円高でも注目したい日本株5選|国内需要で伸びる内需成長株

円高局面で重要なのは、輸出株の懸念にとらわれるのではなく、国内需要を売上から営業利益に結びつける仕組みを持つ企業を見極めることです。

本記事では、システナ(2317)、クレスコ(4674)、アサンテ(6073)、船井総研ホールディングス(9757)、ステップ(9795)の5銘柄を比較し、為替依存度が低い理由と売上→価格転嫁・生産性向上→営業利益の順に詳しく解説します。

銘柄の概要

円高が進むと輸出企業の業績が懸念されますが、注目すべきは国内需要を利益成長につなげる仕組みを持つ企業です。

為替の影響が比較的小さく、独自の強みで成長を目指す企業に関心が集まります。

取り上げる5銘柄と公式URL一覧

今回注目するのは、それぞれ異なる国内需要を収益源とする5つの企業です。

いずれも海外の景気や為替動向に業績が大きく左右されにくいビジネスモデルを持っています。

例えば、国内企業のDX投資や、住宅のメンテナンス需要など、私たちの生活に身近なテーマが成長の原動力となっています。

これらの企業は、それぞれの専門分野で高いシェアやブランド力を築いており、国内市場での安定した成長が期待されます。

共通の注目ポイント

注目すべきは、単に「内需株だから」という理由ではなく、「為替への依存度が比較的小さい」という事業構造です。

これは、売上のほとんどが国内であり、輸入原材料への依存も限定的である企業を指します。

各社の業績を見る上での狙いは、国内需要の取り込みが売上だけでなく、営業利益の成長にまでつながっているかを確認することです。

例えば、売上高が10%増加しても、人件費や外注費の高騰を価格転嫁できなければ、利益はかえって減少するケースも考えられます。

そのため、各銘柄の分析では売上成長とあわせて、コストを吸収し利益を確保できる仕組みを持っているかという点に焦点を当てていきます。

内需成長株としての比較視点

円高局面で内需株を選ぶ際に重要なのは、国内需要を確実に利益へつなげる仕組みを持っているか見極めることです。

そのために、比較で重視する主要指標や為替依存度を判断する観点、そして利益を圧迫しかねない人件費と原価の感応度について整理していきます。

これから説明する3つの視点を持つことで、表面的な「内需株」という括りを超えた、本質的な企業分析が可能になります。

比較で重視する主要指標

内需成長株を比較する際は、単に売上高が伸びているかだけでなく、営業利益率にも注目することが大切です。

営業利益率は、企業が本業でどれだけ効率的に稼げているかを示す指標となります。

例えば、売上高が10%増加しても、人件費や原材料費の高騰で営業利益が5%しか増えていない場合、収益性に課題があることわかります。

これらの指標を組み合わせて確認することで、企業の成長の質を多角的に評価できます。

為替依存度を判断する観点

為替依存度とは、企業の業績が為替レートの変動によってどの程度影響を受けるかを示す度合いのことです。

一般的に海外売上高比率が低い企業は、円高の影響を受けにくいとされます。

しかし、海外からの原材料の輸入や海外子会社がある場合など、直接的な売上以外にも影響は及びます。

例えば、IT企業でも海外製のソフトウェアライセンスやサーバー機器の調達コストは、円安になると増加する傾向があります。

このように、売上だけでなくコスト構造や財務状況まで確認することで、その企業が本当に円高に強い体質なのかを判断する材料になります。

人件費と原価の感応度

人件費と原価の感応度とは、人件費や原材料費などのコストが上昇した際に、企業の利益がどれだけ変動するかを示すものです。

内需株であっても、これらのコスト上昇は利益を圧迫する大きな要因となります。

特にITサービス業やコンサルティング業では、売上原価の約6割から7割を人件費が占めることも珍しくありません。

また、住宅サービス業では木材や建材の価格、学習塾では講師の人件費が利益を左右します。

売上を伸ばしながら、これらのコスト上昇分を価格転嫁や生産性向上で吸収できる企業こそが、真に成長力のある内需株といえます。

内需銘柄比較

円高局面では、為替変動そのものよりも国内需要を利益に変える仕組みを持つ企業かどうかが重要になります。

今回比較するのは、IT・DX需要を取り込むシステナとクレスコ、住宅保全需要が収益源のアサンテ、中小企業支援で成長する船井総研ホールディングス、そして教育需要に応えるステップの5銘柄です。

これらの企業は、単に「内需株」と一括りにできません。

それぞれ異なる国内需要をどのように売上と利益に結びつけているのか、事業の強みと最新業績から詳しく見ていきましょう。

システナ2317の事業強み

システナは、国内企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するITサービス企業です。

金融機関の基幹システム開発から企業のクラウド導入支援まで、幅広いIT投資需要を取り込んでいます。

2026年3月期決算では、売上高が約944億円、営業利益は約153億円を達成しました。

国内企業の旺盛なIT投資意欲を背景に、特に金融・公共分野の案件が業績を力強く牽引しています。

国内のDX需要は一過性のものではなく、中長期的な成長が見込めます。

この流れを捉え、人材への投資と生産性向上を両立させながら利益率を維持できるかが、今後の成長の鍵となります。

クレスコ4674の事業強み

クレスコは、企業のシステム開発とデジタル化需要を収益源とするIT企業です。

特に金融、公共、旅行といった幅広い業界の顧客基盤を持ち、安定した受注を確保している点が強みです。

2027年3月期第1四半期の売上高は約166億円、営業利益は約11億円となり、順調に業績を伸ばしています。

企業の業務効率化やシステム刷新への投資が継続しており、主力のITサービス事業が全体の成長を支える構造です。

企業のデジタル化ニーズが続く限り、クレスコの事業環境は良好です。

システナと同様に、優秀なIT人材を確保し、案件の品質を維持しながら利益を確保できるかが重要なポイントになります。

アサンテ6073の事業強み

アサンテの事業は、シロアリ防除や湿気対策といった住宅保全サービスが中心です。

事業の対象は国内の既存住宅であり、輸出企業のように為替変動の影響を直接的に受けることはありません。

2027年3月期第1四半期は、売上高が約37億円、営業利益は約2億円と堅調に推移しました。

住宅を長く使い続けるためのメンテナンス需要は景気に左右されにくく、安定した収益基盤となっています。

国内の住宅ストックは豊富に存在するため、継続的な需要が見込めます。

売上を利益に結びつけるためには、人件費や材料費の上昇をサービス価格に反映させつつ、営業活動の効率を高めていくことが不可欠です。

船井総研ホールディングス9757の事業強み

船井総研ホールディングスは、国内の中小企業が抱える経営課題の解決とDX支援を主軸とするコンサルティング企業です。

人手不足や生産性向上といった課題は根深く、専門的な支援への需要は安定しています。

2026年12月期第2四半期では、売上高が約168億円、営業利益は約47億円を記録しました。

特に、デジタル化を支援するDXコンサルティング領域が伸びており、従来の経営支援と組み合わせることで高い付加価値を提供しています。

中小企業の経営課題は尽きないため、コンサルティング需要は今後も続きます。

優秀なコンサルタントを確保・育成し、月額契約のような継続的な収益モデルを強化できるかが、持続的な成長を実現する上で重要です。

ステップ9795の事業強み

ステップは、神奈川県に集中して学習塾を展開する教育関連企業です。

収益は生徒数と授業料から成り立っており、国内の教育需要に業績が連動する、分かりやすいビジネスモデルが特徴です。

2026年9月期第3四半期の売上高は122億円、営業利益は30億円と好調です。

質の高い指導と高い高校・大学合格実績が評価され、生徒数を着実に増やすことで、少子化という逆風の中でも成長を続けています。

神奈川県内での圧倒的なブランド力が、安定した生徒獲得と高い利益率につながっています。

今後の課題は、事業エリアの集中リスクを管理しつつ、講師の採用と育成を進め、人件費の上昇を吸収していくことです。

投資判断のための確認ポイント

企業の株価や表面的な情報だけで投資を判断するのではなく、企業の公式発表である一次情報を自分で確認することが何よりも重要です。

公式IRと決算短信

「IR(Investor Relations)」とは、企業が投資家に向けて経営状況や財務状況、今後の見通しなどを公平に情報提供する活動を指します。

企業の公式サイトには必ずIR情報のページが用意されており、そこで最新情報を確認できます。

特に、四半期ごとに発表される「決算短信」や「決算説明資料」は、直近の業績動向を把握するために欠かせない資料です。

これらの資料に目を通すことで、企業の現状と将来性を客観的なデータに基づいて判断できるようになります。

まとめ

本記事では、システナ(2317)、クレスコ(4674)、アサンテ(6073)、船井総研ホールディングス(9757)、ステップ(9795)の5銘柄を比較しました。

重要なのは、単に「内需株だから円高に強い」と考えるのではなく、国内需要を着実に取り込み、その売上を営業利益の成長につなげられる仕組みを持っているかという点です。

売上が伸びていても、人件費や原材料費、外注費などのコスト上昇で利益が圧迫されれば、成長の質は弱くなります。だからこそ、国内需要の強さだけでなく、価格転嫁や生産性向上によって利益を確保できているかまで見ることが重要です。