
日本の株式投資において特徴的なのが「株主優待」。
株価の値上がり以上に、こちらを期待して投資を行っている、という方も多いかもしれません。
またその種類も幅広く、自社製品からクオカード、食品やカタログなど株主が喜ぶものを企業側も多く優待としています。
企業の優待を貰うためには毎年月末の「権利付き最終日」に該当株式を保有している必要があり、その制度に関してもしっかりと理解しておきたいところです。
そこで今回は、7月に株主優待制度を設けている企業およびその優待内容の紹介、そしてどうやったら株主優待を貰えるのか?ということについて詳しく見ていきましょう。
目次
1、2018年7月お得な株主優待銘柄9選
毎月多くの会社がバラエティに富んだ株主優待を出していますが、この項目では7月の優待の中でも特に魅力的な9社を紹介します。
(1)モロゾフ <2217>
- 株価:6750円
- 必要投資額:675000円
- 優待利回り:0.30% (2000円で計算)
- 配当利回り:1.48% (予想1株配当100円)
主な優待内容 :
- 100株ごとに20%割引券1冊(1冊10枚つづり)
- 100株以上保有で自社オンラインショップ優待20%割引
- 3年以上100株保有で2000円相当のモロゾフ菓子
会社URL:http://www.morozoff.co.jp/
(2)Dydoグループホールディングス <2590>
※権利付き最終日に注意
- 株価:6490円
- 必要投資額:649000円
- 優待利回り:0.46% (3000円で計算)
- 配当利回り:0.92% (予想1株配当60円)
主な優待内容 :
- 自社グループ商品の優待価格販売
- 100株以上保有で3000円相当の自社グループ商品(ジュース、ゼリー等)
会社URL:https://www.dydo-ghd.co.jp/
(3)丸善CHIホールディングス <3159>
- 株価:377円
- 必要投資額:37700円
- 優待利回り:2.65% (1000円で計算)
- 配当利回り:- (配当なし)
主な優待内容 :
- 100株以上保有で1000円相当の丸善商品券
- 500株以上保有で2000円相当の丸善商品券
- 2000株以上保有で3000円相当の丸善商品券
- 3000株以上保有で4000円相当の丸善商品券
- 4000株以上保有で5000円相当の丸善商品券
- 5000株以上保有で6000円相当の丸善商品券
会社URL:http://www.maruzen-chi.co.jp/
(4)鳥貴族 <3193>
- 株価:2532円
- 必要投資額:253200円
- 優待利回り:0.39% (1000円で計算)
- 配当利回り:0.39% (予想1株配当10円)
主な優待内容 :
- 100株以上保有で1000円相当の優待券
- 300株以上保有で3000円相当の優待券
- 500株以上保有で5000円相当の優待券
会社URL:https://www.torikizoku.co.jp/
(5)バルニバービ <3418>
- 株価:2668円
- 必要投資額:266800円
- 優待利回り:0.39% (1000円で計算)
- 配当利回り:0.39% (予想1株配当10円)
主な優待内容:
- 100株以上保有で食事券(2000円)または自社オリジナル商品(コーヒー豆・焼き菓子等)
- 300株以上保有で食事券(2000円) 2枚または自社オリジナル商品2セット(コーヒー豆・焼き菓子等)
- 300株以上保有で抽選で自社商品、当選しなかった場合は500円相当の割引クーポン(要申し込み)
会社URL:http://www.balnibarbi.com/
(6)ジャパンミート <3539>
- 株価:2276円
- 必要投資額:227600円
- 優待利回り:0.88% (2000円で計算)
- 配当利回り:0.13% (予想1株配当30円)
主な優待内容 :
- 100株以上保有で2000円相当の精肉関連商品
- 500株以上保有で3000円相当の精肉関連商品
- 1000株以上保有で5000円相当の精肉関連商品
- 10000株以上保有で10000円相当の精肉関連商品
会社URL:http://www.japanmeat.co.jp/
(7)東京楽天地 <8842>
- 株価:5440円
- 必要投資額:544000円
- 優待利回り:0.88% (2000円で計算)
- 配当利回り:0.13% (予想1株配当30円)
主な優待内容 :
「100株以上保有で映画招待券(株主カード)発行」
詳しくは公式サイトをご覧ください。
http://www.rakutenchi.co.jp/outline/stockholder.html
会社URL:http://www.rakutenchi.co.jp/
(8)スバル興産 <9632>
- 株価:6390円
- 必要投資額:639000円
- 優待利回り:-
- 配当利回り:2.26% (予想配当145円)
主な優待内容 :
- 100株以上保有で「有楽町スバル座」招待券6回分(2ヵ月ごとに2回)
- 200株以上保有で「有楽町スバル座」招待券12回分(2ヵ月ごとに4回)
- 300株以上保有で「有楽町スバル座」招待券18回分(2ヵ月ごとに6回)
会社URL:https://www.subaru-kohsan.co.jp/
(9)ながの東急百貨店 <9829>
- 株価:208円
- 必要投資額:208000円
- 優待利回り:2.40% (5000円で計算)
- 配当利回り:-
主な優待内容 :
- 1000株保有で100円分の買い物優待券50枚、1000株ごとに50枚増加
- 10000株保有で100円分の買い物優待券5000枚
会社URL:https://www.nagano-tokyu.co.jp/
(※それぞれのデータは2018年7月2日時点での情報)
2、7月の株主優待権利確定日までの流れを確認
株主優待を貰う場合は、その優待を貰う「権利」を、特定日に株式を保有することで得る必要があります。
その権利が付く日を「権利付き最終売買日」と呼び、権利確定日の4営業日前までに株式を購入しておく必要があります。
また補足として、権利付き最終売買日の翌日を「権利落ち日」と言います。
字の通り権株主優待を貰える権利がなくなってしまう日のことで、この日に株を購入してもその期の優待権はつきません。
では、7月優待の場合は具体的にいつが権利付き最終売買日となっているのでしょうか?
取りこぼしがないようにしっかりと日付を確認しておきましょう。
「2018年7月の株主優待」
- 権利付き最終日:7月26日(木)
- 権利落ち日:7月27日(金)
- 権利確定日:7月31日(火)
言葉だけ見るとややこしさを感じるかもしれませんが、要するに「権利付き最終日」中に株式を条件にあった数だけ購入・保有しておけば優待を貰える権利を獲得することができます。
また一般的には権利確定日は月末となっていますが、例外として権利確定日が15日、20日といった日に設定されている銘柄もあることに注意してください。
今回紹介したものの中では、Dydoグループホールディングス <2590>の権利付き最終日が7月17日、権利確定日が7月20日となっています。
各社HPの「株主優待」のページや、各証券会社のデータから株主優待の情報は簡単に確認できますので、今月以外も株主優待を狙いたいという方はそういったところをチェックしてみてください。
3、優待銘柄の買い時のポイント
株主優待はいわば「株を保有しているだけで貰えるプレゼント」のようなものです。
そのため権利付き最終日に買って権利落ち日にすぐ売るという個人投資家も多く存在しており、その売買動向が権利落ち日の株価下落を引き起こすケースが見られます。
例えば今年6月末に権利確定日を設定していた、すかいらーくHD <3197>の日足チャートを見てみましょう。
ファミレスの飲食代割引カードが貰え、個人投資家に非常に人気の高い株主優待となっています。
(2018年7月2日 すかいらーくHD <3197>日足チャート)
もちろん全ての銘柄がこういった動きをするわけではありませんが、優待銘柄を買う際はなるべく前に仕込んでおく必要があります。
相場全体が大きく下落したタイミングや、もしくは逆に権利落ち日に株価が下落したタイミングで次の権利確定日を見込んで株を買うのが大事になってくるでしょう。
株価の下落を気にせず優待だけを狙って長期投資をする方も多いですが、株価が気になる方はいつ買う・売るかが“重要“です。
優待で折角リターンを得ても、株価の下落で含み損を抱えてしまうと勿体ありません。
長期保有が目的でない場合は過去の優待銘柄のチャートの値動きから権利落ち日の値動きを予測してみてください。
4、権利取り直前に株価が上がる特徴と注意するポイント
先ほども書いたように、権利付き最終日前には株主優待目当ての買いが入り、株価上昇が起きることが多々あります。
特にマネー誌に掲載されるような人気銘柄や優待利回りが高いもの、クオカードのように使いやすいものを優待に設定している企業の株価は上がりやすい傾向にあります。
また優待銘柄を購入するにあたってのテクニックとして、「優待クロス」というものがあります。
現物で買い、同値で信用売りをするという方法です。
これなら株価の上下は買い・売り両方で打ち消しあいプラスマイナスゼロ、優待がタダで手に入るという寸法になっています。
この方法は「つなぎ売り」と呼ばれたりもしています。
ですが、これも万能なわけではなく、取引手数料が通常どおりかかることに加え、制度信用で売りをした場合「逆日歩」という手数料が優待の還元額以上にとられる場合があります。
優待クロスのデメリットが起きやすいのは先に挙げた「すかいらーく」のような使いやすい優待を設定している銘柄です。
飲食店で使えるもの、優待利回りが高いものは「権利落ち日の株価下落」「優待クロス時の逆日歩」といったリスクが出てくることに注意しておきましょう。
5、株主優待を日々の生活に取り入れている投資家のブログ
最後に、株主優待を実際に日々の生活に活かしている方たちのブログを紹介します。
株主優待で生活と言うと桐谷広人さんがメディアなどで有名になっていますが、あのレベルでなくとも優待をうまく活かしている方は思ったより多く存在しているものです。
この記事をお読みになっているあなたも株主優待を上手く利用することで、日々の生活に役立てていきましょう。
(1)The Goal
株主優待のみでなく、資産運用にあたっての節税方法や経済・マーケットの情報を広く取り扱っているブログです。
リンク先の記事は7月の優待に関するものとなっていますが、マネーに関する記事が多く掲載されており、一見の価値があるでしょう。
(2)少額個人投資家しゅんたの株式投資のお勉強
年間を通して多くの株主優待を受け取っている方のブログです。
IPO投資、優待株に関する記事が多くなっており、個人投資家向けのブログと言えます。
(3)三十路独女のドケチ&シンプルライフな日々
インパクトが強いブログタイトルですが、節約&貯金&投資をコツコツと行われており、その姿勢には学ぶものが多いでしょう。
お金を貯めるコツの一つは固定費を削減し、徹底して支出を減らすことです。
具体的にそれをどう行えばよいかを教えてくれるブログです。
(4)老後マニアの配当金への道
毎月株主優待に関する記事を更新されていらっしゃる方のブログです。
保有銘柄の中には含み損となっているものもあるようですが、優待投資のそういった側面もリアルに書かれており勉強になるでしょう。
(5)アラフィフ50代の暮らしを楽しむブログ
「10万円以下で購入可能な優待銘柄」「主婦におすすめの銘柄」など、様々なターゲットに向けて色々な記事が書かれています。
初心者から中級者まで、見えていなかった知見を得られるブログになるはずです。
まとめ
今回の記事では7月のおすすめ優待銘柄とその入手方法について見てきましたがいかがでしたでしょうか。
優待銘柄において大事なのは購入タイミングと保有時期です。
リターンだけでなく、リスクもしっかりと理解したうえで売買を行うようにしましょう。