金融機関にお金を預けておいても、ほんのわずかな利子しか付かないこの時代、株式投資をして少しでも儲けたいと思いませんか?
株式投資は、失敗すると損失が大きくなるため心配に思う方もいるでしょう。しかし、株式投資のリスクを把握しきちんと備えをしておけば、損失を抑えたり利益を出したりすることができます。
この記事では、株式投資で儲かる方法とリスクを回避する方法について解説します。
株で儲かる仕組みは3つ
株で儲かる仕組みには、大きく分けて「値上がり益」「配当金」「株主優待」があります。しかし、株は必ずしも儲かるとは限らないため、慎重に投資しなければなりません。
まずは、株が儲かる3つの仕組みについて解説します。
値上がり益
値上がり益とは、買い付けた株式が値上がりし、売却することで得られる利益(キャピタルゲイン)のことを言います。株価は日々変動するため、安くなったときに購入し高くなったときに売却すれば、値上がり益を得ることができます。
しかし、株価は自分が考えた方向に動くとは限りません。短期売買を繰り返すと株価が逆方向に動き、失敗することもあり得ます。
株式投資を始めて行う方は、長期的な視点で投資した方が損失を出しにくいです。株価が安くなったら買い、じっくりと値上がりを待って売れば、値上がり益を得られる可能性は高くなります。
株式投資に慣れた人は、短期で取引する方法もありますが、株価は予測した通りにはなかなか動いてくれるものではありません。そのため、短期取引はリスクが伴うので、初心者は避けた方が無難です。
また、株を購入した会社が倒産した場合、株券はただの紙切れになり、投資したお金はすべて失ってしまうケースもあることを覚えておきましょう。
配当金
配当金とは、企業が得た利益の一部を株主にお金で還元することを言います。
株を保有していると、企業は利益の一部を配当金として株主に還元する場合があります。通常、企業は決算期に合わせて配当金を支払います。例えば、1株50円配当された場合、100株保有していると5,000円受け取ることができます。
配当金の金額はそう大きくはなく、またすべての会社が行っているわけではありませんが、株を保有しているだけで得ることができる収益(インカムゲイン)です。また、配当金狙いの株式投資でも、タイミングが合えば売却して値上がり益を得ることができます。
ただし、企業の業績が悪化したような場合には株価が値下がり、損失を被るだけでなく無配当になる恐れもあります。
株主優待
株主優待は、株式保有者に対して、自社商品や優待券、お米、地域の名産品などのお礼品を配するものです。株主優待を受けるためには、株主の権利が確定する権利確定日に株式を保有している必要があります。
なお、株主優待も配当金と同じくすべての会社が行っているわけではありません。近年長期間保有する株主に対して優待内容を高めている会社も多く、株式を保有する大きな目的の一つになっています。
株で大きく儲ける投資方法は?
それでは、株で大きく儲けるにはどうすれば良いでしょうか?ここでは、3つの方法に分けて解説していきます。
レバレッジをかけて投資する
株式投資を行うメリットの一つは、レバレッジ(てこの原理)をかけて投資できることです。レバレッジとは少ない資金で大きな金額を取引できることをいい、信用取引(※)では元手資金の約3倍まで取引できます。
したがって、少ない元手で大きな利益を得られる可能性はありますが、失敗した場合は元手以上の損失を被ることもあります。そのため株式投資の手法に慣れていない初心者にはおすすめできません。
※信用取引:証券会社に、現金や株式を預け、それを担保にしてお金を借り、株式の売買を行う取引のこと。担保額の3.3倍まで取引が可能で、買い付けだけでなく、株券を借りて株式を売却する方法からも始められます。なお、借りたお金や株式は一定期間内に返さなければなりません。そのため、リスクの高い取引といえるでしょう。
IPOを購入する
IPOとはInitial Publc Offeringの略称で、新規公開株のことです。上場していない企業が資金の調達をするために新たに上場し、不特定多数の投資家に株式を公開することです。
IPO銘柄は初値が公募価格を上回る場合が多く、大きく儲けられる可能性が高いです。売買に必要な知識がなくても投資できるため、初心者でも儲けやすいといえるでしょう。
ただし、IPOは人気が高いため、抽選で購入者を決める場合が多く必ずしも購入できるわけではありません。
株主優待や配当金と同時に値上がり益を狙う
先ほどお伝えしたように、株主優待や配当金狙いは確実性の高い投資手法だといえます。しかし、その分大きな利益を得ることは難しい方法です。
そのため、さらに利益を得たいと思う方は、同時に値上がり益を狙うスタンスが良いでしょう。株価が低いときに仕入れ株主優待や配当金を得ながら、値上がりしたタイミングを見て売却できれば、さらに利益を得ることができます。
株価が大きく上昇することもあるため、大きな利益を出すことができる方法です。
株式投資の3つのリスクを押さえておこう
株式投資は、うまくいけば利回り10パーセント以上の利益を出すことも夢ではありません。しかし、大きな利益を得られる可能性がある反面、さまざまなリスクがあるため、慎重に投資しなければなりません。
ここでは、株式投資におけるリスクを3つに分けてお伝えしましょう。
株価の下落リスク
株価の下落リスクとは、株価が下落して損失を被ってしまうことです。株価は企業の業績や情報が良ければ上昇し、悪ければ下落します。現在の業績が良好であっても、将来が悪くなる予想や会社の悪い情報が出たりすると、株価は値下がりします。
低い価格で購入した場合はまだ良いですが、高値掴みをしてしまった場合には、損失を覚悟しなければなりません。株式投資の元本は保証されていないため、株価が下落すれば損失を被るリスクは高くなります。
企業の倒産リスク
企業の倒産リスクとは、株券の価値がゼロになることです。企業の業績が悪化すると株価は下落するとお伝えしましたが、最悪の場合には倒産するということを念頭に置かねばなりません。
倒産した場合、株券の価値はなくなり、投資した資金は戻ってきません。株価は企業業績だけでなく、景気や金利、政治の動向など企業を取り巻く環境により変動します。したがって、常に株式に与える影響を把握しておく必要があります。
流動性のリスク
株式投資における流動性リスクとは、売買が少なくなることにより取引が成立せず、売りたいときに売れない、買いたいときに買えないことを指します。企業が上場廃止になるような場合には、まったく値が付かず売却できないということも起こりえます。
そのため、会社の経営状況を常に把握し、証券会社のサイトや新聞で株式の取引量が減っていないかどうかチェックしておく必要があります。
リスクを回避するための4つの方法
ここまで、株式投資の3つのリスクを紹介してきました。続いて、これらのリスクを回避するための方法について解説します。
株式投資はミドルリスク・ミドルリターンと言われることが多いです。リスクは少なからずあるため、安全に取引するためには、リスクを回避する方法を講じる必要があります。
複数の銘柄に分散投資する
複数の銘柄に分散投資をすることは、各リスクへの対策につながります。一つの銘柄に資金を集中して投資すると、その企業の業績が悪化したり問題が発生した場合に、株価が急落したり上場廃止・倒産したりするなどして、大きな損失を被ることもあり得ます。
一方で、資金をいくつかの銘柄に分散して投資すれば、集中投資ほど大きなリターンは望めにくくはなりますが、一つの銘柄で損失を被っても、他の銘柄でカバーすることが可能になり、リスクヘッジにつながるのです。
何回かに分けて投資する
株価の下落リスクに対応するには、購入するタイミングをずらしたり、毎月定期的に積み立てたりするなどの方法で購入時期を分散することが効果的です。
株で勝つ方法は、ある意味単純で、安いときに購入し高くなったら売ることです。しかし、安いと思ったときに必ずしも底値ではなく、どんどん価格が下がってしまうこともあります。そのようなケースでは、大きな損失を被ることもあります。
そこで、購入するタイミングを分けると、買値が平均されるため、大きな利益は得にくくなりますが、損失は抑えやすくなります(ドルコスト平均法)。株価が上昇した局面で売却すれば、利益を得ることが可能になります。
損切りルールを徹底する
損切りとは、損失がまだ少ないときに株を売却し、損失を最小限に抑えることです。損切りすることで、株価の下落リスクや企業の倒産リスクに備えることができます。
安いと信じて購入した株が下がってしまった場合、人間の心理として「そのうちまた上がるはずだ」と思い込みがちです。しかし、上昇することなくさらに株価が下がってしまえば、大きな損失を抱えることになります。
そのような失敗を犯さないためには、損切ラインを決めて投資することが重要です。一般的には、買値から5パーセントから10パーセントほど下がったら、損切りすべきタイミングと言われています。そして、損切りルールを徹底することが、株で勝利するための鉄則の一つです。
損切りルールをきちんと守って早めに損失を確定すれば、損失を小さく抑えることができ、次のチャンスが来た際にタイミング良く投資できるからです。
また、損失が拡大した株を長期間保有したままにしておくと(塩漬けと呼びます)、十分な投資資金を持っていない方は他の株を購入する資金的な余裕がなくなってしまうため、投資のチャンスを失うことになりかねません。そういった意味でも、損切りルールを徹底することは重要なことです。
流動性の高い銘柄を選ぶ
流動性が高い銘柄は取引量が多いということなので、売りたいときに売る、買いたいときに買うチャンスは高いといえます。一方、流動性の低い銘柄は売買チャンスが限定されるため、損失が拡大することにもなりかねません。
したがって、ジャスダックやマザーズよりも、出来高の多い一部または二部上場銘柄を選んだ方が無難だといえます。流動性は売買が成立した株数を表す「出来高」でわかりますが、新聞の株式欄やインターネットの株式サイトで確認することができます。
株以外で儲ける方法
これまで、株で儲ける方法やリスク、リスクヘッジについてお伝えしてきました。もちろん、投資方法には株以外にもさまざまなものがあります。代表的な投資方法をまとめると、下の表のものがあります。
リスク・リターン | 投資手法 |
---|---|
ローリスク・ローリターン | 預金・外貨預金 債券投資(国債・地方債・社債) 確定拠出年金 投資信託 金投資 アンティークコイン |
ミドルリスク・ミドルリターン | 投資信託 REIT(不動産投資信託) 株式投資 iDeCo(個人型確定拠出年金) ヘッジファンド 不動産投資 |
ハイリスク・ハイリターン | FX 仮想通貨 |
この中でも、ローリスク・ローリターンの代表として債権を、ミドルリスク・ミドルリターンの代表としてヘッジファンドを、ハイリスク・ハイリターンの代表としてFXを解説しましょう。
債権
債券は、ローリスク・ローリターンの代表的な投資方法です。最も安全だといえる国債と地方債、そして企業が発行する社債などがあります。
債券投資は、国や企業にお金を貸し、借用書として債権を受け取ります。そして、債権の満期である償還日に額面金額が払い戻されるという仕組みです。償還日までの決められた利払い日には利息の支払いだけを受けることも可能ですが、最終的には利息と額面金額の支払いを受けます。
特に国債は元本保証であり、低リスクでありながら金融機関にお金を預けておくよりも大きなリターンを期待できます。債券投資は、低リスクの投資をしたいと考えている方におすすめできる投資方法です。
ヘッジファンド
ヘッジファンドは、投資信託のように投資会社のプロに運用を任せられる商品です。
ヘッジとは「回避」を意味することばですが、ヘッジファンドは市場の下落局面でもリスクを回避し、絶対的な利益を追求します。ファンドマネージャーらが経験と知識を駆使して運用を行うため、年率10パーセントや20パーセントといった高い利回りを実現できる可能性があることがメリットです。
投資信託とヘッジファンドが異なる点は、投資金額が大きいことや、株式などに加えて金融先物商品などを対象にすることなどが挙げられます。
最低投資金額はヘッジファンドによって異なりますが、1,000万円が一般的だといえます。高めなので、比較的資金がある人に向いている投資方法でしょう。
また、投資信託ではTOPIX等をベンチマークに設定し、それを上回る「相対的収益」を目標にすることが一般的です。一方のヘッジファンドは、どういった相場でも利益を出すという「絶対的収益」を追求します。
ヘッジファンドは情報を公開していない会社が多いため、投資家の方々にとっても選びにくいかもしれません。例えば、おすすめのヘッジファンドにはアクティビスト投資を行っているJapan Act合同会社があります。
アクティビスト投資は、割安で放置されている株を購入し、株主として経営陣に提言を行って企業価値を高めることにより、株価の上昇を狙う投資方法のことです。Japan Actではアクティビスト投資によって、平均利回り10パーセント以上となる高いパフォーマンスを出しています。
原則として最低投資額は1,000万円ですが、500万円から投資を始め少しずつ増やすことも可能です。詳しくは公式ホームページを確認して、投資したい方は面談を予約すると良いでしょう。
FX
FXはForeign Exchangeの略称で外国為替証拠金取引を指し、為替変動によって収益を上げる投資方法のことです。
FXの特徴の一つとして、レバレッジが挙げられます。これは、自分が持っているお金以上を投資することができ、最大で25倍まで運用することが可能です。そのため、運用している資金の何倍ものリターンを得られる可能性がある一方で、同様に何倍もの損失が出てしまう可能性があるのです。
そのため、FXはハイリスク・ハイリターンの代表的な投資方法だということができ、初心者にはおすすめできない投資法です。大きなリスクを取ってでも大きく儲けたいと考える方には向いた投資方法です。
まとめ
株で儲けることは、そう簡単なことではありません。ただし、リスクヘッジをしっかりと行い、長期的な視点に立って慎重に投資すれば、儲けられる可能性は決して低くはありません。
株で利益を出すためには、なんといっても継続的に投資の勉強を行うことが大切です。株式投資の基本や投資技術を学ぶことで損失を減らし、着実に儲けを得ることができるでしょう。
ただ、会社員の方のように本業が忙しく、投資の勉強をしている時間が思うように取れないという方も多いでしょう。そういった方は、投資のプロに運用を任せて利益を出してもらう方法もおすすめです。今回紹介したヘッジファンドなどを選択肢の一つとして検討してみてください。