株価が大暴落する中、株式や債券といったペーパー資産の不安定さを実感している方も多いのではないでしょうか?
何かが起こったときに頼れるのが、不動産や金などの現物資産です。
その中でも金の投資信託は、低額から始められるので、人気の投資方法です。
ですが、「金投資は初めて!投資信託はどうやって選んだらいいかわからない!」という方も多いかと思います。
そこで当記事では、初めての方でもわかりやすいように金の投資信託とはどのような投資方法なのかを説明し、やるべき人の特徴や選び方も含めて解説しています。
最後にはおすすめの投資信託一覧、そして他の金投資との比較もまとめているので、ご自身に合った商品を選ぶ際にぜひご活用下さい。
金の投資信託とは?
金を使った投資手法はいくつかありますが、その中でも投資信託は1,000円程度の低価格で始めることができる手軽な方法です。
また、金そのものに投資するのではなく、金の値段に連動する投資商品に投資することが一般的なため、金の現物を管理するコストがかからないため人気の商品です。
そのため、投資信託に近いのですが、金の投資信託ならではのメリットとデメリットがあるので、購入前に確認しましょう。
金の投資信託のメリット
金の投資信託には次の3つのメリットがあります。
- 少額から投資できる
- NISA口座も活用できる
- 手数料無料で購入でき、維持費も安い
- 株価や債券価格と連動しない
金の投資信託は、ネット証券なら1,000円程度から、店舗型証券でも数万円程度から始めることができる気軽な金融商品です。
また、NISA口座を活用すれば、利益が非課税になる点も魅力です。
なお、近年、ほとんどのネット証券で投資信託ファンドを手数料無料で購入できるようになってきているため、購入時の手数料を節約できるというメリットもあります。
それに加え、金の投資信託ファンドは株価や債券などと価格が連動しないことが多く、景気が下降局面にあるときも利益が上がりやすい点も忘れてはいけないメリットです。
株式や債券などの資産のリスクヘッジとしても、金の投資信託ファンドを検討してみてはいかがでしょうか。
金の投資信託のデメリット
デメリットは次の2点になります。
- ドルベースのため為替の影響を受ける
- 金価格の上昇がダイレクトに反映されないこともある
気軽なリスクヘッジとして保有できる金の投資信託ですが、デメリットがないわけではありません。
とりわけ、金自体がドル建てで取引されることが一般的なため、金の投資信託もドルベースで取引され、為替相場の影響を多少なりとも受けることがある点はデメリットといえるでしょう。
為替相場が円高になったときのためのリスクヘッジを持たない場合は、国内の運用会社で円建て取引されている金投資信託ファンドに投資をするほうが良いかもしれません。
また、最初にも触れましたが、金の投資信託は金そのものではなく金価格や金の上場投資信託に投資をすることが一般的です。
金の価格が上昇してもダイレクトにファンドの価格が高くなるわけではないため、金価格の上昇局面でも思ったような利益が出ない可能性があります。
金の投資信託はどんな人に向いているの?
投資には「相性」があり、自分の性格に合わせた投資商品を見つけて運用することが大切です。
向いている人の特徴
次の特徴に1つでも該当する方は、金の投資信託を投資方法の1つとして検討してみることができます。
- 中長期的な投資をおこないたい人
- すでに株式や債券で投資をしている人
- とにかくリスクを抑えたい人
金は価格が安定しているため、金価格や金ETFも比較的価格が安定しています。
中長期的に運用する金融商品を探している方やリスクを抑えた投資をおこないたい方に、金投資信託はおすすめといえます。
また、最初にも触れましたが、金は株式や債券の値動きとは相反する動きを示すことがあるため、すでに株式・債券の投資信託ファンドを保有している方はリスクヘッジとして金投資信託の運用を検討できるでしょう。
向いていない人の特徴
次の特徴が1つでも該当すると感じた方は、他の投資方法を選ぶようにしましょう。
- 長期間、自由になる資産がない人
- ハイリターンを求めている人
金投資信託は中長期的な投資に向いている商品のため、近々使途が決まっている資金を投入することはおすすめできません。
完全な余剰資金か、少なくとも5年以上使う予定のない資金を使って運用するようにしてください。
また、価格が安定しているということは、高利益を見込みにくいということでもあります。
ハイリターンを求めている方には、金投資信託はおすすめできる金融商品ではありません。
金の投資信託ファンドの選び方
金の投資信託ファンドは種類が多く、どう選んでよいか迷う方も多いでしょう。
コストをできるだけ抑え、なおかつ安全性も確保するための選び方を紹介します。
手数料
投資信託は購入時・保有時・売却時にそれぞれ手数料がかかります。
このうち、保有時にかかる「信託報酬などの管理料を含む手数料」と、売却時にかかる「解約手数料と信託財産留保額を含む手数料」に関しては各ファンドで決められています。そのため、買う窓口(証券会社や銀行など)が異なっても大差はありません。
しかし、購入時の手数料は、どこで買うかによって大きく異なります。
ネット証券ならほとんどのファンドが購入時の手数料が無料のため、少しでも投資にかかるコストを削減したい方は、ネット証券で購入するようにしてください。
マネックス証券やSBI証券などのネット証券は店舗型証券よりも取扱ファンド数が多く、幅広い選択肢からチョイスできる点もメリットです。
利回り
株式や債券などのペーパー資産とは異なり、金自体は利息や配当金のない資産です。
そのため、金の投資信託ファンドにも配当がないことがほとんどで、売買によってのみ利益を上げることが可能です。
投資信託ファンドを購入するときには、かならず過去の価格変動歴をチェックし、上昇が見込めそうなものだけを選ぶようにしましょう。
リスク
投資信託ファンドは目論見書に記された運用方針に従って運用されます。
もちろん、すべての目論見書は投資のエキスパートによって作成されていますが、かならずしも利益を上げられるとは限りません。
投資信託ファンドの運用が軌道に乗るまでは様子見の姿勢を取り、運用開始から少なくとも1年以上経っているファンドを選ぶことをおすすめします。
また、為替ヘッジをおこなっているかもチェックしてください。
為替ヘッジをおこなっているファンドは円高のときの値下がりリスクを軽減でき、損失を抑えやすくなります。
【最新版】おすすめの金投資信託ファンド
手数料が低く、なおかつ運用開始から1年以上経過している金投資信託ファンドの中から、とりわけおすすめの銘柄を紹介していきます。
金投資信託を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
三菱UFJ純金ファンド | ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり) | ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし) | ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり) | iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし) | |
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販売開始 | 2011年2月 | 2012年11月 | 2017年7月 | 2011年12月 | 2013年9月 |
投資対象 | 純金上場信託 | 金現物拠出型上場外国信託 | 金地金価格への連動を目指す上場信託 | 金現物に投資し、米ドル建ての金価格への連動を目指す | 金現物に投資している金ETF |
信託報酬 | 年0.99% | 年0.895% | 年0.407%+その他 | 最大年0.879% | 年0.5085%+その他 |
純資産総額 | 257.11億円 | 20.07億円 | 33.98億円 | 377.83億円 | 23.62億円 |
運用会社 | 三菱UFJ国際投信 | ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ | 日興アセットマネジメント | ピクテ投信投資顧問 | iShares デラウェア・トラスト・スポンサー・エルエルシー |
投資対象地域 | 国内 | 海外 | 国内および海外 | 海外 | 海外 |
為替ヘッジ | なし | あり | なし | あり | なし |
※信託報酬は税込み表示
※純資産総額はiシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし)に関しては2020年2月28日時点、その他は2020年3月13日時点
三菱UFJ純金ファンド(愛称:ファインゴールド)
株式メインの投資信託よりも、金投資信託のファンドは純資産額が少ない傾向にあります。
しかし、三菱UFJ純金ファンドは純資産総額が大きく、安心して長期保有できるでしょう。
また、為替ヘッジが設定されていない点が気になりますが、この商品は元々国内保管の純金への投資であることから、為替の影響を受けにくく、外貨預金や先進国株式・先進国債券に投資をしている方のリスクヘッジとしてもおすすめの銘柄です。
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
金現物拠出型上場外国信託とは、証券会社などが市場で買い付けた金の現物を運用会社に出資し、運用会社がETFとして設定したファンドです。
海外の金ETFに投資しているため、日本国内の経済状況が不安定なときも安定した価格を期待できます。
為替ヘッジもあり、価格が急落しにくい点も魅力です。
金投資内でリスクを分散させたい方は、三菱UFJ純金ファンドなどの国内金ファンドと合わせて保有してはいかがでしょうか。
また、信託報酬以外の管理費も含めて年1%未満とコストが低いため、長期保有を予定している方にもおすすめの銘柄です。
ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)
国内外の金地金価格を投資対象としているため、急激な価格変動が少なく、資産としての安定性の高さが強みのファンドです。
管理費は変動するものの信託報酬が低いため、長期保有しやすい点も魅力の1つです。
円安にも円高にも耐えられるファンドを探している方、すでに国内株式をメインとした投資信託ファンドのリスクヘッジを探している方にとりわけおすすめといえるでしょう。
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
世界的なファンド会社が運用していることと純資産総額の大きさ、金現物に投資していることから、安定性が高い金投資信託ファンドのなかでもとりわけ安定性が高い銘柄です。
初めて金投資をおこなう方はもちろん、投資初心者にもおすすめのファンドといえるでしょう。
ただし、米ドル建てのファンドのため、為替相場が円高に傾いているときの解約は避けるようにしてください。
為替ヘッジで為替の影響をダイレクトに受けることは回避できますが、換金時に資産が目減りしてしまう恐れがあります。
iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし)
円換算した金現物価格に連動するように運用しているファンドのため、投資対象は海外ではありますが、為替リスクをある程度軽減できる点が魅力の銘柄です。
ただし、円高局面では円換算の時点で資産が目減りしてしまうため、国内株式や国内株式のインデックスファンドに投資をしている方のリスクヘッジとしておすすめです。
また、管理費が低いことが多い金投資信託ファンドの中でも管理費が低く、長期保有にも適しています。
数年間は使途が決まっていない余剰資金の投資先としても、検討することができるでしょう。
投資信託で本当にいいの?その他の金投資と比較
金を使った投資商品は金投資信託だけではありません。
代表的な投資手法とそれぞれの特徴は以下のとおりです。
金投資信託 | 純金積立 | 金地金 | 金先物取引 | |
---|---|---|---|---|
投資期間 | 短期~長期 | 長期 | 長期 | 短期 |
必要な資金 | 月1,000円~ | 月1,000円~ | 約50万円~ | 約1万円~ |
コスト | 低い | 高い | 保管料※ | 高い |
初心者に対して | おすすめ | おすすめ | - | - |
※自宅に保管する場所があるならかからないことも
少ない投資資金で始めたい方には、金投資信託と純金積立がおすすめです。
低コストで投資をおこないたい方には金投資信託がおすすめですが、NISA口座で運用すれば、さらに投資益も非課税にすることが可能です。
利益を最大化したい方は、ぜひNISA口座の開設も検討してみましょう。
金そのものを保有したい方は、純金積立と金地金のいずれかを選択できます。
純金積立は手数料が高いというデメリットはあるものの、購入タイミングを分散させるために割高な価格で買うリスクを軽減できるというメリットがあります。
予算や投資スタイルに合った金投資商品を選んでください。
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まとめ:金投資信託は資産のリスクヘッジとしてもおすすめ
この記事の要点を最後にもう一度チェックしましょう。
- 金投資信託とは金相場や金の上場投資信託(ETF)を運用する投資商品で、1,000円程度から始められる投資初心者にもおすすめの投資方法の1つ。
- 金投資信託ファンドを選ぶときは、運用開始後1年以上が経過しており、信託報酬などのコストが低いものを選ぶようにする。
- すでに国内株式や債券などを保有している方も、リスクヘッジとして金投資信託ファンドを保有することができる。
金相場は株価や債券価格と連動しないため、リスクヘッジとして、全資産の1割程度を目安に金投資をするのもおすすめです。
その中でも、価格変動が穏やかかつ手数料が少ない金投資信託は、投資初心者にもおすすめの投資商品です。
リスクを分散させ、さまざまな局面で利益を期待するためにも、ポートフォリオに加えてみてはいかがでしょうか。