株式の手数料について詳しく知って損をしない方法

  • 2018年1月16日
  • 2021年10月15日

株式投資を始めようと思ったら、まずは証券会社に口座を開設する必要があります。どの証券会社を選択するのかは、さまざまな決め手があるでしょう。個人によって合う合わないがあるため、しっかりと見極めることが重要です。

そこでひとつポイントとなるのが、手数料です。手数料が高い証券会社を選択して後悔してしまうことも珍しくありません。そこで、株式を購入するのにどのくらいの金額、どんな種類の手数料がかかるのかをご紹介します。

手数料は投資金額と比較すれば大きくはないのですが、まさに「塵も積もれば山となる」で、きちんと把握して運用するか否かで運用成績に大きな影響を及ぼします。この記事をお読み頂ければ手数料で損をすることはなくなるでしょう。

ご参考になれば幸いです。

1、手数料は証券会社それぞれ違う?証券会社の手数料のしくみについて


預金をするために何かお金がかかることはありませんが、株式取引においては手数料が発生します。大して気にしていないという人もいるかもしれませんが、この手数料はなかなか侮れるものではありません。

そして、手数料は証券会社によっても異なります。「同じ株取引なのにどうして?」と疑問に感じるかもしれませんが、これを理解するために証券会社の種類について知っておく必要があります。証券会社は大きく以下の3つに分類されます。

営業マンが手厚くサポートする大手証券会社
コールセンターに電話をして株取引の受付を行う証券会社
インターネット経由で、ユーザー自身が取引するだけの証券会社

それぞれ顧客からの注文方法は異なりますが、証券会社が行っている売買の仕組みは同じですので、その際に手数料が発生します。そして手数料が証券会社によって違う大きな理由は、顧客ごとに担当のアドバイザーが付くか付かないかの差です。

大手証券会社は株取引をする際に、顧客に応じて担当者が相談に乗ってくれますが、その分手数料が高くなってしまいます。対してネット証券の場合、基本的には顧客が自力で銘柄を選択していることからも、手数料を安く抑えることができています。

2、株式手数料の安い証券会社は?


株取引するための手数料は、証券会社選びの中でも重要なポイントです。とにかく安い手数料で取引がしたいという人のために、現物・信用によっての手数料の違いだけでなく、おすすめの証券会社もご紹介します。

(1)証券会社の手数料の種類

まず、証券会社における株取引の売買手数料は、以下の2種類が存在します。

約定単位

株取引における最もスタンダードなタイプで、売買の都度、手数料が発生します。支払う金額は売買金額に応じており、売買金額が大きくなればなるほど手数料が高くなるのが一般的です。

一日定額

1日に売買した合計金額に対して手数料が発生します。例えば「30万円」「50万円」「80万円」と1日に3回の売買を行った場合、その合計金額である160万円に対して手数料が発生する仕組みです。

(2)国内株現物取引手数料(上:約定単位 下:一日定額)

10万円まで 30万円まで 50万円まで 100万円まで
GMOクリック証券 95円 260円 260円 470円
230円 300円 430円 860円
SBI証券 150円 293円 293円 525円
0円 308円 463円 822円
カブドットコム証券 97円 270円 270円 1,069円
楽天証券 150円 293円 293円 525円
0円 308円 463円 926円
岡三オンライン証券 106円 378円 378円 648円
106円 378円 540円 864円
松井証券
0円 324円 540円 1,080円
ライブスター証券 86円 194円 194円 367円
432円 432円 432円 648円

2017年12月時点

(3)信用取引手数料(上:約定単位 下:一日定額)

10万円まで 30万円まで 50万円まで 100万円まで
GMOクリック証券 100円 100円 100円 100円
100円 210円 210円 420円
SBI証券 102円 205円 205円 388円
0円 258円 258円 515円
カブドットコム証券 106円 268円 484円 820円
楽天証券 388円 388円 388円 388円
0円 308円 463円 926円
岡三オンライン証券 106円 324円 324円 540円
106円 324円 540円 756円
松井証券
0円 324円 540円 1,080円
ライブスター証券 86円 86円 86円 86円
432円 432円 432円 432円

2017年12月時点

(4)手数料で選ぶなら!おすすめ証券会社ランキングベスト3

株取引を行う際に、手数料が安い方が良いのは言うまでもありません。上記で取引手法によっての違いを表でご紹介しましたが、これらを徹底比較しておすすめランキングベスト3を作成しました。

第1位:ライブスター証券


現物・信用ともに20万円以下の約定代金であれば手数料は税込86円で取引が可能です。さらに信用取引だけで限定すると、売買金額が上がっても一定の手数料となっています。また、信用取引の約定代金が300万円を超えると手数料は無料になります。

第2位:GMOクリック証券


現物取引では安いとも高いとも判断することができないところですが、それでも約定代金が20万円以下なら手数料は税込95円で取引可能です。信用取引においては安定の安さを保っており、一日定額で選ぶなら間違いなくGMOクリック証券です。

第3位:SBI証券


現物・信用ともに20万円以下の一日定額であれば、手数料は0円で取引可能です。その他に関しても上位2企業に比べて特出する点はありませんが、平均的に高い水準を保っており、投資家アンケートにおいても手数料の安さで評価が高いことで知られています。

3、NISA口座で株式手数料が無料に?


毎年120万円の非課税投資枠が設定され、株式・投資信託などの配当・譲渡益などが非課税対象となるNISAは各証券会社が力を入れています。そのため、株取引手数料を無料にするサービスを実施するところも少なくありません。

また一部の証券会社では、NISAの口座で取引すると国内株式・海外ETFの手数料が無料になります。NISAで手数料が無料の証券会社には「SBI証券」「マネックス証券」「楽天証券」「松井証券」が挙げられます。

SBI証券を例に挙げると、国内株式では売買代金にかかわらず、買付、売却ともに手数料は0円となります。また海外ETFでも買付代金に関わらず手数料は0円となります。ただし対象コースは限られていますので、注意が必要です。

4、無料で使えるトレーディングツールの利用方法


株取引をよりやりやすくするために使われるトレーディングツール。ソフトをインストールすることで、

「自動株価ボード」「リアルタイムチャート」「スクリーニング」「投資ニュース」「四季報などの投資関連情報」などの情報を確認することができます。

他にも最近ではスマートフォンの「専用アプリ」も主流となってきており、益々の多様化が進んでいます。ツールの使い勝手に関しては個人によっても感想は異なってくるかと思いますが、無料で利用できるものも出てきています。

(1)SBI証券

ツール名 HYPER SBI
テクニカル 73種類
比較チャート 銘柄・指標・為替の中で3つまで比較可能
同時表示最大数 10
同時表示可能銘柄 海外指標や為替, コモディティ情報も可能
チャート種類 12種類
利用料(税抜き) 500円/1か月

情報量の豊富さで高い人気を誇っているSBI証券の「HYPER SB」は、テクニカルチャートや発注関連などの機能は基本的に網羅されており、株初心者でも扱いやすいトレーディングツールです。チャート分析においてもさまざまな機能が搭載されています。

月額500円の利用料金が必要ですが、前営業日までに約定1回と、約定日当日時点で電子サービスの利用などの条件をクリアしていれば、翌日から起算して36日間は無料で利用可能です。また口座開設後は、1か月間無料で利用することができます。

(2)岡三オンライン証券

ツール名 岡三ネットトレーダー プレミアム
テクニカル 21種類
比較チャート 銘柄・指標・為替の中で最大4銘柄まで比較可能
同時表示最大数 すべてのテクニカルを同時表示可能
同時表示可能銘柄 海外情報や為替情報も可能
チャート種類 6種類
利用料(税抜き) 908円/35日

高機能トレーディングツールとして知られている岡三オンライン証券の「岡三ネットトレーダー プレミアム」は、指標・ランキング・スクリーニングなどどの機能を挙げても圧倒的なNo.1を誇っています。特に特殊注文が高機能で、トリガートレール注文を実装しています。

他にもRSSによるExcelを活用してシステムトレードが試せる「岡三RSS」は玄人にも人気が高くなっています。「プレミアム」以外にもさまざまなバージョンが用意されており、「WEB」「ライト」「ライトF」は無料で利用することが可能です。

(3)楽天証券

ツール名 MARKETSPEED
テクニカル 21種類
比較チャート 銘柄・指数を最大4銘柄比較(スプレットの場合は2銘柄)
同時表示最大数 4
同時表示可能銘柄 海外指標や為替情報も可能
チャート種類 5種類
利用料(税抜き) 2,500円/3か月

プロの投資家に愛用者が多く、これに慣れてしまったら他のトレーディングツールに戻れないという声が多数挙がっている、楽天証券の「MARKETSPEED」は、情報量が豊富で、ニュースやチャートの配置が自由な点など、株初心者でも使いやすくなっています。

そんな楽天証券の代名詞とも言えるトレーディングツールですが、3か月で2,500円と利用料金が設定されています。しかしながら「利用開始3ヶ月は無料」や「資産残高30万円以上は無料」など無料利用条件が低く設定されています。

5、株式手数料を知ってあなたはどの証券会社を選びますか?

どこの証券会社から株取引を行えばいいのか、迷っている人も多いのではないでしょうか。特に株取引初心者にとって、何を重視するべきなのかは分かりませんよね。それではまず、具体的に証券会社を比較するためのポイントを整理していきましょう。

・取引手数料
・取扱商品
・サービス
・分析ツール
・信頼度(サポート)

このように大きく5つの比較ポイントを挙げることができます。しかしながら、株取引初心者が最初からこれらをしっかりと見極めるには至難の業です。そこで特に重視した方が良いポイントは、ずばり取引手数料です。

サービスやツールなどさまざまな点に各社が力を入れているのは確かです。それでもそれらのツールは投資家が上手く使うことによって成績を上げることができるという条件付きです。最初から高度なツールを使いこなそうとは考えず、シンプルに手数料を重視して証券会社選びを行いましょう。

とは言っても、手数料のみで判断するのは非常に危険です。他のポイントをすべて無視してしまうのは、さすがに得策とは言えません。手数料を中心に考える方法は変えずに、他のポイントを比較して致命的な部分がないのかを確認しましょう。

まとめ

投資スタイルは人それぞれ違い、証券会社に関しても個性があります。そのため、一概にどの証券会社がおすすめというのは言うことができません。それでも初心者にとって証券会社選びのポイントとなる部分は取引手数料が基本です。他の部分とも比較して、自分に合った株取引を始めてくださいね。