逆指値と指値の違いは?逆指値をつかったロスカットと利益確定のポイント

  • 2018年7月30日
  • 2021年10月15日

指値と逆指値の違いをご存知ですか?

指値も逆指値も株式投資を成功させる上で、絶対に知っておいて欲しい言葉です。

今回は、

  • 指値とは
  • 逆指値とは
  • 指値と逆指値の違いは
  • 逆指値を使った取引の成功例

などについて解説していきます。

ご参考になれば幸いです。

1、指値とは?

指値(さしね)について説明する前に、「成行(なりゆき)」について知っておく必要があります。

成行とは、買い注文ならば「今すぐに買える価格」、売り注文ならば「今すぐに売れる価格」で市場に注文を出す方法です。

価格は、株価や取引状況によって自動で決まるのでトレーダーは価格を入力しません。

基本的に、すぐに約定するので取引の結果を早く知ることができるのがメリットです。

しかし、値動きの激しい局面で成行注文を出してしまうと思わぬ価格で約定してしまう場合があります。

また、成行注文しようとすると市場を観察しておかないといけないので、平日の日中に仕事のあるサラリーマンには厳しいです。

(株式市場の時間は朝9時〜11時30分、12時30分〜15時)

成行注文に対し、約定希望価格を注文時に入力できるのが指値(または逆指値)注文です。

成行とは違い、値動きが激しい場合でも自分の決めた価格で約定するので、リスクを下げることができます。

指値注文でできることは以下のとおりです。

(1)指定した価格より株価が下がったら買う

狙っているA株の現在株価が100円とします。

100だと高いので90円になったら買いたい場合、指値注文で90円としておけば株価が90円になったときに自動で株を買ってくれます。

(2)指定した価格より株価が上がったら売る

持っているB株の現在株価が100円とします。

100円だと売るには安いので110円になったら売りたい場合、指値注文で110円としておけば株価が110円になったときに自動で株を売ってくれます。

指値注文さえ出しておけば、自動で取引をしてくれるのでサラリーマンにもうってつけです。

2、逆指値とは?

逆指値注文では、指値注文とは異なった注文をすることができます。

逆」指値なので、指値注文とは逆の注文となります。

(1)指定した価格より株価が下がったら売る

持っているC株の現在株価が100円とします。

株価が90円になったら下降相場と判断して売りたい場合、逆指値注文で90円としておけば株価が90円になったときに自動で株を売ってくれます。

(2)指定した価格より株価が上がったら買う

狙っているD株の現在株価が100円とします。

株価が110円になったら上昇相場と判断して買いたい場合、逆指値注文で110円としておけば株価が110円になったときに自動で株を買ってくれます。

指値注文と比べて、やや上級者向けですが習得しておきたい注文方法です。

3、指値注文と逆指値注文の違いは?

指値注文と逆指値注文の違いを明確にしておきましょう。

(1)買い注文の場合

①指値:指定した価格より株価が「下がったら」買う

指値注文は、現在株価よりも安い株価で買いたい場合に使いましょう。

株価の反発による利益を狙いたい場合に有効です。

②逆指値:指定した価格より株価が「上がったら」買う

逆指値注文は、現在株価よりも高い株価で買いたい場合に使います。

一見するとより高い株価で買ってしまうともったいない気もしますが、上昇相場を見極めて買いたい場合に有効となります。

(2)売り注文の場合

①指値:指定した価格より株価が「上がったら」売る

指値注文は、現在株価よりも高い株価で売りたい場合に使いましょう。

上昇相場時に利益最大化を狙いたい場合に有効です。

②逆指値:指定した価格より株価が「下がったら」売る

逆指値注文は、現在株価よりも安い価格で売りたい場合に使います。

株式投資で最も大切な「ロスカット」ができる注文方法ですのでぜひとも有効に使っていきたいです。

4、指値注文、逆指値注文のメリット・デメリット

指値注文と逆指値注文のメリットとデメリットについて整理します。

(1)メリット

指値、逆指値いずれの場合も約定希望価格を設定できるのでリスクを抑えつつ、利益の最大化を狙った投資が可能です。

特に逆指値を使った売り注文ではロスカットを自動的に設定できるので活用しない手はありません。

また、約定希望価格さえ設定していれば自動で売買してくれるのも指値・逆指値の強みです。

日中の株式市場を観察できない会社員にとって、非常にありがたい注文方法です。

(2)デメリット

約定希望価格に到達しなかった場合、当然ですが約定することはありません。

とりあえず取引を成立させたい場合は、成行注文の方が有効になります。

ちなみに、「約定希望価格はあるけど、その日中に何が何でも買いたい(売りたい)」場合は「不成注文」を行うと良いでしょう。

不成注文ならば大引け(市場が閉まる時間)まで約定希望価格に到達しなかった場合、成行注文に切り替わるのでとりあえず約定させることができます。

5、逆指値を利用した5つ注文方法

逆指値を有効に使うと、取引を有利に進めることができます。

具体的な注文方法を5つ紹介します。

(1)ストップロス

記事内で度々触れてきましたが、「ストップロス」を効率的に行うことができます。

ストップロスとは損切りとも呼ばれ、損失を最小に抑えるために株式投資では不可欠な戦略です。

逆指値注文で損切りラインの価格を注文時に入力しておけば、自動的に損切りしてくれます。

(2)ストップロス&利食い狙い

逆指値注文と指値注文は同時に発注できます。

これを利用して、ストップロスを設定すると同時に利食いラインを指値注文で設定しておきます。

例えば、A株を100円で買ったとします。

利食いラインを120円として指値注文をしておけば、株価が120円を超えた時に確実に利益を得ることができます。

同時に、株価が急落したときに備えて90円で逆指値売り注文を出しておけば損失を10円に抑えることができます。

利食いラインとロスカットラインを設定するので最も基本的な株式投資の戦略となります。

(3)利益確定売り

買った株が含み益になった場合に、逆指値注文で利益確定売り注文を出すことができます。

例えば100円で買ったA株が120円をつけた場合、まだ上がると考える一方で下がる可能性も十分ありえます。

そんなときに、120円から値下がったとしても利益を得たい場合、110円で逆指値売り注文を出しておきます。

すると、株価が急落して90円になったとしても逆指値注文のおかげで、110円で売り抜けることができるのです。

(4)トレンドフォロー

上昇相場時に、利益確定売りの逆指値注文を更新し続ける投資方法です。

100円でA株を買い、A株が上昇相場に入ったとします。

A株が120円、140円、160円と株価が上昇していく動きにあわせて、逆指値売り注文を110円、130円、150円と発注していきます。

確定利益を伸ばし続けることができます。

(5)レンジ抜け狙い注文

株式相場には「レンジ相場(ボックス相場)」が存在します。

株価が波打つように、一定の値幅で動く状況を指します。

このレンジ相場を抜けるとその方向に株価が伸びる傾向にあるので、伸びを狙って逆指値注文を出しておく注文方法です。

例えば、A株が80円〜120円のレンジ相場だとすると、125円を超えた時に「レンジ抜け」と判断できます。

その後は130円、140円と株価が上昇していくことが予想できます。

その利益を狙って125円で逆指値買い注文を出しておくのです。

6、失敗しない逆指値注文の出し方

逆指値注文の注意点が一点だけあります。

逆指値注文で約定希望価格を指定して注文した場合、相場の状況によっては約定しない場合があります。

例えば、A株が100円のときに90円で逆指値売り注文(ロスカットライン設定)を出しておいたとします。

このときに、株価が急激な下落をして80円になってしまった場合、約定されずに注文が残ってしまう状況があるのです。

上記のケースはどのような状況で起こるのでしょうか。

簡単な例を紹介します。

(1)現在株価100円で購入

売数量 気配値 買数量
2000 OVER
1000 115
800 110
500 105
300 100
95 400
90 500
85 600
80 800
75 400
UNDER 1500

まず、上記の板の株を「100円で100株」買ったとします。

ロスカットラインを「90円」としておき、逆指値売り注文をします。

(2)大量の売り注文が入った

売数量 気配値 買数量
2000 OVER
1000 115
800 110
500 105
300 100
95 0
90 0
85 0
80 800
75 400
UNDER 1500

その後、大量(1500株分)の成行売り注文が入ります。

すると、株価は急落し80円となります。

(3)90円の売り注文が執行されていない

売数量 気配値 買数量
2000 OVER
1000 115
800 110
500 105
300 100
0 95
100 90
0 85
80 800
75 400
UNDER 1500

株価が急落したため、①で発注しておいた「90円で100株売り」が執行されていません。

現在株価が80円となっているに関わらず、90円でロスカットできていないのです。

このようなケースを防ぐためにも、逆指値注文でロスカットを設定する場合は株価が90円「以下」になったら注文執行できるように成行で売るように設定しましょう。

7、逆指値を使った取引の失敗例、成功例を語っている投資家さんのブログ

実際に逆指値注文を活用して株式投資を実践している投資家さんのブログを紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

(1)塩漬けマンの株奮闘記

塩漬けマンの株奮闘記

株式投資で成果を出し続けて専業投資家にまで上り詰めた方のブログです。

自信の収益状況を詳しく記事にしているので、株式投資の実感が沸かない方でも参考にできます。

(2)進撃の個人投資家

進撃の個人投資家

個人の収益報告というよりは投資家向けのノウハウやコラムをまとめたブログです。

株式投資の戦略だけではなく、マインドセットの醸成なども記事にしています。

(3)招金の投資・不労所得ブログ

招金の投資・不労所得ブログ

株式投資の専門的な知識や戦略を分かりやすい文章で解説しています。

仮想通貨など他コンテンツも充実しているので興味のある方は参考にしてみると良いでしょう。

まとめ

指値・逆指値注文についての解説から、具体的な活用方法をまとめました。

特に逆指値注文を使ったロスカットについては株式投資で欠かせないテクニックですので、ぜひとも活用してください。