのパッケージに含まれている銘柄(=対象資産)のほとんどは株式市場や債券市場で買えるものです(※投資対象が不動産であるREITや、金などを投資対象とするコモディティ系の投資信託などもあります)。

例として、国内の大型株に投資するファンド、「日本株オープン 新潮流」の構成銘柄を見てみましょう。

【例】

引用元:「日本株オープン 新潮流」交付目論見書より(アセットマネジメント0ne株式会社)

当ファンドには誰もが知るトヨタ自動車(7203)やソニー(6758)が含まれていますが、どちらも株式市場で直接購入できる銘柄です。

もちろん、当ファンドの組入銘柄は最低取得単価が高く、数十万円から数百万円の資金がなければ複数保有することはできません。だからこそ、大型株が複数含まれたファンドを1万円ほどで購入できる投資信託は手軽な金融商品なのですが、逆に言えば資金さえあれば自分で簡単に購入でき、手数料なしで保有できるのが株式なのです。

債券も同様で、政府が発行している国債は誰でも簡単に購入できます。

 

つまり、本来は手数料なく誰でも購入できる銘柄(資産)を、わざわざ手数料をかけて購入しているのが投資信託なのです。投資対象資産が明確に決まっていたり、ある程度資金があったりする人なら、自分で直接好きな銘柄(資産)を買って、交付目論見書のようなポートフォリオを組んだ方が手数料分お得になるとも言えます。

投資信託に期待するのは対象資産の中身ではなく、運用会社の運用力や対象資産を手軽に持てる利便性だということを忘れないようにしましょう。

2.利益の有無にかかわらず毎年手数料がかかる

投資信託は、プロが運用するファンドを商品としてまとめ、証券会社などの販売会社が販売する形式を取っているため、仕組み上さまざまな手数料がかかります。

手数料には投資信託の保有時に必要な「信託報酬」、購入時に必要な「購入時手数料」、解約・売却時の「信託財産留保額」などがあります。

もっとも大きい手数料が「信託報酬」で、ほとんどの場合、利益の有無にかかわらず毎年一定の手数料が差し引かれるため、投資信託の保有期間が長ければ長くなるほどこの手数料が利益を蝕んでいきます。

例として、購入時手数料3.24パーセント(税込)、信託報酬2.16パーセント(税込)かかるファンドでは、年間手数料がどれくらいになるかみてみましょう。

【例】

  • ファンド購入金額:1,000,000円
  • 購入時手数料(購入時のみ):100万円×3.24%=32,400円
  • 信託報酬(1年):21,600円

当ファンドの場合、1年目だけで5万4,000円もの手数料がかかります。もし10年間投資元本(100万円)を変えずに運用を続けた場合、信託報酬の合計額は20万円以上にもなるのです。

しかも、信託報酬や購入時手数料には消費税がかかるため、この先消費税が10パーセントになれば手数料負担はさらに大きくなります。当ファンドについては、毎年2.5パーセント以上の利益を積み上げていかなければトータルリターンは確実にマイナスになります。

このように、投資信託では手数料の高低がトータルリターンに多大な影響を与えます。ファンド選びの際は必ず手数料を確認しておくことが大切なのです。

3.プロが運用するといっても必ず利益が出るわけではない

投資信託は誰でも買える株式などの銘柄を、わざわざ手数料をかけて購入し・運用する金融商品です。わざわざ手数料をかけて購入するのだから、運用では必ず利益を上げて欲しいものですよね。

しかし、プロが銘柄を選定し、運用するからといって必ず利益が出るわけではありません。

投資信託の運用方式はファンドマネージャーが銘柄選定や企業調査をして大きなリターンを追求する「アクティブ運用」と、市場の平均値に連動する運用を目指すインデックス運用があります。

 

ファンドマネージャーの手腕が物を言うアクティブ運用ですが、高い手数料に利益が追い付いていないなんてことは多々あります。

また、比較的ファンドマネージャーの運用手腕が関係しないインデックス運用であっても、目指しているベンチマークと大きく乖離していて利益が出ていない場合もあります。

投資信託でファンドを選ぶときは、プロだからと過信せず、過去の実績や投資方針、構成銘柄を冷静に確認することが必要不可欠なのです。

おすすめしない投資信託の特徴

今までお伝えした注意点をふまえ、おすすめしない投資信託の特徴を7つご紹介しましょう。

特徴1:銀行や郵便局の投資信託

投資信託の運用をするのは運用会社ですが、商品として販売するのは証券会社や銀行などの販売会社です。この販売会社選びは重要です。

結論から言えば、銀行や郵便局(ゆうちょ銀行)など対面で投資信託を販売している金融機関の投資信託はおすすめしません。銀行や郵便局(ゆうちょ銀行)は投資信託の取扱い数が少なく商品が偏っていること、購入時手数料が割高な商品が多いからです。

 

購入時手数料は販売会社に支払う手数料なので、販売会社からすれば自分たちの利益になる分手数料が高い商品をすすめてくるのは当然です。実際、金融庁の投資信託販売会社調査では、主要銀行の購入時手数料の平均は2017年度で1.98パーセントでした(※)。

対して、対面窓口を持たずネット上で営業している楽天証券やSBI証券の売れ筋投資信託は、ほとんどがノーロード(購入時手数料無料)ファンドです。

 

販売会社に高額な手数料を払っても元本保証はなく、先ほどお伝えした金融庁報告によれば、銀行の投資信託で約半数に損失が出ています。損失の理由には、少なからず購入時手数料などの手数料負担が影響しているからでしょう。

銀行や郵便局は身近な存在で相談しやすいというメリットはありますが、商品選びにおいてはデメリットが多いため、ネット系の証券会社を利用することをおすすめします。

※購入時手数料平均データ出典:「投資信託等の販売会社における顧客本位の業務運営のモニタリング結果について」(2018年9月26日 金融庁)

特徴2:定期預金と投資信託のセット商品

定期預金と投資信託のセット商品とは、投資信託を申し込めば定期預金に特別金利を付けるなどして、預金と投資信託をセットで販売しているものです。銀行の窓口などでも初心者向けとして販売されていることが多く、一見すると始めやすそうに感じます。

しかし、この類の商品はよく見ると優遇金利が数か月だけだったり、投資信託の購入時手数料が割高だったりします。

 

たとえ定期預金の優遇金利が3パーセントでも、3ヶ月だけの金利なら100万円預けても6,000円ほど(税引き後)の利息しか得られません。もし定期預金とセットになっている投資信託の購入時手数料が2パーセントの場合は2万円の手数料がかかるため、この場合のセット商品は始めの時点で赤字になっているのです。

銀行が投資信託の販売によって得られる利益は購入時手数料や信託報酬(信託報酬の一部は販売会社に入る仕組み)です。定期預金の金利を引き上げてまで銀行が売りたい投資信託にはどんなメリットがあるのでしょうか?セット商品は手数料や税金面で損することが非常に多いので注意しましょう。

特徴3:毎月分配型投資信託

毎月分配型投資信託は、投資信託の中でも一定の人気がある商品です。しかし、投資信託の分配金はファンド全体の運用資産の一部なので、分配金の受け取りは純資産額と基準価額の下落につながります。

また、運用収益が悪く収益分配金が出せない場合、投資元本を払い戻して分配金の一部として充当する方針のファンドもあります。投資元本の払い戻しはただ自分が投資したお金が返ってきているだけなので、利益ではありません。

分配金自体は投資に対するお小遣いのようなもので必ずしも悪いものではありませんが、毎月分配型投資信託では投資効率が悪くなるのは明らかです。

 

ただでさえ投資信託には手数料がかかるのですから、投資効率の悪化はできるだけ避けたいものです。

毎月分配型投資信託は、毎月もらえるお小遣い以上のデメリットがあります。年金生活などで資金を取り崩していきたいという希望があれば使える商品ですが、そうでない人にはおすすめしません。

特徴4:ファンド・オブ・ファンズのバランス型投資信託

ファンド・オブ・ファンズとは、投資信託に投資する投資信託のことで、投資信託が別の投資信託を内包し、二重構造になっているものを指します。二重構造になっているため手数料が割高になりやすいのが大きな弱点です。

ファンド・オブ・ファンズ形式はバランス型投資信託を販売するためにとられることが多いですが、バランス型投資信託を購入するなら、手数料を抑えやすいファミリーファンド形式のバランス型投資信託の方がおすすめです。

元々パッケージ商品である投資信託をさらに二重のパッケージにしたファンド・オブ・ファンズは手数料が割高になりやすいので、なるべく避けるようにしましょう。

特徴5:購入時手数料がかかる投資信託

投資信託の購入時手数料は販売会社に支払う手数料なので、割高な購入時手数料を払っても運用成果には関係ありませんし、元本保証はないということをお伝えしてきました。そのため、購入時手数料がかかる投資信託はおすすめしません。

 

金融庁が長期投資をすすめるためにできた節税制度、「つみたてNISA」でも、対象投資信託の条件の一つは「ノーロード(購入時手数料無料)であること」です。

金融庁自らが長期投資の基準にノーロードを掲げているのですから、金融機関だけが儲かる購入時手数料が投資家にとっていかに不要なものか、おわかりいただけるのではないでしょうか。

特徴6:償還日が決まっている投資信託

一部の投資信託では、元々償還日(運用が終了する日)が決まっているものがあります。償還日が決まっているということは、投資信託を売却して利益を確定する日が決まっているということです。

投資信託は投資対象資産の値動きなどで日々資産価値が変動する金融商品で、上昇下降を繰り返しながら利益を積み上げていくものです。償還日が決まっていると、利益確定日をコントロールできないため、状況次第ではマイナスになることもあるのです。

 

相場が回復するまで待ちたいと思ってもそれができないので、投資家にとって償還日があることはデメリットにしかなりません。

投資信託を選ぶときは償還日がなく、運用期間(信託期間)が無期限のもファンドを選ぶようにしましょう。

特徴7:資金流出が続いている投資信託

投資家からの資金流出が続いている投資信託=純資産額が減り続けている投資信託は危険です。資金の流出とはつまり投資信託の解約で、解約が続けば運用会社はその都度運用資産を売却して、保有資産の調整をしていかなければいけません。資金が減れば、その分運用効率が悪くなるのは当然です。

 

資金流出が続いている投資信託は純資産額も基準価額も減っていくうえ、早期償還になってしまう可能性があるのでおすすめできません。投資信託を購入するときは、純資産額の推移を見て資金の流出がないかどうかを必ず確認しておきましょう。

投資信託で大損しない方法

続いては、投資信託で大損を徹底的に回避する方法をご紹介します。

投資信託は販売されている数が非常に多いので、人気ランキングや口コミ評価など、ファンド選びにおいてさまざまな誘惑があります。しかし、安易なファンド選びは大損の原因になります。

表面的なランキングや口コミに騙されず、本質を見抜くための大損回避法を6つご紹介していきます。

方法1:人気ランキングに惑わされない

多くの販売会社では、投資信託の販売件数、積立設定件数や1年の利回りなどさまざまなランキングを紹介しています。しかし、こうした人気ランキングに惑わされてファンドを選ぶのは危険です。

人気ランキングは常に移り変わるものですし、ランキングが入れ替わるたびにファンドを購入していたら資産構成がおかしくなるのは目に見えています。大切なことは、自身のライフスタイルや価値観、投資方針にあったファンドを低コストで買うことです。ランキングは参考程度にとどめておきましょう。

方法2:短期間の利回りに惑わされない

短期間の利回りを参考にすることも危険です。

投資信託は短期で上昇下降を繰り返しながら、中長期的に利益を積み上げていくものです。過去半年や1年の運用成果が良くても、この先の運用成果が同じように続くという保証は一切ありません。

投資信託は手数料の割安さや、投資方針にそった運用がなされているかどうか、長期的に資金流入が続いているかどうかなどの実績もあわせて評価する必要があります。

短期間の利回りだけを見てファンドを選ぶのではなく、総合的に良いファンドかどうかを見極めることが大切です。

方法3:信託報酬が1%以上の投資信託は要注意

信託報酬は資産が増えるほど、投資期間が長くなるほどに資産を蝕んでいく手数料です。そのため、信託報酬が年1パーセント以上になる投資信託には気をつけましょう。

金融庁の推奨するつみたてNISA対象ファンドでも、長期投資に適しているという基準で信託報酬は一定水準以下(ほとんどが1パーセント以下)のものが選ばれています。

できるだけ手数料が割安なファンドを選ぶことが、長期的に利益を積み上げてトータルリターンをプラスにするコツなのです。

方法4:つみたてNISAやiDeCoなどの節税制度を活用する

投資信託を運用するメリットの一つは、つみたてNISAやiDeCoなどの節税制度の対象になっていることです。つみたてNISAは20年間、iDeCoは60歳になるまでの期間、指定の口座内で購入した投資信託から発生した利益に対する税金がかかりません。

通常、投資で得た利益には20.315パーセントの税金がかかりますが、それが非課税になるのですからかなりお得なのがわかると思います。

 

特に、つみたてNISAでは、金融庁自ら長期投資に適したファンドを厳選しているため、投資家にとって適切なファンド選びがしやすくなっています。これから投資信託を始める人は、これらの節税制度をしっかり活用することをおすすめします。

方法5:ポートフォリオをしっかり組む

投資信託で適切なファンド選びに必要なのは、投資家個人に見合ったポートフォリオをしっかり組むことです。ポートフォリオとは、分散投資を目的として各金融資産(銘柄)を組み合わせることです。

分散投資とは、株と債券、国内と国外というように、値動きの違う銘柄を複数組み合わせて投資し、リスクを分散させることです。ポートフォリオの比率に正解はなく、投資家個人のリスク許容度や資産の状況によっても変わります。

ポートフォリオの比率がしっかり定まっていないとファンド選びがぶれてしまうため、投資を始める前にポートフォリオをどう組むかについて必ず明確にしておきましょう。

方法6:基準価額の変動に一喜一憂しない

投資信託の資産価値を示す基準価額は日々変動するものです。そのため、多少の変動で一喜一憂しないことが大切です。良いファンドであれば、基準価額の変動を繰り返しつつも中長期的に利益を積み上げていきます。

投資信託は元々運用会社に運用をゆだねる商品なのですから、自分が厳選したファンドの成長を信じ、短期の値動きではなく長期の成果で評価するようにしましょう。

まとめ

投資信託の注意点や大損回避の方法、おすすめしない投資信託の特徴などをお伝えしてきました。

投資信託のメリットはさまざまな資産(銘柄)を手軽に持つことができる利便性ですが、各種手数料が高くファンド選びが大変になるというデメリットもあります。

そのため購入時手数料だけで赤字になったり、何年続けても利益より手数料が高かったりで、大損してしまう人は少なくありません。

 

投資信託では「手軽さ、便利さ」が強調されるがゆえに、「初心者向き。誰でも簡単に儲けられる」なんてイメージがついていますが、どんな金融商品にもデメリットはあるのです。今回解説したデメリットや注意点を参考に、大損しない投資信託選びを心がけてください。

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