FXをやってみたものの、「自分が買ったら下がる」「売ったら下がる」と悩んでしまうことがありますよね。FXで稼いでいる人もいる反面、なぜか損失を重ねて失敗してしまう人もいるのです。
しかし、「なぜか上手く行かない」と思っている人には、本人が自覚していないだけで明確な原因があります。FXで失敗しやすい人の特徴や、どうすれば失敗しにくくなるのかなどについて、この記事で詳しく解説していきます。
FXにおける「失敗」とは
FXにおける失敗とは、損失が膨らんでロスカットされたり、大きな含み損を損切りして多くの資金を失ってしまったりすることです。
小さな損失であれば、「失敗」に含める必要はありません。損失をまったく出さずにFXをやるのは不可能なので、成功するためには「損失を小さく、利益を大きくする」ことが重要だからです。
資金全体の1パーセントから2パーセント程度の小さな損失であれば、FX上級者でも日常茶飯事の「損切り」です。この記事では、もっと資金を大幅に減らしてしまう損失や、ロスカットによって資金を失った場合を「失敗」と定義し、失敗しないようにする方法を考えていきます。
FXで失敗する人の共通点
FXで失敗する人には、次のような特徴があります。自分が当てはまるかどうか、厳しめにチェックしていきましょう。
自覚症状がある方も、今から改善すれば大丈夫です!
- 損失を取り戻そうとする
- むやみにポジションを取る
- コツコツドカンする
- 損失を放置してロスカットされる
損失を取り戻そうとする
FXで出た損失を次のトレードで取り戻そうとする人は、失敗しやすいです。「損失が出てヤバイ、取り戻さないと」という気持ちが焦りにつながり、冷静なトレードができなくなるからです。
トレーダー本人は冷静に取引できるつもりかもしれませんが、前の損失を引きずっていると冷静な判断ができなくなります。
例えば、
「さっきは売りで損が出たから、次こそ売りで利益が出る」
「売りで損をしたから、次は買いでエントリーしよう」
のように、非論理的な根拠でエントリーしていませんか?このように論理的でなく、自分に都合よく考えて始めたトレードは、運任せのギャンブルと同じです。
前の取引で出た損失のことは忘れるくらいでちょうど良いので、切り替えてトレードしましょう。
むやみにポジションを取る
FXで1回でも利益が出る成功を経験すると、必要がないときでもポジションを取りたくなってしまいやすいです。「ポジポジ病」と呼ばれることもあります。
FXで成功したいなら、ポジションを何回も取るのではなく、自分が得意なチャートパターンが現れたときなどにエントリーして、勝率を高めた方が良いです。利益が取れそうなときだけエントリーするので、十分に利益を取れます。
しかし、ポジションを取って成功を体験してしまうと、自分が得意かどうかに関係なく、いつでもポジションを取っていたい気持ちになってしまうものです。結果として、苦手なチャートのときや利益を出しにくいタイミングでもポジションを取ってしまい、失敗につながってしまいます。
コツコツドカンする
FXの失敗で多いのが「コツコツドカン」と言われる失敗です。コツコツドカンとは、小さく利益を出し続けてコツコツ積み上げていたのに、1回の大きな損失をドカンと食らってそれまで積み上げた利益がパーになってしまうことです。
これもFXで失敗する人に多い特徴で、それまでに小さい利益が出ていたため、自分の力量を過信してしまい、大きなポジションを取って失敗してしまうといった原因があります。そういうときに限って損切りの用意をしておらず、大きな損失になってしまうのです。
また、FXで成功するためには「損失は小さく、利益は大きく」が基本なので、コツコツドカンをやりがちな人は、考え方を反転させる必要があるかもしれません。自信過剰にならないようにすることと、損失を小さくすることを心がけましょう。
損失を放置してロスカットされる
自動売買をやっている人にありがちなのが、含み損を放置しておいたらいつの間にかロスカットされており、資金がすべて溶けていたという失敗です。
自動売買はあらかじめ決めておいたプログラムにしたがって売買してくれるものなので、確かに放置していても稼げる可能性はあります。しかし、完全に放置して良いわけではなく、損失が出ているときは1日1回は確認した方が良いです。
含み損が膨らみ、入金した証拠金でまかなえないくらいの大きさになると、ロスカット(強制決済)されます。発動するタイミングはFX会社によって異なりますが、ロスカットされると損失が確定してしまうので、新たに資金を入金しないと再びFXを始められません。
したがって、ロスカットされてすべてのポジションが決済される前に、利益が出ない一部のポジションだけを決済して整理したり、証拠金を追加で入金したりする必要があります。この手間を面倒くさがって含み損を放置してしまうと、ロスカットされて損失を確定されてしまう可能性があります。
FXで失敗しないための考え方
FXで失敗してしまった人は、考え方に問題があるのかもしれません。これまでお伝えした失敗しやすい人の特徴も、FXで稼ぐことのリスクを正しく理解できていないことにあるのではないでしょうか。
ここからは、利益が出ているトレーダーの考え方を2つ解説していきます。これらの考え方を身につけることで、FXで勝てるトレーダーになりましょう。
損失を取り戻そうとしない
FXでは冷静な判断が必要なので、損失を引きずらないようにしましょう。損失を出したことをくよくよ悩んでも意味はないので、終わったこととして忘れて次のトレードをするくらいがちょうど良いです。
実際、勝てているトレーダーも勝率100%ではありません。彼らも損失を出していますが、損が出たことと次の取引で利益を出せるかどうかは無関係なので、気に留めないのです。
「損失を出してしまった、どうしよう」のように引きずることは、次のトレードに良い影響は与えません。冷静な判断を妨げる悪い影響になることがほとんどです。
損失を出した過去と、次の取引で利益を出すことは何の関係もないので、過去の損失は忘れて次に向かいましょう。
トータルでのプラスを目指す
プロのFXトレーダーでも損失を出すことはあります。しかし、損失は小さく抑え、利益を大きく伸ばしているので、全体的にはプラスになっています。
同様に、FXで失敗しやすい人も、「損失は小さく利益は大きく」の考え方を持ちましょう。一回一回の勝敗を気にするのではなく、トータルでプラスになればOKと考えるのです。
具体的なやり方はこの後お伝えしますが、損切りは素早く、利益が出ているときはゆっくり伸ばしてから確定すれば、損失は小さくなって利益は大きくなります。これさえ守れば勝率50パーセントでもトータルでプラスにできるので、この考え方を徹底しましょう。
FXで失敗しないための取引方法
FXで失敗しにくくなる考え方を理解したら、次は失敗しにくい取引方法も身につけていきましょう。次の4つのやり方を守れば、大きな損失は出にくくなります。
- 損切りルールを徹底する
- 利益確定を急がない
- レバレッジをかけすぎない
- ポジションを持ち越さない
損切りルールを徹底する
大きな損失を防ぐためには、素早い損切りが重要です。素早く行うためには、迷ったり考えたりする時間を作らなければ良いですよね。
したがって、あらかじめ損切りのルールを決めておき、いかなるときでもそのルールを守りましょう。これだけで大損を防ぐことができます。
本来はロット数に応じて損切りラインを決めるのですが、初心者の場合、その計算に手間取って損切りのタイミングを逃してしまうかもしれません。そこで、単純に「資産全体の何パーセントを超える損失が出たら損切りする」とルールを決め、この条件を満たしたら即座に損切りするようにしましょう。
何パーセントに設定するかが問題ですが、一般的には1パーセントから2パーセントほどが良いとされています。
例えば、FXに使う資金が100万円なら、1つのポジションの損失ラインを1万円から2万円の損失が出るところに決めておくのです。2パーセントに設定した場合、このルールを守れば最大の損失は2万円で済みます。
損切りには「逆指値注文」が使えるので、試してみてください。逆指値注文は「このレートに来たら損切りの決済をする」という注文を予約するような機能なので、手動で損切りするよりも迷いが生じにくいです。
損切りを徹底するだけで、大きな損失は防げるようになります。ルールを決めて徹底することで、迷ったり考えたりして含み損を拡大させないように対処し、損失を小さく抑えましょう。
利益確定を急がない
コツコツドカンの説明でも触れたように、FXで勝っているトレーダーは「損失は小さく、利益は大きく」の原則で総合的にプラスになっています。「損失を小さく」は素早い損切りで実現できるので、「利益は大きく」のためにも利益確定は急がないようにしてみましょう。
FXの初心者によくあるのが、含み益が出ると嬉しくて早く決済して成功を確定したくなることです。これだと利益は出るものの儲け幅が小さくなってしまい、せっかくのチャンスを活かせていません。
せっかく予想が当たって含み益が出ているなら、そのチャンスを活かして利益を大きく育ててから刈り取った方が良いです。利益が出ているポジションは決済するのを我慢して、大きく育ててから決済しましょう。
レバレッジをかけすぎない
FXの初心者によくある失敗が、レバレッジのかけすぎです。レバレッジをかけると自分が持っている以上の資金を動かすことができるため大きな利益が狙える反面、損失も大きくなるからです。
日本のFX会社では最大25倍のレバレッジをかけられますが、いきなり25倍で始めるのはリスクが大きいです。レバレッジをかけない場合に比べて、1回の失敗で25倍の損失が出てしまうからです。
よって、最初は低めのレバレッジからスタートすることをおすすめします。2倍から3倍で十分だと思いますが、物足りなくても最大10倍に抑えるなどの工夫をしましょう。
ポジションを翌日に持ち越さない
ポジションを翌日に持ち越すことも、FXではあまり好まれません。24時間相場が動いているため、寝ていて放置している間に相場が急変する可能性もあるからです。
損切りの注文を入れていなかった場合、含み損が大きく膨らんでロスカットされるリスクもあります。実際、朝起きて相場を見たら大暴落が起きており、ロスカットされていた事例は枚挙にいとまがありません。
放置している間に大変なことが起きるリスクがあるので、ポジションは起きている間に決済しておくのがベターです。自動売買など放置を前提にした取引もあるのですが、損切り注文を入れておくなどリスク管理を徹底しましょう。
失敗しないために注意すべきこと
FXで失敗しにくい取引方法を解説してきたので、次は取引よりも大きな視点で失敗しないために注意するべきことを解説していきます。次の3点を守れているか、ご自身に当てはめて考えてみてください。
- ポジションを持ちすぎない
- 余剰資金で取引する
- 低コストの会社を選ぶ
証拠金維持率を確認!ポジションを持ちすぎない
ポジションを持ちすぎると、証拠金不足になりやすく、ロスカットされるリスクが高まります。ポジションを持ちすぎないよう、含み損が出ているポジションは決済してから、心機一転してエントリーするなど工夫をしましょう。
ポジションを持ちすぎているかどうかの目安になるのが「証拠金維持率」です。100パーセントを下回ると、証拠金よりも含み損の方が大きい状態なので、絶対に100パーセントを下回らないように気をつけましょう。
一般的には、300パーセント以上が証拠金維持率の目安です。これくらいをキープすることを意識しながらトレードすることをおすすめします。
余剰資金で取引する
FXに限りませんが、投資は余剰資金だけを使って取引しましょう。運用に失敗し、資金を失うリスクがあるからです。
ときどき生活費もFXにつぎ込むトレーダーがいますが、失敗して破滅状態になってしまう方がとても多いです。
生活費をFXで溶かしてしまったら、明日食べるものにも困ってしまうかもしれません。一方、余剰資金を使う分には、FXで失敗して減らしてしまったところで人生自体には影響はないですよね。
「FXで増えたらラッキー」「減っても影響なし」という状態を作るためにも、FXに使うのは余剰資金にとどめておきましょう。
低コストの会社を選ぶ
FXをやるためにはFX会社にコストを支払うので、これを節約できる低コストな会社を選んで使いましょう。具体的には、取引手数料とスプレッドがFX会社に支払うコストです。
気を付けたいのが、「取引手数料は無料」と大々的に宣伝しておきながら、スプレッドを広めに設定してトレーダーに高いコストを負担させている場合があることです。
FX会社を選ぶときは、取引手数料とスプレッドを比較して考えましょう。今使っている会社が高コストだと気づいた方は、他の会社でも口座を開設して乗り換えを検討しても良いでしょう。
FXで勝つには失敗から学ぶことが大切
FXで勝つためには、他にも押さえておきたい基礎知識があります。すでにFXで失敗したと感じている方は、時間帯や通貨ペアについて誤解が無いか確認していきましょう。
また、チャート分析の知識を身につけるだけでも勝率は変わってきます。失敗から学べることはないか、詳しく見ていきましょう。
取引しやすい時間帯を知る
相場が活発に動く時間帯は決まっているので、その時間帯に取引するのがおすすめです。
具体的には、欧州勢がエントリーする16時から17時、アメリカ勢がエントリーする23時から深夜2時です。この時間帯はトレンドに素直な動きをすることが多く、FX初心者でも比較的やりやすいです。
日中はサラリーマンの仕事で忙しい方も、23時から1時間だけFXをやるといったことはできると思います。これらの時間帯を狙って取引してみてください。
通貨ペアの特性を知る
通貨ペアによってトレンドのできやすさが異なるので、通貨ペア選びも重要です。
基本的には、世界中の大勢が取引している米ドル/円、米ドル/ユーロがおすすめです。経済指標や報道に素直な値動きをしやすいからです。
ただし、自動売買でレンジ相場を狙う場合は別の観点で通貨ペアを選ぶ必要があります。レンジを形成しやすいのは豪ドル/NZドルやスイスフラン/円だからです。
つまり、自分がやりたい取引に合った通貨を選ばないと、利益を出しにくくなってしまいます。FXで失敗していると感じる方は、自分がやりたいトレードと通貨ペアの特性が合っているか確認しましょう。
チャート分析の知識を身につける
チャート分析は奥が深いので、勉強すればするほど勝率を上げることができます。移動平均線は知っていても、ボリンジャーバンドやMACDまで使いこなしている方は少ないのではないでしょうか?
チャート分析の知識を極めるほど勝率を上げられるのは、さまざまな指標を分析することで、「このあとこう動く」という予想の根拠を多く挙げられるからです。根拠が多いほど予想の的中率は上がるので、チャート分析の勉強が重要だと言われているのです。
ローソク足と移動平均線くらいしか見ていなかったという方は、この機会にもっと深い知識を獲得していってみてください。きっと勝率に反映されることでしょう。
まとめ
FXで失敗しやすい人の特徴や、失敗しにくくするための方法を解説しました。
色々とお伝えしてきましたが、大きな失敗を防ぐためには「素早い損切り」が最も重要です。これさえ守れれば、失敗は最小限になるはずです。
損切りに加えて他の方法も取り入れることで失敗を減らし、成功を増やすことができます。FXで稼げるトレーダーになるためにも失敗しやすい癖を改め、勝てる方法を身につけましょう。