FXで損失を出したらやるべき2つは?確定申告で損益通算と繰越控除して税金を節約!

FXで損失を出したい人はいないですよね。とはいっても、「絶対に損失を出さずにトレードする方法」も存在しません。

FXをやるなら損失は付いて回るので、小さく抑えてうまく付き合っていかなければなりません。

 

それはわかっていても、連敗続きから抜け出せない方もいらっしゃるでしょう。この記事では、FXで損失を出す人の特徴やFXに対する正しい考え方などを解説していきます。

考え方を変えればうまく行くかもしれません。

FXで損失を出す人の特徴

FXで損失を出す人の特徴

FXで損失を出す人には、悪い共通点があります。特徴を4つ紹介するので、自分に当てはまるところがないか、厳しめにチェックしていきましょう。

損切りをためらってしまう

損切りをためらうのは、FXで損失を出す人の最も悪い特徴です。ポジションを持った後、自分の予想と違う方向に相場が動いているのに、「もう少し待っていたら価格が戻ってくるかもしれないから」と考えて損切りできないのです。

FXで勝てるトレーダーは、損切りの判断が素早いです。損失を小さく抑えることで、利益を守っているのです。

経済指標の発表を跨いで取引する

相場が急変したときにトレードしていると、予測できなかった変化に巻き込まれて損失を膨らませることがあります。それ自体は仕方がないので損切りするしかありませんが、予測できる急変のときにFXに手を出してしまう人は、損失を出しやすいです。

「予測できる急変」とは、経済指標が発表されるタイミングです。いつどんな指標が発表されるかは調べればわかるので、相場が急変しそうなタイミングは避けてトレードすることをおすすめします。

ロスカットされる

頻繁にロスカットに遭うのも、損失を出しやすい人の特徴です。ロスカットは強制決済のことで基本的にはトレーダーのための仕組みですが、頻繁に決済されると自由にトレードできず、利益を出しにくいです。

ロスカットは、FXによる損失がトレーダーの証拠金を大きく上回り、借金を背負うといったことを防ぐためのシステムで、資金不足に陥ると強制決済される仕組みです。頻繁にロスカットに遭ってしまう人は、レバレッジを低くしたり証拠金の入金額を増やしたりして対処しましょう。

損失を取り戻そうとする

損失を取り戻そうとして熱くなり、冷静にトレードできないのも損失を出しやすい人の特徴です。冷静さを失うと損切りの判断が遅れたり、身の丈に合わない大きなレバレッジをかけてしまったりしてしまします。

結果的に、さらに資金を溶かす大失敗につながってしまうでしょう。

 

大損をすると冷静さを失いやすいので、とにかく「損失を小さく抑えること」を意識しましょう。これだけで勝率が変わるトレーダーもいるほど重要なポイントです。

FXで損失を出さないための考え方

FXで損失を出さないための考え方

FXで損失を出しやすい人の特徴がわかったら、改善する方法をチェックしましょう。損失を出さないようにするには、まずは考え方を変えることです。

損失を出している人はFXに対して勘違いをしているかもしれないので、これから紹介する考え方を参考にしてみてください。

損失をまったく出さずにFXはできない

よくある勘違いですが、「カリスマトレーダーは損失を一切出しておらず、毎回のエントリーで必ず利益を出している」と思っていないでしょうか?実際は、どんなに上級のトレーダーでも損失は出ています。

損切りが素早いので大ケガになる前に撤退できているだけです。

 

FXでは、上級者でも予想が外れることはあるので、勝率100パーセントを目指すことは無謀です。「ある程度の損失は誰でも出るものだ」とゆったり構えてトレードしましょう。

損失を取り戻そうとしない

ある程度の損失は仕方がないので、損失が出たからといって取り戻すために一生懸命になる必要はありません。

損失を出しやすい人の特徴でも解説したとおり、「取り戻さなきゃ」という考えは冷静さを失わせます。感情的なトレードは損失を出しやすいので、すでに確定してしまった損失のことは忘れて、心機一転して取引を始めるくらいがちょうど良いです。

トータルでのプラスを目指す

先ほど「FXの勝率は100パーセントにはならない」と解説しました。それでも大きく稼げているトレーダーがいるのは、「損失は小さく、利益は大きく」を徹底しているからです。

同じように初心者の方もトータルでのプラスを目指し、1回ごとの勝敗に一喜一憂するのは卒業しましょう。

 

例えば、ランダムにエントリーする場合、理論的な勝率は50パーセントになります。これだと、勝ちと負けが同数くらいになるはずなので、プラスマイナスゼロになりそうですよね。

しかし、損失は小さい段階で損切りし、利益は大きく伸ばしてから確定することを徹底していたら、勝率50パーセントでもトータルではプラスになります。

勝率がそこまで高くなくても、この原則を守れば利益の方が上回るので、初心者トレーダーにこそ徹底して守ってもらいたいポイントです。

FXのレバレッジと損失の関係

FXのレバレッジと損失の関係

レバレッジをかけることで、少ない資金でも大きな利益を出せるようになります。同時に、レバレッジが大きくなるほど損失も大きくなりやすいです。

ここでは、レバレッジ1倍(レバレッジなし)と最大の25倍の場合とで、損失額がどれくらい変わるかを比較してみましょう。

レバレッジ1倍の損失

まずは、レバレッジ1倍、すなわちレバレッジをかけない場合を考えていきましょう。1ドル=100円のときに1,000ドルの買いポジションを持つと、必要な資金は10万円です。

相場が下がって1ドル=99円になった場合、1000ドルは9万9,000円になります。資金は10万円だったので、1,000円の損失となります。

1%の損失ですし、金額も1,000円なのでそこまで大きな損失ではないと言えるでしょう。

 

これがレバレッジをかけなかった場合の損失です。同じ状況で、もっとレバレッジが大きかったらどれくらいの損失が出るのかを見ていきましょう。

レバレッジ25倍の損失

日本の場合、FXのレバレッジは最大25倍です。25倍の場合、どれくらいの損失が出るのかを考えてみましょう。

資金10万円を使い、1ドル=100円のときに買いでエントリーすると、2万5,000ドルのポジションを持つことができます。資金は10万円ですが、レバレッジをかけて25倍の250万円を資金として動かすことになるからです。

 

1ドル=99円になった場合、2万5,000ドルは247万5,000円になります。エントリーしたときは250万円だったので、2万5,000円の損失が出ることになります。

トレーダーが持っている資金は10万円だったのに、2万5,000円の損失が出ているため、資金の25パーセントも失うことになります。

損失を小さくするにはレバレッジを小さくする

以上の例で見たように、レバレッジを大きくすると損失が大きくなりやすいです。レバレッジには利益が大きくなるメリットがある一方で、損失が大きくなるデメリットがあるのです。

例からわかるのは、損失を小さくするためにはレバレッジを小さくすれば良いということです。利益を大きくできるメリットも捨てがたいので、レバレッジをまったくかけないのではなく、2倍から3倍ほどから始めると良いでしょう。

損失を小さく抑える損切りテクニック

損失を小さく抑える損切りテクニック

損失を小さく抑えるには、レバレッジを小さくするだけでなく、「損切り」も重要です。損失が大きくなりやすい人の特徴でも解説したとおり、損切りできずに放置することによって損失が膨らんでいってしまうからです。

ここでは、誰でも損切りできる注文方法を解説します。これから解説するようにルールを決めておけば、迷って損切りのチャンスを逃すことはなくなるでしょう。

注文時に損切り注文も入れる

買いでも売りでも、エントリーしたらすぐに損切りの注文も入れておきましょう。逆指値注文で損切りしたい価格を決めて注文しておけば、予想が外れて損失が出たとき、基本的にはその価格で決済してくれるため、自動的に損切りすることができます。

損切りできない人は、その場で臨機応変に損切りをしようとするからできないことがほとんどです。予想と違う方向に相場が動いたとき、「そんなはずはない」「もう少し待っていれば価格が戻ってくるだろう」と思ってしまうので、実際は臨機応変には対応できていません。

こうならないように、逆指値注文を入れて自動で損切りされる仕組みを整えておきましょう。

損切り額を決めておく

逆指値注文を入れるときは、損切りする価格を決めておく必要があります。損切り幅をどう決めるかは悩ましく、大きすぎると大損してからの損切りになってしまいます。

かといって小さすぎると、少し価格がブレただけで決済されてしまうので、利益を得るチャンスを逃してしまいます。

 

初心者の場合は、全体資産の何パーセントを超える含み損が出たら損切りするのかルールを決めておくことをおすすめします。

例えば、資金が100万円で1パーセントを損切りラインに設定した場合、1つのポジションで1万円の損失が出たら損切りを行います。予想と反対の方向に何pipsずれたら1万円の損失が出るのかを計算し、逆指値注文のときに入力しましょう。

 

資産全体の何パーセントを基準にするかですが、1パーセントから2パーセントがおすすめです。ロット数にもよりますが、それ以上だと金額が大きいので、一般的には1パーセントから2パーセントで十分でしょう。

FXでやってはいけないこと

FXでやってはいけないこと

FXでは、ある程度の損失が出るのは仕方がないことで、許容せざるを得ません。しかし、損失がどうしても出てしまうものだからこそ、やってはいけないことがあります。

FXのトレーダーが絶対にやってはいけない2つの注意点をお伝えしていくので、やってしまっている方は被害が出る前に今すぐやめましょう。

生活費をつぎ込む

FXで最もやってはいけないのが、生活費をつぎ込むことです。

FXに限らず投資は元本割れするリスクがあるので、生活費など生きていくのに必要なお金は使ってはなりません。FXは余剰資金だけで取り組みましょう。

 

生活費をFXで失うと、食費や医療費を削減することになり、健康を害してしまいます。それだけでなく、リーマンショックやコロナショックのような予期せぬ金融危機はいつ起こるかわからず、いつ会社が倒産したり自分が仕事を失ったりするか分かりません。

こうなると、貯金はFXで溶かしてゼロ円で、明日からの収入の見込みもないという最悪の状況に陥ってしまいます。

 

これは、決して大げさな例ではありません。FXにのめり込みすぎて生活費まで手を出してしまい、失敗して貯金がなくなった人はいくらでもいます。

FXは稼げるチャンスがある一方、失敗してお金を失うリスクもあるので、余剰資金だけで取り組みましょう。生活費が確保できていれば、FXで成功しようが失敗しようが問題なく生きていくことができます。

適当にエントリーする

FXで負け癖がついてメンタルが弱ってしまった人に多いのが、適当にエントリーする特徴です。本当はFXで稼ぎたいはずなのに、「どうせ今回もダメだ」のように悲観的になり、惰性でFXを続けている人に多いです。

適当にエントリーして勝てるなら、FXトレーダーの半分は成功していることになります。そうではなく一握りの人しか成功していないので、知識や経験に基づいてエントリーすることが重要です。

 

とはいえ、そんなことは重々わかっているという方もいることでしょう。エントリーが適当になる人が抱えているのは、知識や経験の問題ではなく、メンタルの問題であることがほとんどです。

連敗している人は惰性で続けるのではなく、一旦相場から離れて関係ないことをしたり、FXの本を読んで基礎知識を確認したりして、気分転換をしてみましょう。メンタルが回復すれば、前向きにトレードができる可能性があります。

FXで損失を出したら確定申告で節税しよう

FXで損失を出したら確定申告で節税しよう

FXで損失が出たら確定申告をしましょう。条件を満たしている場合、税金を支払いすぎているなら一部が還付されるからです。

そうでなくても、翌年度以降のFXにかかる税金を軽くすることができます。

 

会社員で会社が年末調整をしてくれる場合は、確定申告が面倒くさく感じるかもしれませんが、やった方がお得です。損益通算繰越控除の2種類が使えるので、損失が出たら確定申告をしましょう。

損失を相殺ができる損益通算

損益通算は、他の取引で利益が出た場合、FXの損失と相殺できる仕組みです。FXなどの利益は基本的に源泉徴収で税金を差し引かれているので、確定申告をしないと損失が出ていても相殺されず、税金を支払いすぎになってしまいます。

FXの所得は「先物取引に係る雑所得等」という種類なので、同じ種類に入る取引で利益が出ていた場合のみ、利益と損失を相殺してから課税することができます。

 

具体的には、次の2種類の取引が挙げられます。

  • 先物取引
  • CFD取引

また、2社以上のFX会社を使ってトレードしており、損益が別々に管理されている場合も確定申告で損益通算することができます。例えば、A社のトレードはマイナスだけど、B社ではプラスで利益が出ている人は、損益通算することでB社において源泉徴収された税金の一部または全額が返ってきます。

 

間違えやすいのですが、他の雑所得や所得と損益通算することはできません。例えば、以下の所得が挙げられます。

  • 株式の売買による利益や配当金
  • 公的年金や原稿料など他の種類の雑所得
  • 給与所得や事業所得、不動産所得

FXの損益通算は、FXや先物取引、CFD取引の間ならできると覚えておきましょう。条件が厳しくて損益通算は使えそうにないという方は、次に紹介する「繰越控除」を使いましょう。

最大3年までの繰越控除

FXで損失が出た場合、その損失を最大3年にわたって控除することができます。翌年から数えて3年間、税金を軽くすることができるのです。

例えば、1年目にFXで100万円の損失が出たとします。利益が出ていなければ、1年目のFXにかかる税金はゼロ円です。損失の100万円は翌年に繰り越すことができます。

 

2年目はFXで40万円の利益が出たとしましょう。通常なら利益には税金がかかりますが、1年目に100万円の損失を繰り越しているため、40万円には税金はかかりません。

しかも、翌年に残りの60万円の損失を繰り越すことができます。

 

3年目はFXで50万円の利益が出たとします。60万円の損失を繰り越しているので、この50万円にも税金はかかりません。

さらに、翌年に残った10万円の損失を繰り越すことができます。

 

4年目は、FXで30万円の利益が出たとしましょう。10万円の損失を繰り越しているので、30万円のうち10万円は非課税となり、残りの20万円だけに課税されます。

繰り越す損失がなくなったか、上限の3年が経過したかのどちらかの条件が満たされれば(この例では両方)、翌年からは通常どおり税金がかかります。

3年以内であれば、損失を取り戻すまで税金がかからない制度なので、損失が出たら使うことをおすすめします。

 

ただし、損益通算と同様にFXや先物取引、CFD取引の税金を軽くする制度であり、給与所得など他の所得の税金には影響しません。FX以外の取引をやっていない方は、翌年から3年間のFXにかかる税金が軽くなると覚えておきましょう。

まとめ

FXで損失を出しやすい人の特徴や、損失を防ぐ考え方を中心に解説してきました。

FXは勝率100%を目指すのではなく、「損失は小さく、利益は大きく」を徹底すれば稼げる取引です。勝率は高い方が良いですが、絶対に損失を出さない方法も存在しないので、うまくコントロールしながら損失を小さく抑えていきましょう。