ロボットといえば、あなたはどんなロボットが思い浮かぶでしょうか。
鉄腕アトムやドラえもんのようなアニメに描かれた、まるで人間のようなロボットから、製造現場で活躍している産業用のロボット、ルンバのようなお掃除ロボットまで、ロボットといってもその姿や役割はさまざまです。
実際に今社会で活躍しているロボットのほとんどは、工場で稼働している産業用ロボットです。
しかしAI(人工知能)のIoTの進歩に伴って、将来ドラえもんのようなロボットがわたしたちの生活の中で活躍する日もそれほど遠くはないと言えます。
そのためにはさらなる技術の発展が必要であり、ロボット分野では実際にさまざまな企業で研究開発が進められています。
つまりロボット関連銘柄は、今後のわたしたちの生活や社会にとって欠かせないものとして成長が期待される分野なのです。
この記事では、その発展を担うロボット関連株についてご紹介していきます。
1、ロボット関連株とは?
ロボットとは人の代わりに、プログラムによって自動で作業を行ってくれる機械の総称です。
自動車などの生産ラインで稼働している「産業用ロボット」のほか、物流や介護、コミュニケーションロボット(Pepper・ソフトバンクロボティクスなど)の「サービスロボット」や、ルンバのような「家電ロボット」、手術支援ロボット(ダヴィンチ・米国Intuitive Surgical社)などの「医療支援ロボット」があります。
ロボット関連株とは、これらのロボットやその部品・システムなどを製造・開発する企業の株のことを言います。
ロボット産業の市場規模は、今後大きく拡大することが予想されています。
現在市場の中心である産業用ロボットの日本国内における稼働台数は、生産の海外移転などで減少傾向にあります。
しかし世界的には依然、稼働台数は増加傾向にあります。
また、高齢化の進展や労働人口の減少などの要因も重なり、国内では介護支援ロボットなどサービスロボット成長が特に期待されています。
*2015年以降はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)による推計値
2、2018年注目の産業用ロボット・サービスロボット関連銘柄10選
まずロボット産業の中心である「産業用ロボット」と「サービスロボット」関連銘柄の中から、2018年注目の銘柄をご紹介します。
(1)産業用ロボット関連銘柄5選
①川田テクノロジーズ(3443)
鉄骨・鋼橋やPC土木、システム建築の最大手企業ですが、ロボット分野にも参入し、二足歩行ロボット開発などを手掛けています。 世界で初めて人と複数のロボットによる組み立て作業の連携を実現した人型工業用ロボット「NEXTAGE」を開発。経済産業省のロボット大賞で次世代産業特別賞を受賞するなど、注目の企業です。 |
②ナブテスコ(6268)
産業ロボット用精密減速機で世界シェア6割、世界トップシェアの自動ドアなどを手掛ける会社です。産業ロボット用精密減速機の需要が急拡大しており、2020年までに現在の2倍までの増産を決めており、さらなる成長が期待できる銘柄です。 |
③ハーモニック・ドライブ・システム(6324)
精密制御減速装置(ハーモニックドライブ)をメインに減速機に高い技術力を持つ企業です。CYBERDYNEの装着型ロボットスーツ『HAL』にも採用されています。 |
④ダイヘン(6622)
電力向け小型変圧器やアーク溶接機器で国内トップ、世界的なメーカー。特にアーク溶接ロボットでは世界シェア3割の最大手。EV用ワイヤレス充電装置を開発しており、EV関連メーカーとしても期待できる銘柄です。 |
⑤不二越(6474)
工具、ベアリング、産業用ロボット大手企業で、高いシェアを誇る独自性品を多く持つのが強みです。自動車・建設機械業界の設備更新・生産自動化需要が好調で業績拡大が期待できる企業です。 |
(2)サービスロボット関連銘柄5選
①菊池製作所(3444)
板金や成形、機械加工を中心とした試作・金型がメインの企業ですが、装着型の作業支援ロボット「マッスルスーツ」などの開発も手掛けています。工業・物流の分野だけでなく、介護向けのマッスルスーツの実用化にも成功しています。 |
②セック(3741)
リアルタイムソフトウエア技術に強みを持つソフトウエア企業で、宇宙先端システム・ロボット分野も手掛けています。 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「ロボット活用型市場化適用技術開発プロジェクト」の委託先として採択されていおり、ロボット分野でのますますの成長が期待されます。 |
③JIG-SAW(3914)
クラウドやサーバーの自動監視システムを提供している会社ですが、AIを活用した自動運転・ロボット群制御技術の開発を進めています。 |
④鈴茂器工(6405)
すしロボットなどを手掛ける企業です。日本食ブームを背景にさらなる海外展開も見込め増収増益を続けています。ニッチな市場ですが、無借金経営と高い利益率を誇る優良企業です。 |
⑤CYBERDYNE(7779)
筑波大発のベンチャー企業で、装着型ロボットスーツ『HAL』開発を手掛けています。医療用HALは国内保険適用が承認され、医療・介護分野でのさらなる成長が期待されます。 |
3、今話題の医療向けのロボット関連銘柄は?
手術支援ロボット・ダヴィンチ(米国Intuitive Surgical社)に代表される医療向けロボットも、介護と並び需要の増加が見込まれる分野であり、医療技術の高度化などでますます需要が増してくることが予想されます。
この分野では、「ダヴィンチ」が圧倒的なシェアを占めており、日本企業では後を追う形となっているのが現状です。
①インテュイティプサージカル(ISRG)
米国に本社を置き、手術支援ロボット・ダヴィンチを製造する企業です。2016年9月末の時点で日本国内で237台、世界3803台の導入実績があり、圧倒的なシェアを占める会社です。(NASDAQ上場) |
②ホギメディカル(3593)
医療用不織布のトップメーカーです。内視鏡手術をサポートし、効率化を可能にする内視鏡用ホルダ『EMARO®︎』を扱っています。 |
③シスメックス(6869)
検体検査機器・試薬で高いシェアを誇る企業です。川崎重工業(7012)と共同で手術支援ロボットを開発しています。 |
④オリンパス(7733)
デジカメで馴染みがあるかもしれませんが、消化器用内視鏡がメインの企業です。消化器内視鏡治療支援システムや電動多自由度腹腔鏡といった手術支援ロボットを開発している。 |
4、有名大手企業のロボット関連銘柄は?
上記のほか、おさえておきたい有名大手企業のロボット関連銘柄をご紹介します。
①日本精工(6471)
ベアリング国内最大手の企業です。介護分野での活用が期待される、ナビゲーション機能付き障害物回避先導ロボット『LIGHBOT』を実用化しています。 |
②安川電機(6506)
産業用ロボットのほか様々なメカトロニクス製品を製造する世界的なロボットメーカーです。人と協業できる産業用ロボットも展開している。 |
③セイコーエプソン(6724)
インクジェットプリンター国内トップシェアを誇る企業です。水平方向にアームが動作する産業用ロボット「スカラロボット」で6年連続世界トップシェアを誇り、2018年度には協業ロボットにも参入することを発表しています。 |
④パナソニック(6752)
総合大手家電メーカーです。溶接用産業用ロボットからロボット掃除機『ルーロ』まで幅広いロボットを手掛けています。 |
⑤キーエンス(6861)
産業用機械には欠かせないファクトリー・オートメーション(FA)用センサなど検出・計測制御機器の大手メーカーです。 |
⑥デンソー(6902)
自動車部品国内トップ、世界でもNo.2のメーカーです。グループ会社であるデンソーウェーブは、産業用ロボットを手掛けており、2017年には世界最小クラスの人協働小型ロボットアーム「COBOTTA」を公開しています。 |
⑦ファナック(6954)
工作機械用CNC装置で世界トップシェア(国内シェア7割)、多関節ロボットで国内トップシェアを誇る、世界的な産業用ロボットメーカーです。 |
⑧川崎重工業(7012)
旅客機部品、鉄道車両などを製造する重機大手企業です。シスメックス(6869)と共同で手術支援ロボットを開発しています。 |
⑨ホンダ(7267)
二輪車は世界トップシェア、四輪車でも上位に位置する輸送用機器メーカーです。二足歩行ロボット『ASIMO』が有名だが、コミュニケーションロボットや移動サポートロボットなども手掛けています。 |
⑩ヤマハ発動機(7272)
二輪車の世界的メーカーです。電化製品の組立、車載部品の搬送、大型液晶パネルの製造などの産業用ロボットを製造しその技術を活かし医療分野にも参入しています。 |
⑪ソフトバンクグループ(9984)
グループ会社・ソフトバンクロボティクスで、ヒューマノイドロボット・サービスロボットPepperの開発・販売を行っています。 |
5、その他ロボット関連銘柄を探してみましょう
ここまでさまざまな銘柄をご紹介してきましたが、それ以外にもロボット関連銘柄は多く存在しています。
以下のサイトではロボット関連銘柄を一覧で確認することができるようになっていますので、銘柄探しに活用してみてください。
(1)Kabutan ロボット関連が株式テーマの銘柄一覧
(2)アセットアライブ株式情報 ロボット(産業用)の関連銘柄
(3)アセットアライブ株式情報 ロボット(医療・福祉)の関連銘柄
6、将来的なロボット関連銘柄のゆくえは?
結論から言えば、将来的なロボット関連銘柄の見通しは明るいと言えます。
まずロボットは、介護・医療・福祉・物流・自動運転・危険作業など必要とされる分野が非常に幅広いことが特徴であり、需要が高いです。
さらに今後少子高齢化が進み、介護や医療といった分野では需要が急増することに加え、人手不足が深刻化し、さらなる需要の増加に拍車をかけることが想定されます。
前述のNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)による推計でも、ロボット産業の市場規模は2020年に約2.9兆円、2035年には約9.7兆円まで拡大すると予想されています。
すでに日本は産業用ロボットのシェアで世界トップを誇っていますが、今後はサービスロボット分野を開拓していくことで、さらなる成長の余地を残しているとも言えます。
このような要因から、ロボット関連銘柄の見通しは今後も明るいとみています。
まとめ
ロボット関連銘柄は、今後も需要・市場規模の拡大が長期的に見込まれる有望な銘柄だと言えます。
今回ご紹介した銘柄も含め、ロボット関連銘柄をあなたのポートフォリオに加えてみてはいかがでしょうか。