3000万円の自己資金ができて、何に投資するかお考えの方に今回は不動産投資についてお話しします。
運用の中でも、不動産という言葉のとおり定着した現物資産である土地や建物を売買します。
不動産投資は、どうしても大きな資金が必要になります。
3000万円の資金で、どんな物件に投資できるのか?
本記事では2018年の不動産投資市場の解説から、不動産投資の基本的な知識をご説明します。
3000万円を最大限に活用して不動産投資をしたい方はぜひ読んでみてください。
1、2018年不動産投資市場を読み解くことが成功への近道!3つの動向
まず、今年から不動産投資をはじめるにあたって市場を読み解いていきましょう。
(1)首都圏新築・中古マンション平均価格
(株)東京カンテイが発表した「マンションデータ白書 2017」(首都圏)によると、新築マンションは一戸平均価格5,544万円と前年から9.0%上昇、中古マンションは一戸平均価格3,257万円となり前年から5.7%上昇しました。
マンションの価格上昇に伴い、賃料も上昇しています。
2018年もこの調子が続けば、不動産投資に適した1年間になることが予想されます。
(2)テクニカル分析で読むJ-REITの動向
不動産投資市場を読み解く観点としてJ-REIT指数を見たテクニカル分析があります。
J-REITとは不動産投資信託とも呼ばれ、投資家から集めた資金を元に不動産を運用し、利益を投資家に分配する投資信託の一種です。
J-REIT指数から不動産投資市場全体の景気を判断することができます。
テクニカル分析では、過去の指数の動きをチャート化し法則や規則を発見します。
そこから未来の指数の動きを予測するものです。
投資の世界では、ファンダメンタル分析と並び最もメジャーな分析手法です。
以上を踏まえて、J-REIT指数をテクニカル分析します。
J-REIT指数は2009年、底値である800ポイントをつけアベノミクス相場の影響で2015年まで上昇相場となりました。
2015年には一時1900ポイントをつけたものの、2015〜17年は1700〜1900ポイントを前後するレンジ相場と相成ります。
レンジ相場が続くと非常に相場判断が難しくなりますが、2018年は上昇する見方が有力です。
2017年11月に底値の1620ポイントをつけ、その後は下げ渋ったことから2018年は再び1800ポイントを超えていくのではないかと見ています。
現に本記事の執筆時点(2018/4/22)のJ-REIT指数を観察すると、1月に100ポイント上昇し1770ポイントを記録しています。
その後下がったものの3月、4月で再び上昇してきています。
レンジ相場が継続であれば1800ポイントを超えてくるでしょうし、そのまま上昇相場に切り替わる可能性もあります。
テクニカル分析では今が底値と判断することができます。
(3)民泊投資の動向
Airbnbに代表される民泊サービスがホテル業界のみならず、不動産業界にも大きな影響を及ぼしています。
Airbnbは通常、自分が不動産から借りている部屋をゲストに又貸しするサービスです。
しかし、Airbnb専用にマンションを購入し、民泊専用マンションとしてゲストを集め、利益を得る投資が流行っています。
ゲストを招待する際に不動産を介さない分、投資家は多くの利益を得ることができます。
民泊投資の盛り上がりの裏には、訪日外国人の増加と宿泊施設の不足があります。
2020年東京オリンピックまではこの傾向が続くと予想されるので、2018年に新たに不動産投資を考えている方は民泊投資も選択肢に入るでしょう。
2、2018年不動産投資の注意点
2018年の不動産投資戦略を考える上で、重要なファクターを挙げます。
(1)東京オリンピック
2017年に引き続き、東京オリンピックによる建設ブームは大きな存在です。
前年に比べると建設ブームも一服してくるので建築費が下がり、新築物件がやや買いやすくなるとも考えられます。
ただし、2019年10月に控える消費税増税が実施されるならば、駆け込み需要を見越して売り出しが増える可能性も忘れてはいけません。
(2)2022年問題
1992年に「生産緑地法」が施行された土地が、2020年に30年の期限切れを迎えます。
生産緑地法により課税を免れていた土地が、そろそろ一斉に売り出されるのではないかと予想されています。
もし、2022年問題を背景に生産緑地が早めに売り出されれば不動産投資家にとっては割安で土地を買うことのできるチャンスとも言えます。
(3)シェアハウス投資
新たな賃貸マーケットを開いたシェアハウスが、ここ数年大きな注目を集めていました。
サブリース契約のため新規投資家が始めやすく、高い稼働率を維持できれば通常の賃貸住宅よりも収益性が高くなるのがメリットです。
しかし、2018年初頭にシェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズの投資トラブル事件が発生し、シェアハウス投資の危うさが浮き彫りになりました。
ウリである、サブリース契約の賃料を投資家に払えないと発表したのです。
流行りに乗った投資が、うまくいくとは限らない一例です。
不動産投資は、一般的な株式投資などより多額の資金を必要とするのでリスク管理は徹底的に行いたいです。
3、不動産投資物件の平均的な利回りはどのくらいか?
不動産の平均的な利回りを解説する前に、不動産の利回りには2種類あることを知っておきましょう。
(1)表面利回り
(年間家賃収入÷物件価格)×100
で表されます。
(2)実質利回り
{(年間家賃収入-年間支出)÷物件価格}×100
で表されます。
年間支出とは、管理費や税金、保険費用などです。
実質利回りの方が実態に沿った利回りなのでより正確な値を計算することができます。
(3)不動産投資家調査結果
以上を踏まえて、平均的な利回りを2017年4月に行われた不動産投資家調査結果で調べます。
人気の都内城南エリアの取引利回りは4.3%、他の地区も4.5%前後ですのでこのあたりが不動産の平均的な利回りと言えるでしょう。
4、3000万円の自己資金で投資できる物件は?
銀行の窓口にいくと、不動産投資は30%の自己資金で行うように勧められるのが一般的です。
従って、自己資金が3000万円ならば1億円ほどの物件に投資が可能ということです。
とはいえ、金融機関の融資環境次第では自己資金を使わずに物件を取得することも可能な場合があります。
ポイントは、物件の価値が実際の価格よりも高い物件を探し当てることです。
それならば銀行も納得し、自己資金がなくとも諸経費養分の現金で不動産投資をはじめることができます。
参考 通販大家さん
では、具体的なケーススタディとして、3000万円の自己資金で借り入れ無しで購入した場合を考えてみましょう。
(1)3000万円の自己資金のみで不動産投資
例えば、首都圏近郊の木造アパートであれば3000万円で購入することができます。
10戸で家賃を30,000円とするならば年間収入が
30,000円×10戸×12ヶ月=3,600,000円
となります。
つまり、自己資金による利回りは
360万円/3000万円 = 12%
となります。
続いて、借り入れをした場合を考えてみます。
(2)借り入れをした場合
自己資金3000万円に加え、3000万円を借り入れた場合、6000万円の物件を購入できます。
都内の築浅のマンション6戸を購入した場合を考えましょう。
月の家賃収入が
80,000円×6戸×12ヶ月=5,760,000円
となります。
従って、自己資金による利回りは
576万円/3000万円 = 19%
となります。
5、どれを選ぶ?さまざまなタイプがある投資用不動産
一言で不動産投資と言っても、さまざまなタイプがあることを忘れてはいけません。
代表的な不動産投資について解説します。
(1)一棟投資
ビルやマンション、アパートを丸ごと(全戸)購入する投資です。
効率的に管理もでき、空き室リスクも最小限に抑えることができるのがメリットです。
しかし、多額の資金が必要なので新規投資家は銀行からの融資が受けにくく投資ハードルが高いです。
(2)区分投資
いわゆる「分譲マンション」や「区分マンション」を購入、戸単位で投資を行います。
一棟投資よりも少額資金ではじめることができるので、初心者でも問題ありません。
しかし、空き室となってしまった際に無収入となってしまうので空き室対策を積極的に行う必要があります。
(3)戸建て投資
一軒家を購入して「貸家」として賃貸に出します。
中古物件扱いとなり、そもそも投資を目的とした価格設定となっていないので、経営次第では高利回りで運用することができます。
また、マンションと異なりトラブルのリスクも少ないのでAirbnb用の物件として運用もしやすいです。
一方で、購入した一軒家をリフォームする必要があるので初期投資に費用がかかるデメリットに注意が必要です。
6、資産運用の基本!不動産投資も分散投資でリスクヘッジ
投資の世界には「タマゴを同じカゴに盛るな」という言葉があります。
分散投資の大切さを説いたもので、不動産投資も例外ではありません。
具体的には、投資資金が3000万円ある場合ですと、3000万円の物件をひとつよりも1500万円の物件を2つ購入したほうがリスクは下がります。
マンションだけではなく戸建て物件を購入したり、ファミリー層だけではなく単身者向けの物件も購入したりしておくなど、あらゆるタイプの物件に投資することが望ましいです。
また、日本は地震の多い国ですので、全国各地に物件を分散して投資しておくのも有効ですし、発展途上国でまだまだ物価の安い国に不動産投資をするのも面白いでしょう。
もし資金に余裕があって、リスクを分散したいならば上記のようにあらゆる観点から不動産投資を行うことをオススメします。
7、現在の資金3000万円!レバレッジ効果?資金計画と投資プランを考えよう
自己資金3000万円に加え、借り入れ金を有効に活用した場合「レバレッジ効果」を得ることができます。
レバレッジとは「てこの原理」とも呼ばれ、少ない自己資金でも大きな投資効果を得ることができる仕組みです。
以下の表は自己資金3000万円、借り入れ金7000万円の投下資本利益率のケーススタディです。
資金調達方法 | 不動産価格 | 年間家賃収入 | 年間借入金返済額 | 年間収支 | 自己資金に対する利回り |
全額自己資金 | 100,000,000 | 8,000,000 | 0 | 8,000,000 | 8% |
自己資金 | 30,000,000 | 8,000,000 | 4,680,000 | 3,320,000 | 12% |
借入金 | 70,000,000 |
※金利3%固定、20年返済の場合
表のように、借り入れ金を有効に活用することで自己資金に対する利回りを上げることができます。
しかし、表のように実質の返済率以上の不動産の利回りを確保しなければ月々のキャッシュフローはマイナスとなってしまうので注意が必要です。
8、投資物件検索サイトオススメ5選
投資物件を探す際に、まずは自分で調べてみましょう。
以下のサイトがオススメです。
(1)at home
大手のスーモやホームズとほぼ同じですが、優良な物件が出回っていることもあります。
(2)LIFULL HOMES
CMでもお馴染みのホームズです。最大手だけあって物件数も多いです。
(3)楽待
収益物件の検索に加え、自分の希望条件を入力しておくと不動産業者から連絡がくるシステムになっています。
楽待コラムは、ためになるコンテンツも充実しているのでチェックしておいて損はありません。
(4)不動産投資連合隊
ホームズや楽待と比べるとややマイナーですが、それだけ穴場物件が掲載されている可能性もあるので本気の投資家は要チェックです。
ホームズや楽待と比べるとややマイナーですが、それだけ穴場物件が掲載されている可能性もあるので本気の投資家は要チェックです。
(5)健美家
最後になりましたが、不動産投資家ならば誰でも知っている健美家を紹介します。
地域、物件種類、利回りなど複数条件で物件をスクリーニングできます。
コラムも充実しているので積極的に活用しましょう。
9、実践方法は今人気の不動産投資セミナーで学ぼう
不動産投資は自分で調べるだけでなく、セミナーを受講するのもオススメです。
インターネットや本だけで調べるのは限界がありますし、不動産投資の現場で活躍している投資家の方々や販売会社の方々の話は非常に参考になります。
特に不動産販売会社の方とは仲良くなっておいたほうがオトクです。
希望にあった物件を探してくれるだけではなく、掘り出し物件もインターネットよりも優先的に紹介してくれる場合もあるためです。
不動産投資セミナーで活用しやすいのは以下の会社です。
おすすめを紹介します。
(1)アパート経営のシノケン
CMでおなじみのシノケンです。
創立27周年でJASDAQにも上場している、人気の不動産プロデュース会社です。
無料の資料請求で充実の冊子やDVDが送られてくるので、まずはもらっておいて損はありません。
(2)エターナル
東京で開催する不動産セミナーを運営する会社です。
平日だけでなく土日もセミナーを開催しているのでサラリーマンにはありがたいです。
(3)FaithNetwork(新築一棟)
元金融機関融資担当の蜂谷氏がセミナーを開催してくれます。
セミナー参加者には掘り出し物件の紹介イベントもあるので、興味のある方は積極的に参加しましょう。
(4)不動産投資の教科書
不動産投資に特化したキュレーションサイトです。
日々の勉強に役立てるだけではなく、自社で運営しているセミナーの案内もあるのでチェックしておきましょう。
10、オススメの不動産投資の雑誌・本3選
最後に、不動産投資のオススメの雑誌・本を紹介します。
(1)Excelでできる 不動産投資「収益計算」のすべて
2017年3月に発売したこともあり、最新の不動産投資事情も織り込んだ内容となっております。
特筆すべきは、EXCELを使った不動産投資の計算・管理方法です。
本としてまとめてあるのは珍しいので、初心者の方はぜひ手にとってみてください。
(2)週間東洋経済 不動産投資 サバイバル
ビジネスマンにはおなじみの週刊東洋経済です。
ビジネスや経済だけではなく、不動産投資についても度々特集が組まれます。
雑誌なので安価で購入できるので、気軽に読むことができます。
(3)2020年以後も勝ち続けるマンション戦略バイブル
2018年3月に発売された新著です。
東京オリンピックはもちろん、2022年問題なども詳しく解説、今後の動向を確かな理論で予想しています。
これから新しく、不動産投資をはじめる方におすすめの一冊です。
まとめ
自己資金が3000万円の方向けに、不動産投資のポイントをまとめました。
大きな資金をただ預金するのは非常にもったいないです。
株式投資や債権投資、外貨預金など運用方法は多く種類がありますが、何が起こるかわからない時代だからこそ、安定した不動産投資にも挑戦してみてはいかがでしょうか。