仮想通貨などブロックチェーンについては耳にすることも多いのではないでしょうか。
このブロックチェーンは仮想通貨での利用だけでなく、幅広い分野に応用され着々と広がりを見せています。
ブロックチェーンゲームもそのひとつであり、家庭用ゲーム機からスマホゲームへと進化してきたゲームの世界の、次なるステージとして注目を集めています。
株式市場でもゲームに関連して高騰した銘柄は多く、任天堂の「ポケモンGO」、ガンホーの「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」などは記憶に新しいところです。
この記事では今注目のブロックチェーンゲームとその関連銘柄について解説します。
1、ブロックチェーンゲームとは?
ブロックチェーンゲームとは、ブロックチェーン技術が元になったDapps(分散型アプリケーション)をゲームに応用したものです。
ブロックチェーンやらDappsやら新しい技術がどんどん出てきて、すぐに時代においていかれてしまいそうです。
まずはこれらの技術から順に確認していきましょう。
(1)ブロックチェーン
ブロックチェーンとは、特定の管理者によらず、取引データ(履歴)などの情報を信頼性を担保しながら記録・保存・公開する技術のことです。
保存されたデータはユーザ同士で管理する仕組みとなっており、特定の管理者が存在しないことが特徴です。
データはブロックというデータのまとまりとして保存され、その前後のブロック同士のデータが鎖状につながった状態となっています。
これによってデータの書き換え(改ざん)は極めて困難(ほぼ不可能)となっており、データの信頼性が担保されています。
(2)Dapps(非中央集権・分散型アプリケーション)
Dappsとは、1.ソースが公開されており、特定の管理者がコントロールすることなく動く、2.トークンによる経済圏が成立している、3.ユーザーからの改善要求によって仕様の変更などが行われる、という要件を満たすものを言います。
(3)ブロックチェーンゲームの特徴
Dappsが応用されたブロックチェーンゲームには以下のような特徴があります。
- 管理(運営)主体がなくシステムが自動化されている
- トークンの利用によってアセット(資産)が残る
- ゲーム内通貨として仮想通貨が利用でき、換金性がある
(4)これまでのゲームアプリとブロックチェーンゲームの違い
ではブロックチェーンゲームは、これまでのゲームアプリと一体なにが違うのでしょうか。
従来のゲームアプリ | ブロックチェーンゲーム |
管理者(運営会社)に操作される可能性がある(中央集権的管理) | 自動化されたシステムで運営され、特定の管理者による不正は困難(非集権的管理) |
サービス(ゲーム)が終了するとデータも失われる | サービス(ゲーム)が終了してもデータはアセット(資産)として残る |
ゲーム内通貨は現実の通貨に換金できない | ゲーム内通貨を現実の通貨に換金できる |
獲得アイテムをユーザ同士で売買できない | 獲得アイテムをユーザ同士で売買できる |
(5)ブロックチェーンゲームのメリット
このような特徴のあるブロックチェーンゲームには以下のような、従来のゲームにはないメリットが期待できます。
・管理者(運営会社)が不要である
・管理者(運営会社)や特定のユーザによる不正を防止できる
・サーバーダウンの心配がない
・ゲームデータが安全・確実に残る
・ゲーム内通貨と現実の通貨に換金性がある
(6)海外発!ブロックチェーン上で猫を育てる「クリプトキティーズ」の売り上げは約3ヶ月で19億円突破
2017年11月にリリースされ、世界的に人気を集めているブロックチェーンゲーム「Cryptokitties(クリプトキティーズ)」は、リリースから約3ヶ月で19億円の売り上げを記録するなど、ブロックチェーンの注目の高さが伺えます。
クリプトキティーズは猫のキャラクターを交配して新しい猫(キティ)を作ったり、そのキティを売買できるゲームなのですが、キャラクターの中には1,000万円で売買された強者もいます。
253ETH(当時のレートで約1,300万円)で売買された強者…
2018年5月30日時点、300ETH(同日レートで約1,900万円弱)で売出中です…
出所:クリプトキティーズ
2、日本発!ブロックチャーンゲーム5選
ブロックチェーンゲームでは海外勢が先行しましたが、日本発のブロックチェーンゲームも続々登場してきています。
(1)くりぷ豚(くりぷとん)
イーサリアムでかわいい豚たちをトレード、配合できるシミュレーションゲームです。1,000万円越えの豚も夢じゃない!?
(2)イーサ三国志
三国志をテーマとしたカードバトルゲームです。イーサリアムを利用しています。
(3)BitHunters(ビットハンターズ)
現実世界を歩いて気軽に冒険を楽しめるリアルワールドゲームで、位置情報を利用した「ポケモンGO」タイプのブロックチェーンゲームです。
(4)CRYPTO SPELLS(クリプトスペルズ)
日本初の仮想通貨トレーディングカードゲームです。賞金のあるゲーム大会を定期開催予定となっています。
(5)クリプト陣取り
領地やお城を集め、取引や対戦を行うブロックチェーンゲームです。イーサリアムを利用しています。
3、2018年注目のブロックチェーンゲーム関連銘柄【日本株10選】
まさにこれから伸びていくことが予想されるブロックチェーンゲームに関連する銘柄をしっかり押さえておきましょう。
(1)セレス(3696)
「モッピー」「モバトク」などのスマホ向けポイントサイトを運営。ブロックチェーンゲーム「くりぷ豚」を開発し、ブロックチェーンゲームに参入。
(2)アクセルマーク(3624)
スマホ向けゲームを開発。ブロックチェーンゲームにも参入。
(3)ディー・エル・イー(3686)
キャラクター著作権ビジネスなどを展開。ブロックチェーンゲームへの参入を計画。
(4)モバイルファクトリー(3912)
スマホ向けソーシャルゲームなどを手がける。位置情報連動型のゲームに強みを持ち、「駅メモ」などのヒット作。ブロックチェーンゲームを開発中で、2018年内のリリースを目指している。
(5)AppBank(6177)
ゲームやスマホ関連の紹介サイトの広告、スマホ周辺商品を販売。ゲーム攻略サイトや仮想通貨にも参入しており、ブロックチェーンゲームの拡大による恩恵を期待。
(6)GameWith(6552)
スマホゲームの攻略情報サイト「GameWith」を運営。ブロックチェーンゲームの拡大による恩恵を期待。
(7)ミクシィ(2121)
SNSサービス「ミクシィ」を運営。従来型スマホゲーム「モンスターストライク」をヒットさせた実績があり、ブロックチェーンゲームへの参入も期待される。
(8)グリー(3632)
携帯ゲーム「GREE」を運営。ブロックチェーンゲームへの参入も期待される。
(9)ガンホー(3765)
スマホゲームやPCオンラインゲームなどを手がける。スマホゲーム「パズル&ドラゴンズ」のヒットに続く、ブロックチェーンゲームへの参入も期待される。
(10)LINE(3938)
スマホゲームやPCオンラインゲームなどを手がける。スマホゲーム「パズル&ドラゴンズ」のヒットに続く、ブロックチェーンゲームへの参入も期待される。
4、ブロックチェーンゲーム関連銘柄【米国株・中国株】
ブロックチェーンゲーム開発を積極的に推進する米国、中国の関連銘柄も見逃せません。
(1)IBM(NYSE)
米国IT大手。ブロックチェーンのプラットフォームを提供。ブロックチェーンゲーム「ビットペット」ではIBMの提供するブロックチェーンHyper Ledgerが使用されている。
(2)INTEL(NASDAQ)
米国半導体チップ製造大手。ブロックチェーン技術開発を今後の成長の核として積極的に取り組む。
(3)ATVI(NASDAQ)
米国のゲームソフト会社。ディアブロシリーズやコールオブデューティーシリーズなどがメジャータイトル。ブロックチェーンゲームへの参入も期待される。
(4)TTWO(NASDAQ)
米国ゲームソフトウエア開発会社。グランド・セフト・オートがメジャータイトル。ブロックチェーンゲームへの参入も期待される。
(5)ADR・NTES(NASDAQ)
中国四大ポータルサイトを運営、ゲーム事業も。ブロックチェーンベースのサービス「Lucky Cat」やブロックチェーンシェアリングプラットフォーム「星球基地(Planet)」などを提供。
5、「億り人」になる?可能性も秘めたブロックチェーンゲーム稼ぎ方
動画を投稿して楽しむYouTubeからはYouTuberと呼ばれる職業が生まれました。一部のYouTuberは大きな利益をあげ、人気の職業ともなっています。
今後このようなことがブロックチェーンゲームでも起こる可能性は十分にあると言えます。
アジアオリンピックでもeスポーツの採用が決まり、今後国際オリンピックでも採用が期待されるなど、「プロ」ゲーマーの存在感は増してきています。
ブロックチェーンゲームではゲーム内通貨が仮想通貨であり、現実の通貨に換金することができ、ゲームの成果が儲けに直結します。
ただブロックチェーンゲームはまだまだ発展途上の段階にあり、1000万円以上の値で売買された「猫」のような例はありますが、大きく稼げるというものはまだ少ないようです。
しかし今後プレーヤーの増加や、新たなブロックチェーンゲームが登場することで流行が広がれば、そのチャンスは大きく膨らんでいくと言えるでしょう。
ここでは現時点でブロックチーンゲームをプレイして稼ぐにはどのような方法があるのかをご紹介します。
(1)タイプ別・ゲームをプレイして稼ぐ方法
①育成系
「Cryptokitties(クリプトキティーズ)」のようにキャラクターなどを育成し、それを売買して稼ぐタイプです。
「Bitet(ビットペット)」や「ETH.TOWN(イーサタウン)」、日本でも「くりぷ豚」などが配信予定となっています。
②オークション・ババ抜き系
買い手がつくほどにオークションのようにアイテムの値段が上がっていき、値上がり分を得ることで稼ぐタイプです。
買い手がつかなくなると売れなくなってしまい、大きな損失を抱えるリスクをはらんだ、ババ抜きやジェンガのようなキャンブル性の強いタイプと言えます。
日本では「クリプト陣取り」がこのタイプです。
➂バトル・大会系
育成したキャラクターやアイテムなどを使い、バトルやレースなどを行い稼ぐタイプです。
「podgar(ポッジャー)」や「Bitet(ビットペット)」、日本では「CRYPTO SPELLS(クリプトスペルズ)」などがこのタイプです。
(2)プレセールを利用して稼ぐ方法
ブロックチェーンゲームではプロモーションの一環として、リリース前にプレセールがよく行われています。
プレセールでは、リリース後には手に入らないキャラクターやアイテムが手に入れることができます。
ゲームリリース後は、そのキャラクターやアイテムを使いゲームを有利に進めたり、プレミアがついたキャラクターのアイテムを売却したりして稼ぐ方法です。
(3)紹介(リファーラル)やアフィリエイトで稼ぐ
ブロックチェーンゲームには、紹介制度やアフィリエイトを行なっているものもあります。
紹介用バナーからユーザが参加したことによる紹介料や、紹介したユーザがゲーム内で払った手数料の一部を受け取り稼ぐ方法です。
興味のあるブロックチェーンゲームがあれば、ただ「遊ぶ」だけでなく、「稼ぐ」ことにチャレンジしてみても面白いかもしれません。
6、ブロックチェーンゲームに注目する個人投資家さんのブログ
(1)塩漬けマンの株奮闘記
URL:http://shiodukeman.blog.fc2.com/
(2)貧乏でもお金持ちになりたい
URL:http://bgn0526.hatenablog.com/entry/2018/02/19/124012
まとめ
いかがでしたでしょうか。
パズドラのヒットでガンホーの株価が80倍近くまで暴騰したように、ゲームが株価に及ぼす影響の大きさは実証済みです。
ブロックチェーンゲームは、これまでのゲームを大きく変える可能性を秘めており、そのポテンシャルは計り知れません。
今後のブロックチェーンゲームの動向からは目が離せません。