宝くじに高額当選したら資産運用はどうする?目的別おすすめの方法

宝くじで数千万円や数億円の賞金が当たるなんて夢のようなことがあったら、何に使おうか迷ってしまいますよね。立派な家を建てたり、高級車を買ったりする人が多いのでしょうか。

しかし、大金を手にして人生が悪い意味で変わってしまった人も大勢います。この記事では、宝くじに当たったときのリスクや、リスクを回避するための資産運用についてお伝えしていきます。

すでに賞金を手にした人も、これから当てようと意気込んでいる人も、長い人生を豊かに送るための参考にしてみてください。

宝くじに当たるとどうなる?

もし宝くじで1億円や2億円といった大金を手にすることができたら、その後の人生は遊んで暮らすことができるはず。人生を一瞬で変えられるから、多くの人が宝くじに夢を求めて買いに行くのです。

しかし、実際に当選した人のその後を調べてみると、全員が幸せな人生を送れたわけではありません。まずは、宝くじに当たった場合にどうなるかを考えてみましょう。

仕事をやめて無収入になる

「宝くじで数億円を手に入れたら、仕事をやめて遊んで暮らす!」と決めている人も多いことでしょう。しかし、高額当選者が最もやってはいけないのが「仕事をやめること」なのです。

意外に思うかもしれませんが、大金を手にしてもすぐに仕事をやめるのではなく、いったん落ち着いて考え直しましょう。

 

理由は、起きている時間の大部分を占める仕事をやめてしまうと人間は途端に暇になり、時間を持て余してしまうからです。退屈になって散財が進んだりして、何億円ものお金があったはずなのに気づけばすっからかんということにもなりかねないのです。

仕事をやめて無収入になっていたら、賞金を使い果たした後はどう暮らしていくのでしょうか?

 

そもそも、サラリーマンが生涯で稼げるお金は1億円から2億円と言われています。2億円当選した場合でも、仕事をやめてしまえば他に収入がなくなるため、賞金だけで生活するなら一般的な生活レベルを保つのがギリギリです。

贅沢したり、遊んで暮らしたりする余裕はないのです。

 

今の勤務先がブラック企業であるなど、やめなければならない理由があるなら宝くじの当選をきっかけにやめても良いかもしれません。その場合でも、収入を下げて気楽な職場を探したり、あまり儲からなくても好きな仕事にチャレンジしてみるなど、仕事を探すのがおすすめです。

当たったお金を使い果たしてしまう

1億円や2億円の賞金を使い果たすのは、意外とすぐのことです。家を買ったり旅行をしたりすれば、すぐになくなってしまいます。

サラリーマンの生涯賃金である1億円から2億円は、生きていくために必要な金額であると言えます。宝くじで当たったお金が1億円から2億円なら、まるまる生活費に充てるべきで贅沢できる余裕はないのです。

3億円以上当たったら、ようやく少しは贅沢できるかなといった感覚でしょう。

 

つまり、高額当選したからといって贅沢に使えば、生活費に充てる分はあっという間になくなってしまいます。もし当選したあなたが仕事をやめていた場合、賞金を使い果たしたらまた働き始めなければならないでしょう。

生活レベルを下げられなくなる

宝くじに当たったことをきっかけに立派な家を建てたり、世界一周旅行に行ったり、食べ物や着る物のランクを上げる人は多いでしょう。しかし、一度上げた生活レベルは元に戻せないことも知っておくべきです。

すでに解説したように、1億円や2億円を使い切ることなどあっという間です。再就職するなどして仕事の収入でやりくりしていくことになりますが、高くなった生活レベルはその収入で保てるでしょうか?

 

お金を使い果たした後に借金までしてしまう高額当選者がいるのは、収入に見合った生活ができないからです。一度上げた生活レベルを下げることができず、借金してまで贅沢な暮らしをしたいと思ってしまうのです。

ここまで解説したことに対して「自分は違う、高額当選しても大丈夫!」と思われるかもしれません。ですが、誰もが高額当選する前はそう思っていたのです。

「自分は大丈夫」「収入に見合った生活ができる」と思っていても、実際には借金までして苦しむことがあるのです。自分もそうなるかもしれないと真剣に考えてもらいたいです。

宝くじが当たったら資産運用するべき理由

これまでの解説を踏まえると、宝くじで高額当選しても、そのお金に頼って生活すると破滅にまっしぐらになってしまうかもしれません。堅実に仕事をして普通の生活レベルを維持しつつ、お金の使い道を考えていきましょう。

宝くじが当たった人におすすめなのが、資産運用です。1億円単位のお金が手に入ったら、資産運用で増やしながら使い道や人生設計を考えていくと良いでしょう。宝くじで大金を手に入れた人に資産運用をおすすめする理由は次の3つです。

  1. お金をさらに増やせる
  2. 不労所得で生活できる
  3. 相続で子供や孫が豊かに暮らせる

理由1:お金をさらに増やせる

資産運用をすれば、お金をさらに増やせることが期待できます。元手が大きいほど利益も大きくなるのが資産運用なので、億単位のお金が手に入ったら投資を考えてみましょう。

例えば、利回り5パーセントで運用した場合、5年間で1億円は約1億2,800万円まで増やすことができます。たった5年で2800万円も増やせるので、今すぐに1億円を使う必要がないなら、運用して寝かせてみてはいかがでしょうか?

 

もっと時間をかければ、よりお金を多く増やすことができます。利回り5パーセントで10年間運用すれば約1億6,300万円に、20年間運用すれば約2億6,500万円に増やせるのです。

当選したお金の使い道が決まるまでは、ひとまず資産運用をして増やしていくと良いでしょう。その後、自分や家族が納得する使い道が決まったら使う形をおすすめします。

理由2:不労所得で生活できる

上記のように、とりあえず運用してお金を増やすのも良いですが、増えた分のお金を不労所得として生活費に充てることもできます。仕事の収入と資産運用の収入のダブルインカムなら、当選金の元本を減らさなくてもかなり裕福な暮らしができるでしょう。

例えば、配当金や分配金が元本の5パーセントもらえると仮定しましょう。1億円を資産運用する場合、年間で500万円の不労所得を得ることができます。

仕事による世帯収入が500万円の人は、運用による収入と合わせて1,000万円の収入が得られます。生活にかなりのゆとりが生まれるのではないでしょうか。

 

また、配当金や分配金を生活費に充てるため、元本となる賞金を取り崩すわけではありません。前述のように賞金を使い切ってしまう悪い使い方とは異なります。

もちろん運用が上手くいかず元本割れするリスクはありますが、低リスク運用を心がければ一気に大金を失う確率は下げられます。億円単位の元手があれば運用の収入でも数百万円レベルが期待できるので、元本を取り崩さなくても豊かな生活ができるはずです。

理由3:相続で子供や孫が豊かに暮らせる

資産運用によって増やしたお金は、すべてを自分の世代で使い切る必要はありません。子供や孫が恩恵を受けられるよう相続していくと良いでしょう。

高度経済成長期やバブル期とは違い、これからの日本に経済成長はあまり期待できません。少子高齢化社会で医療費・介護福祉費が増大する中、給料は減っていくのがこれからの日本です。

 

ますます生活費を稼ぐのが大変になっていくと予想できるので、子供や孫の世代は今よりも厳しい生活を強いられるかもしれません。

そんな環境で、親世代が残してくれたお金があれば、どんなに助かるでしょうか。子供や孫が困窮しないよう、宝くじの幸運を相続していくことも選択肢の一つだと言えるでしょう。

低リスクのおすすめ資産運用方法

ここからは、どういった方法で資産運用するのが良いか、具体的な投資方法についてお伝えしていきます。まずは、投資のリスクである元本割れが嫌な人のために、低リスクで資産運用できる投資方法を紹介していきます。

元本割れとは、運用に失敗してお金が減ってしまうことです。投資とはリスクを取ってリターンを取りにいくものなので、リスクを低く抑えるならリターンも小さくはなります。

ここで紹介するのは「ローリスク・ローリターン」の資産運用なので、投資に対して怖さを感じている人は、これから紹介する方法を検討してみてください。

定期預金

定期預金は、銀行にお金を決まった期間預ける預金です。普通預金と違って満期を迎えるまで原則として解約できませんが、普通預金よりも高い金利が設定されていることが多いです。

定期預金は元本が保証されているメリットがあるので、元本割れを怖く感じる方におすすめです。

 

ただし、保証されるのは1つの金融機関につき定期預金や普通預金などを合わせて1,000万円までと元本とその利息です。宝くじの高額賞金を預ける場合、複数の銀行に口座を開設し、1,000万円以下になるように分けて定期預金に預けると良いでしょう。

定期預金のデメリットとしては、投資ではなく非常に低リスクの預金であるため、利回りも低いことが挙げられます。

これから紹介する他の方法だと1パーセント以上の利回りは期待できますが、定期預金だと最高でも0.1パーセント程度です。賞金の一部を元本保証の定期預金で運用するなど、部分的な使い方が良いでしょう。

個人向け国債

国債は国にお金を貸し出す投資商品で、投資家は利息をもらうことができます。あらかじめ満期が決まっており、満期が来たら投資した元本も返ってくる商品です。

日本の個人向け国債は基本的に元本保証というメリットがあるので、定期預金と同様に元本割れが怖いと感じる方におすすめです。新興国の国債は政治経済リスクが大きく元本割れする可能性もありますが、日本のような先進国の国債であれば、元本割れのリスクは非常に低いです。

ただし、利回りが1パーセント未満と低いデメリットもあります。投資で収益を出したい人にはおすすめしづらい商品です。

外貨預金

外貨預金は、海外の通貨で預金することです。海外の方が金利が高いことが多く、預金でも高い収益を上げられます。

外貨預金のメリットは普通預金や定期預金よりも利回りが高く、米ドルなら1パーセント程度、豪ドルなら2パーセント程度の金利が狙えることです。

 

ただし、外貨預金の金利は国際情勢などで頻繁に動くので、預け入れの前に金利を確認しておきましょう。

外貨預金のデメリットは、為替変動リスクがあることです。為替の変動によって、日本円で預け入れたときより、満期が来て戻ってきたときの方が減っていることもあり得ます。

そのため、為替変動リスクが大きい新興国の外貨預金はおすすめできません。まずは先進国通貨でかつ高金利な米ドルから外貨預金を始めると良いでしょう。

不労所得が得られるおすすめ資産運用方法

次に、投資することで不労所得が得られる資産運用の方法について解説していきます。上述したように、賞金には手をつけず、不労所得で生活費を増やしたい人におすすめの投資方法です。

株式投資

株式投資は、企業に出資して利益の一部を配当としてもらう投資方法です。定期的に配当金がもらえるので、不労所得を稼ぐのにぴったりです。

また、株価が上がってから売却すれば差額を儲けることもできます。

 

株式投資のメリットは、株主優待の制度があることです。一部の企業では、株主に対して自社製品や割引券を配っているので、上手く活用すれば生活費を抑えたり、美味しい食事をお得に楽しんだりできます。

株式投資のデメリットは、銘柄選びが難しいことです。今まで投資をしたことがない人が、いきなり将来有望な株式を選ぼうとしても、難しいでしょう。

不動産投資

不動産投資は、マンションやアパートなどを購入して貸し出し、入居者から家賃をもらう投資方法です。

不動産投資のメリットは、安定した収入が期待できることです。一度入居した人は数年間住み続けると考えられるので、その間は安定した家賃収入が得られます。

 

不動産投資のデメリットは、不動産を所有するのに数千万円から数億円のお金がかかることです。

しかし、宝くじで高額当選した人にとってはそこまでの大金ではないかもしれません。不動産投資ローンを組んで始めることもできます。

投資会社

投資会社は、顧客の資産を預かって運用する会社です。ヘッジファンドなどを独自の投資理論で運用する会社で、富裕層の投資先として人気があります。

投資会社のメリットは、非常に高い利回りを求められることです。年率10パーセント以上の利益が出ることも珍しくなく、投資家にとって憧れの投資先です。

 

投資会社のデメリットは、最低申込額が1,000万円と高いことです。始めるためのハードルが高く、多くの投資家には手が出ない投資先になっているのです。

しかし、宝くじで高額当選した人にとっては、そこまで大きな金額ではないかもしれません。余剰資金が1,000万円以上あるなら、投資会社に運用を任せることをおすすめします。

老後の資産形成におすすめ資産運用方法

「賞金をもっと増やして老後に使いたい!」と考えている方は、リスクが低めで長期的な資産形成ができる方法を選ぶと良いでしょう。ゆっくりじわじわと増やしていける資産運用の方法として、投資信託とETFを紹介していきます。

投資信託

投資信託は、投資会社にお金を預け運用してもらう商品です。投資会社とは異なり、株式や債券など一般的な商品で運用しているためわかりやすい投資商品です。

投資信託のメリットは、普通の商品で運用しているため、市場平均と同じくらいの運用成績が期待できることです。大きく得をする期待はしにくいですが、大きく損をする可能性も低いローリスク・ローリターンな商品です。

 

投資信託のデメリットは、株式やヘッジファンドに比べると利回りが物足りないことです。1パーセントから3パーセント程度の利回りなので、定期預金よりは高く株式よりは低いといったイメージです。

それでも、100円から始められる手軽さなどのため人気がある商品です。これから投資デビューする方にはおすすめの商品です。

ETF(上場投資信託)

ETF(上場投資信託)は投資信託の仲間で、プロに運用を任せられる点は同じです。ETFは証券取引所で売買する点が異なります。

ETFのメリットは、経費が安く抑えられている商品が多く、投資信託よりも低コストであることです。そのため、利回りも若干高く2パーセントから5パーセント程度が狙えます。

ETFのデメリットは、証券取引所で売買するので注文方法がやや難しいことでしょう。投資信託で投資に慣れてきたらETFにも挑戦してみるという流れをおすすめします。

まとめ

宝くじに当たっても不幸になってしまう人がいることや、賞金は資産運用した方が良い理由についてお伝えしてきました。

大金があるからといって仕事をやめたり、お金を使いまくってしまうと、後で困ることになります。資産運用して賞金を増やしたり不労所得を作ったりして、長い人生を豊かに生活できる工夫をしましょう。

 

資産運用の方法も多種多様で、定期預金や国債、株式、投資会社、投資信託などさまざまです。まとまった金額の賞金があるなら、いくつかの商品に分散させて投資させることもおすすめです。