インデックス投資は本当に儲かる?そのメリット・デメリットを徹底解説

ある程度自分の資産が増えてきたため、資産運用にもそろそろ目を向けていきたい、という方にオススメしたいのがインデックス投資です。

投資対象として思いつくものには株、為替、投資信託、仮想通貨…と、様々なものがありますが、その中でも「インデックス投資」は投資初心者の方にとって向いている金融商品であると言えるでしょう。

とはいえ、「投資信託って一体何?」「インデックス投資って本当に儲かるの?」などの疑問を持たれる方も少なくないはずです。

そこで今回はインデックス投資について詳しくみていくとともに、そのメリット・デメリットをチェックしていきましょう。

1、インデックスとは何か?

そもそも「インデックス投資」とは何なのでしょうか?

インデックスを和訳すると“指数” “指標”などと言った意味になりますが、インデックス投資は日経平均TOPIXなどの”指標”と一致した投資収益を目指す投資手法になります。

インデックス投資、と言う場合多くはインデックス投資信託のことを指し、「ある指数(ベンチマーク)と連動した投資成果を目指す」投資信託を我々個人投資家が購入することを意味するというわけです。

一例として、SBI証券の投資信託のページで「インデックス投資」の投資信託を検索してみると、ファンド名が「○○インデックスファンド」となっているものがあります。

参考:https://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/powersearch/fundpsearch.do?

たとえば日経225インデックスファンドは「日経平均」に、TOPIXインデックスファンドは「TOPIX」に連動した投資パフォーマンスを目指す投資信託になります。

外国株式インデックスファンドや世界経済インデックスファンド、といった一目見ただけでは何をベンチマークにしているかよく分からないものもあります。こういったものに関しては目論見書をチェックするなどして、運用方針やベンチマークを確認してみるとよいでしょう。

この項の内容を簡単にまとめると、インデックスとは”指標”、インデックス投資は「何らかの指標の値動きと近似したパフォーマンスを出す投資信託(に投資すること)」になります。

2、インデックス投資をするメリット

インデックス投資に関わらず、資産運用をするにあたってはどんな金融商品にもメリット・デメリットがあります。

それに大きく関わってくるのは「リスクとリターンの関係」で、例えば定期預金は元本割れの心配がないというメリットがある代わりに、利息が低いというデメリットを持っています。

投資に関する情報を調べると「この投資方法がおすすめ!」「○○に投資して大きいリターンを得た」などと言った記事も見受けられますが、そういった記事を鵜呑みにするのではなく、色々な視点からその投資手法を考えてみることが前提として大事だと言えるでしょう。

メリットだけを持つ金融商品というのは殆ど存在しないと言われます。個々人のリスク・リターンの許容度にあったものを選ぶことが重要です。

ここからはインデックス投資のメリット・デメリットについて紹介していきますが、そういったことを頭に置いてお読みいただければ幸いです。

インデックス投資のメリットをいくつか列挙してみると、

1少額資金からローリスクな分散投資が可能

2.アクティブファンドに比べ投資コストがかからない

3.投資に関わるリサーチの時間を削減できる

などが挙げられるでしょう。

インデックス投資の対局にあるのが「アクティブ投資」、特定の銘柄や商品に投資を行い、インデックス(指数)の値上がりを上回るパフォーマンスを出そう、という狙いを持つ投資手法です。日本で有名な「ひふみ投信」も日本の個別株に投資を行っており、アクティブファンドの代表例として挙げられますね。

それでは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

(1)分散投資によるローリスク投資が可能

たとえば個人で日経225に連動した投資を行おうとしても、225銘柄全てを購入しなければいけませんのでそれは実質不可能だと言えます。

しかしインデックス投資信託を購入すれば、少額からそれと似た投資手法をとることが出来ます。

また「少額から」というのが重要で、資産の60%は日経225インデックスに、40%は外国株インデックスに…というように資産を振り分けることが可能となっています。インデックスファンドをはじめとして投資信託は数万円から購入できるものが多く、また「積み立て投資」のように毎月こつこつと投資資金を積み立てられるものも存在しているのがメリットだと言えるでしょう

インデックスファンドにおいてはこの「ローリスク投資」というところが一番大きなメリットです。

(2)アクティブファンドに比べ投資コストがかからない

インデックス投資信託(インデックスファンド)のもう一つのメリットは、アクティブファンドに比べコストが安い、という点です。

投資信託購入・保有にあたってはいくつかのコストを考慮していく必要がありますが、高い利回りを目指すアクティブファンドよりインデックスファンドは手数料がかからないものが多くなっています

これはコストとリターンに相関があるため、一概にどちらが良いと言うことは出来ないものの、投資信託を購入するにあたっては「手数料・コスト」の存在を考えることは非常に大事だと言えるでしょう。

(3)投資に関わるリサーチの時間を削減できる

「プロに運用を一任できる」ということがインデックスファンド含めた投資信託全体に言える大きなメリットです。

株式投資においては自分で銘柄を調査し、購入売却のタイミングを図る必要がありますが、インデックス投資はそういった手間を大きく省くことが可能になっています。積み立て投資というかたちで間接的に「ドルコスト平均法」をとれれば、投資タイミングを考えるという時間も削減されるのです。本業で忙しく投資に時間をとられたくない、という方にオススメの投資であると言えるでしょう

3、インデックス投資をするデメリット

先ほども書いたように、メリットの裏には必ずデメリットも存在します。

投資を始めるにあたり、初めての投資先としてインデックスファンドはオススメできるのですが、株やアクティブファンドなどいくつかの投資先候補と比較してみることも大事かもしれません。

「メリット・デメリットを並べられて結局何がいいか分からない」という方には、まずはローリスクのもの(インデックスファンドや東証一部の大型株)を選んで投資に慣れてみることをおすすめします。

それでは、インデックス投資のデメリットについて見ていきましょう。

ここでは二点のデメリットを挙げてみたいと思います。

(1)ローリスクな一面、リターンが低い場合もある

インデックスファンドはある指数と連動したパフォーマンスを出すもの、と書きましたが、どの指数と連動させているか(何をベンチマークにしているか)ということは重要です。

例えば2011年~2016年の日経平均のパフォーマンスを見てみると、この6年の平均年間騰落率は13%近くになっています。

2013年の騰落率は+52.42%とかなりのパフォーマンスですが、この年はアベノミクス開始により株価が大きく上昇したためですね。

このように「将来値上がりしそうな指数」をベンチマークにしているインデックスファンドを選ぶことが重要であると言えるでしょう。

こういった例は非常に極端で、大体の場合はアクティブファンドにリターンが劣り、手数料込で数%というのが多くの国内インデックス投資の利回りだと言えます。

また2011年の日経平均のように、指数が下落してしまうとインデックスファンドもそれに連動して値下がりするので注意が必要です。

「インデックス投資って儲かるの?」という疑問を持たれる方は多いかと思いますが、その答えは「年による」「選ぶ投資信託による」というものです。目論見書をチェックして、数年間のパフォーマンスを確認してみるとよいでしょう。

(2)個別株を購入する場合に比べ、保有コストがかかる

インデックスファンドはじめとした投資信託を購入・保有・売却する場合、個別株と比べ手数料がかかるものが多いというのもネックです。

このあたりはリサーチの時間を省いてくれるのでトレードオフとも言えますが、なるべく手数料(購入時手数料・信託報酬)が低いものを選ぶとよいでしょう。

4、インデックス投資を始める3つのステップ

投資を始める、と言うとハードルが高く感じられる方もいられるかもしれませんが、意外とそれは難しくありません。

「1.インターネットで証券口座を開設」し、「2. 投資信託のページから欲しい銘柄を選び」「3.購入ボタンを押す」だけです。

(対面証券というリアルで買い付ける方法もありますが、手数料が余計にかかってしまうのでおすすめできません)

ここではSBI証券を例にそのステップを見ていきましょう。

  • SBI証券

HP:https://www.sbisec.co.jp

個人証明書となるもの、マイナンバーカードなどの個人情報を入力します。

ほぼ詰まるポイントはないかと思われますが、特定口座は「開設(源泉徴収あり)」NISAは「NISAを申し込む」を選んでおくとよいでしょう。

口座開設が完了したら、投資信託のページから「インデックス」を検索します。

  • SBI証券 投資信託パワーサーチ

出典:https://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/powersearch/fundpsearch.do?

あとは

  • 手数料(信託報酬)
  • 投資指標(ベンチマーク)
  • 運用方針

などから投資対象を絞り、実際に購入していくことになります。

次の項目からその具体的な方法について見ていきましょう。

5、インデックス投資をする場合の銘柄の選び方

投資を始めようとしたとき、一度は「アセットアロケーション」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

カタカナだとなんのこっちゃですが、和訳すると「資産配分」、リスクを振り分けながらリターンを得る資産運用をすることです。

誰もが少ない元本で大きな利益を一度は夢見るものですが、そういったチャンスはなかなか巡ってこないものです。

リスクの高い金融商品に手を出して、元本割れどころか大きく損失を出してしまった…という例が後をたちません。

初心者の方こそリスクに気を配り、適切な資産配分をするべきだと言えるでしょう

少額投資のころは(最悪無くなってもすぐ復活できるので)そこまで分散投資する必要がないのですが、ある程度資産が増えてきて百万を越えたあたりからは適切なアロットアロケーションを組むことが重要です。

インデックス投資をするにあたり、どんな銘柄を選べばよいか、はこちらのサイトが参考になります。

  • モーニングスター 目標金額に必要な利回りでポートフォリオを組む

https://www.morningstar.co.jp/FundBeginner/portfolio_return1.html

大体年利が3%になるくらいに設定すると、どんなポートフォリオを組めばよいかという参考例が表示されます。

もちろんもっとリターンを得たい、という方は高い利回りでシミュレーションを行ってみるとよいでしょう。

また手数料が低いものから選びたい、という場合もモーニングスターのサイトを活用することで銘柄を絞り込むことが出来ます。

  • 主要インデックスファンドシリーズ、信託報酬・信託財産留保額の一覧(四半期更新)

https://www.morningstar.co.jp/fund/cost/index.html

6、インデックス投資をするなら!おすすめ銘柄はこれ

インデックス投資を行うときにどんな銘柄を購入すればよいか、というのは人によって様々です。

ですが個人的には投資初心者であればまずはローリスクな先進国債券・先進国株式・国内株式を組み込んだものを選ぶとよいと思います。

ここまで紹介してきたSBI証券、モーニングスターのサイトを活用すればある程度自分に合っているインデックスファンドを見つけられると思いますが、いくつか代表的なものを紹介しておきます。

  • ニッセイ-ニッセイ日経225インデックスファンド

https://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?s_rflg=1&Param6=229311041&int_fd=fund:psearch:search_result

日経平均の動きに連動した成果を目標とするインデックスファンドです

純資産も多く、国内株式オンリーのため目論見書をチェックしても内容が非常に分かりやすくなっています。

目論見書を見たときにある程度中身が分かるというのは重要で、外国株・外国債券などを組み込んでいるものだとリターンは高いけれど何が何だか分からない…というものもあるので要注意です。

  • 三菱UFJ国際-eMAXIS TOPIXインデックス

https://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?s_rflg=1&Param6=20331209A&int_fd=fund:psearch:search_result

こちらはTOPIXに連動したパフォーマンスを目指すインデックスファンドです。

純資産がやや減ってきているのは気になりますが、安定した値動きとなっており初めての投資先として選択肢の一つとして挙げられるでしょう。

まとめ

今回の記事では「そもそもインデックス投資とは何なのか?」ということから始め、その特徴について詳しく見てきました。

投資信託も株式も非常に多くの銘柄が存在し、選ぶのに一苦労といったイメージがありますが、ポイントを絞って探せばそこまでの手間がかかることはありません。

資産運用の道のりをまずは一歩、インデックス投資から始めてみてはいかがでしょうか。