「安く買って高く売る」バリュー投資成功のために知っておきたい企業価値と株価の関係

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投資家のみなさん、順調に利益は上げられていますか?

なかなか思うように利益をあげることができていないならば、今一度バリュー投資成功のために企業価値と株価の関係について学ぶ必要があります。

投資の基本は「安く買って高く売る」ことです。

その基本に沿った投資方法がバリュー投資と呼ばれるものです。

バリュー投資では企業価値(バリュー)が実際の株価を上回っている時に株を買っておき、株価が企業価値に追いつく(値上がった時)に売却益を狙います。

バリュー投資を成功させるためには企業価値について理解する必要があります。

本記事では企業価値について株価、時価総額、評価方法などあらゆる視点から解説していきます。

バリュー投資を成功させたい方はぜひ読んでみてください。

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1、企業価値と株価

まず、企業価値と株価の関係について解説します。

企業価値は以下のファクターから測ることができます。

  • 事業価値
  • 金融資産

事業価値は企業の将来性と言い換えることもできます。

事業価値が高いほど安定した収益を生み続けることができ、長期的な繁栄が期待できます。

金融資産は企業が保有する金銭面的なリソースです。

単純に金融資産が潤沢であれば事業推進もスムーズに行うことができますし、不況となっても耐えることができます。

逆に資産ではなく負債の割合が多いならば企業価値としてはマイナスと判断できます。

では、株価はどのようにして決まるのかおさらいしてみましょう。

上場企業の株価は市場が決めます。

市場とはそもそも個人投資家はもちろん、機関投資家、アクティビスト、ヘッジファンド、外国人投資家など多くのプレイヤーが取引に参加し、各人の思惑で企業価値の高い株を買おうとしています。

この「各人の思惑」というのが投資を難しくしているのです。

単純に「企業価値=株価」とならないのはこのためです。

例えば、株をよく分からない素人が適当に株を買っても株価は動きます。

他にも、機関投資家がある銘柄に大量に買注文をいれ、あたかも企業価値が上がったと見せかけて他プレイヤーを誘き出す戦術も存在します。

もちろん上記の確認の思惑に加えて、市場には景気の良し悪しが必ずついて回るわけですから企業価値と株価は大きく乖離するのです。

現実にテンバガー銘柄(株価が10倍になった銘柄)がしばしば出現することが何よりの証拠とも言えます。

ここでわかることは、株価は企業価値を目指して動くということです。

市場のプレイヤーの誰しもが「安く買って高く売る」ことを念頭におくため、企業価値>株価となっている銘柄を追い求めるのです。

結果として、いち早く企業価値>株価となっている銘柄を保有できれば、値上がり益が見込めます。

逆に、企業価値<株価となってしまっている銘柄を買ってしまうと、暴落の危険があるので注意が必要です。

2、企業価値と時価総額

株価と似た言葉で、「時価総額」という言葉があります。

時価総額も企業価値と深い関係にあるので理解しておきましょう。

時価総額は以下のように算出されます。

時価総額=株価×発行済株式数

そもそも株価だけでは企業価値を測ることができません。

株価は企業によって大きく開きがあるためです。

超低位株は1株5円ですし、値嵩株では6万円など何百倍もの違いがあります。

そこで、株価だけで比較するのではなく、発行済株式数を掛けて時価総額とすることでより企業価値に近い数値にするのです。

株価の上下で企業価値を判断するだけではなく、時価総額の上下も含めて企業価値を判断するようにしましょう。

3、企業価値の評価方法

では、具体的に企業価値の評価方法にはどのような手法があるのでしょうか?

企業価値をズバリ定量的に表す指標は定義されていません。

事業価値は定量的に推し量ることができないためです。

そこで、以下の指標に注目し、場合によっては組み合わせることで企業価値に比べて株価が割安となっている銘柄を判断することになります。

(1)PBR : 株価÷(純利益÷発行済株数)

PBRとは「株価純資産倍率」と呼ばれるもので、銘柄の割安度を知ることができる指標です。

株価が1株あたりの純資産額の何倍になっているかを表します。

1倍ならば定価通りで、1倍未満ならば割安と言えます。

(2)PER : 株価÷1株あたりの当期純利益

PERとは「株価収益率」と呼ばれるもので、PERが低いほど利益に比べて株価が割安と言えます。

PERが10倍以下ならば割安とする判断する投資家が多いです。

(3)ROE : 純利益÷株主資本(=自己資本)×100

ROEとは「株主資本利益率」と呼ばれるもので、 ROEが高いほど効率の良い経営ができていると言えます。

ROEが10%を上回ると優良企業と判断できます。

(4)自己資本比率 : 自己資本÷(自己資本+他人資本)×100

自己資本比率が高いほど借金が少なく、倒産のリスクも低いので安定した経営が期待できます。

できれば自己資本比率が30%以上の銘柄が投資対象として望ましいです。

(5)PCFR : 株価÷1株あたりのキャッシュフロー

PCFRとは「株価キャッシュフロー倍率」と呼ばれるもので、1株あたりのキャッシュフローの何倍まで株価が買われているかということを示しています。PCFRが低いほど株価は割安であると言えます。

10倍以下が狙い目とされています。

上記指標を元に、企業価値>株価となっている銘柄を探し出すことがバリュー投資の基本戦術となります。

4、企業価値を高める方法とメリット

企業価値を高めるためにはどのような方法があるのかを知っておくことも大切です。

企業の取り組みから企業価値が今後上がっていくことを判断できれば、投資判断に役立てることができるためです。

具体的には以下の方法があります。

(1)収益の向上

企業が事業を推進していくためには収益の向上が不可欠です。

また、利益が多く発生する事業こそ事業価値が高いと言えるため、収益向上を目指して企業は事業に取り組むこととなります。

そのための施策の中身としては、売上高の向上だけではなく、顧客満足度の上昇や経費の削減、事業内容の見直しなどがあります。

(2)資産の効率的な運用

企業の保有する金融資産をどのように運用していくかも企業価値向上に繋がります。

得た収益を現金のままで保有するよりも金融資産に換えた方が、結果的にリスクが下がります。

投資家が貯金ではなく投資をすることと同じです。

企業の金融資産とは、投資先会社の株式であったり土地などの不動産です。特に、M&Aないし企業買収は大きく企業価値に影響が出ますので、事業内容と併せて追っていきましょう。

(3)企業価値を高めるメリット

企業価値を高めるメリットは以下があります。

①資金調達がしやすい

企業価値が高いということは信頼の高さに繋がります。

結果、銀行からの融資が受けやすいですし、ベンチャーならばVCからの出資も狙いやすくなります。

調達した資金で事業を発展させ、さらなる企業価値の向上につなげることが企業のミッションです。

②M&Aの交渉がしやすい

企業価値が高いとM&Aの交渉に有利です。M&Aはあくまで株価や時価総額ではなく、企業の将来性を重視するため企業価値の観点で評価されます。

近年だと、2017/11にCASHを運営する(株)バンクがDMMに70億円で事業を売却しました。

サービス開始から実質2ヶ月という異例の速さでM&Aに成功した裏には高い事業価値の存在があったのです。

5、企業価値向上の考え方と取り組み企業例

企業価値向上に取り組む企業を2社紹介します。

(1)丸井グループ

企業価値を「全てのステークホルダーの利益の重なり合う部分」と定義しています。

この重なり合う部分の拡大こそが企業価値の向上と謳っています。

施策としては、小売事業・フィンテック事業を主要事業と位置づけ「ROE 10%以上」「ROIC 4%以上」「EPS 130円以上」をKPIに掲げています。

特に、フィンテック事業は世界的に注目される事業領域です。

エポスカードの利用者拡大のみならず、クレジットカードビジネスのノウハウをサービス事業に応用し事業の発展を狙っています。

ご参考  丸井グループのめざす姿

(2)リコーグループ

企業価値について、さまざまなステークホルダーの期待に応え、以下を生み出しそれぞれの価値を高めることと定義付けています。

  • お客様価値
  • 株主価値
  • 従業員価値
  • 社会的価値

具体的な企業価値向上の施策として、構造改革・成長事業の重点化・経営システムの強化を挙げています。

中でも成長事業の重点化に関してはプリンタ事業の拡大および技術の進化を狙っており、リコーの強みを積極的に活用していることがわかります。

ご参考  第19次中期経営計画

6、バリュー投資の成功にはアクティビストがカギ

バリュー投資成功のために理解すべきファクターを解説しました。

近年では上記に加え、「アクティビスト」と呼ばれる機関についても理解が欠かせません。

投資の世界におけるアクティビストとは、いわゆる「物言う株主」と呼ばれるものです。

ある一定の株式を保有し、積極的に企業の経営陣に提言を行い企業価値の向上を目指します。

国内で今注目を集めているアクティビストは、投資会社M&Sです。

M&Sでは、投資先企業に対し、社会や株主の立場から戦略的関与を行うことで企業価値の向上を目指します。

設立した2016年以降、投資成績は他社を寄せ付けない高い利回りです。

2016年の年間利回りは45.26%、2017年の年間利回りは27.06%といずれも日経平均・NYダウなどの主要指標のパフォーマンを大きく上回っています。

時として物言う株主「アクティビスト」が社会において重要な役割を果たすことがわかりました。

まさに投資会社M&Sは、バリュー投資の成功例と言えるでしょう。

M&S

まとめ

バリュー投資成功のための企業価値について解説しました。

企業価値は明確な指標や基準が存在せず、どうしても個人の主観で判断せざるを得ません。

今回紹介したいくつかの投資指標や企業の例を参考に、自分だけの投資戦略を粘り強く考えましょう。

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太田 清比古(おおた きよひこ)
個人トレーダー・ファイナンシャルプランナー

学生時代から投資に目覚め、個別株・FX・投信・仮想通貨等手広く経験。
証券系のシステムエンジニアとして勤務する傍ら、独学でFPを取得。
余暇を利用しての投資の研究と実践を欠かさない。

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