株式取引には情報戦という側面があります。
最も早く情報を手に入れた人が、最も儲かるといっても過言ではありません。
そこで役立つのがインターネットの掲示板です。
スピードでは右に出るものはないでしょう。そうはいっても、誰もが匿名で自由に書き込める掲示板です。
内容を本当に信じていいのか疑問に思うかもしれません。たしかに玉石混交の情報をすべて真に受けては投資に良い影響を与えないでしょう。
この記事では、掲示板の活用法や注意点などを説明し、おすすめの掲示板を紹介します。
使い方に注意すれば、デイトレード、スイング、長期保有、どのタイプにとっても強力な武器になりますので、ぜひ参考にしてみてください。
1、株式掲示板の活用方法は?
インターネットには、個別株や株価指数先物などの各銘柄に関する掲示板が多数設置されています。
掲示板のすぐれた点は、情報をリアルタイムで手に入れられるというところです。
内容のほとんどは自慢話や負け惜しみ、煽り(自分が持っている銘柄の買いを誘ったり、売りをすすめたりすること、ポジショントーク)などが多く、参考になるコメントはごく一部です。
掲示板は主に次の2つの点において活躍します。
(1)ニュースに気づく
掲示板の利用者の中には親切な人もいて、「決算情報が公開された」「親会社の株価が上がっている」などのニュースを教えてくれることがあります。
このようなコメントが気づきを与えてくれることがあるのです。
面白そうな話があったら、情報元を探してみましょう。
そこで真偽を確かめ、その後の動きを予想します。
ある銘柄の価格変動を注視していると、他の情報に気づきにくくなることがあります。
掲示板は狭くなっていた視野を広げてくれるのです。
ただし、すべてのニュースを鵜呑みにしてはいけません。
あくまでも気づきを与えてくれるものと割り切って、最終的には自分でその情報の真偽や株価に与える影響などを判断する必要があります。
(2)雰囲気をつかむ
銘柄ごとに開設されている掲示板は、閑散としているものもあれば、次々にコメントが寄せられているものもあります。
盛り上がり具合で、その株式に関する市場の注目度をある程度は推測するのが、もうひとつの活用方法です。
ただし、盛り上がっている銘柄が必ずしも「買い」とは限りません。
かつて、ひとりの個人投資家が30人分ものアカウントを使ってコメントを偽装した事件があったように、顔の見えない掲示板では、誰がどのような思惑で発言しているのかわかりにくいという問題があるのです。
ひとつの見方としては、掲示板で盛り上げっているときにはもう遅い、と考えることができます。
例えば、自分が注目している銘柄の掲示板にひとつもコメントが寄せられていなかったら、どう考えるべきでしょうか。
少し心細くなるかもしれませんが、この場合は思い切って買いかもしれません。
誰も知らない割安優良銘柄を発掘した可能性があります。
逆に、買い方のコメントで盛り上げっている場合は、もう価格が上がり過ぎて、投資妙味が薄れていることが多いでしょう。
売り買いそれぞれの立場のコメントが交錯している場合は、価格が乱高下する予兆かもしれません。
ヘタに手を出したら火傷をする可能性があります。
掲示板は、煽りに注意してチェックすれば、市場の熱量を測る「バロメーター」になるのです。
2、掲示板活用のメリット・デメリット
掲示板は有効な情報ツールですが、その一方で使い方を誤ると失敗してしまいます。
メリットとデメリットを次のようにまとめました。
(1)掲示板を使うことのメリット
- 知らないことを教えてくれる(ただし、情報元は確かめる必要あり)
- 自分とは異なる視点で気づきを与えてくれる
- 情報が早い
- 市場の雰囲気をある程度は実感できる(これも、絶対ではない)
(2)掲示板を使うことのデメリット
- 基本的に信頼できないので、自分で裏をとる必要がある
- 使える情報とそれ以外との取捨選択には慣れが必要
- どうでもいい情報が多いので、見ていると疲れるし、時間を無駄にする可能性がある
3、人気株式掲示板4選
特に個人投資家からの人気が高い掲示板を紹介します。
(1)textream(テキストリーム)
YAHOO!JAPAN系列の大手掲示板サイト、それだけに利用者も多く、人気銘柄には1日1,000件ものコメントがつくこともあります。
株式掲示板を見るなら避けてとおることはできません。
日本の個別株だけではなく、米国株や投資信託などに関する掲示板も多くあります。
(2)市況実況板 5ちゃんねる
言わずと知れた巨大掲示板5ちゃんねる(2017年に2ちゃんねるから改称しました)の株式版、個別銘柄の他、急騰・急落銘柄や日経平均予想などの掲示板もあります。
(3)恐るべき注目銘柄 株速報
掲示板のレス数や騰落率などをまとめたランキングサイト、コメントの多さや出来高増減の激しさなどがひと目でわかります。
(4)株式語らい掲示板
サラリーマンから株式投資を通じて上場企業の大株主にまでなった咲き玉氏が管理しています。
ほとんどが本人のコメントで占めており、実質的にブログのような存在です。
4、知っていないと損をする!掲示板の注意点
掲示板を参考にすることの難しさは、「買い煽り」「売り煽り」が存在することでしょう。
自分が持っている銘柄の価格を上げたいがために買いを推奨する人もいれば、狙っている株式を買いやすくするために下げようとマイナスの発言する人もいます。
(1)買い煽り
例えば、次のようなコメントが買い煽りです。
- ◯円を超えた、次の目標は△円だ!
- 〇〇社が上がったし、△△も上がるかな
- 今の価格は適正な水準に比べて低すぎる
中には真剣に考えて発言している人もいるかもしれませんが、プロのアナリストでも難しい株価水準の判断を素人がしているわけです。
当てずっぽうの域を出ません。
(2)売り煽り
売り煽りとは次のようなコメントです。
- 何で◯◯社が買われているのかわからん
- 暴落は時間の問題だな
- 今の価格は適正な水準に比べて高すぎる
買い方の不安を煽って売らせ、株価を引き下げ、安く仕込む、または空売りで儲けるための戦略でしょう。
買い煽りや売り煽りには2種類のパターンがあります。
本当は買おう(売ろう)と思っているのに売り煽り(買い煽り)をする人と、本心から買い(売り)をすすめている人です。
前者は見ている人をだまそうとしているわけですし、後者にしてもポジショントークに過ぎず、信じるべき根拠は何もありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
掲示板から学べることはヒントに過ぎません。
答えをここに求めることは大変危険です。
参考の参考程度にとどめておき、大切な情報は企業のホームページや信頼できる媒体から得るのがよいでしょう。