2020年3月30日、東京オリンピック・パラリンピックが2021年夏に開催を延期されることが決まりました。
オリンピックは7月23日からの17日間、パラリンピックは8月24日からの13日間でおこなわれます。
しかし、新型コロナウイルスのパンデミックが続くなら、再延期や中止も視野に入ってくるでしょう。
東京オリンピック・パラリンピックが実現したときと、再延期・中止になったときのために、今、買っておきたい銘柄を紹介します。
2021年にオリンピック・パラリンピックが実現するなら?
2021年に東京オリンピック・パラリンピックが本当に開催されるなら、パートナー企業の露出も増えるため、株価上昇が期待できるかもしれません。
また、観戦チケットが新たに販売されれば、電車や飛行機、宿泊施設の利用も増えるでしょう。
開催決定を見越して注目しておきたい企業をピックアップして紹介します。
アシックス<7936>
出典:Yahooファイナンス
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スポーツ用品唯一の東京2020オリンピックゴールドパートナー。延期決定した3月末には株価が急落しましたが、その後、徐々に盛り返しています。開催が確定すれば、コロナ禍以前の水準にまで回復するかもしれません。
また、東京オリンピックで金メダル候補の1人である桃田賢斗選手は、ラケットやストリング、シューズのいずれもヨネックスの商品を愛用しています。勝ち進めることで大きな宣伝効果を得られるでしょう。
ヨネックスは、バトミントンやテニスのウエアに使用する涼感素材「ベリークール」で製作した夏用マスクでも注目を集めました。オンライン販売はわずかな時間で完売し、手に入りにくいマスクとしても報道されています。
翻訳センター<2483>
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企業向けの産業翻訳をメインにおこなう大手翻訳会社。医療や法律などの専門分野の翻訳にも強いため、官公庁や研究機関、特許事務所、法律事務所など幅広いクライアントを抱えています。
オリンピックの報道で翻訳サービスを利用する機会が増えるだけでなく、選手個人がトラブル回避のために弁護人をつけるケースも増えています。法律方面にも強い翻訳サービス社は、さらにニーズを伸ばすことでしょう。
エイチ・アイ・エス<9603>
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オリンピックが開催されるなら、国内外の旅行の予約が殺到するはず。大手旅行代理店の1つ、エイチ・アイ・エスも延期開催になった場合に注目したい企業です。
業績悪化により2020年の夏のボーナスはなくなり、2021年度の新卒採用も中止になりましたが、これらは皆、業績回復のための戦略としてポジティブに評価できます。株価が下がっている今が買い時と見ることができるでしょう。
オリエンタルランド<4661>
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オリンピックに行ったついでに東京ディズニーリゾートに…と計画していた方も多いでしょう。しかし、現在は密状態を防ぐために入場制限が以前よりも厳しくなっており、気軽に行ける雰囲気ではありません。
コロナ禍が過ぎれば入場者数増が見込めるだけでなく、ディズニーホテルに宿泊しようという方も増えるでしょう。オリンピックの会場が複数ある有明エリアに近いので、オリンピックと併せて来園する方や宿泊だけ利用する方も多いと予想されます。株価が不安定な今は、まさに買い時です。
コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス<2579>
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東京オリンピック・パラリンピックが開催されるのは夏なので、飲料水のニーズは高いと考えられます。ワールドワイドオリンピックパートナーの1つ、コカ・コーラも、売り上げ増が見込めるでしょう。
なお、ワールドワイドオリンピックパートナーとは、大会にこだわらず国際オリンピック委員会と契約する企業です。そのため、東京オリンピックが開催されない場合でも、2022年に開催予定の北京冬季オリンピックや2024年に予定されているパリオリンピックでもスポンサーとして活躍します。
アサヒグループホールディングス<2502>
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夏と言えばビールです。東京2020オリンピックゴールドパートナーのアサヒグループも、売り上げ上昇が期待できるでしょう。
ところで、ビールの出荷量と夏の気温は密接な関係にあります。気温が高いとビールの売れ行きも良くなるため、オリンピックが開催され、なおかつ猛暑になれば、かなりの売り上げ増・株価上昇も見込めるのではないでしょうか。
参考:日本オペレーションズ・リサーチ学会「ビールの需要予測と季節変動」
東日本旅客鉄道<9020>
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東京オリンピックでは、東京以外にも関東のさまざまな場所で競技がおこなわれます。バスや車で各競技場にアクセスするのも良いのですが、渋滞に巻き込まれることがないJR東日本の利用も増加すると見込めます。
なお、JR東日本と並んで東京の足である東京メトロは、まだ上場していません。2022年までには上場すると見られていますが、上場が実現すればかなりの安泰株として人気が出そうです。初値が高くなると予想されるので、ぜひIPO(新規公開株)を狙ってみてはいかがでしょうか。
ALSOK<2331>
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オリンピックやパラリンピックの成功は、セキュリティにかかっているといっても過言ではありません。選手たちや報道陣たちが安全に過ごせ、なおかつ、トラブルがないことが、日本の国際的な評価にもつながっているのです。
ALSOKで知られる警備会社は、東京2020オリンピックオフィシャルパートナーです。2020年3月後半には急激に株価は下落しましたが、すぐに持ち直したことからも、コロナ禍を受けにくい業種と判断できます。
東京海上ホールディングス<8766>
出典:Yahooファイナンス
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オリンピックへの参加や試合観戦で国内旅行が活発になると、旅行保険のニーズも増えると予測されます。また、コロナ禍により不測の事態に備えたいと考えている人も増えているため、株価は2019年末水準程度までなら右肩上がりに伸びると予測できます。
グループ傘下の東京海上日動火災保険はパラリンピックスポーツ支援をおこなっており、「パラリンピックの会場を満員にしよう」と、さまざまなボランティア活動やイベントを開催しています。東京2020オリンピックゴールドパートナーでもあるので、延期開催が本決まりになればメディア等での露出も増えるでしょう。
パナソニック<6752>
出典:Yahooファイナンス
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2020東京オリンピック・パラリンピックの映像制作や放映にパナソニックの技術が使われることが決定しています。また、より迫力のある映像で楽しめるテレビやブルーレイレコーダーなどの個人消費も伸びるはず。
それに加え、エアコンを特別定額給付金で購入するケースも多く、国内エアコンの売上高トップクラスのパナソニックは大幅な売上増を見込めそうです。なお、パナソニックもワールドワイドオリンピックパートナーで、オリンピックが開催される度に注目が高まる企業の1つです。
再延期・中止になったときに伸びる銘柄は?
残念ながら2020東京オリンピック・パラリンピックが再延期・中止になる可能性がないわけではありません。
なお、中止ではなく再延期になる場合は、日本のオリンピック組織委員会やIOC(国際オリンピック委員会)は「再延期はなし。2021年内に開催できなければ2020東京オリンピック・パラリンピックは中止」との見方を発表しているため、2022年に持ち越されることはなさそうです。
なお、過去にオリンピックが中止されたのは1916年のベルリンと1940年の東京と札幌、1944年のロンドンとコルチナ・ダンペッツオの5回で、いずれも戦争が原因です。再延期・中止となったときに株価が変動しそうな銘柄を紹介しますので、ぜひ注目しておきましょう。
ギリアド・サイエンシズ<NASDAQ:GILD>
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ギリアド・サイエンシズは、新型コロナウイルスの治療薬として日本で認められた薬剤「レムデシビル(販売名:ベルクリー点滴静注液、ベルクリー点滴静注用)」を製造・販売する企業。なお、厚生労働省のガイドラインでは、レムデシビルはICUに入院している患者などの重篤なケースのみに利用されることが定められています。
2020東京オリンピック・パラリンピックが中止ということはコロナウイルスのパンデミックが続いていることを意味するため、株価の継続的な高騰が見込まれます。
今後、ギリアド・サイエンシズ社以外でも、軽症患者用の治療薬や予防薬、ワクチンなどの開発も進み、関連企業株の価格に影響を与えていくので、ぜひコロナ関連の医薬品にも注目してみましょう。
参考:厚生労働省「レムデシビル(販売名:ベクルリー点滴静注液100 mg、同点滴静注用100mg)の投与をお考えの医療機関の皆さまへ」
トヨタ自動車<7203>
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トヨタ自動車株式会社は、トヨタグループの中核企業で、ダイハツ工業と日野自動車の親会社、SUBARUの筆頭株主。
密状態になりやすい公共交通機関を回避する方も多く、自動車を保有する動きが見られています。国産自動車を検討している方には、ダイハツやSUBARU、トヨタなどは候補の1つでしょう。
また、傘下にある日野自動車は、国内有数のトラック製造・販売業者です。宅配サービスの利用はコロナ禍以降急激に増えているため、トラックの販売台数も増えると予想されます。中国やインドなどの人工が多い国々でも自動車やバイクなどの販売台数増が見込まれるので、海外にも多数の販売網を持つトヨタ自動車はさらに飛躍すると見ることができるでしょう。
パーク24<4666>
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タイムズなどの時間貸し駐車場を運営する企業。自動車が増えると駐車場のニーズも高まるはずなので、売上増加が見込めるでしょう。
ただし、同社が展開するレンタカーサービスは、レジャーや出張などによる利用が減っているため今後も低迷しそうです。引き続き動向に注目していきましょう。
NECネッツエスアイ<1973>
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コロナ禍によって進んだテレワーク。今までは会社でおこなっていた業務を自宅で遂行するようになったため、セキュリティ対策の強化にも一層注目が高まっています。
NECネッツエスアイは、企業や通信事業者、官公庁などの幅広いクライアントに対して、最適なネットワークシステムやサービスなどのデジタルソリューションを提供する企業です。長期にわたって右肩上がりの好調な実績を上げていますが、今後もさらにニーズが伸びると予想されます。
Zoom Video Communications<NASDAQ:ZM>
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自粛期間を前後して、私たちの生活にZoomはなくてはならないツールの1つになってきました。会社の会議や学校の授業などで利用するだけでなく、オンライン飲み会などの個人的な集まりにも利用されています。
夏季オリンピックという本来なら4年に1度の国際イベントがなくなるならば、さらにZoomなどを使った個人的な楽しみも増えると予測されます。すでに株価は公開以来過去最高水準に伸びていますが、今後も最高株価を繰り返し更新すると考えられるでしょう。
予測しにくい株価の動向!証券会社のお役立ちサービスを紹介
株価の動向は予想しづらく、オリンピック1つをとっても、どの銘柄に注目すべきかの判断は難しいものです。
とりわけコロナ禍という人類が今までに経験したことがない危機に直面している現在、株式投資を長年おこなってきた方であっても、相場の動向を予測することは困難になっています。
とはいえ、株価は大きく変動しているので、うまく投資すれば多大な利益を得られる好機であるのも事実。証券会社が提供している株価の動向を予測するサービスを利用し、積極的に投資に活かしていきましょう。
マネックス証券「AI銘柄ナビ」
出典:マネックス証券
マネックス証券が提供する日本株銘柄の株価予測サービス。気になる銘柄を登録してポートフォリオとして登録する機能もあるので、時間をかけずに株価をチェックすることが可能です。
実際の株価変動を知らせるだけでなく、AIを使って変化を予測できるのも強み。登録した銘柄の株価に変化の予測が生じると、メールでお知らせする機能もあり、早めに変化を察知して買い注文をおこなうこともできます。
参考:マネックス証券「主要ネット証券初、AIによる日本株銘柄の株価予測サービスを提供開始~「AI銘柄ナビ」が1か月後の株価の上昇・下落を予測~」
SBI証券「SBI証券 株アプリ」
出典:SBI証券
株価が上昇しているだけでは、買い時かどうかはわからないものです。株価チャートの動きを俯瞰して、買い・売りの注文をする必要があります。
SBI証券では元々株取引専用アプリがありましたが、バージョンアップされ、株価のチャートの動きで銘柄を検索できるようになりました。しかも、注文は最短ワンタップで完了。買い時・売り時を逃さない機能が満載のアプリです。
参考:SBI証券「スマートフォンアプリ「SBI証券 株」アプリのバージョンアップのお知らせ~スピード注文やプッシュ通知でさらに便利に~」
楽天証券「オンラインセミナー」
各証券会社では、顧客サービスの一環で有識者を招いた投資セミナーを開催しています。しかし、大抵は東京都心部で開催されるため、地方の人は参加しづらいのが現状です。
投資セミナーを受講したい方は、楽天証券で開催しているオンラインセミナーを検討してみてはいかがでしょうか。オンラインなので、お住まいの場所にかかわらず専門家の話を聞くことが可能です。
参考:楽天証券「楽天証券サービス開始21周年記念投資セミナー初のオンライン開催のお知らせ「激動の新時代。アフターコロナの世界とは?」」
オリンピック関連株に注目しよう!
2020東京オリンピックが予定通り2012年7月に開催されるかどうか、また、その時点で新型コロナウイルスの流行が続いているかどうかで、投資すべき銘柄も大きく変わります。
ニュースをこまめにチェックし、投資チャンスを逃さないようにしていきましょう。
まとめ
- 2020東京オリンピック・パラリンピックが開催されるときはオリンピック協賛企業や旅行業、飲料、交通関連の企業に注目。
- 再延期もしくは中止になるときはコロナ関連の医薬品会社や自動車関連企業、IT系企業に注目。
- 証券会社では投資に利用できるさまざまなサービスを提供している。ほとんどが無料で使用できるので、積極的に投資に役立てていこう。